2010年11月29日月曜日

オジロワシ


今日朝起きると、一面雪景色だった。
朝のパトロールではノスリが2羽。
行く道すがらでチョウゲンボウらしき小猛禽。
畑で畝からチュウヒが飛び出した。
橋の所でオジロワシ。
猛禽が多く見られる嬉しい季節になった。

写真は土曜日に見たオジロワシの若鳥。
道路にキタキツネの死骸があり、
アチャーって思っていたら、
オジロワシがいた。
コイツを狙っていたのかなかなか離れない。
交通量が多いところなので気をつけてね。

庭木の特伐2

冬が近づくと作業の時間も短縮され、午後4時にはもう真っ暗になる。
なかなかまとまって手をつけられなかった庭木の特伐。
前回までに2度参加したが、
最後のカットまで行かなかったフェンス側のドロは
高さ4mほどで止めていただいていた。

Midway and After
奥のドロは、オジジとコマさんで、ほぼボウズまで手が入っているが、
最後まで仕上がっていなかったので、半日参加の私が担当。
高さ14m位の所からトッピングカットで降ろす。
広葉樹でも直立しているし、回したアンカーが不安なので、
下からスパーで登り、3回に分けて落としていった。
ドロノキは水分が多く柔らかいので、けっこう揺れる。
しかし最後のカットの時は直径が50cm程だったので
けっこう重く、衝撃もかなりのモノだった。
Keep it simple! Be Safety!

Midway
一方最後に残った一番やっかいなオオドロは
透かしで枝を払い、屋根に架かった枝を処理し、
降ろす箇所を広げるために手前の大枝を最初に片付けるべく
作業を進めているが、なかなか一筋縄ではいかない。

これはまだ暫く時間がかかりそうだ。

川沿で特殊伐採

先日来何度か特殊伐採のお手伝いをしている現場からちょっと離れて、
工期が迫った箇所を先に行うことになった。
国有林から民地に張り出した巨大なニセアカシヤを2本と
隣のミズナラ2本とエゾイタヤ。
いずれも民地から駈け上がりになった傾斜地。
ニセアカシアの方は樹高が27mほど、斜面を入れると30mを越え
前は開けた空き地だけどそのまま倒すと手前の電線に架かる恐れがある。

傾斜地なので土地も不安定だし、
更に撓るし裂けやすく、
しかも落とすときに粘るので
方向も定まりにくくやりにくい。
枝が跳ねないように細かく刻んで、
ゆっくり降ろすが
土地・高さ・樹種の特性などの条件で
簡単そうに見えてもやっかいモノだった。

さすがコマさん!基本に忠実な方が仕事が早い。

私はというともう一方の
ミズナラ2本とイタヤの方を担当した。
簡単とはいえ、倒す順番と
民家の屋根に架かる枝が多いので
手間がかかった。
手前のミズナラを先に片付けないと、
枝掛かりと樹冠を覆ったヤマブドウの蔓のため
リスクが増すが、とりあえず、
手で確保しながらリギングぜずにボウズにして
最後は根元から倒した。

Before

Midway and After

倒し用の大型チャンソーは使い慣れていないせいで、
動かなくしてしまった。コマさんすいません。

最後は3本とも無事すんなり倒せました。

2010年11月22日月曜日

T-2三笠

今年最後となるT-2講座。
単純に道具の使い方や方法を伝えるだけでなく、
T-2では目的に近づくうえで障害となるファクターの回避方法や
高い木にいかに早く、いかに楽に近づくかを学ぶ。
それはT-1で蓄積した安全に対するロジックがベースになる。
目的は登りやすい木に登る方法ではなく、
登れなかった木にいかにアプローチするかなので、
頭を柔らかくシンプルに組み立てることで、
今まで出来なかったことが工夫できるようになる。


今回の講座ではSRTのキモとなる
アンカーの取り方を工夫し
いくつか代表的なものを紹介した。
それぞれ目的別の善し悪しがあるし、
各自が持っている道具でベターな
アンカーの取り方となると千差万別。
一つの方法だけ覚えても
それだけでは対処できない場合が多いし、
対象が人工物ではないので、
これがベストという方法はない。

SRTから切り返しでDRTに



荷重と抜重が繰り返されるアンカー数種、
荷重されたら開放するまで
抜重されないアンカー数種、
メインを抜重するための一時的なアンカー、
ボトムロアリングのシステム数種、
フィックスドアンカーのとりかた数種、
エマージェンシーアンカーのとりかた、
幾通りもある目的に合わせた
使用資器材やノットの選び方を実践する。
もちろん一般的な方法はあるが、
体系的に完成されることがないシステム。
そこが木登りの魅力でもある。

