2020年4月26日日曜日

ツリーケアオペレーション


これまで経験値は全然少ないけど、
様々な樹上作業に関わってきた。
僕は林業屋でも造園屋でも無いし、
単に遊びの木登りから始まった
からだからかも知れないが、
多くの作業は費用対効果だけか?
早く片付けないとダメなのか?
どうして?
あんなヤンチャな命がけ作業を
イケイケゴーゴーに出来るんだろう?
常々思っていた。
そしてそういう漢儀溢れるやり方は
派手でスゲェって思う輩が多いが、
仕事としてちっとも魅力的じゃない。
カッコ良くない。もとい、ダサい。
それに絶対に効果的じゃないぜ。
僕が考えている危険の少ない方法は、現場を見ている施主さんも納得して、見ていて危なくないので安心だと言ってくれる事が多い。
施工前に、要望の目的を現場でしっかりと打ち合わせ、コトよっては、施主が考える仕上がりには成らなくても、互いに納得できる提案も出来る。枝や太くなった幹が邪魔で、落ち葉等の手入れも大変だからバッツリ伐るって言うよりも、透かして樹形を保って剪定した方がアバれなくってイイよとか、高所作業車使ってヤンチャな剪定を見慣れてるのでボッコにしちゃうけど、アトでそこから元気よく細っそい枝が噴くからアトが大変だよとか、アドバイスできて双方了解して作業に移れる。
仕事は主に、結果が見えなくなると言うか、対象木を無くしちゃう事が多いけど、施主に「生きてるものを人間の都合で殺すのは好きじゃない」とか言うと、案外納得してくれて、不自由な所を取り除いて、木も活かせて、施主も我々も納得できる事が多い。マイナスをプラスにできると思っている。それがツリーケアだと思っている。
全てじゃないけどね。

しかしいわゆる公共事業とかの多くは入札だし、マイナスをゼロにするだけの仕事が多く、施工後に直ぐにマイナスに向う。発注者にツリーケアの知識が無いから、従来の方法でしか発注にならない。そして主に価格競争になる。そして作業中に発注者が来ないし見てない。発注者は、施工前・中・後の写真でしか判断しない。というか出来ない。
また、作業者も施主に見られてたらやり難いとか、鬱陶しいとからしい。見られてマズい仕事なら、最初からダメだと思うが。

僕の現場でもよく別の発注者の方が見学に来られるが、そんな人もYouTubeとかで見たドスンバタンという方法を期待しているのか?面白くなさそうだし、やたら段取りに時間がかかるので、ヤになって帰っちゃう。そして彼らが考える大きな作業が始まりそうな時間に再度来るが、もうその時には完全に終了している事が多い。始まったら早いんだよ。
って言うかツリーケアの計画や手順を知らないから、時間のヨミも出来ないんだ。雑な作業をしても終わりさえして、施工前・中・後の写真があればOKなんで、どんな危うい作業をしても、そんなこたぁ知った事じゃないのだろうけど。
そのくせ事故は起きて欲しくないから、安全対策はどうだ?とか、日本の資格はあるのか?とか自分の責任回避のために作業に関係ない所でウルサイ。
作業は、責任回避じゃなく、危険回避だよ。
金額でしか判断されない仕事は、結局は作業員が身を削って、雇用主は痛くも痒くもない。そういう雇用主は自分で命がけで大変な仕事をすれば良いのにね。

僕は漢儀も無いし仕事に命をかけたくないんで、金額で判断される仕事は受けない。受けたくない。まず見積もりが甘いよね。甘い見積もりだから作業工期が短いくてその期間に仕上げなきゃならないから焦る。焦っていいことは無いよ。見積もりは雇用主じゃなく現場入りする全員でするべきだし、一番手慣れてないヤツに合わせた方が良いよ。
でもそんなことしたら時間が幾ら有っても足りないし、自分の思ったとおりに動かせば知識の無い作業員でもなんとかなるし工期も短くなるから見積もりも安くなると思っている。したがって作業員を危険に晒す。いわゆるバットスパイラル、悪循環ダネ。
見積もりが甘いんだよ。
雇用主自身はもちろん、作業員にも勉強させるか、勉強させる時間を作った方が良いよ。その方が工期は短くなるよ。
ノットひとつとっても、30秒かかることが10秒で出来れば、仕事は遥かにスムーズになるよ。計画をみんなで理解してボーって立ってるヤツが居なくなれば、仕事は遥かにスムーズになるよ。そのためにみんなで学ぶんだよ。失敗を繰り返してそこから学ぶんだよ。それがプロじゃないか?
どうしてもって短工期でヤッてくれって場合は、時間を貰う。生活の糧にならない場合は、知識の糧を増やしたい。そして現場で勉強するためにプラクティスを行う。レスキュートレーニングなんかもする。そういう作業中や結果を見て貰うと、だいたい納得してくれて、次に繋がるよ。トクバツじゃ無いツリーケアはあまり知られて無いだけで、見たら納得してもらえるよ。自分を安く売るつもりも無いし、偉そうだけど、そうしていかないと、いつまで経っても辛く苦しくシンドイ危険な仕事だと思われる。



