2020年5月30日土曜日

需要と供給


評価は短期的には需要で、
長期的には供給で決まる。


誰の言葉だったか忘れたけど、
小枝を払うことで、
幹をやっつけるテクニックを
身に付けていかないと、
いつまで経っても小枝ばかりで
幹は伐れないよ。

無理矢理小枝の技術を
幹に当てはめても、出来ないぜ。
需要に合わせてると短期的には日銭は稼げるが、それだけ。それ止まり。
長期的に知識を身につけて続けて行くうちに需要だって、
質の高いスキルを供給している所に集まってくる。
そして単純で置き換えることのできる需要は低賃金のままだと思う。

急に需要が増えたからと言って、直ぐに高度な技術には対応できないし、短期的に脚光を浴びる仕事をこなすことに意義を感じているだけでは、長続きしない。
その間にトラブって作業自体が無くなる。そしたらその間に地味でも知識を蓄積した方が、質の高いスキルが身に付くよ。良い物や成功例は絶対にそれ以上にはならない。衰退して行くだけだよ。

ビジョンを持った中長期の計画は、そのまま巧くいかない方が多いけど、その都度チャクチャクと修正しながら進められれば、いつの間にか自力もついてくるよ。

そしてチャンとした、成功として完成されたものを簡単にお手軽に手に入れても、それがいつまでも手の中に有るとは限らない。逆に裏切られることだってある。需要は増えても、しっかりとした基本を、つつがなく続けた知識や技術を提供して行かないと、そんな仕事直ぐに無くなるよ。
さらにチャンとしているテイで、看板を掛け替えたり、凄いことやってるって吹聴しても、一時の需要は膨らんでも、勉強したり自分の情報をアップデートしていかないとそれ以上にならないから、実際は短いスパンになり逆に色々失うことになる。組織のトップはそれで肥えるから良いのだけど、そんな仕事に関わりたくないね。

私は企業のCSRレポートの仕事をしていたが、立派なお題目を掲げる企業ほど底が浅くって、長期的には何の社会的貢献をできていない。
環境活動と言って子供たち集めて植樹会とか〇〇の森を作ろう!って言っても、ちゃんと手入れしないから、直ぐ雑草に覆われて、翌年また同じ場所で皆伐整地して、〇〇の森を作ろう!ってやってるもんね。ガッカリだぜ。始めから〇〇の森なんて作るつもりは無く、ウチの会社はこんなに社会貢献してるんだよってポーズをみせたいだけだから。それで助成金くすねてるだけだから。
長期的に見ていれば、気がつくけどね。
大体自分の作業ややり方に誇りを持ってたら、助成金なんかに頼らずに、自分で何とかできるはずだよ。したいよ。
金の為にちゃんとした会社に見せたり、素敵な企業をアピールするのは、ダサいね。
トラブった後に入札に関われなくって、別の会社を抱き込んだり、
別の会社を作ったりするのは、結局中身が変わってないから愚の骨頂だね。

評価は短期的には需要で、
長期的には供給で決まる。

2020年5月28日木曜日

Everything will kill you

嬉しいことに、いろんな所から声がかかり、数日間あちこちに呼ばれ、作業や講習を行っていた。作業の中でよりより危険を回避する方法を、見て聴いて自分で納得して、今後の実践に活かすコトを考えて呼んでもらえるのは本当にありがたい。

講習で登れる方法を知っただけで、いささかも作業の組み立てや効率的な対策をせずに樹上にアプローチして伐って喜ぶヤツらには判らないと思うが、ちゃんとした理屈が有ればそのうち、より危険を少なく、より早く、より効率的に出来るようになるんだよ。

そして一週間ほど家を空けていたら、なんと出てるじゃない!
ICoPセカンドエディション!

4月には出るよ!って言われていたが、コビッド19の影響か?なかなか出てこなくって。ちょっと静観していた重要なアップデートが出来上がっていた。早くコレを熟読したいが、今まで時間がなかった。ってか寄る年波に勝てず、ヘロヘロになってた。本当はこんなコトと書いてる場合じゃなく内容を確認したいが、ちらっと見ただけでも、ドラフトよりかなり変わってる。
ALARPとか、thorough examinationとか、competent personとか、incompetentとか、tree protection or preservationとか。
まあ、焦らずじっくり取組もう。


Everything will kill you
so choose something fun.

あるアーボなショップで
こんなTシャツを売っていた。
全くそのとおりだよ。

すべてがあなたを殺すので、
より良いモノを選んでください。

どうしてそういうコトを判らず
登れれば伐れる!って
思うんだろう?
日本では日本語の「アーボリ◯ト」は商標登録されてるんで、気安く発音できないんだけど、それは、商売として儲けようとしているから、商標を登録して、他では使っちゃいけませんよって独占しようとしているのか?「アーボリ◯ト」って言ったら誰かにチャリンチャリンお金が入るの?かもしれないが、そんなことを商標としているコトも商標として認める国家もどうかしてると思う。
世界的に観て、みんな安全にね!って、広く業界の標準を伝えようとしてる団体は多く存在するけど、名称を商標登録して、他に使えなくするってどういう根拠だろう?
民間非営利で組織された団体なら、皆で考えながら、良き道を導き出そうぜっ!ていうソーシャルな組織だと思うが、それどころか自分たちの都合や利潤を囲い込み、本家だ!元祖だ!ってのは何なんだろうって思うが。

まあ、勝手に使われてミソもクソも一緒になることは良くないと思う。しかし先取優先の商標登録している所が、一番正しいとは限らない。一番上手くいく方法では無い。小さな組織の中だけのそれも一部の考えだけを正解だと言うのは、ダメなんじゃないの?
そしてそんな唯一の団体って言ってるコトを信じてしまう人々もどうかしてると思う。

だからツリーケアとかツリーワークって言ってるんだけど、アーボリカルチャーは木を伐るってコトじゃなく、木を育む文化なので「アーボリ◯ト」を使わなくてもイイんだけど、そんなこととは関係なく、Industry Code of Practice for Arboriculture Tree Work at Heightは、海外で一般化している業界の基準なので、でもそれを日本語にしようとすると、必ずソコとぶつかってしまう。世界的に業界の基準として存在しているICoPだけど、日本のこの組織は、ICoPに準じているのだろうか?
日本は独自路線で世界から隔絶されているのだろうか?
是が世界的に認められた団体だって、一方からの見方をマルッ信じる人は信じられない。

一般的に楽天でも買える、日本の法規に合わせたテキストが有るのだけど、それを読むとどうもICoPには適合してないようだ。日本の権益団体と申し合わせて作ってる感じ。まあアメリカの SNS団体との関係を強調しているが、そのSNS団体だってICoPに準じているはずなんだけど、そんなことは何処にも書いてないし、内容的にも全然別物の日本独自路線だと思う。

まあ金儲けは勝手にやってもらって構わないけど、何か独占するのが好きなようで、私の知り合いの会社にもちょっかいを出したり、それが業界の標準だみたいなコトが聞こえたり、そこの講習を受けて私も一流の「アーボリ◯ト」だとか言う人がとてもウザイ。とにかく私の邪魔しないで欲しい。

判断するのはユーザーだからどうでもイイけど、皆もう少し賢くなった方が良いよ。情報は選択するものだよ。ちょっと調べれば簡単にヤマシさを見抜けるよ。知っていながら逆にそれに乗っかって法規上はソレで、実際の作業は自分を根拠に組み立ててる人も居るけどね。それが一番かな?

でも怪しい道具持って、危なっかしい技術だけじゃ、Arboristには成れないと思うよ。
「特殊伐採」も「アーボリ◯ト」も
Everything will kill you
so choose something fun. だよ

初夏の草原


夏鳥達が増えてきたので
今日は河原の草原に出向いた。
ノビタキやホオアカやアオジが元気よく
枝や草の高い所でさえずっている。

一方草むらでまだハッキリしない地味な
鳴き声が聞こえる。見えない。
オオヨシキリやエゾセンニュウやコヨシキリも
短いセンテンスでゲッとかジェとか
まだ長くさえずらず、アイドリング状態。
奴らは上手に鳴けるようになってから
高い目立つ所で、ドウだって勢い良く
鳴き始めるが、まだそういう状態にない。

オオジュリンも下の薮で練習していた。


ジッジッっと地味な鳴き声に誘われて
探していると、バフ色した脚の長いヤツが
尾を上下に盛んに動かして、
キョロキョロしている。

顔を見ると、眉班と顎線は白く眼先は黒い。
たぶんノゴマのメスだろう?
キョロキョロしながら尾を振っていると
出てきました オス!


コトには及ばなかったけど、
直ぐそばにやってきて
警戒している。
コイツの紅は、彩度が高くキラキラして
目を見張るアカが素敵。
何か邪魔するの悪いから退散。

去年同じ場所で、かわいい3羽の幼鳥を
見た所だから、今年も頑張ってね。

歩いているとのっそり
ニョロっと薮からシマヘビ

しばらく日光浴してたが
コッチに気づいて逃げる
でもまだ体温が上がってなくて
停まっちゃったので
じっくり観察させてもらった。

目の前にいきなり飛び出してきた
コサメビタキ。
コイツはあまり警戒しないので
じっくり観られた。
湧いてきた小虫をフライングゲット!
停まっている枝をサッと飛び立ち
ホバリングしながらクイックに捕まえ
また同じ所に戻って停まる。

コイツのアイリングは後に尾を引いてる
感じでカッコいいぜ!


いきなり薮からコヨシキリが飛び出して
ヨシの枯れ草の高い所に停まって
勢い良く長いセンテンスで鳴き出した。

さっきは朝早くって、
まだ身体が暖まってなかったからなのか?
アイドリング状態が整ったからか?
イイ感じに唱い出した。
草原のジャズシンガーとは良く言ったものだ

初夏の草原にはコイツがふさわしい。

2020年5月20日水曜日

ランヤード考

私はワークポジショニングとして ART のポジショナー2が大好きだ。ここ5年ほど変わってない。ひとつの道具をこれまで愛し続けているのは珍しい。って言うかその他にも最新の道具や革新的なギアを試したものの、結局ココに落ち着く。
これは優れたギアと言うよりも、私の樹上の行動や作業姿勢にピッタリ合っていると思うだけで、しかし見方を変えれば、考え方が進歩していないから?かもしれない...

