2011年12月27日火曜日

ビッグショット考

私がビッグショットを好んで使わない理由は、あまり必要を感じないから。
ビッグショットの要件は「手投げでとどかない領域へのアプローチ」で
最初にレクチャーを受けたとき「ヒジが地面に着くくらい引け」
そうすれば40m位は上がると...
しかし私が使う場合ゴムの強さに負け、せいぜい30m位までしか上がらない。
あと5cm引けばもっと上がるといわれるのだが、
無理矢理引くとプルプルしてコントロールがつかない。
屈強な消防士とかは、ポールでコントロールするのではなく、
引いたゴムの方を移動させてコントロールする。
そんな腕力はないし出来ないし、ヘッドに当たってしまうことだってある。

5m程度まではロープを直接投げた方が良いし、
22m位まで手投げでいけるし、そこから上はビッグショットになる。
現実的に22m以上のアンカーは少ないし、
あっても現場までデカイ図体を運ぶのが億劫だから繋いで登ってしまう。
レッドウッドとかに行く場合は別だろうが、
そうした場合はきっと屈強な仲間がいるので自分でショットすることはない。
故にビッグショットはそれほど積極的に使わないし、
その分手投げのトレーニングを積む方が性に合っている。

しかし、先日知り合いからパニックスナップなるものを頂いた。
ビッグショットのトリガーに使えるというもので
会社で使わないものを整理してたら出てきたらしい!(なんかスゲェ会社)
その方はビッグショットを持っていないから私にくれるというのだ。
私は講座以外でほとんどビッグショットを使わないし
トリガーシステムにもあまり興味がなかったのだけど、
こういうキラキラしたものを戴くとムクムクと好奇心がわいてくる。

一部巷で話題になっているので、いろいろ調べてみると、
皆さんいろいろとトライアルされていて、試行錯誤している。
自分で必要な条件といえば、ヒジが着くまで引けること、なので
それを補うのはやはり倍力を組んだモノになる。
ツルベで倍力を組んだものがあったが、アンカーがフィックスされている。
ただでさえゴチャつき重くなるのは好みではないし、
結ぶのも解くのも簡単なノットの方が性に合っている。
そして出来れば3倍力を組みたいなぁと...

いろいろ考察していたのだが、ビッグショットのゴムは思ったより強く
なかなか満足いくノットが見つからなかった。
ダブルやトリプルのコンストリクター(テンションが分散されてダメ)
プルージックやシュワビッシュの巻き数を増やしたり、
ヒッチ系をいくつか試したが引く時に一瞬荷重が抜けるからズリやすい。
やはりチョーク系のノットじゃないとといくつか試したが
引かれる方向と荷重の関係が今ひとつ案配が良くない。

「いいアイデアが
生まれないときは、
部品を握って一緒に寝る」
という私の先生の教え通り、
ロープの切れ端を絶えず
持って歩きしばらく
何も考えずいじっていると…
いいアイデアが生まれた!



エスキモーブーリンをリトレースしてリングを二重にする、
いわゆるエスキモーブーリンのヨセミテ的なアレンジ状態で、
末端をさらにリトレースしてワンバイト作り末端同士を結着すると、
アンカーもできるし、ラチェットプルージックも同時にできる!
倍力もツルベじゃなく3倍にできる!
アンカーとプルに交互荷重するので解けにくい!理想的なノットになった。
ダブルエスキモーブーリンウィズアバイトリトレースループ
いろいろ探った範囲では見あたらない、オリジナルのノットになった。
シノニムを作ってしまう可能性もあるが....

さらにパニックスナップにはハンドルがないので、
ソコにもダブルエスキモーブーリンループでハンドルをつけ
ダブルエステロン5/8の末端をちょいと使い、握りやすいようハンドルにした。

パニックスナップのスイベルにフィギュアエイトで固定、
延びてくるロープをビッグショットのポールエンドの
(例のブーリンのワンバイトにマイロンを噛ませ)アンカーに通し、
引き側強めの4on3のプルージック、
(4on3やon2にするとマインドプーリーじゃなくてもマイロンで代用できる)
戻ってパニックスナップのスイベルに通す(本当はもう一つマイロンがよい)
末端を引くと理屈上の3倍力になる。
軽いことやシンプルにすることも目的なので、敢えてプーリーは使わない。
それでもヒジくらいまでは余裕で引けようになった。