以前に「ツリーリギング作戦の基本」
という本を作った。
基本の作業戦略を知った上で
次の一手に役立つものだと思っている。
これはコレで有意義な情報だと思うが、
しかしこれを眺めればリギング出来る、
トクバツが出来る、って思っている人が
余りに多い事実にブチあたった。

これだけじゃ作業にならないよ!
って伝えても、聞く耳持たないんだなぁ。
登ることと、姿勢制御や吊りシステムや
伐ることや解体し降ろすことことは
全く別だからね。
一緒くたに出来無いからね。
登るだけ登って伐る以前に各自で各チームでヤルことがいっぱいあるんだろっ!って思うが、考えが安易だから、チェンソー使えるし、登り方も教わったし、道具も買ったから、特殊伐採が出来る。って輩が、事故るのはもう見たくない。
日本人は小器用だから見よう見まねで、なんかできると思っちゃうんだろうな。でも僕は不器用で力も無いし漢儀も無いけど、興味があるから、調べて勉強して、RR668みたいな海外の情報に行き着き、凄く納得出来て、そしてプラクティスを繰り返してただけです。みんなもそうすれば危険少なく作業が出来るヨ!樹上伐採は自分やチームの危険を取り除いてから行うべきだヨ!って言ってるだけです。

やっぱりスタートがちがうからかな?怪我したく無いモン、命かけたくないモン。気張らなくても出来るモン。仕事に目一杯力使って、シンドク辛い厳しい現場を乗り越えて、後に残るのは疲れだけだよ。その繰り返しじゃいつまで経っても仕事は安全にならないヨ。

そんなに難しいコトじゃないヨ。ただ僕はシツコイけどね。判らない事はとことん調べたり、馬鹿で覚えが悪いから師匠に聞きまくるし、一緒にトレーニングしている人と比べても力無いしプライドも無いから出来無いって言っちゃうし、でも僕はシツコイからね。

僕は、施主と良き方向を模索し、作業者の危険回避を第一に考えてます。雇用主や行政の方の多くはカネのこと第一だから。雇われで働いてる人は、雇用主のことだけ信用しないで、自分で勉強して、自分の身は自分で守った方がいいゼ。日本の法規の多くは雇用主を守る法規だから、イザとなったら誰も助けてくれないゼ。そんなとき信じられるのはチームと自分だヨ。自分が学んでチームで共有しよう!どこかで時間作ってちゃんと勉強しようよ。という訳で新しい本を作った。
自分でやっているコトを、ちゃんと評価しよう!失敗を無くすんじゃなく、失敗から学ぼう!そして難しいから軽く短いものからプラクティスしよう!

僕は何にも後ろ盾の看板もなく、
モグリの活動家のレジスタンスだし、
偉そうなことを言ってるだけけど、
そんな僕にも調べりゃ判ることは沢山あり
リギング以前に、
初見の観察診断や見積もり、
チーム全員で共有する段取り手順、
適宜応用できるシステムの評価、
危険の少ない方法選択と評価、
降ろす対象のピーク力、
そういうコトが、危険回避に繋がるよ。
ロールオーバー経験値だよ。
そのために勉強しようぜって話。
僕も全ては納得してないけどね。
軽く短い対象から日々勉強だヨ。
社長じゃなく、地球は嘘をつかないヨ。

興味があったら、どうゾ。


私のデザインの仕事は元々テレワークが多いし、サイトの長い仕事が多いので、自分で時間を作ってシツコク取組んだから、言えることがある。外の伐採作業とかはSARS-コビッド19もあまり関係ないだろうけど、こういう時だからこそ、軽く短い対象でシステムをじっくり勉強しながら理解を深めたり、外出しないで知識を貯めたり、疑問を解決したり、色々できると思う。一旦立ち止まって、自分の仕事も良き方向に向けやすいと思います。