私はツリーワークを始めた当初、ランヤードは単に「落ちないため」みたいなザックリとし過ぎたスタンスだった。今考えると、落ちない!と思っていたのは、何だったんだろう?この道具を使えば落ちないなんてことは一切ない。ある人がイイ!と言っても、自分には合って無いかもしれないし、道具には条件や状態やコンポーネントの組み合わせがあるから絶対は無い。使われ方によっては落ちるよ!


一番最初は、
グリグリでイイんじゃね、
っと思っていた。
一番手頃だったし
汎用性が高く
ビレイ器で十分だよ。

何〜にも知らなかった。
迂闊でした。バカでした。
そもそもグリグリとグリヨンは、バネが入っているか?いないか?だけの違いでしょ、って思ていて、その使い方や考え方の差も判らず、単にロープを取り替えやすいとか、値段とか、レバーが付いてるとかいないとかで考えていた。

そこで私のお師匠さんに「グリグリとグリヨンの違いって何?」って聞いたら、師匠はニヤッと笑って、使ってみろよ。ってグリヨンを貸してくれた。
???だらけで、使ってみると...今までグリグリでそんなものだろ!って思っていた作業姿勢がモノ凄くシックリくる。
グリヨンを知る以前と、知ってからの以後では、全く別物になった。正直驚いた。まさにブレイクスルーだ。バカの壁を乗り越えた瞬間を今でも忘れていない。初めて自転車に乗れたガキの頃を思い出した。
そこで初めて気がついたんだけど、ビレイ器とワークポジショニングの違いって、スゲェ大事じゃん。今まで何を考えていたんだろう?

ビレイ器は、その名の通りビレイする道具だ。弛みを解消してバックアップしながら、いざという時は落下を停止させる。
スタティック系を使っている上では、ショックロードが起こった時に、ロープが少しズルッと出ないことには、フォースがそのまま身体に伝わる。ってことはより衝撃がデカい。だからその衝撃を吸収するために、ズルッと出る。
一方グリヨンは、荷重が載ると瞬時にカムが効いて動きが止まる。ロープが出ないから、安定する。しかし、リードクライミングなんかでビレイで使うと、リターンスプリングが無いからガツンと直ぐ止まる、スタティックなら危ないぜ。そしてロープを繰り出し難い。ってことはビレイには使えないゼ。EN規格ってこうやって分かれてるんな。

ワークポジショニングは、作業姿勢を制御する目的で、瞬間に止まってくれた方が都合がいい。これは良い位置だって姿勢を作ってから荷重を載せると、ズルッと行かれてはアンバイが良くない。そんなことすら気がつかなかったアホ加減で自分がイヤになった。

そしてグリヨンを手に入れた。


コイツはイイ!最高だ!
って随分使っていた。

確実に停まるし、安定する。
樹上でも怖くない。
これで自分も一流だ。
みたいに感じていた。

コレもまたバカの壁だった。
まあその他にも、ロープグラブやギブスやプルージックなんかでランヤードとして販売されてる違うヤツを使ってる人がいたら、直ぐに「貸して〜」って言って使わせてもらったんだけど、今イチシックリ来ない。って言うか使い難い。
「どうしてソレを使ってるの?」って聞くと、大概「ン?」って顔をされて、その疑問の意味すら判ってない感じ。確かにグリヨンはその当時は同様のものと比べ少し高かった。それよっか、ワイヤー入りの方が安全だとか、ランヤードなんかコレで十分だろって、ワークポジショニングとして一発で作業姿勢を決めるコトには興味ない感じでした。

そういう人を見ていると、登ってから何度もいい案配になるために、デバイスを少しずついじってポジションを決めている。確かに良いポジションを決めることは重要で、そこに時間がかかってもしょうがないが、モチャモチャやっている。しかもチェンソーを構える前に1つのポジションで安定しちゃって、他の姿勢をとる時にまた同じ作業を繰り返す。ポジショニングは、セットも、受けも、追いも、逃げも違うからね。樹上のポジションでその都度4〜5倍以上の時間がかかる。その時間が惜しくないのかな?一発で姿勢が決まったら仕事も速いんじゃないのかな?って思っていた。ソコを数千円ケチることで、数十万円の儲けを無駄にしてると思う。


これはギブスの
メカニカルプルージック。

コイツもそれなりの場面では
ソレなりの良い仕事は
するんだけど、
ランヤードとしては
どうかね?

コレはグラブじゃないけど
グラブ的なヤツ。
ロープクランプだね。

私はランヤードとして
グラブは嫌いなので、
使わないけど、
その他の作業で、例えば
倍力組んだりする時は
頗る調子が良い。
適材適所!
しばらくはグリヨン最高〜!って思っていたが、しか〜し、実際に経験を積むとちょっとうっとうしくなってきた。確かにグリヨンは安定する、しっかり停まる。でも長さ調節する時に、ロープを繰り出すのが鬱陶しい。確実に停まるからキツい。って思い始めた。

私はレクリエーション出身なので、ブレイクス大好きで、ブレイクスは確実にロープ上に停まってくれる。ロープ上にジッとしている分にはスコブル安定する。でも作業やレスキューを考えた時、コイツは逆に使いづらいぞって事を感じ始め、ヒッチコードを使い出してからは、コレはロープ上を動くための結びだ。ってことに気がつき、普段ズルズルでも、いざ効かせたい時にシュっと噛む、そいういヤツだ。動くためのバルドタントレッセだし、クヌートやシュワビッシュだって使われる所を意識して使い分ける。
そしてそのヒッチコードのレッグの長さがとても重要だ、と言うことに気がつき、でも売ってるのは決まった長さだし、チビの小デブにはピッタリのサイズが無いよ〜ってことで、ピッタリサイズを作るために、ハンドスプライスを覚えた。 そしてこの頃には、ユルユルのシステム(多分ディスティルだったかな?)を使って、セカンガリシステム的なランヤードも並行して使うようになっていた。

コレは常用している
2ndシステムランヤード。
カラビナもフィックス
しちゃって使ってる。
グラブは最初から持ってない。

地上で作業工程を読んで
フリップライン合わせて
3本くらい持って行くかな?
それから、CEランヤードってのが有ったけど、自慢げに「CEだぞ!」とか言われても、アレは多分ヒッチコードを使った製品でもCEが取れる!どうだ!ってメーカーが自慢したかっただけの製品だと思う。2014年にはENの規格としてヒッチコードが認められたからね。そのためのメーカーの意地だったんじゃないかな?ゲンにもう無いよね。そういう思惑に振り回されて、高っかいのを買ったりしたくないね。
前に使い古しのロープと手持ちのプーリーとハンドスプライスしたヒッチコードで「CEランヤードを作った」って人もいたけど、コンポーネントの試験を3σでやったのか?って、第一ハンドスプライスはCE通らないよ。売ってる製品のカタチだけマネして、これで安心みたいな人って、全然トンチンカンチンな道具揃えて、CEだ!って言われても、頭の中がCE通ってませんから。残念!

そうこうしているうちに、また別の師匠が、ポジショナーを持ってきた現場があり、いつもながら「ソレ貸して〜」って使わせてもらった。
そしたら、なんだこの感じは?ってぐらい違った。
ロープのヌケが気持ちイイ!恐ろしくズルズルだ。
今の時点でオレの求めていたランヤードはこれだ!っとばかり、速攻ポチった。そしてスイベル付きの2にした。

ARTって変態道具が多く、しかも高い。そしていわゆるEXPERT USE ONLYだと思う。っていうか最初は慣れないと怖い。初心者にはお勧めしないけど、ポジショニングで気になる動作を理解している人には、超お勧め。でもそのプロダクトデザインの精神は素晴らしい。高いだけの理由がある。プロ意識をくすぐる。
講習なんかでコレ使ってミって渡すと、大概怖いと言われる。そういう人にはグリヨンをお勧めしている。全然フィールが違うってことに気がつく人はイイけど、自分のランヤードを持ってきて、私はコレがあるからコレを使いますって人は、ランヤードの効果の違いすら意識してないから、ある物一本、That's All。
何本も買えないからって人には、費用の関係で2ndシステムもアリだよ、って教えてあげる。ランヤードは使ってみないと、その機能や良さがなかなか伝わらない。自分で「今」何を求めてるかによって、デバイスも変わってくる。適材適所は当たり前。仕事の種類だけ有ってもイイと思うほど。2ndシステムなら、長さとかマイナーアクシスを気にしさえすれば色々変えられるし汎用性が高いからね。


コレが今のところ一番好き。
仕事でロープ忘れても
コイツはわすれない。

ロープも色々試して
KM III→タクヨン→
ダイナミック→HTP→
タクヨン→カーンマスター
ティンディル→
今はドレナライン。
ポジショナーって簡単なテコなんだよな。ロープの径がシビアで、好みのラインを見つけるのが面倒だけど、これだってのを見つけたら、もう最高の武器。コレ無しには戦えない。今のドレナラインは試用期間。さらに最近はループプルージックとか、逆末端にパーフェクトOのピンビナとか着けてる。

っとこれまで、随分いろんなヤツを使ってきたけど、自分の一番好きは有るけど、作業の計画でグリヨンもグラブもギブスもロープクランプも2ndシステムもフリップラインも現場で全部使い分ける。使わなくなったモノは無い。ひとつとして無駄なものは無い、
1本にこだわるのもイイけど、買った道具に自分のやり方を合わせるのはダメだと思う。PPEはその名の通り、個人保護具だからね。色々使って自分に合ったものを選択した方が良いヨ。講習はそういう道具選びの意味もある。使ってみないと。だから1回受講しただけで判らない。だから何度でも受講してくれる人も居る。その時の自分のレベルが重要で、そこから進歩したならその時に合った方法や道具を選ぶべきですよ。特にランヤードは個人の登り方や、行う作業で、随分違う。1本あれば全てマカタするものじゃないですよ。

あと、長さ問題ね。
ランヤードの長さって「何mが良いですか?」って聞かれることが多い。でもそんなことアドバイスできないね。私は「あなたは何がしたいの?」って聞き返すと、全てを網羅するモノが欲しいみたいなことを言われることが多く、でもそんなモノは無いよ。作業は1つじゃないし、そんな都合いいものは無い。その為に学んで臨機応変に道具を使い分けるんだよ。ナンバーワンは有ってもパーフェクトは無いよ。
だから始めは安定させるモノで、姿勢制御の意味が判ってきたら、徐々に違う長さやデバイスを使ってみた方が良い。そうして行けば徐々にスキルアップできるよ。決してソレまで使っていたものは無駄にならないから、色々買い足すと良い。でも所詮消耗品だからね。って言うようにしている。
ランヤードは高いけど、最大の武器だから。最近流行の登るSRSデバイスなんかにカネかけるなら、ランヤードを充実させた方がよっぽど仕事に活かせるから。