パニックスナップのハンドルを引いたとき
ビッグショットのハンドル(布の握り)だと
上手く外れないことがある。
なので、ビッグショットのハンドルに
マイロンを掛けた。
実値テストで30本くらい飛ばし
アベレージで40mは軽く上がる。
そして一番感じたメリットは
上空で風の影響を受けにくい。
初速で直進性がイイから
上でもブレにくいのかなぁ。
クニャっとなることがない。


話は違うが、以前、パンタンは楽だけど、正直メリットを感じなかった。
ハンドアセンダーをフットループ代わりに使う方が良いと思っていた。
スプリットテイルシステムは出来るけど、さほどメリットを感じなかった。
でも、ちゃんと登行や移動や使い方が判るとパンタンが必要条件に変わった。
ただ楽なだけじゃないんだ!っと。
少なくとも自分は「楽」という理由だけで触手を動かさぬよう心がけている。
それがセーフティでスピーディでローコストなら言うことはない。
ビッグショットも本来の使い方が出来ないから有用性を感じなかっただけで、
今まで自分では不可能と思っていた40オーバーも夢じゃない。
またひとつ屁理屈捏ねたバカの壁を越えた感じ。
初めてビッグショットにメリットを感じました。
作業時間の短縮では使わない。アプローチ難なアンカーを狙うときに使う。
低いところでもコレに頼ってしまいそうな自分は戒めないと....


プルージックと
ロープの関係を変更し
倍力ロープを、
7mmに変えると
ますます調子よくなった。


いやぁ、本当にパニックスナップをありがとう!
貰わなかったら手をつけない領域だし、
貰ったからにはちゃんとやらないと失礼だし
でもちゃんと知るとまたひとつ他の可能性も見えてくる。
私の場合こんな感じになりました!

ビッグショットは大変危険な道具です。事故も起きます。
ココに紹介するのはあくまでも個人の範疇で、ノットの機能とか使用限界とか
At own your riskでお願いしますねぇ〜。

2011年12月16日金曜日

オオアカゲラ

オオアカゲラ

去年の冬からよく見かけるオオアカゲラが
まあいつも居るのかもしれないが、
今年はもう現れた。

お腹の黒縞と紅のグラデーションが美しい。
頭の深紅も素敵。
勝手なイメージだが頬が赤らんだ
酔っぱらったヤッコさん。



コゲラ・アカゲラ・オオアカゲラ・クマゲラ
よく見るキツツキ類の
トトトって探りを入れる音、
ガッガッって穿り突く音、
首のストロークの違いで
木を突くサイクルが微妙に違う。
何となく突く音の長さと質でその4種は
判断がつくようになってきた。
ヤマゲラやキバシリはあんまり突かないし
なかなか音では判断がつかない。

ヨーロッパトウヒ

今シーズン初スノーシューで出動した。
まだ、地表がスカスカなので歩きにくい。

ヨーロッパトウヒが倒れていた。
樹冠の実をそばで見る機会は
あまりないのでよく観察。
でもその影響で、
奥のトウヒも倒れたようだし、
少しづつ傷みが出てきている。


中学校のプールが閉鎖になり、屋根を撤去したことで風の通りが変わり、
校舎と西向きの防風林の隙間に流れ込む風が多くなったのだろう。
次々に木が架かり木になり、二次三次被害で倒れている。
中学校側からシラカバが倒れミズキに架かり、それがトウヒに架かり、
そのトウヒがまた別のトウヒに倒れ架かっている。
このままだと防風林に風穴が開いてしまいそうだ。

この防風林は適当に放置されていて、鳥が運んだ種や倒木更新が進み、
イイ感じで自然に近づいているものの、
人工物の影響で風の流れが変わったことが原因で倒壊するのはどうもイヤだ。
勝手な想像だし、勝手に手を入れるわけにはいかないが、
ほぼ毎日見ていると、遍歴が判りどうも気になる。
人工の林だし、手を入れ続けないと痛んでしまう。
せめて死んでしまった架かり木だけでも引き倒してあげたいが、
どうするべきなのか?

2011年12月15日木曜日

Happy Holidays!