手前のミズナラ、奥のエゾマツ、
それぞれ違ったアプローチで。


方法だけ理解しても、使いどころが不明瞭な場合、
目的を果たせないことが多いので、
その場に応じた考え方に合わせた方法を選定してその幅を理解する。
講座の方向性もしっかり理解していただけたし、
「もっと早く知りたかった。本当に勉強になる」と言っていただけた。
伝える側の冥利に尽きる講座だった。

2010年11月19日金曜日

キレンジャク

今年は秋の移ろいをよく観ることなく、すっかり冬の様相。
その時期いなかったこともあるが、それでも紅葉がおかしかったようだ。
庭のブルーベリーも綺麗に紅葉することなく散ってしまった。
あの緑から深紅のグラデーションが美しくて好きなんだけどなぁ。


冬が近づきレンジャクをよく観る
今日はキレンジャクが2羽。
風が強く冠羽がひしゃげてると
シメみたいだなぁ。
ナナカマドの実を啄んでいた。

近所で街路樹として並んでいるナナカマドは
(ウラジロとかタカネとか実は詳しく判らないが)
一本づつ交互に植えられているようで、
葉の大きさや色合いが微妙に違う。
実の付き方も違うので、交互に並んで実がついていたり、なかったり。
それを啄むレンジャクも好みがあるのだろうか?

2010年11月15日月曜日

美登位でワークショップ

木に登ることが目的ではなく
自らのフィールドワークや調査研究のため
木に登って「作業」する人のための
研究会というかワークショップを土日で行った。
目指すはしがみついてるセミやぶら下がる幼虫じゃなく
枝を自由に動き回ったり隣の木に乗り移るエゾリス。
より安全で確実な樹冠での移動メソッドをデモ・体験していただいた。
強風雨まじりの生憎に天候だったが、
目的が明確なだけにみんな熱く真剣にでも楽しく木に向き合った。


単に木に登る方法だけでなく、
樹冠での作業性や安全性を
考慮して自由に動くためには
なるべく楽なアイデアが必要だ。
それに重要なのは
早く確実に行動できないと
体力ばかり使ってしまい作業性も
能率も落ちてしまう。

気合いと根性で行けるところには限界がある。

幹近くだけでなく
梢の先まで移動したり、
樹洞を観察したり、
巣箱を架けたりするためには
登る方法だけでは
使い物にならないことが多い。
両手がフリーになり、しかも
安定した体勢を取る必要がある。

使い方ひとつで魔法のように、行けないところが行けるところになる。

そんなに体力が無くても
ある程度の安全対策と
メソッドを理解できると、
梢の先まで行けるようになる。
幹に張り付いているだけでは
役に立たないことが多い。
作業ができずに疲れると
登っている意味がない。

登りたいだけなら別だが、下で作業できて段取りできるなら
下でヤル方が安全だし効率も良い。
またいろんな道具をたくさん持っていくのもどうかと思う。
調査地は落ち葉の公園や車が横付けできる場所ではなく、基本藪こぎやラッセル。
たとえばビッグショットじゃなくスローラインの腕を磨くこと、
一度投げたら下のラインワークで確実にアンカーを取る技術を身につけること。

目的が梢の先や生物の営巣樹木の場合
レクリエーションベースで考えるととんでもないことかもしれない。
その部分だけ切り取って金儲けしてるなんて思われている節もあるが
レクリエーションだって元々樹上でどう動くかを基本に取捨選択して
メリットが大きい部分を取り入れたモノ。
逆に考えると、アーボリアルな世界を知ってるからこそ取捨選択できるのだ。

アイデア次第で「できない」は無くなる。
できないのは「知らない」ことが多いこともあるが、
それは頭が硬く、視野や了見の狭さが災いしている気がする。

知るためにインターネット等で情報収集することは簡単だが
実際間違った方法や認識違いしてしまうようなものも数多くある。
また、職人技が多く、師匠がやる技術を全て理解しても、
そのバックグランドにある基礎までは理解でき無いことが多い。
それはその師匠個人が経験して積み上げた知識が多いからだと思う。
弟子入りしてもそこを理解するために長いこと時間がかかり、
だからこそ基礎をしっかりたたき込まれるのだと思う。
それでもやっぱり個性の領域なので、
その師匠にとっては「正解」でも、自分には正解でない場合も多く
それを正解と思って行動していると辛い目や痛い目に合うと思う。

今回最大のポイントのランヤード。
長さ・太さ・材質・確保具の形状・末端の取り方・架ける方向やコストまで
こればっかりは人それぞれ自分に合ったものがある。
使いドコによって複数持つとなるとエライ数になる。
カタログに出ているものも一般的なもので自分のモノにならない。
誰かに勧められたもので「こういうものだ」と思っていたら
絶対に自分のモノにはならない。
いろいろ実際使ってみて、検証してみて、可能性を理解してもらうために
相当数用意しなければならないが、
そうなるとこういう機会じゃないと無理なんじゃないかな?
また、興味を持った人には後日自宅でスプライスも行うことになった。