仲間内では、その人に合ってるな!って思ったら、ポジショナー2をお勧めしてるんだけど、中にはスッゲェ良い!最高!って言って、コレで格段に仕事が速くなった人がいる。そしてしばらく使い続けて、そいつはもう最高過ぎて、更に追加してポジショナー2を2丁使いだからね。そこまでするこたぁ無いと思うけど、両側のサイドDに1個づつ付いてるからね。カッコいい!
劇的に作業が早くなって、オレ登るの巧くなった!って喜んでいる。決して登るのは関係ないけどね。

それから、結構重要なのが、マイナーアクシス問題ね。
ランヤードに使うコネクタってどうしてる?
マイロンにすりゃイイけどその都度外したり着けたりする固定具を使うの面倒だし、私は全てカラビナフィックス。
気がつくとデバイスの所でマイナーになってることが多いから、今使ってるランヤード用のコネクタは全てイチイチ外さない専用にしてるね。全部フィックス。専用にしてるけど、使う前は毎回チェックね。マイナーアクシス怖いモン。その辺意識無い人も多いね。
自分でシビアな作業していて、キッツい姿勢って時に限ってハッと気がつくとマイナーになってること多いよね。そして今ひっくり返ったら...想像したくないモンね。
反対側って言うか、ターミネーションは、スナップフックやカラビナの場合はキャプティブ系ね。自分でアイ加工出来なくても最近はワイヤーアイとかピン付きのものが有るからイイね。これもマスト。

そしてそのカラビナをメジャーアクシスに固定する器具。DMM WallisやPetzl Captivその他ゴムの栓って感じのもなんか色々あるけど、直ぐキレちゃったり、デバイスを選んだり、なかなかピッタリのモノはない。

私はBeal Pinchを使ってる。
赤いヤツ。

コレは耐久性もあるし、
デバイスを選ばない。
結構スグレものだね。
着けるときキッツいけど、
キツくないと意味ないからね。
Beal Pinch最高!
昔こういう固定具を使わず、カラビナもその都度外してランヤードにしていた人がいたけど、その人は使うたびにカラビナコネクトの所をビニールテープでグルグル巻きにしていた。ソレを見たとき、コレはこれでアリだな。カッコいいなと思った。
イイ道具を使えるの人はイイけど、使えなくてもマイナーアクシスはイヤだなって、全く真っ当な考え方だよね。
何処ぞのお金持ち農家のように、次から次へと新しい最先端のデバイス買って見せびらかすような輩とは違う。


メインで使ってる最大の武器である
ポジショナー2だけど
フリップラインもセカンダリも使ってる。

そして最近は、マッドロックのセーフガード
こいつがスコブル好き。
でもまだ検証段階だけどね。

ICoPの、2.11.6.10 でロープ径も
10mm以上って項目が有るんで
オーシャン10mmも問題なし。
Treetoolでもこのセーフガードを
検証しているみたいで、
結果に期待しよう。
何をやってもPPEは自分の保護具だから良いけど、道具を何とかするんじゃなく、自分に合ったセッティングや、コンビネーションを探すことが愉しいと思うな。そして自分の危険をどう回避するか?が重要で、道具ばっかり買っても、自分の効率も危険回避も担保できないよ。残念!

とまあ、SARSコビッド19の影響で、調べ物や懸案だったトライや、家で登って検証や、ベタープラクティスをしてるんだけど、気になることが起きると、時間が自由になるからこうやって勝手なことを書いてます。
勝手な考えだからね。
状態や条件も知らずに、最先端の道具情報だけに踊らされず、自分で考えてね。
EXPERT USE ONLY ですよ。[ Extreme ]じゃないからね。

2020年5月18日月曜日

「ゼロ」と「1」


絶対の安全はゼロ。
たって失敗しないんだモン。
でも、1がある可能性を
予見するとSafety。
セーフティは
危険を承知するってこと。

高所樹上作業は、
みんな危ないと言うワリに、
安全神話に捕われてる。

セーフティにしないとね。

Working Line と Safety Line は、ペアで1と2。
1で登って万が一の場合に2が作動する。
だから1と2の変更はNG。
ロープを増やす場合は2足して4系統にする必要がある。

プライマリーとセカンダリーは、両方1で、1+1。
1で登って、2がバックアップ。2で登ったら1がバックアップ。
ロープは必ず張られるか懸架状態だけどね。
1でヘタこいても2が有るからね。
それは落下プリベンションね。

さらに産業用ロープアクセスなどの場合、両手両足の4点のうち3点確保していれば1系統と見なされる。
3点で1系統と見なされると、例えばハシゴだったり、両足はハシゴに乗って、片手もハシゴを抑えていればOKになっちゃうもんな。
雑に、1本で登って枝に両足で立って、片手で枝を持っての3点で1系統と考えてしまうと、手ノコの場合はそれでも大丈夫かもしれないけど、トップハンドルを片手で無理矢理に伸ばして使う輩とか居そうだな。
まあそういう作業する輩は、それ以前にハシゴを確保してないけどね。

ICoP for Arboricuttureでも、ハシゴやクレーンやMEWP(高所作業車など)での作業は認められて、その実践なんかも出ているが、クライミングを用する樹上高所作業は、プライマリーとセカンダリーの2系統がマストだもんね。

プライマリー/セカンダリーのシステムは、落下プリベンションになるけど、ターミネーションを同一にした場合、刃物でロープを切っちゃう可能性は大きいと思う。逆に1本だけロープ切るってのは考え難い。ソコはどうなってしまうんだろう?ターミネーションを分ける必要があるなら、やっぱりフルボディの方が良いな。フルボディーハーネスで、腰と背中に[A]が有って、更にブリッジってコンビネーションが要件に適合する感じだと思う。

ますます謎が深まる。
でもそうやって業界の基準を決めるのは悪くない。
皆で考えてやろうぜって姿勢が好感持てる。

一流の会社とか、偉そうなデカい看板とか、
大層な誰か声のデカいヤツの言うこととか、
そういうタイプじゃなく、一般の作業員が
皆で考えて「オレはコッチの方が良いと思うぜ」
って感じがとても良い。

私はもう随分以前からフルボディハーネスでダブルブリッジスタイルで、ロープアクセス知っちゃうと「なんでアーボリ◯トはシットなんだ?」って疑問しか残らない。
何人かに、何でフルボディじゃ無いの?って聞いてみると、邪魔だとか必要ないって言う応えが殆どだけど、そうかな? 私も数年前まではそう思ってたし、でも実際にフルボディで動き始めると、最初はイヤで面倒臭かったけど、それはほんの数日だった。逆に今じゃフルボディじゃないとイヤだ。まだ何をドウって結論めいたことは言えないが、ダメな理由が見当たらない。

シットハーネスでも問題ないが、プライマリー/セカンダリーのシステムだと、めっちゃターミネーションがゴチャゴチャする。しかしブリッジハーネスだと、ターミネーションが1カ所で1/2にしても理屈的に合わなくなるんで、どうしよう?ってことで、業界基準は揉めてるのかな?
それともメーカーの力関係で売りの商品が対応してないとかあるかな?後発のメーカーはどんどん規格に合わせてくるし、
セコイアもモーションもブリッジのコネクタの形状変わったしな。
きっとそのような需要をカバーするためじゃないのか?

私は以前からダブルブリッジにしてるんだけど、それで解決じゃね?
自分ではアジャストブリッジが使いたかったから、ソレを使えるハーネスで、そのハーネスに始めから付いていたブリッジを外して....って思ってたけど、あるときコレ両方付けても良いんじゃね?って使ってみるとスコブル調子が良かったんで、もうずぅ〜とそのまま使ってるだけだが。
っていうか、それまで他に見たことなかったし、知り合いにダブル!って失笑されtりしたけど、最近はもう販売時点でダブルブリッジのハーネス有るもんな。驚くな。
理屈的にはソウなるよ。ロープを幾ら2系統にしても、腰の1カ所に集約しては、それはもう1系統でしょう!

腰のターミネーション[A]は1カ所に集中せず、ダブルでドンよ!
ロープの途中で待機するときなんか、チェストクロールは最高にありがたい。
モーションとかで、ウエスト細いと、サイドの[A]が随分前に来て
ブリッジがビヨ〜ンと長くなって、システムを操作するとき苦しそうだし、
システムもブリッジから上の方に延びてるのでシビアな操作が難しい。
そういう人は荷重が脚の方に移ってるから、上体が後に傾いて辛そう。

その体勢はオカシイと思わないのかね?不思議!

そしてヤバいヤツに登る時は、プライマリー/セカンダリーじゃなく、ワーキング/セーフティラインで、フォールアレスター使って登るけどね。

だいたい私以外にフォールアレスター持ってるアーボリ◯トに会ったこと無いよ。
レストレインもプリベンションもミソもクソも一緒に「安全」って、
落ちることを想定しないで、気合と根性で1本で、何が安全だよ。
「私、失敗しないですから」ってか?
大門未知子か!