ホリディシーズン真っ盛りで、去年もシャレが効いていましたが、
今年もPetzlがHappy Holidaysのネタを公開している。

サンタクロースが懸垂下降で下降器にヒゲを挟まれたみたいです。
しかしこういうシャレ、イイなぁ。



私もブレイクスにヒゲを吸い取られたことがあるので、
人ごとではない。


しかもHoliday_Tech_Noticeまで
載っている。
サンタは HOLIDAY Tech Tips
説明書を読まなかったのだろうか?
コビトが倍力を使って、
サンタを煙突に降ろしている。

2011年12月13日火曜日

スプライスの会

先日仲間が集まって情報交換しながらスプライスをやった。
スプライスはまだまだ未熟だけど、数をこなさないとすぐ忘れてしまうし、
そうそう機会も道具もないので良い機会。

いつも美味しいケーキを
焼いていただいたり、
今まで面識はなくとも
意外なところで繋がったり、
みんなでアーダコーダ言って
トライするのは実に楽しい。

おぼろげで中途半端な知識でみんなに迷惑をかけたコトは否めませんが、
あしからず。

そしていつもマテェな仕事で感心する方がオリジナルのパウチを作ってきた。
使ってみての不具合やブラッシュアップで道具を工夫するコトがオリジナル製作の原動力になっている。
デザインって企画して解析してスクラップ&ビルドでもの作りする姿勢にあるんだ!ということを改めて感じてしまうようなスバラシイ仕上がりとセンス。
ちょっと見て「コレならもっと安くできるぜ」ってマネしたバッタもんはロクなものがないし、第一その姿勢も出来上がりもカッコワルイ。プロダクトデザインに関わっている者からすると、そのカタチになった経緯やそこに至った道筋を無視している事が多くバカにしてると思う。チャイナなPetzlのニセモノと同じ感覚だから、安全に対する心構えも同じだろう。

パウチは手で投げて投げて使い倒して
穴が開くと、補強するべきところや
修正したくなるところが判ってくる。
フォルムはいろいろ使っているうちに
理想的なカタチが見えてくる。
痛みやすいところを二重にして
しかもダブルでステッチする箇所は
見かけにも気を使いデザインしている。
そしてオリジナルの焼き印!
格好良すぎるゼ!
もの作りは機能やコストもそうだけど、
欲しくなるモノじゃないと!

闇雲に登るだけじゃなく、機能低下してリスクも高まる冬の間は、
道具の手入れや、アイデアを出し合って工夫したり、
経験だけじゃ掴めないロジックを話し合ったり、スプライスしたり...
またみんなで集まりましょう!

ユキウサギの足跡

防風林はグズグズな地面なので暫く遠ざかっていた。

そろそろ落ち着いたかなっと
行ってみたが、
まだ浮いた笹に雪が載ってる
だけなのでまともに歩けない。
ユキウサギも埋まるようで、
指を思いっきり開いてかなり
大きなトラックになっていた。

2011年11月30日水曜日

knowledge gaps

気に入っているブログに、ニュージーランドのツリーツールズがある。
-----別に宣伝するわけではないが、でもいろんなコトが話し合われていて、
(ggogle翻訳頼りなので)半分も解らないのだけど。-----

ここでBPGが発売された旨紹介されていて、
(「ベストプラクティスガイドライン」こういうの誰か作って〜)
BPGの必要性の中で、
簡単に世界中の情報が手に入る今の危機みたいなことが言われている。
a little bit of knowledge can be a dangerous thing.
だそうです。innocentlyだよ。
いい面もあるが、ダークサイドは恐いよ〜、

言語の取り違いのような危険もいっぱいはらんでいる。
バルドタントレッセがいい見本みたいな、私もまったく勘違いしてましたし、
そういう経験もあり、私は恐くて仕方がないの。
鼻息粗く「誰かが言っていた!」なんて無茶なコトをする人がいるが、
それは「誰かが言っていたことを都合よく私が介錯した」だと思う。
そしてその「誰か」にはなりたくない。

いつか事故が起きるのは当然だけど、
ソレが私の周りで起きないこと。これだけが最重要課題で、
だからいろいろやる前に考える、常に考える、都合良く捉えない。
コレは自分に対しての戒めです。

斯く言う私もそういう情報を手にして、あーだこーだ言ってるし
ココで書いたりしてるのでエラソーなことは言えないのだが。
自分では、情報は劣化しないけど、考えはどんどん進化も劣化もすると思う。
いい加減だったり、知識が足りなかったりするコトもある。
時間の経過で変わってくる考えと、
そこでその時点でどう捉えていたのかの比較が重要で、
ブログはそのための備忘録だと捉えている。

先日「前の人がなぞった線を同じようになぞる」伝言ゲームを
500人でやったらエライコトになったという記事を見た。
まさしくこんな感じで、自分の都合よく情報を捉えたり、
作為的に歪曲されたりするので、情報は自分で考えることが重要だと思う。

