2014年11月28日金曜日

2 on 2 Distel (Tautline Hitch)




先日のBlueWater Ropesの
VT Prusikをいろいろ試している中で
古いヒッチだけど、新しい使い方的な
フリクションヒッチが出来た。
(ひょっとしたら、そんなの当たり前でしょ!
的なモノかも知れないが、
自分的には結構な発見でその備忘録っうワケで)




VT PrusikでDistelはどうも
喰いすぎる感じなので
何とかならんかなぁ、っとやってるうちに
下のラップを二重にしたらどうでしょう、と
いわゆる3 on 2の形にしてみた。

まあ、当然ながら、余計効きすぎるのだが、
そこで上のラップを減らしてみた。




するとどうでしょう!
これが中々なモンでけっこう塩梅がいい。
効きもそれほど落ちず、
リリースもスムーズになった。
このコードでこのヒッチはイイのかも?
いわゆるトートラインヒッチの形だが
両末端を確保する所が違う。
スラッグテンダーでフェアリードする時
ちょっと邪魔になる感じだし、
荷重前のドレッシング条件や
ファインチューンの必要があるけど、
2 on 2 Distel いけるかも?




Asymmetric Prusikってぇのは、Wrapがアシンメトリーという意味で、2ラップでも3ラップでもPrusikはシンメトリーということ。
それが3on1とか上下のラップ数が変化することで、アシンメトリーということだろう。
フレンチブレードも一緒だけどフリクションヒッチの場合、巻き付けるラインとヒッチコードの径の関係と、いかにラップを殺してフリクションを生むかがテーマなので、必要に応じてラップ数を変える。
そのこと自体がAsymmetricで末端をどっち側に出すかでSchwabischとDistelの違いになる。
基本的には2ラップのプルージックの末端を逆に出すことで 2 on 2 Distel になるが、この場合はSymmetric Prusikと呼んでいいものかどうか?

変な話、1ラップでシンメトリックならガースヒッチになるし、その一方の末端を逆側に出せば、クローブヒッチになる。そしてクローブヒッチの非荷重側のラップを増やせば、Distelになる。


いや~、ノットは奥が深いというか、自分の知恵が浅かったのか?、こういうことを考えていると、夜が更けるのは早い。

2014年11月27日木曜日

カシラダカ



久々というか半年ぶりの出会い。
カシラダカ。
この辺りは渡りの時期に
一瞬しか合えないので、
見つけると嬉しくなります。


2014年11月17日月曜日

VT Prusik

VT Prusik




後付けで調べたら
ブルーウォーターロープスという
元々はケビングロープから発展した
キャニオニングを得意とする
アメリカのメーカーなんだけど、
実は、存在も知らなかった。
そこのVT Prusikという
商品がAHSで売られていた。


VT Prusik とは聞き捨てならんゾ、8mmのE2Eだゾ、しかもテクノーラだゾ、バスケットで28kNだゾ、と中の取り説を見せて欲しいとお願いし、買うことを条件に空けてみせてもらいました。(買ってからでも同じことだけど、必要無かったら何とかゴネて返しちゃおうと思ってたのでステープルを丁寧に外しました。)
キャニオニングのために作られた商品のようだけど、ツリー・ロック・ケイヴ・懸垂下降やレスキューにも向いている、らしい。
スーパータフ耐熱アラミドテクノーラ(強そうだ)のシースで、コアはナイロンのカーンマントル。アイの縫製もテクノーラで編んでいるようだ。



そして、取説にはその名の通り
ValdotainTresseのタイイング、
更にはご丁寧にアンンシンメトリー
プルージックとして
SchwabischとDistelまで
解説してある。




持った感じユルくしなやかで、
コシが無いふにゃふにゃな感じ。
記憶している限りのE2Eprusikで
カーンマントル構造の物は無い。
おそらく強度的には関係がなく
ホローブレイドでも良いくらいで
断面の形を維持するためのコア
的な存在の気がする。

以前5/16のIce Tailの太さがイヤで、ホローブレイドの芯にストランドを入れ込んで使っていたことがある。そんなニュアンスなのかなぁ。




そしてとりあえず、
判らないものは剥いてみる。
ということで、ほじくってみた。
シースは12ブレイドのアラミド。
コアは3撚りの編まれていない
ナイロンのストランドが4本と
条件テープと黄色のポヤポヤ
やはり芯は強度に関係なさそうだ。





