単純に2つのシステムを使えば、そりゃぁ危険が半分に、リスクは半分になるような気がするけど、決定的に安全にはならない。
例えば1系統で作業していて、それをチェンソーとかで切っちゃえば、そのまま落ちるから、それの対策としてもう1つシステムを使えば良い、と言う訳ではないと思う。
フォールプロテクションとしては、二重の対策をしてるかもしれないけど、決定的にプロテクションになっていない。
多くのワーカーは、ハーネスのブリッジを
使ってターミネーションしてるけど、
そのブリッジが1系統で、
ソコに2つのシステムを点けるだけでは、
ソレはフォールプロテクションを二重に
しただけであって、ソレは2系統だけど、
ちっともフォールアレストにはなってない。
2系統ってそういうコトじゃないと思う。
同じブリッジから2つのシステムが点いた
冗長系リダンダントシステムだ。
むろんリダンダントが悪い訳じゃないけど
ソレはバックアップになってる訳じゃない
ってことは、決定的に安全になってない。
バックアップは独立してないと、バックアップって呼ばないと思う。
1系統がダメになった場合、もう1系統が機能しないとバックアップと呼ばない。
冗長系リダンダントシステムでは、決定的地上に落ちないけど、落下のエネルギーを相殺してくれないので、ダメージは身体に残る。その場合バックアップと言えないと思う。
見た目だけで落下の対策になってるような気がするだけで、それはバックアップとして機能していない2系統システムで、ソレは面倒臭いシステムってだけだな。
人的要因で、自分のシステムを切っちゃうようなミスは防げるような気がするが、実際に樹上でふらついて、危ない!ってハンドルを強く握ってしまって、急に回転が上がりキックバックとかしたら、両方一遍に切っちゃうんじゃ無いの?
システムは2系統有ったとしても、ソレが繋がってるブリッジは1本なら、本当の2系統にはなってない。
ターミネーションしているポイントが1カ所だけだからな。
2つのシステムが見えるけど、そのターミネーションは1つじゃ無いの?
そのブリッジ切っちゃったらオシマイじゃ無いの?
2系統のシステムが残って、身体だけ落ちるんじゃ無いの?
だから最近のブリッジハーネスは、ダブルブリッジで、デュアルシステムにすることを進めているのだと思う。
シットハーネスの落下に対するPPEとしてEN813としては有効だと思う。
でもダブルブリッジだって、デュアルシステムだって、結果EN813で同じ所から出ていれば、その同じ所を切っちゃう事だってあると思う。
だからEN361の胸部や背部のアタッチメントポイントを使う方が有効だと思う。
着いてる所が違えば同時にその2カ所を切っちゃうことはそう多くないと思う。
だから作業にも邪魔になり難い、胸部や背部に、普段荷重していない独立したバックアップシステムを点けるべきだと思う。
作業にしても、同じ所に2つシステムが有ると、邪魔だしなかなか鬱陶しい。
目の前がガチャガチャしてると間違いやすいし、作業量も増える。
私が言ってるP&Bシステムは、基本的にメインで荷重しているポイントは、腹部アタッチメントポイントEN813で1系統、
姿勢制御のためのポジショニングで、側部アタッチメントポイントEN358で1系統、
バックアップはその2つと全く違った加重しないシステムで、胸部や背部のアタッチメントポイントEN361で、完全に独立したバックアップ、万が一の落下エネルギーを吸収してくれるフォールアレストになってた方が、良いと思う。
作業だって、同じ所から2つシステムが出てると鬱陶しく感じるけど、別々なアタッチメントポイントで目的がそれぞれ違う箇所であれば、初心者にも判りやすいし、間違い難いと思うんだけどなぁ。そんなに鬱陶しく感じ無いけどなぁ。
だからフルボディハーネスの方が有効的だと思うな。
今までシットハーネスだけで作業していた人は、作業量が格段に増えて、ただでも厳しい姿勢で手っ取り早くタスクをこなしたいかもしれないけど、だいたい厳しい作業を安定した姿勢で行なうためのワークポジショニングだし、そのためにシェアリングやデュアルのアンカーポイント知識が必要だし、EN813で懸架され、EN358で姿勢制御し、EN361でバックアップするってことは、今の所私の中でもの凄く理に適ってるし、チェックするポイントが分散している方が間違え難く、トラブりにくい。
全部繋がってると思う。
懸架のフォールプリベンションも、ワークポジショニングも、フォールアレストも、全て別々に考えて、整理つけた方が初心者には伝わりやすいと思う。だから始めからソレでスタートした方が良いと思う。
何年か樹上作業していて、一通りことが出来る人は、急に面倒臭く時間がかかることになって毛嫌いするけど、初心者にこのP&Bシステムの本筋とそのロジックを伝えると、何の抵抗も無く吸収してくれる。
そうやって始めた人は、次々と自分のスタイルを確立して、メソッドに取り入れれば、始めはトロいけど、どんどんスピードアップしてくるね。
確実にノットやスローを勉強しているね。
ノットやスローをプラクティスしない人が、特に面倒臭がるね。
変に出来る!っていう自信がある人は、なかなか今までのセオリーをぶち壊せないから、なかなか巧く出来ないみたいだね。スクラップ&ビルド出来ないね。
間違えたくないから、トライ&エラーも出来ないね。
みんな学ぶときは学んだ方が良いよ。今までの方法が適していなければ、ソレをぶち壊さないと新しい世界には行けないよ。
ただでも面倒臭いことが二倍になると考えずに、それぞれ別な考えを取り入れるんだよ。
全部繋がってるから、都合の良い道具とか部分だけ取り入れても破綻するよ。
全部繋がってるんだよ。
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