セーフティは失敗した時にどう対処するか?
失敗を予想してその対策をするのがSafetyだからね。

安全帯は絶対に落ちない。万がゼロよ。
失敗しないから安全帯で、
落ちたら、それは使い方が間違ってるからで、
責任は個人にあるんだよ。
誰も助けてくれないよ。

そんな「安全」要らね〜よ。
オレは落ちる可能性有るもんね。
万が一は有るから、だからフォールアレストよ。
ゼロと1の差は大きいよ。

だから、フルボディのダブルブリッジにしてるもんね。今の所全てクリアしてるし、SRSっていうかシングル用の各種トリッキーなデバイスより、トップクロールとディセンダーの組み合わせと、ソフトマティリアルシステムを臨機応変に使い分ける方が、早いし負担少ないししかも体勢もラクだもんね。
でも決して、日本の怪しい「墜落制止用器具」じゃ無いよ。
「ゼロ」には出来無い「1」が有るから、フォールアレストのPPEが好きだね。
絶対に失敗しない猛者なら「ゼロ」だから問題ないけど、
「日本の墜落制止用器具」=「世界的な落下プロテクション」じゃないから、
0=1じゃないから。間違わないでね。

2020年5月15日金曜日

春は直ぐ去ってしまう

何か最近いろんな所が自粛って言われていて、ツリーワークの面倒臭せ〜話ばかりだったけど、北海道の今が一番好きな季節で、グレーだった風景は段々色を帯びて来る。まあ三密にならなきゃ良いから、人と会わない沢や防風林の中にはよく入る。自粛って、どこの都会の話だよっと思ってる。



彩度が上がり色付いて来ると
気分もうきうきワクワク、
春は堅く締まった冬芽が徐々に綻び、
日々いろんな表情を見せてくれる。

これはハウチワカエデ。
ハウチワの冬芽の先っちょは2つしか無くて
真っ赤な花から、シベが下垂する。
地味だけどひっそりと林の中間層を彩る。
中低木だし、登る対象にはあまりならないが、
なんか生命の息吹を感じる。


こいつも茶色い枯れ葉の中から
パッと登って来る。
ツヤツヤのイキイキした葉が
とても色っぽい。

ヒトリシズカとはよく言ったものだ。

冬の鳥たちが去って、徐々に夏鳥が現れる。
私の中では春を告げる元気なヤツ
派手でけたたましく勢いのある鳴き方。
センダイムシクイ

コイツの餌の捕り方がまたカッコいい。
枝に留ってジッとしてるかと思いきや
瞬間にさっと飛び、
ホバリングっぽく目の前を行く
ガガンボとかを捕まえる。

すばしっこくてちょこちょこ動き回り、
フライングゲットだぜ!
センダイムシクイは、チヨチヨビーって鳴く。でもチョチョビーだったり、チョビーだけの時もある。キキナシって言う古くから伝わった言葉が有るけど「焼酎一杯グイー」って言われてる。どんな聞き做しよって思うけど、まあウケを狙ったんだろうね。焼酎とは聞こえない。
例えばウグイスは「ホーホケキョ」って言われてるけど、そういう風に聞こえたことは無い。そんなのは西川のりおだけだと思う。私には「もーあっち行ってよ」って聞こえる。鳥をジッと観ているからなのかもしれないが、そうやって聞こえた瞬間に退散することにしている。


コイツも冬には見かけない、コサメビタキ

ほんとうはコサメなのか?サメなのか?
判断がつかないが、
ちょっと薄暗くなった林間や
曇天に見つけることが多く、
その名の通り、小雨っぽい感じがして
とても素敵な名付け方だと思う。

今日は明るい空の下に出てきてくれた。


春はウカウカしてると直ぐに去ってしまう。
コイツを見ると、もう初夏って感じ。

素敵に響き渡る鳴き声を聞くと
もう探さずにはいられない。
でも、クロツやムギマキだって居るし
確認できるまで探してしまう。

まあキビタキとクロツは
何となく判るようになったけど、
声って言うよりも、リズムや音域だけど
だいたい外さなくなってきた。


キビタキはジッとしてると、
わりと近くに飛んできてくれる。

そしてこっちを見てることが多いから
まあフォトジェニックなんだけど、
真後ろから見ると、
なんかおっかない顔に見える。
羽の白班がつり上がった目に見える。

木に登って伐るのは、ツリーワークと呼んでいるけど、本当はアーボリカルチャーって、木を育てるコトだと思うんだ。
むやみに伐るんじゃ無く、木を観て、状態を確かめて、状況を加味し、どういう施工が良いのか?考えて、できれば命を奪うコトはせず、人間の都合と巧く折り合いをつける。
そういう気持ちになると、自然は愛らしく活き活きといろんなファクターも考えられるようになると思うけどね。
観察し、研究し、いろんな状況に対応できる。まずは観ることだよ。

2系統じゃん!

過去というかこれまでに蓄積した知識と技術のみが、変化に耐えられる。あくまで知識や技術であって、それは経験ではない。経験則は変化に耐えられない。
それまでの経験則だけで、レベルの高いコトをやろうとすると、それはレベルじゃなくてリスクが高まるだけ。

「危なかったなぁ、でも今回たまたま失敗しただけ」って話を現場でよく聞く。私が見ていて怪しいなって思っていて、大体失敗するのは、多分それは「今までが、たまたま上手く」いただけ。これはもう経験則でしかなく理屈に敵ってないから、本人は失敗するのが見えて無いだけだと思う。

グランドで見ていてヤバいっと思うことが上手くいかないことは、クライマーのたまたまの失敗じゃなく、今までのギリギリのセーフなのじゃないか?
だからグランドのレベルが、クライマーと同等かそれ以上じゃないと、注意喚起もアドバイスもできない。
クライマーはとにかく伐りたがるけど、グランドの指示や助言に聞く耳を持ってないと、これまでのギリギリセーフがこれまでの蓄積で、それは経験則でしかない。
いきなり大きな仕事はできないし、経験則じゃ変化に対応できないよ。

4月に出るよって言われていた、ICoPの重要なアップデートだけど、なかなか出ない、
コビッドー19の影響だろうけど、どうなるんだろうか?

そこで2月に出た2002/02のEdition 2 を見ていると、随分変わっているようだ。2015/02のEdition 1 では、Fall Arrestが、一切登場しない。その代わり Fall Prevention がよく登場する。2系統で作業するコトはもうマストなんだろうが、ワーキングラインとセーフティラインの2本じゃなく、プライマリー/セカンダリーの2本になっている。ってことは、フォールアレストは必要がある場合のみで、基本は必ず独立した2本で作業することが求められている。


最近手に入れたWesSpurのカタログ。

仕事でヘロヘロになって帰ってきて
酒飲みながらコレ見て、
読んで理解するんじゃなく眺めて、
(っても重要のことは出てないけどね)
酔っぱらった勢いで、ポチッとする。

そんないわゆる「悪魔のバイブル」だけど、
202年版を見てハッとした。

皆さんお気づきでしょうか?
この表紙のシルエット、
2系統じゃん!
コトの重要性は出てない?(まだちゃんと読んでないからね)
こういう所から2系統を伝播させようと言う魂胆か?
でもそれはとても大切だと思う。

日本以外のArboristの会社は、2015年から2系統を実践している。ICoPのEdition 1 からそうしようゼってことが指針として出たから、会社や団体で2系統をトライしてみよう。ってかプラクティスで検証し、自社独自の基準とかを作っている。

私もその2015/02のICoP Edition 1 を見てから、極力2系統を実践している。最近では1本だけで登るのが恐ろしくなってきた。でも周りのイケイケはそんなことより、犬の骨とか早撃ちとかハイキングする人とか締緩工具とか減速帯走り屋とかそういう道具のコトばかり気になるようで、2系統を試している人はあまり見かけない。

知識は生活の糧になるよ。
怪我しないように工夫する方が大事だよ。


なかなか重要なアップデートが出ないから、
ドラフトのEdition 2 を読んで
最近は実践するようにしている。

まだまだ納得はしてないし、
まあ、読み難いから
自分用に判りやすく作ってる。
しまうまプリントはコンビニで
プリントするより安いから
PDFを訳して自分用に作っている。

まあこれは
Industry Code of Practice
for Arboricultureじゃなく
Parsonal CoP だけどね。

WesSperのカタログだって、2系統だぜ!このままだと日本はどんどん世界から置いてかれる。日本人は命知らずのバカなの?って思われるぜ?それでも構わないならイイけど、その場合は海外の道具に走らず危険な「安全帯」使った方がいいゼ。

でも、この表紙もターミネーションは1つだけどね。残念!

2020年5月13日水曜日

FALLについて

以前から気になっていた落下というか[FALL]について、やっと自分なりに整理できた。

PPE [ Personal fall protection equipment ]は、日本語表記で「個人用転倒保護装置」が一般的かな?この一般的って言い方も、統計的なのか?どこかの団体の優位性なのか?はたまたメーカーの表記なのか?そしてそういう一般的は、条件や状態でも違うし、どうもアヤフヤでシックリこなくって、私の日本語力もアヤフヤだから、そう感じていたのかもしれないが、

保護が、防護 / 防止 / 予防 / 阻止 / 制止とか様々な表記で私を悩ませていた。

もちろん正式には違いがあるかも知れないが、広辞苑や広辞林や新解さんでも違うし、類語や同意語として殆ど似た系統で表記があり、私は結局判らない。だいたいこの日本語の明確な違いを理解している人がどのくらい居るのだろう?
私の周りでは、居ない。
そして利害関係が絡んでそうで、それこそ一般的ではないと思う。

日本の規格なら日本語で良いのかもしれないが、私は日本の規格に頼ってないし、持ってる道具は殆どENやANSIだし、作業もICoPに準じてるし、そもそも原文のままカタカナで言うのがが良いと思っていた。

そしてそういうモノをザックリ説明すると、落下保護と落下防止と落下抑止の違いが明確に伝わらなくって、さらにレストレインやワークポジショニングが絡んでくると、もうこれらは全て「安全」と言う言葉で片付けられたりする。

ヒトは間違うんだよ。失敗するんだよ。落ちるんだよ。
でも落ちた時に命を守る根拠が必要で、作業は伸び難いロープでやってるから、衝撃力がそのまま身体に伝わる。それはとても危ないんで、フォールアレストなんだよね。

日本の多くは、絶対に落ちないんだよ。人間は間違わないんだよ。成功しか見ていないから、失敗しない前提だから。だから皆それに向って鍛錬するんだよ。万がゼロなんだよ。行政や雇用主はちゃんとできる方法を規格にしてるんで、万が一の場合は「想定外」って、責任は完全に個人に依存されるんだよ。

私は「安全」って言葉は使わないようにしているが、どうやっても皆「安全」って勝手に変換して納得している気がする。セーフティ[Safety]は、安全じゃ無いからね。

中国人の友だちに聞くんだけど、安全て言葉は昔は存在し無かったらしい。
でも最近は中国でも便利な言葉だからよく使われて、国家が国民を騙す時や幻想を抱かせる時に「安全」って使うようです。そんなもんだよ。「安心・安全」何て言ってるヤツらは信じない方が身のためだよ。