2020年4月23日木曜日

私の根拠

私はその時点で自分が知っていることを伝える講習をやっています。
コンタクトしてくれた方に、何を知りたいか?どんな希望があるか?を伺ってから、
スタンダードはあるものの、希望に合わせて随時講習を行っています。
例えば私の作業を見て、ソレを教えて欲しいという方々に対して行っています。
簡単じゃありません。それでもシツコク取組めば誰にでも出来ます。
そしてその講習は、何の保証もありません。その講習を受けたという修了証のみです。
だから、日本のロープ高所作業の法規には準拠していません。するつもりもありません。
私はこのような法規で作業者の危険回避が担保されるとは思っていないからです。
そういう証や免罪符が欲しいなら、他所に幾らでも在るので勝手に手に入れてください。

私の根拠は自分です。
自然で仕事をするんだから自然から学んで理にかなった自分の根拠を持つことです。
有名な組織でもないし、立派な看板などはありません。
だから、そんなコト言っても誰も信用してくれません。でも受講の希望が来ます。
私は優れた実践の為に、いろんな師匠に師事して経験を積み、実践して失敗して、
自分で自分なりに再構築しています。
またリソースとしては、大まかにRR 668 に有ります。
ただしコレは2008年の公開情報を元にしていますから、
その後Tree Work News や Arb News などで情報をアップデートして
AFAG401/308/402 や INDG401/174/317 などを根拠にしています。
基本的に一般にも情報を公開するイギリスの HSE が大元です。
最近はICoPという、作業者の指針が出てるので、それを参考にしたりしています。
(これが近々アップデートするらしく期待大!世界では2本使いが常識となりつつある)
実際作業していて危険を感じたから、産業用ロープアクセスの知識も知りたくって
その筋の師匠に聞きまくって、一緒に繰り返していたプラクティスが活かせる!
一流のアーボリストでも、モーションはフルボディに出来ないゼ。

RR668は主要な結論を網羅しているとは言えまだまだ発展途上で、
今後のトピックに注目するべきとあります。
だから日々そのようなトピックに敏感に反応し、考慮し、
必要があれば自分で実践して、自分なりの感想やデータを補完します。

アーボリカルチャーの中のごく一部のツリーケアに関してだけでも
RR668以外にも相当な分量があり、
●使用される作業慣行と評価
●現在のリギングと解体作業の評価
●ツリークライミングオペレーション
●トップハンドルチェンソー
●エアリアルツリーレスキュー
●カラビナセーフティ
●仕事上のPPE
●リフティング機器
●チェンソーワーク
●高所での作業…..etc
興味深く、少しでも危険回避に繋がる情報に溢れています。
ツリーケアに特化した実験データの公開部分だけでも山ほどあります。
そういう世界的にみても有益な情報を根拠にしています。
(とは言っても英語が出来ないんで、基本Google翻訳頼みですが…それでも)
ほんの数時間で終了する、道具に終始するような概要だけの、
寝ててもイイ日本の特別教育とはワケが違います。

例えば、全体の目的として、
#解体/リギング作業を行う前のリスク評価の実施
#リギング作業の計画と組織化
#リスクを軽減/最小化し、事故を防止できる手段
#適切な作業機器の選択と構成
#さまざまなリギングシナリオでの安全係数の評価
などが挙げられています。
リギング技術とそれに関連する知識体系の認識が発展し続けていることを考慮して、
アーボリストの為のベストプラクティスの実践に役立つ出版物を開発するための
出発点として提案されています。


私は自分の根拠としての
ベタープラクティスを
satoc books として
提案してます。
ベストじゃなく、ベターです。
そして前挙の絶えず更新される情報もあるので、その都度アップデートできるしまうまプリントで提供しているだけです。
これば、正しい手法だったり、
儲かる技術だったり、
成功の秘訣ではありません。
単純に私が噛み砕いた上で、
これって良いかもしれない?っていう私の考えです。