これも先日Eテレの白熱教室で「安全と安心」というテーマの話しがあり、
Safetyを和訳すると安全になるのだが、
欧米の「Safety」はリスクテイク=リスクを知った上でとる行動 で
日本語の「安全」は危険がなく安心なこと になってしまっている。
リスクは排除され(目をつむり)なかったことになっている。
一般的日本人の考える「安心」という言葉は基本的に日本以外に無いらしい。
だから声高に安心安全なんて言われると、胡散臭くてしょうがない。

at on your risk という考えが当たり前なので、
情報を噛み砕いて消化して反芻しないとダメなことを意識して行動する。
自分では、カラビナのゲートを空ける前に常に
「俺には2人の子供とカミさんがいる」って唱えるようにしてます。

「役割」を果たすことが目的ではなく、業界全体が「機能」するために、
利害を共有し協力し合えるようになればいいなぁ。

ORCA Lock System

西の変態ギア屋でお馴染みのrock exoticaから O.R.C.A.Lock System
というカラビナが出ていて、気になっていたのだけど、
文章を読んだだけだとよくわかんない。
でも、マニュアルロックが非常に気に入っているので、
ソレを進化させたっつうだけでもう魅力的で
キワモノ好きにはたまらない変態度。

オープン[O]レギュラー[R]クローズ[C]オート[A]
空けるとき通常で、締めるときオートロック、でORCAシステム
こういうときは白石店のO氏に熱く語ればきっと入れてくれるかも。。。

というわけで、実際いじってみると、
ゲートを空ける時は途中までマニュアルロックと一緒で
トリガを奥まで引くとオートロックの挙動になる。
ファーストインプレッション:
何だかよく解らねぇや。なんか中途半端じゃね?
アンロックで、あともうちょっと奥まで引けるとイイ感じ。
感覚的にはデジカメのシャッターの半押し状態(フォーカス)と
シャッターを切る状態の違い的な感じです。余計難解か。

しかしだ!
何度か使っていると、案外良いかも?って
判っていれば、[半押し状態]を意識せずにラックから外せる。
トリガの引き方を感覚的に掴んでしまえば非常に快適に使える。
このへんがAdvanced Users Only! な感じなのだろうか?
マニュアルロックはANSIの要件を満たしていないけど、
ORCAはポジティブロッキングのカテゴリになるのでANSIも標準準拠。
これはイイとこ取りという感じだ。
(マニュアルロックが出たときも同じようなコトを言ってたっけな)
例えばヒップラックに架けているときはアンロック状態で、
後ろ手に全開でトリガを引いて持ってきてセットしたときにはロック状態になる。
解除するときはポジティブロック同様に外すが
この時にがっつりトリガを引かなければ、そのままギアラックに架けられる。

見た目
左:Manual lock
中央:Auto lock
右:ORCA lock


ココまでは
マニュアルロック同様の
挙動をする。
コレより握り込むと
クリッとゲートが回る感じで
オートロック状態になる。


そして放すと
ポジティブロックの挙動。
「鍵」マークが見える。
シャチもいる。
Advanced Users Only
ここにドクロがいる。


rock exoticaのカラビナは、
ゲート側正面から見ると
若干だけど左に
オフセットしている。


このくらいのオフセットは、大きくゲートが開くとか
そういうメリットはないけれど、使いやすさは好感が持てる。
左手で持ってもさほど違和感はない。

ギッチョの人は解ると思うんだけど、左手でやりたい行動を
無理して右手で行動するか、無理ヤリ左手を使う。
例えばペツルのボールロック。
まあペツルのカラビナは総じて好きじゃないだけど、
あいつだけは絶対に許せない。
バッサリとレフティを切り捨てている。
左利きの人は器用だねぇなんて言われるが、実は
そういうところで苦労するから工夫するんだと思う。
還ってそういうトコでモノの生業とか機能とかを考察する機会が多い。

そういうプロダクトするスタッフにレフティが居るか居ないかで
ものづくりは大きく変わってくるのだと思う。
東の変態ギア屋さんDMMやARTにはきっとレフティが多いのだろう。

あとは、BDのマグネトロンってどうなんだろう?
これはまだ解らない。

2011年11月28日月曜日

ヒガラ


暖かいときにはあまり見ないが
年中いるのだろうか?
夏場はそこまで見切れてないのか
冬が来るとよく見かけるヒガラ。
まだ小さめの針葉樹に沿って
移動してくる。


なにやら旨そうなマユを見つけ
目の前のカバノキに持ってきた。
芽の隙間を突くことが多いが
こんなオオモノも喰うんだなぁ
上手に足で押さえて、
ほぐしていく。


人がピンセットを使っても
なかなか解けないのに
嘴で巧みに解いていく。
糸を引く納豆みたいだ。

何か取り出して、完食。



人通りがほとんどない防風林を
ひっそり歩いていると
いきなり大きな音。
刈払機?っと思っていたが
農薬散布のヘリだった。
飛ばす方もそんな所に人が居る
とは思っていないだろうが、
かなりビビッて逃げた。