Fall Protection
プロテクション
≒保護

Fall Prevention
プリベンション
≒防止

Restraint
レストレイン
≒侵入制限

Fall Arrest
フォールアレスト
≒落下抑止

落下抑止(アレスト)では落下防止(プリベンション)はできない。
防げないけど、のっぴきならない状況にならないように、落下を食い止めて地面に墜落しないようにする。または、衝撃荷重にならないように落下の動きを緩やかに止める。結果的に落ちないから抑止になる。だからそれは落下保護(プロテクション)にあたる。落ちる可能性はあるけど落下を容認して、失敗した時に落ちる動きを抑止する。

落下防止(プリベンション)は、落ちない。
危険なエリアには入った時でも、落下しないように絶えずロープが張られるか懸架状態で作業するから落下は起きない。これも落下保護(プロテクション)にあたる。

侵入制限(レストレイン)は、そもそも危険なエリアに入れないようにする。侵入できないから落下しない。だからそれは落下保護(プロテクション)にあたる。

てな感じで、今のところの理解として、図を起してみた。参考になれば……

今まで「保護」と「防止」はどう違うんだ?って思って、モヤモヤしてたけど、アーボのワークアットハイのICoPで、2014年までは、文の中にフォールアレストが一杯出てきていたが、今年のドラフトでは、Fall Arrestの表記が一切無くなり、どうして???って思っていた。そしてProtectionと同時にPreventionが頻繁に登場する。
コレの意味が判らなくって、コビッドー19の影響もあり、家で自粛して随分シツコク調べていたら、私が感じていた「保護」と「防止」のニュアンスの違いがオボロゲながら少しずつ霧が晴れつつある。
おそらくフォールアレストしても枝の間に複雑に絡んでいたりすると、アブソーバが効く前に何処かに激突する可能性の方がデカい。即座に見事に障害物に当たらず地球に向って一直線に落ちるコトは考え難い。もちろん高く一直線に登る時は完全な落下に繋がる可能性はあるから、その時はフォールアレストすれば良い。
だから通常は抑止はせずに防止しようぜ! でも2本使いな!、って感じを納得できた。
そしてEN 363とかに書いてあった意味も、ようやく納得できた。これを納得するまでに随分時間がかかってしまった。

でもね、この図だけじゃダメだからね。これに肝心なトコロは触れてないからね。ロープアクセスとかワークポジショニングとか、会える人なら説明するけど、それらがどう関わってくるかは、自分で考えてね。

でも、保護や防止や抑止は、やっぱりそのまま、プロテクション・プリベンション・アレストっていった方が判りやすいな。
フォールプロテクションは、落下プロテクション
フォールプリベンションは、落下プリベンション、にして
フォールアレストはそのままが良いかな?
まだ悩ましく、、残念。

2020年5月12日火曜日

秋の逮捕


グーグル翻訳は最近
賢くなっきているが、
相変わらず、
[fall arrest]を
「秋の逮捕」とか
言ってくる。

何かを訳す時、そこは、
「フォールアレスト」に
まとめて変換すれば良いから
問題ないが、、
墜落制止用器具とかは、
怪しいね。
アレストって意味は、一般では
心拍停止 [cardiac arrest] や、犯人逮捕 [criminal arrest]で使われるから、かなかな高所作業の墜落には結びつかない。
そしてこれを「墜落制止」とか「落下停止」とかに日本語に訳すと、とたんに意味が不明瞭になる。これは落ちなくするのか?落ちたときに止めるのか?落ちたエネルギーから身体を守るのか?判らない。

保護 / 防護 / 防止 / 予防 / 阻止 / 捕捉 / 拘束 / 制止

これらの違いを明確に定義できる人は居るのかしら?
だいたい何となく「安全」みたいな、感覚の人が多いし、これらを全部ミソもクソも一緒に捉えてる人も多いと思う。私も判らない。
プロテクションは、どれに相当する?
プリベンションは、どれに相当する?
アレストは? レストレインは?

全然判らない。

日本の規格では「墜落制止用器具」ってのがあるけど、コレは一体 fall protectionなのか?fall preventionなのか? fall arrestなのか? fall restraintなのか?全く判らない。ロープ高所作業特別教育の有資格者なら判ると思うけど、私は資格を持っていないし、この墜落制止用器具の意味が判らない。

え、フルハーネス着けてれば、落ちても安全で大丈夫何でしょ?

って聞かれたことがあるけど、その方の墜落制止用器具が、見ても私には意味が判らない表示があるだけで、EN規格ならそのナンバーで、表示規定やパフォーマンス評価や試験方法や動作条件や禁則が判るけど、何に対応した、どんな基準を全うしたモノなのか?理解できなかった。

大体フルハーネスって何よ?
すこぶる危ないハーネスの略か?
フールハーネスか?
その定義を理解している人はどのくらい居るんだろう?

ハーネス型安全帯って、宙つり状態でも着用者の姿勢が「逆さま姿勢」にならないらしく、ってそれじゃレスキューで使えねえじゃん。

なぜ、フルハーネスなのかっていうと、胴ベルト型安全帯よりリスクが少ないらしい。墜落時に衝撃が少ない安全帯を強く勧めて指導しているようで、これはウンコよりハナクソの方が汚くないって理屈だと思うが、こんなんで死亡は減るかもしれないが、再起不能の事故は減らないよ。死んだら雇用側は一杯お金がかかるけど、死ななかったらそして間違った使い方してれば労災の適用になら無いから雇用側も損しない。

これじゃ、「安全帯」や「胴ベルト」と殆ど変わりが無いじゃん。
そしてその教育がマストで、寝てても貰えるありがたい国家資格だからな。
事故を減らすんじゃなく、権益団体が儲かるための国家資格だよな。
よくこんな基準に則ってる!って胸を張れるよな。
私はイヤです。

日本のフルハーネスと EN361のフルボディーハーネスは全くの別物です。
日本の規格がEN規格に名前を寄せてきただけ。

基本はレストレインみたいだけど、ショックアブソーバー付きのランヤードを使えばフォールアレストにもなる。ただし条件と状態によるんだけど、間違った使い方したら労災は効かないからね。労災は、雇用主と権益団体のための保険だからね。労働者の危険回避じゃないからね。
その機能も不明瞭で、多くの人が、このフルハーネスは墜落しても安全って考えている。

「安全」って何よ?

そして最近世界では、不明瞭な「安全」Safetyは使わない方向に動いている。
セーフティって、その人個人の感覚で違いがあるから、仕事上は使わない。
安全だ〜って言って落っこちる人居るんだろうな。
確認が必要な場合や、危険回避の助言には「クリア」を使うようになってきてるぜ。

どん日本は世界から置いていかれるよ。

「墜落制止用器具」って「秋の逮捕」のニュアンスとそう変わりない。

秋の逮捕って言われても、使う人がクリアにすれば意味は通じるっしょ。

2020年5月10日日曜日

一流の道具

鳥見の話の続きになるが、鳥を観た後でチェックする用に写真を撮るんだけど、あくまで確認用。自分は広告の仕事をしていたこともあり、カメラマンの知り合いが多く、そういう人には近づけないと思っている。

例えば息子にカメラを渡したら、
カメラのことなんか判らないくせに
バシャバシャ撮るんだけど、
オレよりよほど良い写真になる。
悔しいけど。

なんちゅうか、一瞬で、
1/250秒とかの
違いなんだろうけど、
私は絶対に良い表情や、
決定的瞬間を
捉えることが出来ない。
悔しいけどしょうがない。

スタジオで撮るアドバタイジングなブツ写真は、技術のための知識が必要で、その知識を勉強したらある程度は誰にでもできると思う。
一方自然を対象とするカメラマンは、知識と技術だけでは、もうどうにもならないコトが有るような気がする。モデルさんでも昆虫でも〈次の一瞬に良くなる〉って感覚的なサムシングエルスが必要だと思うし、知識や技術のワンオブゼムでは、どうにもならない感覚があると思う。

一緒にツリーワークをしていても、直感的に力学を感じてる人が少なからず居る。物理を感覚で制御している。幾ら頑張っても、こういう人には敵わない。そして「どうしてコウなるの?」って聞いても、大概巧く説明してくれない。だって感覚らしいから。

努力して勉強しても、その領域には近づけない。もっと勉強すればどうにかなるかもしれないが、今のところムリ〜!

そういう人と一緒に仕事をしたら、自分にも出来るって思っちゃうのが、とても危険で、ヤバい。その辺りは気をつけないとね。

鳥見をするようになって、初めて気がついたんだけど、被写体に興味が有る人と、写真を撮ることが好きな人の違いが有る。

私は自然が好きだから、そして頭が悪いから証拠として写真を撮る。
でも一方ドキっとするような良い写真を撮る人が居る。一瞬ですごい瞬間を切り取る。
良い自然写真を撮る人は、バシャバシャ撮らないよね。連写とかしないよね。

それに比べて、バカでかいバズーカ砲のような望遠持ってる人間居るよね。アレ何なんだろうね。今はカメラの性能も上がって手ぶれもせずに撮れるのかもしれないけど、バズーカ砲はいただけない。
前にジッとして立ち止って物陰からクマゲラを見ていたら、ドカドカ集団でやってきて、バシャバシャ撮って、飛び去った時も追いかけて、バシャバシャ右往左往してる人間どもが居たんだけど、いい迷惑だね。

ああいうのって、鳥を観たいんじゃなく、単にカメラが好きな輩だと思う。良いカメラを持って、たまたま良い被写体を見つけたらとりあえずバシャバシャ撮って、上手くいったら新聞とかに投稿したりして、誰かに見せびらかしたいだけなんだろね。結局カメラが好きで、褒められたくて、自分が好きなだけな輩だね。

そういうヤツは、どんなカメラでいつ何処で撮ったかなんて公表しちゃうから、そういう有象無象が益々寄ってくるようになる。
双眼鏡をぶら下げて野幌森林公園とか散歩してると、バズーカ砲を持ったジジィがすれ違い様に「今日は居ないよ」とか声をかけられることが有る。何が居ないんだよ!いっぱい居るよ!お前らはいろんな自然を見ようともしないし、見えないだけじゃないの。そのくせ誰かが見つけたら、ワラワラと集まってきて、ガヤガヤ騒いで、勝手に森を踏み荒らす。本当に最低だ。