世界のアーボリストが培った
元々古来の技術から発展して、
様々な安全性を求めた形として
蓄積されたノウハウが
より汎用性が高いロープを
使った木登り技術だと思う。
そしてその基本を理解すると
自分のアイデアも活かす領域も
広がり視野も広がる思う。


目的の梢に到達するアプローチは
10人いたら10通りのやり方があるし、新しい発見もあった。
リムウォークはもの凄くクリエイティブだ。
ベーシックな部分を共有することで、
縦割り一子相伝のような技術ではなく、
お互いがアイデアを出し合いリスペクトし合える技術交流というか
みんなでいろいろやってみようゼ!という会は実に有意義だった。

机上や脳内だけでなく身体を動かすことで
本や写真や動画では伝わらない立体的な視点を経験できる。
可能性がグンっと広がり、
みんな自分の研究に対してのメリットを見いだしていただけた。
逆にこれきっかけでレクリエーションに興味を示してくれる方や
林業や造園としての必要性を感じてくれた方もいた。
決定的な動きの差がメリットと危機感を煽ることになった。

アイデアは横にある。
大切なことはガムバって前を見ているときには見つからずに
じつはすぐ手の届く横にあることが多い。

そして文字通り視野が広がることで、
調査の方法やデータの取り方にも幅が広がり
新しいアイデアが生まれ、
もっとよい研究の可能性が広がってくれるとありがたい。


それから、
実際の調査の時にも
呼んでくださいね。
生き物たちの話しも
もっと伺いたかったです。

2010年11月12日金曜日

庭木の伐採

大きく育ってしまった木の枝処理があり行ってきた。
庭に大きく育ってしまったドロノキが3本とトドマツ1本。

トドマツは伐倒するが、
ドロノキはエゾリスが来るから
下の方は残してほしいとのこと。
陽をたくさん浴びて
見事な樹形なので、
上だけ落としみっともなくなって
しまうのは忍びない。
が、しかたがない。

胸高直径80cm程のこの大木は電線や電話線に阻まれなかなか困難。
引き込み線等の段取りをしてから後で着手。

とりあえず、手の付けやすいドロとトドから手を付ける。
隣地にはみ出している枝を払い、フェンスに当てないようリギングする。
スタティックリギングを目指し、バランスを考え吊るが、
対象でない下の幼木シラカバに阻まれなかなか難しい。
グランドの関係で今日はここまで。

Before and After

トドマツは伐倒ということで、軽く考えていた。
やっと最近手に入れたスパーの威力が発揮されると息巻いて、
下から登りながら枝処理して...と思うが
実は上部でヤマブドウの蔓がグチャグチャになっており
枝払いしても、つるリフティングされていて落ちない。
それどころか中ぶらりんの状態で何本も下がってしまい大変危険。

しょうがないので、込み入った枝の中に無理矢理身体をねじ込み、
上の方で枝先までリムウォークしてツルきり。
屋根より上の高さで隣のオオドロノキと繋がっていたり、
下の木に絡んでいて、一筋縄ではいかなかった。
結局、切った枝5本くらいが一塊でグンっグンっと段階的に落ちるので
逆に落下が抑えられ安全に降ろせた。

ツル切りに手間取ったため、トッピングカットまで行かなくあえなく日没。
下に溜まったツル絡みのボサ処理やそれに絡むロープの取り回しなど
課題も見えてきた。

Before and After

作業後、施主と野鳥談義になり、
この辺りでも昨年来なかったレンジャクが今年は多いとのこと。
枝落としの最中も樹冠にレンジャク・ツグミ・カラ類・エナガなどが
やってきてイイ声で鳴いて和ませてくれた。
周りも住宅で囲まれた土地柄、中継地的なオアシスになっているのかも。
彼らが移動の途中で一休みできるポイントとして何とか残したい。

それから、ヤニでギトギトになったスパー。
金属部分はぬるま湯で洗いメンテするが、
ベロクロの部分はどうやったらベタベタが取れるのか
テレピン油で落とすがいまいち。考えなくては...