趣味と実益を兼ねたトレーニングなのか、今時なんで?と思うが
いきなり思ってもいないところから、ビューンっと人工物が現れると、
軽いパニックになる。なんか知らないけど近づく方に向かって走った。
おそらく鳥や動物もそういう感じなんだろうなぁ。
バードストライクやロードキルという感覚を一瞬かいま見た。
夜タヌキなんかは必ずといっていいほど来て欲しくない方向に逃げる。
どうしてだろう?

カシラダカ


もうすっかり移動してしまった
っと思っていたが、
まだ少し残っていた。
この辺りは通過点なのか
一時しか会えない。
また来年。

2011年11月22日火曜日

オリジナルTシャツ

仕事ガラミもあり、シルクの限界を知る意図もあり、
オリジナルのTシャツを作った。
Arboreal Workers Hokkaido
色々細かく探すとシャレが効いている。
現場作業員ではなく、樹の上でシゴトするときは
やっぱカッコつけなきゃ。

■フォレスト ■チャコール ■ミリタリー ■チョコレート
数は少ないですが、希望があればお分けしますよ〜。

オリジナルブック


宣伝というわけではないが
今まで制作したのを並べてみた。
新しいのもできたし、
重版しアップデートしたものも。
エキサイティングで
楽しい本作り。



シロウトながら制作することで知識だけは豊富になる。
っうか解らないと画は書き起こせない。
出来ることが増えて、様々なバリエーションや可能性も知ったが
それまでの道のりを理解せずに、
そこにあるものをただマネするだけでは絶対に危ない!
そういう人もたくさんいるけど、私にはムリ。
解ると臆病になる。おそろしくなる。
イケイケの人には理解してもらえないだろうなぁ。

その道のプロにしてみれば、どこの馬の骨とも解らないような
ひげ面のオッサンが「アンカーがマズイ」とかいっても信じてもらえない。
でもそういうとき的確にやり直すと、大概は解ってもらえるが
ただ煙たがられる場合も多く「何このオッサン」的な態度をされると悲しい。

ペーパーレスキュアーっていやだなぁ

2011年11月17日木曜日

続々と

この時期バタバタといろんなトコがアップデートしてうかうかしてられない、
というかウキウキしてしまう。
ハロウィンが終わっていよいよクリスマス商戦というところなのだろうか?

Samsonのロープカタログが
アップデートされていた。
伸びとテンションの関係のデータや
長さ対の重さ・ABS・WLL、そして材質が
ロープごとに表記してある。
カタログを作る側の人間にしてみれば、
こういうユーザライクな比較容易性は
大変重要だと思う。
今までもアッタっちゃ〜あったのだが、
整理されていて非常に見やすい。
スリングのロードアングルファクターや
定格荷重などのテクニカルデータも
充実していてスバラシイ。

しかしこういうデータを1メーカーじゃなく、すべてのロープの
比較を容易にしてもらえるありがたいんだけど。
まあそうはイカンだろうね。
スローラインだがLash-ItとZing-Itと
ほぼ同じスペックだが色の違いだけなのかなぁ?

あとレスキュー系で有名な
スターリンもいよいよ
アーバープロダクトとして
アクセスラインとか売り出した。
こっちも気になるなぁ。

2011年11月16日水曜日

バディ


知りあいの庭の枝払いに行ってきた。
根張りとヤニが屋根にかかるのを警戒し、
大きくなりすぎる前に手を入れた。
元々彼の知りあいということもあり
渓とのバディ作業でそつなく捗った。
門前の小僧が経を読んじゃったパターンだが
家でアーボな勉強していると食いつくし
キラキラ道具が大好きだし、
興味があるからすぐ覚えるし、
ツーカーの仲と言うだけでなく
痒いところに手が届くのがスゲぇ。
そして俺のミスやショボイ事など
痛いところも突いてくる。
本当に信頼できるバディとは
友達でも上下関係でもなく、ライバル。
お互いの安全をしっかり共有できる奴。
そういう奴との作業は頗る楽しい。