被写体がどういう行動をするとか、どういう生活をしているとか、どういうことを嫌うとか、全く関係なく。ただその被写体が写った写真を手に入れたいだけ。
双眼鏡を持ってる人を見たら、何か情報を持ってるだろうって声をかけるのは止めて欲しい。知っててもお前らには教えないよ。
「山菜採ってます」とか「樹木を観察してます」とか言うよ。そのロケーションには、それなりの生活様式が有るから、この辺りは〇〇が居るかも?って思って探っている時に、そういう奴らに出会うともう最悪だ。
冬ならスノーシューの踏み跡をトレースされたりする。
だから迷彩かけながら歩いているけどね。

そういうヤツらは「カメラマン」じゃなく
ただの「カメラ好きな人間」だ。
カメラマンに失礼だよ。

イイ道具を持ってたって、結局自己満足だから、持ってるだけだから、良い写真は撮れないから。たまたま偶然見つけたからって良い写真なんか撮れないから。
知り合いのカメラマンも、そういう奴らに出会うと、どんな道具を持ってるか?ってことしか聞かれないって言ってるよ。そして、自分の持ってるカメラの方がグレードが高いって自慢げらしい。ダサイね。
有名な人のカメラ拝見なんて記事読んで、同じものをコンプリートで揃えたりする。
同じ道具買ったら、同じ良い写真が撮れると思ってるんだろうね。道具が同じでも、良い写真なんか撮れないよ。
その道のプロが使ってる道具を持ったからといって
プロの仕事ができるワケないよ。

道具が良い仕事をするんじゃなく、
良い仕事ができる人の効率をアップするのが良い道具だよ。
トンチンカンチンが良い道具だけ持っても一流ではないよ。

良い仕事ができる人は、知識も技術も持ってるよ。
でも、写真は、カメラマンの感覚がモノを云いそうだから、
一長一短には巧くいかないよ。
「弘法は筆を選ばず」だけど、
一流の筆を選んでも、一流の書には成らないよ。

やっぱり、残念。

日々是勉強さ



私の趣味のひとつに
小鳥を観るコトがある。
単純に見るだけだ。

ただ見るだけだけど、
それが何という名なのか?
どういう鳥なのか?
いつも居るのだろうか?
何処に行くのだろうか?
どんどん深く興味が続く。
昔は何も興味が無かったが、最初は知り合いに連れられて、宮島沼にマガンのねぐら立ちを見に行ったときからだ。あの圧倒的なパワーに震えた。
マガンが去った後の沼には静寂の日常がやってきて、マガンは一瞬にして居なくなったので、朝4時半に、ん〜終わった。って思ったが、
時間もあるし師匠と一緒に、その他の小鳥達を探すことになった。
沼残ったヒドリガモやオナガガモやキンクロハジロ。
周囲の農耕地では、ハクセキレイやヒバリ。
薮では、アオジやシジュウカラ。
空には、トビやノスリ。

ん〜、意識してみるといろんな小鳥が居た。
意識してなかっただけだった。

そして師匠は「あそこにゴジュウカラが居る」って言われても、探せなかった。自分の持ってた双眼鏡で探すけど、動くし、焦点が合わないし、見つけられない。
そこで師匠が「まず肉眼で探すんだよ。そして頭を動かさず、ゆっくりと双眼鏡を構えるんだよ。そしてその双眼鏡は良くないよ」って言われて、双眼鏡を借りて言われた通りにやってみると...見つかった。感動!

自分で持ってた双眼鏡は、高倍率だから視野も狭いし、暗いし、ひとみ径も小さく、重かった。性能的には申し分ないけど、自分の性能と合っていなかった。

借りた双眼鏡は、標準的な8倍で明るくひとみ径も大きいし軽い。
「始めは実視界と変わらないくらいで、ちょっと大きく見える程度が見つけやすいよ」って言われて初めて気がついた。
闇雲し高性能のプロ仕様的なものは、素人には扱えないって当たり前のことに気がついた。これも意識していなかったことだ。
道具はちゃんとやり方が判れば、ちゃんと使える。そしてスペックだけ一流でも、目的に合ってないと機能は果たさない。

本当に基本的な使い方って言うかセオリーはマニュアルに出てるんだけど、読んでもなかなか伝わらないし、そんな簡単なことはヤってるよ!って思っているだけで、全く出来ていなかったことに気がつく。双眼鏡なんて安くて高いスペックのモノが良いだろうって、勝手に思っていただけで、使い方や自分のレベルで武器にもなるし、邪魔にもなる。そういうことに気をつけるコトを教えてもらった。
まあ鳥見の話だけど、一流の人が使っているモノをシロウトが持っても、それこそ宝の持ち腐れ。最初はビギナー向けの優しいモノで、自分の頭を徐々に対応させて、以後自分の使い方や目的の方法に合わせてバージョンアップしていくことで真っ当な機能を果たす。

自分の脳ミソが対応してない道具は、役に立たないんだよ。

そして自分は珍しい鳥を見に行くより、自分の身の回りで日常を観察することが好きだということも判った。だから今でも8倍のハンディで鳥を探してる。散歩の傍ら日々変化する近所の鳥を見つけることに生き甲斐を感じている。

そして声で判断するコトも覚えた。
そこでボイスオブホッカイドウという、カセットテープを手に入れた。これがとても素晴らしく、この辺の日常にピッタリ。毎日通勤時にしつこくウォークマンで鳥の声を聴いた。スピードラーニングじゃないけど、いつも聞いてると何となく覚える。
このカセットは制作者の声でボソッと名前を告げてから実際の鳴き声が聴こえる。そして「草原のジャズシンガー」とか詩的な表現で一言説明がある。
このカセットも師匠から教えてもらったんだけど、何も知らずテキトーに選んでいたら失敗していたと思う。
林や草原を歩くと、同じ声が聞こえたら、凄く嬉しくなるぜ!

鳴き声で何が居るか何となく判断できて、方向とか位置に近づいて、肉眼でボーッと漠然と見ていて、見つけたらやっと双眼鏡を構える。
そういう探し方が存在することすら知らなかった。

家に戻ってから、声を頼りに探した鳥を図鑑で確認する。でもオレが見たのはこれじゃない!って思ったり、どことなく違って見えたり、確証が得られない。
図鑑だってプロ向けと初心者向けがあることに気がついた。そして図鑑も数種類持つし、声だって、ヤマケイとか大鑑とかいろいろ出てるので、次々に手に入れる。
これがハマるってヤツだ。
そうやって数冊の図鑑と数枚のCDとかカセットとかが揃っても、未だに判断がつかなかったりする。でもその音源も図鑑も全て役に立っている。聴き比べたり、見比べることで核心に近づくことも出来る。

声をしっかり聞き、環境を記憶し、双眼鏡で観る。眉班とか過眼線とか初列風切りとかも覚えていく。それでも判らないことがいっぱいなので、しっかり記憶するが、見るポイントも曖昧なので、写真を撮るようにしている。あくまで確認用。
後で家に帰ってから、写真と図鑑と声を整合してみる。これで大体全う出来るが、それでも興味は尽きないのさ。日々の観察によって新しい発見が必ず有る。
もう30年近く毎日見てても、チンケな場所でも、年に数回はワクワクする出会いがある。

日々の日常でも、季節は次々に変わり、周囲の環境も変わり、渡りの途中で寄るヤツとか、毎日のように同じ場所を見ていてもちっとも飽きない。そしてたまに偶然見つける珍しい小鳥にハッとさせられる。
それから図鑑や声ではどうしようもないコトだけど、飛び方なんてのもある。鳥によって特徴的な飛び方がある。これはもう一元化できないし、有ったとしても逆に難しいかな。しかし飛び去ってしまう鳥の動きというか、何処に逃げたとか、遠くから見ても判断できるようになるのは、やはり経験かも?

私はハマったらシツコイからね。
疑問を解決しようと調べたら、そこに新しい疑問が生まれる。
新しい疑問を調べたり、師匠に聞いたりしたら、
益々疑問が生まれる。一定の満足があっても
次々に疑問が湧いてくる。

日々是勉強さ。

よく作業中でも鳥の声を聴いたら、そっちを見て探しちゃう。まあちゃんと見つけに行けないから、◯○だなって思ってるだけだけど、ボソっと口に出ちゃうこともある。そういう時「良く判りますね」とか言われるけど、日々の勉強で自力がついてきたのかな?

仕事も、自然を相手にしていれば、同じコトなんて絶対ないから、日々の興味が大切で、その興味に対して勉強するのが当たり前のコトだと思うが、
なかなかみんな簡単な積み重ねとかは勉強しないよね。

日々の蓄積に即効性は無いけれど、必ず血と肉になる。
残念。

2020年5月7日木曜日

気持ちいいチーム


先日の作業で仕切ってくれた人は、
そんなに経験が無いんだけど
モノ凄く勉強している人で、
イマイチ自信無かったのか
一緒にやりましょうって呼ばれた。

その人はグランドをやりたいと言っていた。
チームがそれほど熟成してないから、
ゆっくり確実に勉強しながらできたら
イイなと思っていた。

一緒に作業している他の方も
そんなに経験が有る訳じゃ無いから、
巧くいかないことも多い。
でもそんなとき直ぐさましっかりと
セカンダリプランに移れるのが
チームだしグランドの仕事だ。
そういう経験を積みたかったんだろうけど、
いざ現場が始まると、その方は率先して登って、次々に片付けて、私は申し訳ないなと思っていたが、ここはオレが出しゃばらない方がイイよ思って粛々と作業していたけど、やはりちょっとづつ遅れるし、思ったとおりには行かないことが多いから、頑張らなきゃって思っていたと思う。

「現場をこなす」は失敗はできないし、天気も有るし、人の手配の関係で大体のケツは決まってるからなかなか難しい。ICoPでも[Sufficient time to undertake the work]; (作業を実施するのに十分な時間)という項目も有る。厳密な工期制約は無かったけどやはり焦る。そうなるよね。

作業が遅くなるのは仕方がないし、そこで「もっと速く動け!」ってんじゃなく
それはきっと<見積もりが甘かった>ってコトだと思う。
自分ではセオリー通り行っても、なかなかそのとおりに現場は動かない。
最終日に、やっぱり思ってた行程よりちょっと遅れ気味になり、悠長なことは言ってられねえなって最後にはその方と一緒に登ったんだけど、