そして面白いのが、アイ部分。
Plasti Dip的な何かで固めていて
アイだけ明らかに質感が違う。
大きい割にキツめでカラビナが
回ることはなさそう。
コアだけでスプライスした
ウルトラテックも最初はそうだけど
使ってるうちにグダグダに
なってきそうな予感もある。




ファーストインプレッションとしては
まあ、長さの関係もあると思うが
その名の通りVTに向いてる感じ。
(AHSでは32in.という長さしか無かった)
取説にあるアシンメトリープルージックの
SchwabischとDistelはしなやかな分
喰いが良すぎて機動性に欠ける感じ。
網が密なのにゆるい感じがして
8mm表記の割に太く感じる。
ソウンアイの固い部分もヒッチクライマー
プーリーを使えば邪魔しない位のサイズ。

けっこういいかもしれないゼ。




AHSではツルシで色々なものも売っていた。
E2Eプルはツリーワーク専用という
印象を持っていたが、
他にも需要があるようだ。
そして、これが、$14.75
更にRTR割引で$12.53。
先日のsingingRockといい、
何か最近新しくて安い
E2Eに出会うことが多い。
おそらく他のプルージック用途でも
E2Eにメリットがあると思われてきたのか?
何にせよ嬉しいことです。


2014年11月12日水曜日

久々のクマゲラ



10月は殆ど家にいなかったので
季節の移ろいを実感することもなく
秋の良い時を見逃した感じだった。
そして鳥達もすっかり冬パターン。
朝夕にクマゲラが現れはじめた。
それにしても、家の前で
でかいゲラに会えるというのは
贅沢な環境に感謝。


2014年11月11日火曜日

PINTOプーリー


大好きなプーリー。
ヌメッとしたエッジが丸みを帯びた
素敵なフォルムが魅了する。
このプーリーの大きな特徴でもある
プーリー下のコネクションですが
スリングやコード・カラビナ等
いろんなものがアタッチできるスグレモノ。
倍力を組んだりするのにとても有効。



そこで先日ここにリボルバーを入れて
自己のミニマムレスキューシステムに
しようと思い試験してみました。

しか~し、PINTO Rig PL120には
スクリューリボルバーが入らな~い!
というか回らな~い!
リボルバーのプーリー部分が
下を向かないことには意味な~い
もちろんオートロックも入らな~い!



DMMはいろんなものがユニバーサル的な姿勢でプロダクトされているからもちろん入ると思っていた。
先日KEMの方に会う機会があり、その時聞いてみましたが、「あれ?入らないんだっけ?」って担当者も不思議がっていました。
その後にも何人かにこの話をしましたが、皆「あれ?」ってなってました。
そしてAHSで担当の方に言ってみてたら「Nice Idea!」っていわれて、嬉しくなって思わずワイヤーゲートのリボルバーを買ってしまいました。

ふっふっふっ、これでランヤードになったりサブシステムになったり、緊急時にはミニマムのレスキューシステムにもなるアレを構成できると、ほくそ笑んでいたんですが、、、

しか~し、
帰ってきていろいろやってるうちにアルことに気がついてしまった。
ど~して今までやってみなかったんだろう?無知な思い込みがそうさせていたのだろうけど、また、バカの壁だった。


PINTO Rig PL120には入らない
スクリューのリボルバーも
PINTO Pulley PL110には入る!!