私個人として、日本のいろんなロープ作業の講習を受けた訳でもないし、
日本の法規に準拠した樹上伐採を教えてくれる(ホントか?)団体だったり、
国際的なソーシャル団体の会員という看板を利用して稼ぐ奴だったり、
道具を売る為の手段として一部のソフトウエアを提供するネットショップだったり、
安全管理がマニュアル化されてる画期的な方法を紹介する組織だったり、
YouTubeの情報をアマゾン交えて紹介する集団だったり、、、、
そういうのじゃありません。

私が利用する HSE RR688 リソースでは、
潜在的な危険を承知した上で、安全なリギング戦略とシステムを選択します。
作戦の選択は、効率や儲けではありません。クレーンが入るならクレーンです。
足場か組めるなら足場を組みます。でもロープはハシゴより安全です。
何も危うい方法を使う必要はありません。
そして登る必要があれば、勿論それまでにはオフサイト/オンサイトの準備、
危険の症状/構造上の安定性/腐朽菌など視覚的な診断、等が求められ、
自由落下なのか否か?
対象上にリギングアンカーを構築できるか否か?
降ろす場所を確保できるか否か?
によってリギング方法を選択します。そして

クレイドル

ロードトランスファー

ロードトランスファー(ドリフト)

リディレクト

リディレクト/バットロープ

部分リフト

スピードライン(ドリフト)

チップロープ

フローティングリフト

スナッチ/バットロープ

というように出来るだけ安全性の高い方法から選択の可能性を鑑みて
様々な要因からシンプルな方法が無理なら徐々にテクニックの難易度を上げて行く。
難易度が上がれば、複雑な公式も理解してより正確な見積もりが必要で、
シビアな器材選択になり、行動計画をチーム全体で共有して、
最悪の事態を想定した救助計画を見積もり、
やっと登る。
登った後も荷重方向や角度をチェックして、上下でプランを確認し修正して、
シミュレーションチェックして、やっと作業になる。


実際はある部分はしょったり、
経験則に頼る部分もあるが、
実際にこうやって
作業している人が
何れだけ居るだろうか?
上図のような公式を用いて
耐荷重を計算している人が
何れだけ居るだろうか?

それだけリギングは難しいのである。
それだけのことを管理者は淡々と行って、しかもチームで共有する。
場合によって管理者はレスキューを行える知識と技術を習得している必要がある。
だからリギングの戦略でスナッチ/バットロープなんて一番難しいのよ。
じゃないとトッピングカットなんて出来ないはずだ。

かくゆう私も上記の公式なんて使ってない。出来ない。意味が判んない。
だから出来るだけ落下させない。落下係数は0.3を超えないように考える。
超える場合はリダンダントシステムになる。
冗長系でファクターを多めに見積もる。
でも多めに見積もったら、グラウンダーの操作が難しくなる。
だから軽く短いものから体感的な経験則を蓄積する。
それにドスンバタンとやる方法は道具にとっても良くない。
1,000回使えるロープでも、
トップカットの落下係数2のショックロードを繰り返すことで、
すぐにエネルギーが堪って破棄基準になる。
ロープが2〜3回で破棄基準に達するようなもったいないこと出来ないもんね。
そういう作業を繰り返している人は、道具の破棄基準の意識すらない。
まだ買ったばかりとか、キレイなら良いみたいな、幻想がある。
以前に見た目でコアがどうにかなってるロープを使ってる人がいて、
ダメよって言ったら、これ買ったばかりだから大丈夫だ!って言ってたモサが居るけど、
そういう意識で安全を担保出来るはずが無いもんネ。

簡単に出来る作業でも、知ってるコトでも、セオリーを一度分解して再構築できないと、
そして最初から多様な戦略を承知していないと
イザって時に使えませんよ。何でもトッピングになるよ。
昔ハイラインは一番難しいからコレさえ覚えていれば何んでも出来る!
って言い切った人が居たが、そんな感じなのか?
有益で危険の少ない方法があればそれを選択した方が楽だし効率も上がる。
そして最悪の事態は何時でも起こりうるから、作業は全員がシステムを理解して、
登らないで計画見積もりして全体を見るオフィサーは
レスキューだけ考えていて、何時でも行けるようにしておくんだよ。

こうやって作業を組み立てれば、肉体的に厳しく危険性が高い作業も、
安全なリギング戦略とシステムで適切なリギング手法の選択できる。
知識が全てとは言わないが、知識が無ければ危険度が増すなら
バカだけど勉強するよ。そしてフォースとテクノロジーを有効利用するよ。

最近はスマホで関数電卓もあるし、手書きの公式に変数を代入することも出来る。
カメラで角度や荷重割合を測るアプリもある。
ネットで調べれば水分量や係数も判る。割りと正確に見積もれる。
YouTubeじゃなくてこういう所にスマホを活かせるよ。
より危険が少なく肉体的にも厳しくないやり方は直ぐそこに存在するんだよ!