吊る必要があるヤツのセッターをやりながら、吊らなくても良いような軽く短いものを手ノコで片付けていた。手ノコでは屋根に架からないように、理想的なポジションで、理想的な伐り方で、動荷重を生まないようにできていたんだが、いざ自分でエンジンを回さなきゃならない時には、どうも思ったとおりに対象を動かせない。伐り方がダサイから思ったより激しく動く。
手ノコだと8割がた思った通りに動かせるけど、あとの2割は危険にならないけど予想以上の動きをした。自分の危険回避や対象の動きは制御してたけど、どうも納得できる動きじゃなく不満が残った。
しかしチェンソーになったとたんに、伐りすぎる。派手に動く。3割くらいしか思った通り動かせていない。自分がイヤになった。自分の不甲斐無さを痛感した。まだまだだ。
でも回を重ねるごとに伐らなさすぎるくらいにして、最後は手ノコで制御すると巧くいく。チェンソーは難しいね。

一方一緒に登っていた方のチェンソーテクニックは申し分ないと思うし、
セオリー通りとんでもなくスムーズに吊れるし
「いや〜凄い手慣れてるね」って言ったら
「そんなにやってないですよ。ただ地上での勉強は、いっぱいやってますから」って、

シビレた。素敵だ。ホレた。

こういう人が今後引っ張って行ってくれたら
ツリーケアの世界も素敵になるだろうなっと思った。

そう言うことだよ。
地上でできる勉強は手を抜かないんだよ。
だから疲れずに手早く作業が進むんだよ。
その点オレは、偉そうなこと言ってるだけで、
まだまだだな。

当人はあまりグランドを希望だったできなくて申し訳なかったけど、
チームで動く大切さとか、互いに信頼して行う作業はとっても魅力的で、
危険が少なく、満足感も充実感もあったと思う。そう思いたい。
ありがとう。ご苦労様でした。


2020年5月6日水曜日

オールラウンダー

以前にある方と一緒に作業してた時に、手ノコで十分だったんで、
手ノコでやってもらったんだけど、まあ巧くいかないんで「それじゃダメです。
もっとちゃんと意識して伐って」って言ったら、その人は
「普段はチェンソーだからどうも勝手が違う」みたいなことを言われた。
手ノコで巧くいかないのにどうしてチェンソーだと上手くいくと思うのだろうか?
よほどチェンソーに自信があるのか?何〜ンにも考えてないか?

アーボリストとしての作業と機器の選択は、国際的には厳密に決まっている。チェンソーを使う理由は合理的にエンジンを使わなければ成らない時だけに限っている。なんでんかんでん木こりはチェンソーだ!って思ってるのは日本人だけだよ。

そして仮に地上でいつも作業してる巧い方法だとしても、
どうして樹上でも同じことをできると思うんだろう?不思議でしょうがない。
身に覚えのある条件を即座に樹上で利用できると思うんだろうか?
こういうヤツとは二度と作業をしたくない。

その人はチェンソーを何本持ってるとか、道具をいっぱい持ってるとかばかり気にする。
私は普段使いのチェンソーはトップハンドル1本しか持っていないと言うと、ソレで大丈夫か?とか言われる。まだまだ知識も技術も自信が無いし、大径木をヤラなきゃいけない時は、もっと出来る人を呼んでやってもらう。ズルいけど私は大径木は伐れないって言っている。でもその方は、その小ちゃいヤツでもこうやれば大径木も伐れるよ。とか自慢げに言う。その伐り方の疑問を素直にぶつけると、ムニャムニャと歯切れが悪くキッチリとした答えを教えてくれない。というか判ってないんだろう。
確かにできる方法は有るしやったことも有るんだけど、私はその技術に不明点が有るし、ちゃんと出来る自信も無いし、そんな作業はもっと巧い人が居るならその人に任せた方がイイと思っている。居なかったら呼んでくる。

だって道具が幾ら有っても、頭が無ければ出来ないモン。
道具がやってくれるんじゃ無いし、道具を操作してるのはダレよ?

そう言う人に限って、勉強する時間が無いとか、経験で補うみたいなことを言う、
人に任せることをしない限り、時間が増えることはないよ。
全部自分でやろうとすることは、時間の価値観が違うのかな?
私は変なコダワリもプライドも無いから、
ヤレって言われても「できません。誰かがやってください」と言う。
それでもプロか。って思われるかもしれないが、それがプロだよ!
頑張ってみます!って言う人は、どんどん時間がなっていく。
頑張りますじゃなく「みます」っどういうことよ。
どんだけ自分を買いかぶってるんだっと思う。だいたい頑張るってどういうことよ。バレ無いようにごまかしてやってるテイにするって聴こえるよ。シンプルに考えれば、そんな「頑張ってみる」はヤル意味がないと思うよ。

そして何をやっても一流だって言うオールラウンダーなんて、そうざらに居ないと思う。
ただ粋がってるヤツか、うがった知識も技術も無いヤツか、自分を天才だって勘違いしているアンポンタンじゃないの?努力して天才に成れるもんじゃないよ。
得意な分野は、得意なテクニックを持つ人に任せた方が仕事はスムーズに進むよ。自分では自分の得意な分野を勉強して、ソレ以外はチームでやろうゼ!って考え。

自分で勉強して一部の知識を習得してから、他の知識も手に入れる勉強を重ねるっていう経験を積むことがオールラウンダーに成る唯一の方法じゃないのかな。「経験を積む」ってそう言うことだと思うけどね。闇雲に作業をこなす経験は、たがの「慣れ」でしかない。いわゆる間違った作業慣行ってコトだよね。
独り親方も闇雲に経験を積むんじゃ無く、地味な得意分野の勉強を広げて行かないと、いつまで経ってもチームは作れない。
そもそも「チームを作っる」って他人同士が寄り集まることの意味は「各々の得意分野を総合的に評価して、互いにリスペクトして作業を行う」ってことにしかない。チームと言って主従関係や師弟関係だったらそれはマヤカシなんじゃないかな?チームじゃなく親方を儲けさせる「班」だよね。

だから皆オールラウンダーを目指す意味が納得できないね。どうして全部が全部凄い人間に成れると思うのかね?得意な仕事は得意な人に信頼して任せられずに、オレが凄い人になるって思うかね?
天才でもムリだよ。ひとりで出来る仕事しか作業出来ないよ。1人で出来る作業レベルはたかが知れてるよ。幾ら天才でも物理的に無理なもんは無理だよ。鍛錬や試練ではどうにも成らないよ。人に任せられない人は時間が無いって言うし、他人のヤルこと信用してないし、なまじ自分に意味の無い自信が有るから他人のヤルことを温かい目で見られない。最初からそういう天才を目指してるから、チームも作れないんだろうね。疲れるだけよ。

作業を分担し力を合わせないチームや会社は、意味が判りません。やっぱり主従関係で親方が儲ける手助けに命を張るのかね。人をコキ使う人に限って精神的余裕を与えずに精神論を要求する。時間は自分で探して作るんだよって言うね、きっと自分の時間もないんだろうね。分業しないチーム自体に存在の理由が見当たらないよ。


他に任せられる
信頼関係を築けば、
任された方はやる気を出すし、
自分自身も力を発揮できる
と思いますけどね。

主従関係でも師弟関係でもない
それがチームワークでしょ!
やろうと思えばできるよ。
できないのは、
やろうと思っていないからだよ

主従関係で会議でしても、結局操業家の独断みたいな構図って、沢山あるよね。皆の意見を聞く機会さえ無い。忌憚ない意見を....って言ったって、言ったら言ったで塩漬けにされたりしてるの見てると。結局自分のクビが心配だから意見なんて言わねえし。主は従を見てるつもりでいても、従は主の押し付けなやり方を判っているから。ヘンなこと言ったら自分が危ないってコト経験で知ってるから言わねーだけだよ。

独り親方の人だって、私もそうだけど、自分の身の程を知って、他人を信頼して、ユルく組めるネットワークを作ったら、大きな仕事も出来るよ。ネットワークは丸いんだよ。

でもそういう形を外注って考えると、とたんに三角形に成るね。上下関係に成っちゃう。

みんなそれなりに力を合わせて、基本に忠実に一番出来ないヤツにレベルを合わせて、作業を分担して行けば、どんどんマルのサイズは大きくなるよ。
三角形は、一番上がコケけたら作業は進まないし、一番下のヤツが欠けたら崩れるよ。

2020年5月2日土曜日

ユーチューボリスト

最近やたらある動画の話をされて、その動画のやり方はドウなんでしょう?と聞かれる。
まあ、あとでYouTube見るんだけど、コイツは見ても何をやりたいのか?全く判らない。ただ最新の道具を見せびらかしたいだけなんじゃないの?この人が悪い訳じゃないけど「こんなん買いました〜!」っていう感じ悪い情報ってだけで、理に敵った方法でも、マニュアルに出ているやり方でも無いし、彼独特の方法なんじゃないかな?

情報は自分で選択するものだよ。
何でも鵜呑みにするなよ。

そして突っ込み所も満載で、命綱って言ってるし、チェンソーをノコように前後に動かして伐ってるし、トップカットでどんな動きをするか判らないから怖いらしいし、受けも伐らないし、リギングじゃなく自由落下だし、その太さなら手ノコっしょ!てやつもチェンソ−使うし、システムもクソもない、そして全部1人作業。リギングも何も無い。
当人が事故ったら誰が助けるんだろう?
これこそ特殊な伐採かぁ〜!すげぇな。って思う。
トクバツって、特殊な人の伐採だからね。世界的に見てスタンダードじゃありませんからね。そのくせ世界基準の最新道具を使ってる。道具にはメリットもデメリットも有るし、メーカー推奨の使い方決まってるからね。 誰かにアドバイス貰ったり、相談する相手居ないのかな、友だち居ないのかな。ツリーケアは、人間は失敗するから救助前提で作業を計画するからね。人間は鍛錬や繰り返しの練習でもどうにもならない部分があるからね。スタートラインがトクバツとは違うからね。

この方は何がしらのスゲェ職人なのかもしれないけど、こういう動画を見て特殊伐採だ〜!オレもヤる〜!って喜ぶ奴らには超ウンザリです。行政の方々に多いです。まぁ「特殊伐採」とかで検索すると、こういう輩に引っ掛かるんだろうな。こういうのは本当に、特殊な人が行う根拠無いマレでトクシュな伐採ですからね。私がやってるツリーケアとは全く別物ですから。
私は林業出身じゃないし、空師の正当継承のカタチを知らないからだけど、昔それを踏襲しようとしている人のやり方観た時に、こんな危険なコトは私にはできないと思った。逆にこういう作業をできる人は「凄い」とも思ったし、こういう危険な作業に命をかけられる人が本当の「職人」だと思った。そしてオレがやったら正直遅くて非効率だしイイところ無いと思った。だからオレにも出来るツリーケアの方が良いと思った。
成功例やその人にしかできない事は凄いと思うけど、ソレを真似しようとは思わないね。