双方とも共通のMBS/50kNで、
大きさ,重さ,ロープ径が違うのだが
小さい方にのみ入るワケで、、、



でも、怪我の功名と言うか
アンなことも、コンなことも
更に高倍力にできたり
ワイヤーゲートのリボルバーなら
ヒッチクライマープーリーにも
使えることも判り、
これは工夫次第でカナリ
メリットがあるシステムになる。
ということを認識した。
もちろん、デメリットもあるから
安易にマネしないようにネ。





メーカーは優れたモノのメリットを大きく打ち出す。もちろん条件やデメリットも正確に伝える責任があり、ちゃんと書いてアルにはあるのだが、なかなかそれが前面に打ち出されることが無い、というかメーカーとしてメリットが無いことをわざわざ大きく表示したりはしない。
一方それを使用する人(私も含めて)は自分にとってのメリットを大きく賞賛したりする。でもそこには使用環境や条件が存在し、現実的にソレを正確に伝える技はなかなか無いので、蔑ろになったりする。自分では取扱説明書はしっかりとジックリと読んで納得済みだから問題ない。
プロダクトに敬意を持たず経緯を無視して、意匠をパクって真似をするのは論外だが(そいうい人も沢山居るね)いろいろ鵜呑みされても、それは基本的にOwn Riskだから、根拠が自分の中に存在するのであれば、それ自体は問題ないと思っている。
例えばお店で一般的じゃないモノが急に売れる現象がある。私は臆病者で懐疑的なので、すぐ飛びつくような行動力も財力も持ち合わせていないけど、メリットもデメリットも含めて、根拠はみんな自分で考えているのかなぁと、疑問に思ったりする。




余談ですが、ピントプーリーって
Pulley I Need To Own.
の略だったそうな。




2014年11月6日木曜日

Arizona_4



ワトソン湖でボート待ちの時間
ちょっとだけ木に登ってきた。
ポプラのようなヤマナラシのような
ヤワイ木。




フォーカスフローティングアンカー
元々固定する意図ではなく
支えとして倒木を利用。




キャプスタインウインチ
GRCSに比べると小振りのハーケン
マキタのドリルを使い操作
トルクが掛かり負担が大きいので
ジグを引くことになる。





トライカムやキャメロットは難しい
適切な使い方をしないと
引かれるベクトルで簡単に崩壊する。
100と100で流動分散を目指すが
全く巧く使えなかった。
残念ながらNGです。申し訳ない。
それにしても同行した
ロッククライマー達は
感覚的に何番と選べるし
的確なアンカーの取り方に敬意。





フロントタイはヒーラモンスター。
全てカムでアンカーをとる。

何が正解か?何処がイケナイか?
結局何も吸収できなかったのが
もの凄く悔しい。





Mule Hitchの時に引き側の
小指に“Pass me the ball.”
よく観ると小指に顔が描いてある。
お茶目なジェダイマスター。

chock-o-block
and Gila monster





ジェダイマスターの自宅を訪問。
マイ鉄塔がある。
元々高圧鉄塔のラインマンだそうで
コレクションの碍子がそこかしこに
廃レンガを使って庭を造ったり、
外壁をクライミングできたり、
想像力と洒落が効いている。




個人的にストライクゾーンだった
庭にあったFrog Crossing







作業中にチョロチョロ顔を出す
ゲッコー。




ワトソン湖にいた
オオバンの群れ。




砂漠なのに思いのほか小鳥も沢山いる。
フィンチか?




アオサギは何処にいても
思慮深い感じで佇んでいる。




遠くの浅瀬ではカワウが
羽根を休ませている。
この時ハクトウワシを見たが
写真には抑えられず。




意外に人懐っこく寄ってくる
カナダガン。




フリーウェイには
多くの作業用ピックアップが
走っている。
積んでるものは日本と変わりないが
何かカッコイイんだよなぁ。

フェニックスの街を走っていたら
横にツリーケアのトラックが来た。




セドナのベルロック(左)と
ボーテックス(右)
世界7大聖山に挙げられている。
この山から名前をもらった
Arizona Vortex
何か考え深い。




グラニットトレイルで
登ってフレームを組んだ山
名前はついていないらしい。

少しの間だったが考え深い
10日間だった。


Arizona_3



講習も後半に差し掛かり
今日からダムサイトに船で移動。
ランスが消防車で船を運んできた。
これ公用車だよね?良いのかなぁ。
これに乗ってワトソン湖のダムまで
資器材をピストン輸送。



ダム下からスケートブロックで引き上げ
横移動してダム内のボートに入れて搬送。
という想定でビクティムをやった。
始めは言われるままシステムを組んでたが
どう横移動するかイメージできなかった。
荷重の受け渡しとベクトルの組み合わせで
AZTEKサイコー!って感じ。
タイトなポイントにフレームを組み
ガイラインの方向と力を複合して….
時々Reedは動かなくなって考えている。
そして、OK!go!ですぐさま的確な修正が
加えられる。自分では実際テンションを
かけてみないと判らない傾きや力の方向を
頭の中で3Dで修正してくる。スゲェ