2010年11月10日水曜日

ヒレンジャク


最近天候が思わしくないが
昨日の久しぶりのパトロール。
野鳥たちの移動時期も
一段落したのかあまり居ない。
そんな中、
ヒレンジャクを発見。


どういう訳かこの辺りで昨年ほとんど観られなかった
レンジャク。今年はいっぱい来ると良いなぁ。
ナナカマドの実がたくさん残っている木の周りを行ったり来たり。
時々シメも混じって仲良く?仲悪く?喰っていた。

そういえば、昨年はヤドリギの実の付き方も悪かった。
ヤドリギの実の付き方との関係があるかどうか解らないが、
ヤドリギを偏食するレンジャクは見つけやすいし、
フンは良い香りがするんだよなぁ。
ヤドリギの実が多くある木の下で張り込みして
雪の上で寝っ転がって、ヒリヒリ近づいてくるレンジャクの群れを楽しむ
冬ももう近づいている。

2010年11月8日月曜日

アドバンス技術

好評なレスキュー本のアドバンスバージョンの作成に辺り
どう画にしたらよいかの説明を受けるのだが、
どうも頭の中で立体的に画を構築できない。
聴いただけでは理解できず、あやふやなまま画にしても伝わらない。
目的である理解を深めるための確認作業が自分でできていないことが
一番の問題である。
そこで、
消防学校の屋内訓練場を借りて、現場の消防士さんにご協力いただき、
師匠が説明しながら実践することで、具体的な画ズラの方向性を確認する。
三方得なアドバンス技術トレーニングを行った。

場所が場所だけに
バラバラうるさいと思ったら
ドクターヘリが飛んできて
なかなか緊張感がある。


ただでさえ複雑な
システムを理解してもらうため
どう表現したらよいか
頭を悩ませるところだ。



オーバーハングのテラスから
ベターコントロールピックオフ
システムを確認しながら
ゆっくり行うが、
思った通りの動きが難しい。
流石に現場の方々は指揮系統が
しっかりしていて、
すばらしい。

いくつかのパターンでの救出方法を実践して、
頭の中のモヤモヤもクリアになった。
どうも目的が明確にならないと筆が動かなかったが、
これで大丈夫。

面白かったのが
駐車場にナンバーのついていない
車がたくさんあった。
普通に隣に止めたのだが、
よく観ると...


勝手においておくと
訓練に使われる!
そんなことはないと思うが、
「破壊しないでください」...
恐れ入りました。

内地遠征

長野で行われたアーボリカルチャー研修に行ってきた。
と言っても、お手伝いというか、見学というか、
何とも微妙なポジションだったが、
得るもの至極、充実の2週間だった。

フェリーからモッタ海岸を望む

クライミングのコースでは、昨年のリベンジというつもりでいたが....
みごと玉砕!
イメージできるものの、恐怖が先に立ち、
なかなか思った通りの物理的な動きに繋がらない。
悔しさ半面、コレでイイとも思った。
基本的に登れて動けることが前提だが、
そのためのプランを練って動きを組み立てた行動を
ちゃんと他の誰かに伝えることが出来れば
必ずしも全て俺が出来なくても良いんじゃないだろうか?
都合のいい方法かもしれないが、
それよりも引き出しをいっぱい持つことが重要な場合もあると思う。

野サルが地べたの
どんぐりを拾って
移動している。


その脇で
木に登っている人間が居る。
北海道では見られない
なかなかシュールな光景。


2週続けての研修の合間に、特殊伐採の現場に連れて行っていただいた。
千代田区のお濠のある豪邸。
そのまま落とすと余計面倒なことになる場所で
いろいろなリフトの方法を検証的に実践。
一応スタッフということで、ほとんど役に立っていなかった気がするが、
瞬間的に段取りを構築し、現場で理屈抜きに決定的な違いを見せつけられ、
解ってはいたもののロジックの大切さを再認識してもらう。
凄すぎます。



普段見られない特殊な現場で
普段見られない特殊な方法で
いろんな意味で
大収穫な現場だった。


再び長野に戻ってリギングのコース。
アーボな世界に対する気負いと中途半端なヤル気が失せて、
非常に落ち着いて研修を観ることが出来た。
そうするといろんなコトやモノが見えてくる。

それぞれ即席のチームで課題を与えられ、
リフティングカットとスピードラインを実践。
いろんな考えがあり、いろんな方法がある。
参考にもなり、???ということもあり、
面白いなぁ!

目の前の世界に傾倒しすぎることで周りを見失うコトもある。
懐が深い方、野心家で貪欲なファイトマン、
いいとこ取りの底が浅いヤツ、
一元的に教えるガッコのセンセイ的にやっても上手く行かない。
向いている方向が明確なだけに対処方法も接し方も変えていけばいい。
まだまだ経験も知識も貧弱だが、
それにしても、礼儀を知らない輩はうんざりだねぇ。

2週間もの
長い間お世話になった、
四徳森林体験館。
本当に楽しかった。


プリン山も紅葉が進んできた。
本当にお世話になりました。


帰り道、フェリーの関係もあり、
ラムサールの佐潟に寄って
観察センターの駐車場で車中泊。
生憎の雨だったが
角田山を背景に久しぶりに
水鳥たちを観て帰路についた。


出発したときは北海道は秋が始まったばかりと思っていたが、
帰ってきたら、もう冬になっていた。