動画を見てもそこから得られる情報は自分の都合の良い解釈になっちゃうし、言ってる事判らないから動画で何かを知ることが無く殆ど疑問が残るので、敢えて見ないようにしている。大体外国語で話してる言葉判らないから一概に判ったつもりになるのは危険、情報は選択しないとネ。

多くの人は「絵」だけを見てるんだろうな。前に紹介された動画では、私のつたないリスニングでも判ったけど「あぶねぇ!だからそんなやり方はダメなんだよ。アハハ」って失笑してるヤツで、こんなバカな事しちゃダメよという戒めの動画だった。それを「特殊伐採はこうやればイイんだ」って思ったみたいで「やっぱり特殊伐採は危険な作業ですね」とか言ってた人がいた。恐ろしいのは作業じゃなくて、そいういステレオタイプの視聴者だ。こういう輩の方がよほど恐ろしい。
何言ってるか判らないからこれが正解だって思っちゃうんだろね。ポータラップで対象をガツンと止めて、上でグワングワン動いてるのを見て、ポータラップはこうやって止めるんだ、動きを止めればイイんだ!って思っている人は今でも多いと思う。信じられない。

特殊な伐採はコレでイイけど
倍速動画で見せびらかすような
手法はどうもいただけない。

こういう人を私は
ユーチューボリスト。
そう呼んでいる。



ツリーケアでもツリーワークでもないし、ましてアーボリカルチャーでも無い。だいたい材も取れてないっしょ。もったいない。樹に対するリスペクトが無い。樹の命を奪うだけだから本当のトクシュ伐採ですね。見ているだけでウンザリする。

前に、カナダの知り合いから、日本人は狂ってる!って話されたこと有ったんだけど、まず条件を満たしてないロープ使って、訳の解らん改造して、日本人は何を考えているんだ。とか言われても、日本人じゃなくて、こういう特殊な人がヤルことだから、日本人全体がそうじゃないよって言ったら、そリゃそうだねって納得してくれた。こういう特殊な人が日本人代表みたいに要らねー情報流すのは本当に辞めて欲しい。

マニュアルに書いてるように、勝手にレギュレーションに合わなくなる改造したり、セッティングの要件も守らないで自分の持ってる道具に無理矢理自分のやり方を合わせたりすることは、私個人は勧めません。
この動画がドウってことないし、勝手にやってりゃイイんだけど、まあ要らないことで私が色々聞かれたり、問い合わせを受けるのが迷惑だ。
どうなんでしょう?と思ってるんだったら、信じない方が良いよ。
第一オレが「イイじゃね?」って言ったら、ヤルのかよ。
前に、そういう新しい道具のYouTube見て相談されたとき、ソレは使ったことが有る道具だったから「あなたには合わないと思うよ。たぶんそんな良いことは無いからヤメた方が良いよ」って助言したにもかかわらず、一週間後に会った時もうすで使ってて、凄くイイ!って言ってる人がいたけど、1ヶ月後にはちっともラクじゃないって使ってなかった。そんな一時の気の迷いで◯万円も使うのかよ!イヤミったらしく「アレどうしたの?」って聞くと、ムニャムニャと言葉を濁して、、、また新たにコレはどうかな?って新しい道具のことを聞いてきた。ダメだね。懲りないね。好きにしてよ。

都合の良い情報だけでお気軽にネットで道具買うのはどうかと思うよ。
Why?を大切にしてHowしてみるのはイイけど
自分の根拠は自分で構築しないとね。
そしてこういう動画をスゲェと思ってる人は、私に聞かないでください。
根拠も方法も知識も考え方も判らないし、多分違うんで聞かないでください。
私は特殊伐採の人間ではありません。
自分の危険を取り除く、見た目に遅くて用心深くて派手さが無いツリーケアです。

倍速じゃないですから。

どうしてみんな、いきなり早さを求めるかね。
危険少なくセオリー通りやっていれば必ず早くなるけどね。
簡単に最新道具を取り入れても早くならないよ。
根拠が違うしメリットデメリットも有るし
でも自分をスキルアップしてないから
だから道具に頼るんだろうけどな。
早くなる道具なんてそうザラに無いよ。
使ってる人が早くなるプラクティスしてるだけだよ。

でも、真っ当に作業している人でもそういう動画に引っ張られちゃうんだよな。講習も問い合わせも全く迷惑している。
高所作業特別教育(樹上作業)と並んで迷惑している。
悪貨は良貨を駆逐する。グレシャムの法則。

昔の仕事である企業の紹介をした時、取材の通り従業員が思ってる事書いたらクレームが来て「そんな事書かれたら評判が落ちる」っていわれてボツになったことがある。
本当のことを言っちゃマズいらしく、口当たりまろやかな上っ面の記事になった。
だから私は基本的にステークホルダの後ろ盾が有るメディアの言うこと書いてることは信用しない。印刷物や映像ってよく見せるように作ってるし、ヤバい企業ほど自分の所をよく見せる宣伝するし、大きな仕事をしているとか、雇用機会を広げたり、良いことばかり言う企業は、後ろめたいことが有るから声を大きく偉そうに社会貢献してるとか言っちうんだろうな。リクルートアドは特に、人が足りなくなるから良いことばっかり書いて、使い捨ての人材を集めるんだろな。ちゃんとやってる所はそんなところ偉そうに吹聴しないもん。行政に対してのポーズなのかね。
逆に従業員がイイ事しか言わない会社も胡散臭い。正しい事言ったらクビになるほど恐怖政治で統治してるんだろな。だからそういうおべっか使いしか会社に残らないんだろな。だから私的なYouTubeもTVも業界紙なんかも信用できないね。
そういうマヤカシを信じない方が身の為だよ。
都合の良いことを信用してババを引くのは自分だよ。

ツリーイングもツリーケアも特殊伐採とは違うからね。ミソもクソも一緒にされがちだけど、木に登るって共通点以外は目的も手段も全然一緒じゃないからね。
「ツリーイングの技術を使って特殊伐採をやってる」なんて言ってるヤツは全くの嘘っぱちだからね。私は両方やってるけど、ツリーイングじゃ何もできないよ。ツリーイングは登って楽しむものだよ。愉しく登れても作業をすることは認めてないよ。
そしてツリーイングのインストラクターはレスキューありきだからね。失敗したら誰も助けてくれない危険な特殊伐採とは全然違うことだから。ツリーイングをナメんなよ。
そんな特殊伐採はCEでもENでもANSIでもないし日本独特のガラパゴス特殊伐採だからね。世界的にツリーワークの基礎は存在するし、世界中みんなソレに従ってると思われてるから、外国人に日本は狂ってるとか言われるのよ。
でもそんな外国人でも、外国人ってだけで尊敬しちゃったりもするのよ。昔スネークマンショーで、ミスター大平ってのが有ったけど、そのまんまですな。YouTubeや立派な看板の書籍を前にすると、私のやってることなんか吹っ飛ぶよ、霞むよ。まあ霞んでもイイけど、信用してくれないなら、ソレでイイよ。私は自分や自分の仲間が事故らなければ良いので、怪しいやり方マネてる他人がどうなっても構わない。と思うことにしている。

何を信じてもイイし、何をやっても構わないけど、自分のPPEは自分の保護具だからね。あなたと私じゃPPEも多種多様で当然だよ。
そりゃネイビーシールズのように身長や体重の規格が決まってるなら全身一緒でも良いけど、デッコボコのジジィどもが、頭の天辺カスクから、つま先アーボテックまで皆ん〜な全員一緒でチェンソー振り回してるっていう、おぞましい光景を観たことがあった。ソフビのウルトラマン握って、喜び回る幼稚園児か!って思った。PPEは個人保護具だから、体型違ったらきっと違ってくるよ。猫も杓子も皆モーションなのはオカシイよ。
道具を何とかするんじゃなく、自分に合ってる理に敵ったセッティングやコンポーネント、コンビネーションを探すことが愉しいと思うけどな。

ユーチューボリストじゃなく、YouTubeには有益な情報が沢山あるよ。
サーズコビッド19でアラートが出てるから、みんな自分で考えて、30秒アドバイスとかチェーンコーチとかやってるよ。
結構面白い間違い探しのコンテンツとか有って、みんな面白い考えを言ってるけど、間違えてる画像見て「これでイイんだ」なんて思わないでよ。
ちゃんと何言ってるかわきまえたら、有益な情報も沢山あるよ。

そしてみんな楽に登れるデバイスは何?っていうけど、そんなのデバイスじゃどうにもならんよ。ハイキングするヒトも早撃ちも犬の骨も稲妻形も、ましてや締緩工具や減速帯なんて「楽に登る」道具じゃなくて、降りる時に有効なんだよ。動画で凄く楽そうに登ってる。って、手足も長くタッパもある肉喰ってる民族だからだよ。魚喰ってるチンチクリンには無理だよ。

楽なのはそりゃラプターだよ。はっきりしてる。デバイスいっぱい沢山買うくらいならラプター買えるでしょ。ホンダのエンジンだよ。

そして「楽に登る」ことが重要ではないよ。
ゆっくり登っても、手早くセッティッグ出来りゃイイんじゃないの?
セットや作業姿勢で無理してるから→疲れるので→ラクしたいだけなんじゃないの?
よしんばラクに登れたって、あなたの疲れは取れないよ。
そういうヤツに限って道具に頼って、疲れないセットや姿勢を勉強してないもん。
地上で勉強できることも練習してないから時間かかってるんだぜ。
それを道具のセイにしちゃ道具も可哀想だよ。
でもそういうバカがいっぱい買ってくれるから、
怪しい販売店はソレで儲かってウハウハなんだろうな。
でもメーカーは本意じゃないと思うよ。

登ってから疲れないようにすりゃイイんだよ。
そのために知識を貯めたり、結びの練習をするんだよ。
でもそんなことよっか自分の危険をどう回避するか?が大事だよ。
道具ばっかり買っても、自分の効率も危険回避も担保できないよ。残念!。