今回一緒にサポートを兼ねて
トレーニングに加わってくれた、
プレスコット消防のランス。
両腕にタトゥばりばりで
一見強面のパワー系消防士だけど
元はSEプログラマーだったらしい。
非常に優しくアテンドしてくれた。




最終日アロハデイ!
そしてReedが思いついたフレーム
Watson”A”Frame
トライアングルの複合Aフレームが
侵入と脱出時にパッタンと倒れ、
ハイディレクションが壁から離れる。
ジンポールヘッドを組み合わせる
ことでこの動きが可能になる。






ここではキャプスタインウインチは
使わず、ジグのコンパウンドで
引き上げる。
アーチ型のダムなので直線で引けず
距離もあり、これがなかなか重労働
しかも作業が見えないので
オペレーションがなかなか難しい。





濃くて厳しく充実しまくった
長いようで短い期間だったが
1週間ないと講習できないという
意図が見えた感じ。
美しいワトソン湖の夕景。


Arizona_2


プレスコット警察で座学。
警察署って土日は休みなのか?
昨夜はちょっと勢いを増し
朝3時までヤっていたが
座学がチョー面白い!


昨日の振り返りというか
チェックするポイントを整理して
更に違う方法もあるよね、とか、
同じオフセットでも
別の手段で行く方が効果的とか
自分の中でうやむやだった
オフセットラインの整理を
とても判りやすく説明して戴いた。


自分の中では目からウロコの
スケートブロック!
こいつはいろいろツリーケアでも
使い勝手があるんじゃないか!
それにしてもリードさんは
絵が巧いぜ!スイスチーズ



午後からはグラニットトレール。
資器材を担いでピークを目指す。
ここでもばりばりのクライマーに
ついて行くのがやっと。
乾燥しまくっているので
汗はほとんどかかないのだが
この山登りは冷や汗と共に
汗が流れた。



ここでのテーマは垂直に引き上げて
横に移動し、スティープアングルを
降ろすというもの。
実際に見るのは初めての横移動。
木の上のように落下係数がゼロだと
高くても怖くないが
AZTEKで自確とってても
高い所が苦手というコトを再認識
ヤッパ怖いわ~。




及び腰だし、ラクするし、
カムでアンカーも取れないし、
役に立たない俺のせいか
時間切れでセットのみ。
実践は翌日となった。




朝から昨日のセットを再現
持ち場を変えたのでやはり戸惑う。
アンカーを取っては見たが
やはりダメなので修正してもらう。
役割は高さを感じないミゾでの
ビレイなので落ち着いて出来そう。



キモは引き上げのジンポールを
固めるテンショニングガイライン
3:1をコンプレックスで
27:1にしてガッチガチに固める。




午後からは持ち場を変えて
ウィークサイドに周る。
下から見上げてもなかなかの迫力。
フォーカスフローティングアンカー
は、枯れ木をカットした
急造のジンポールで。




周りのコンビニもダイナーも何も
無いから、水と食料は持参する。
ランチはマーケットで買った
食材で朝に手作りする。
システムはNo Good!
もしくはUm~Betterだが
ランチはexcellent!を戴いた。
なんにせよエクセレントは嬉しい。



ジェダイマスターReed
「昨日寝ていた時に浮かんだ
 新しいフレームの使い方を
 皆でやってみよ~ゼ!」だって。
センスとアイデアが滲み出ている
この人の頭の中を覗いてみたい。



次の日は再びパビリオンウォールで
スティープアングルの移動。
垂直に降りてから、横移動
ビクティム確保後、横移動で戻り
垂直に引き上げという
ちょっと変則なオフセットライン
担架を使わないピックオフで
初めてレスキュアーをやった。




やはり垂直に降りるのはキビシイ。
なんとか移動できてピギーバック。
ビクティムが緊張を見透かしてか、
冗談で笑わせてくれる。
バーティカル子守唄