2本倒して、下枝払いを6本。枯損木だと心も痛まないが、
バリバリ元気な樹に刃物を入れるのはどこか忍びないモノがある。
すぐに涙を流すごとくヤニが吹き出す。
ロープや道具が色々汚れるのもイヤだけど、それ以上に悲しいものがある。
知りあいの文章で公儀介錯人拝一刀と林業の関係の話しを思い出した。

できるだけ手を入れずに、伸びたい方向と伸ばしたい方向を鑑み、
相手の考えていることを真摯に聴いてあげて信じてあげて、
アイデアを出し合って、相互の折り合いを付ける。
人も樹も「手を入れる」というのは本当に難しい。

2011年11月9日水曜日

春国岱


やはり圧倒される風景。
幾つかの川が風蓮湖を創り、
早い海流の水道が砂を運び
湿原と塩湿地と干潟がある砂州。
この北海道の東端の海岸線に
奇跡的に残っている
多様で危うく豊かな森。


しかし春国岱自体の地盤が
下がっているらしく、
林縁から崩壊しつつあった。
元々湿地っぽいところに
すれすれで残っていた森。
塩害等もあるのだろう。


奥にオジロワシが羽を休め
タンチョウが水際をゆったり。

ロシアっぽい。

スズガモ


スズガモなのか
エクリプスはよく解らない。
嘴の基部が黄色の
クロガモも混ざっている。
遠くでコクガンの番もいた。


タンチョウやハクチョウやカモ類の大型の鳥に
あまり感動しないんだなぁコレが。
しっかり意識したことがなかったのだけど、
どうやら高倍率の大口径のプロミナで確認するような
ソコに居るのが解っている鳥を観るのはあまり好きじゃないみたい。
声を聞いて、トレースして林の中で潜み、
葉陰から無理矢理探す小鳥たちにワクワクする。

オオカワラヒワ


車に乗り込もうとしていたら
キリリコロロ、
カワラヒワが飛んできた。
でもなんか違う。
どうやらオオカワラヒワのよう。
今まで意識しなかったが
身近にも新しい発見がある。

根室でツリーイング

根室の春国岱ネイチャーセンターでツリーイングイベントを行った。
本当は道東ブロックの担当エリアだが、
諸事情があり片道約500kmのロングツアーになった。
久しぶりの根室だし、季節的にも良いかな?っと思っていたが、
ちょうど端境期で期待していた鳥見はできなかった。残念。

あまり芳しくない天気予報を覆し、
当日はピーカンの気持ちいい秋空。
そしてイベント自体も大盛況。
センター始まって以来の集客だったらしく、
子供も大人も樹の上で楽しんでもらえた。
イベント自体の大前提として
多数に体験してもらうことが目的になると
本当に樹上を楽しんでもらえたのか

誰でも安全にできるコトだから
やっぱり簡単に考えてしまわれがちで
その辺を巧く伝えていくのが難しい。


イベントに使う木は1本で大きく枝が広がった方が適している。
当然日当たりが良く、樹勢があり、
本来その木が持っている樹形になったものが多い。
しかしそういう木は他の樹木やツルにとっても好都合なことが多いので、
当然なかなかやっかいなファクターが多い。
登らずに準備できれば一番なのだが、トラブる可能性も大なので
まず一番高い開けた樹冠のトップに架けて、登って上から確認しながら
アンカーを捕ってゆく。
気心の知れたスタッフと2名で準備したので手際よくできたが、
普通はワイルドツリーに1時間で8本は難しい。

今年のイベントはこれで一段落。
怪しい予報でハラハラすることが多かったが、
一度も雨にやられなかった。めでたしめでたし。

2011年10月31日月曜日

ヤマセミ


キノコや野鳥や釣りやツルの実
欲張りな目的で清流に行った。
残念ながら食えるほどエノキは
無かったが色々稔り多かった。
川を遡上するシロザケ。
岸にはホチャレた残骸が多数。


ちゃんと観たことがないという
家人の要望もあり
狙ってヤマセミを観察。
やっぱカッコイイよなぁ。


釣り人が近づいてきて残念ながら
ダイブ&キャッチは観られなかったが
けっこうゆっくり観られた。
キャッっと鳴く声と一緒に羽を開いて
冠羽と尾が持ち上がる。面白い。
魚影を感じるのか水面を覗くとき顔を傾け
身を低くして狙っていた。


一瞬、真正面を向いたら
頭がもの凄く細く見える。
なんかスゲ〜な。

冬近し(近所)


家の周りでは先週初霜が降りた。
本格的な冬の前に、小春日和。


空には20羽以上のノスリが
サーマルでグルグル。
鷹柱がたっていた。
ノスリのワンメイクは
なかなか迫力があって素敵。


防風林ではカシラダカがいた。
家人は昨日シマアオジを観た。
私はどうも相性が悪く
ココではまだシマアオジに
会ったことがない。
悔しいなぁ。



ここ数年だと思うが秋には
ダイサギを観る機会が多い。
枯葉の湿地に映える白い姿。
かっこいいなぁ。
この後ハントに成功し
仙人のような風体と裏腹に
でかいウグイを丸呑み。

2011年10月27日木曜日

ロープの末端処理(根拠なし)

ロープの末端処理にはホント難儀する。
切りっぱだと解れてくるし、
ビニールテープで巻くとネトネトに剥がれてくるし、
シュリンクラップは硬くてイヤだし....
「ビニールテープで最初にキツ目に巻いて、
収縮する分を予想しだんだん緩く巻いて、
百均で買った包丁をコンロで熱して焼き切る」というのが定番だった。
- - - - -
そこへ PLASTI DIP という合成ゴムのコート剤をハンズで見つけた。
ディップタイプで工具の柄とかにコーティングするもので
絶縁から滑り止めまで多岐にわたる使用範囲で
NASAの人工衛星にも使われている?という代物。
(NASAが出てくると何かいきなり胡散臭くなるのはナゼ?)
まあ、トライアルと思い、ロープの末端に使えるかな?って
先端をドブ漬けしてコーティングしてみた。
まあ、ホツレないし・ネトネトにならないし・硬くもないので
いいかな?って思うが、漬けすぎるとゴワゴワになるので加減が難しい。
そして使い続けていると対象が柔らかいモノなので剥離してくる。
- - - - -
ロープの末端処理など毎日行うモノでもないし、
しばらくそういう機会もなく忘れていて、剥離を直そうと思ったときには
残りが缶の中でしっかり固まってしまっていた。
USAのいい加減なフタのパッケージでディップタイプなので、
日が経つと残りがどんどん硬くなり、一年も経つともう余った分は使えない。
400gも入っているけど、ロープの末端に使うだけなら20gで充分で、
確か2,500円くらいで、もの凄くもったいないことをした。
それに、結局イイ末端処理の方法は、その後も思いつかなかった。

そんな時、ランバージャック!!のフリップさんの記事で、
(いつもお世話になっています)
コーティング剤 Dip-It Whip-It や Maxi Jacket の紹介があり、
(ちょっと目的は違うが)これはイイかなっと思って検討していた。
しかし、必要になったらすぐに使いたいし、
でも海外モノはすぐ使えないし割高になるし、
とりあえずハンズに Dip-It Whip-It があるかもしれないと思い、
行ってみたら....

Dip-It Whip-ItやMaxi Jacket は
無かったけど、
PLASTI DIPのスプレータイプが
あるではないの!
容量は少ないけど充分なので、
買ってしまった。
これで残りが固まって
使えなくなることもない。
イイんじゃないの!

でもコレがまたやっかいというか
何というか、、、使いにくかった。

要するにスプレーなので飛散しすぎるので目的の所だけに吹けない。
そして塗料は何でもそうなのだが一度に厚く塗れないので、
解れなくなるまで何回も同じ作業をくりかえす。。。また使えね〜や。

しかし、ロープ径と同じくらいの容器
(瞬間接着剤のフタが15mmなので)
まずそれに吹いて、液体を溜めて
そしてロープをドブ漬けしてみた。
(前の写真の左脇にある黄色いヤツ)
そうすると、粘度はシャバシャバだが
適当に揮発分が飛んでロープに
染みこんでいく。
2.3回繰り返すともうバッチリ!
先端部分にしみこみ
硬くしかもしなやかに、ホツレもない。


いちおう何処まで染みこむか解らなかったので、ヤレロープで実験した。
先端3cm位に漬けて輪切りしてみると、内部にはそれほど浸透せず(5cm程度)
しかもロープ径の太さが保たれるので末端処理には最適な感じ。

う〜ん、
今の所イイ方法!
.....だと思う。
多分。
おそらく。
今後継続して使用してみます。


※ケミカル系の処理のため、物質間の変異等はまったく考慮されていない。
荷重の架かりにくい末端のみの処理なので、さほど危険はないと思うが
まったく根拠がないのでなんとも言えません。
ただ、自分の使用感というか「ひょっとしたらこんなのもイイかもしれない」
という程度のコトなので、それはマズイでしょ!ってことがあれば
知らせてください。

2011年10月20日木曜日

ノスリ


最近散歩途中でよく行き合う
コロンコロンのノスリちゃん。
用水路の水門がお気に入り。
目の前を横切るだけなのだが
やっぱり飛んでいってしまう。
ゴメン。

ベニマシコ


ピッポ、フィッフィッと
本当に優しい声のベニマシコ。
こいつに会うと秋を実感する。
まあ年中いるんだけど
今の時期この辺りにいるヤツは
おそらくもっと北から
引っ越してきた個体だと思う。


霞がかった秋空に
タラのパカッと開いた赤い茎と
ベニマシコのヒッフッが
何ともゆったりとした時間を
感じさせてくれる。
朝の素敵なひととき。

エナガ


エナガの数も多くなってきた。
動きが速いし樹冠を移動するので、
あまり目立たないけど、
数がまとまるとけっこう賑やか。
ピンクの背中が愛らしい。
冬芽の隙間を盛んに啄む。

秋の混群


静かな防風林を騒がしく移動する
枝先から枝先に移動するヤツ
草むらから出たり入ったり
ワンカットに
メジロ・シジュウカラ・アオジ
ハシブトガラの4羽が入った。
ピンきてないけど...

2011年10月18日火曜日

美登位T-3


先週末T-3講座を行った。時折雨が混じったり、
強風だったりの生憎の天候だったが、
なかなか静かに熱い講座だったと思う。
T-3はそれまでと違い、
正解の形が確定していない。
自分で見つけなければならない。
正直言って最近までは、
メリットも感じられず方法を模倣していた
感も否めなかったが、
今では自信を持ってこれが木登りだぜ!
って言える講座になってきた。

アドバイスをするが結局は
自分で方法を見つけ出さないと
どうにもならない。
しっかり目的を持っていないと
道具すら選べないから
最も難しいのだと思う。


一定の条件下での安全はあまり自然にマッチする方法ではなく、
やっちゃいけない!という決め事がかえってリスクを高めていると思う。
理由を解らずに形で理解していると範疇以外には対応できないし、
安全の形は状況で判断し資器材を選ぶことが重要なので、
フリクションヒッチの巻き数が何巻きという決めごともない。
だから代表的フリクションヒッチも
一様に5巻きが安全というわけではないと思う。
誰かがそう言っていたとか、Webにぶら下がっていたからという理由で、
ソレを模倣するような一元的な対応が最も危険だし、
言われたからやるのでは話しにならない。
習うのではなく、なぜ?を大切にして、
納得し咀嚼するまで受け入れないほうが良い。
マイギアはもちろんのこと、
使う資器材の基礎データすら
理解せずに、
昨日まで大丈夫だったから
今日も大丈夫という
根拠にならない根拠をベースに、
幼稚な知識で木に登るとなると、
出来ることも限られるから
縦方向だけの言うなれば
ミノムシ登りになる。


個人差はあるが必然的に高度と共に恐怖も増すし、
何しろ一瞬で死ねる方法だから余計動けなくなる。
例えば樹上が恐いと感じるのは、
得体の知れないことが多すぎて漠然と恐いと思っている人が多いのだと思う。
ひとつひとつ分解して理解して複合化すれば自分の安心感に繋がるし、
限度を知ればそれ以上のことをしなければよい。
後は根拠を積み重ねてその限度の幅を広げていけばいい。

人はどうしても自分の都合の良いように
物事を捉えるので、今ある状況下で
何とか方法を見つけ出そうとする。
チカラ技で行けたり経験上の方法を
無理矢理当てはめたりする。
思考の幅と視界がどんどん狭くなり、
そのうち機能停止して、
そこから一歩も進めなくなる。
まあ単純に見えていないコトが殆どなんだが、
その理由を自分以外の
道具や状況のせいにする。(あー耳が痛い)


それでも、自分が大変な思いをして到達した枝先に、いとも簡単に行ける人がいることも事実で、経験云々ではなく、重力方向とベクトルを理解し自然の力を利用する空間のイメージが出来るかどうかに係っていると思う。だから楽しい。
理屈の知識をとことん理解すると、目の前の空間イメージは急速に開けて、可能性も広がってアイデアも生まれてくるし、今まで見えていなかったリスクにも気が付く。そういう木登りを目指したい。

上空ではクワックワッと
ハクチョウが渡り始めていた。
今年初。
稲刈り後の田んぼで
落ち穂を啄んでいた。