高校で数学は3年間赤点の高卒でも、学ぶ姿勢とザックリとした力学とスマホがあって、
覚えようとする意思があれば、私はそんなに難しいコトじゃないと思っている。
名前だけの大学なんて出なくても十分だ。
もうジジイになってる人が、この方は〇〇大学出身だ!って言ったって、
18歳以降一切学ばず勉強もしてないって宣言してるようなモンだよ。
バカな自分でも理解できた方法で、しかも本来デザイナーだから、
それを判りやすい絵や図で解説しながら伝える初心者向け講習をやります。

私もまだまだ最初の数歩なんで、伝える扱う対象も小さいです。
1トンを超えるような大物をどうにかするようなことも実際にはやりますが、
目的は凄技を広めることじゃなく、危険を取り除く作業です。誰でも取組める知識です。
1/2インチロープと3/8インチ台付けで扱える作戦を提案します。
100kg1回で降ろすなら、
50kg2回の方が、
30kg3回の方が、より知識は深まると思います。
リフトだって100kg程度ならGRCSとかポータブルウインチとかのマシンは必要ないので
プーリーとAZTEKで十分です。
基本は軽くても同じ動きなんで、サイズアップは後々自分で組み立ててください。
軽く短いモノが確実に扱えればサイズアップは難しくありません。
少しずつ基本を積み上げて行ければ、難しい技術も習得できると思ってます。

凄技をマネするんじゃなく、手っ取り早く作業を終わらせるんじゃなく、
軽く短い対象で、ポジションや伐りを失敗して、それから学ぶために、
繰り返しプラクティスするために、
まずは、理にかなった自分の根拠を持つことです。


*文中の「アーボリスト」「ツリークライミング」は商標登録されている日本の権利を侵害するものではなく、世界的に流通する語句の、Arborist, tree climbingを和訳した一般名詞です。

2020年4月22日水曜日

起こるべくして起こった事故

知り合いが対象と一緒に落ちて挟まって背骨骨折の大けがをした。

話を伺うと、本当に稚拙でお粗末な人的要因だけど、そこにミスが表面化する前の、
器材要因も、環境要因も、第一に組織の要因すら整っていないのだから、
起こるべくして起こった事故だ。そしてコレが最初ではない。

もっともその方は「クライミング」のコースを2日間受講しただけな人で、
でも組織の方針で、リギング・解体まで何でもヤラされていたようだ。
現場に居たグラウンダーは、作業の計画や方法も何〜も知らない作業員で
(もっともクライマーも純粋に登る以外の事は全く何〜も知らない素人だけど)
そんな人が現場で実践的に作業をしているというから恐ろしい。
Climbing(登降)
Positioning(姿勢)
Riggnig(吊り)
Cuttnig(伐り)
dismantling(解体)の違いすら理解していない人に、
全部の作業をやらせる組織の要因が一番悪どい。
これまでにも事故が有ったのに、何の改善もされず、続けていた。信じられない。

でもこの人にクライミングの方法を伝えたのが私なので、
私が伝えなかったら彼も落ちなかったのかなぁと考えると、、
とても悲しい気持ちになる。
オレのセイじゃ無い!って思っても、どっか引っ掛かって心に残る、
なんか寝覚めが悪い。すぐ考えてしまう。
暫くは思考が前に進まなくなり、身体を壊しジッとしていて
たっぷり時間が出来たので、少しはまともに考えられるようになった。

ここのトクバツはクライミングしか出来ね〜ヤツしか居ないし、
クライマーの独断だからチーム組めね〜し、
同じ現場でも他の人が作業の基本も判ってない。
でも仕事取ってくるのは巧いんだよなぁ。
こういう人が知識と技術を持つと最高なんだけど、
知識も技術もチームワークも作業に必要なモノは何にも無い。
対外的な免罪符や安全講習なんてやっても組織要因が一番の悪だから、
レスキュー講習なんかヤルだけ無駄だ。
第一地上作業員はクライミングの知識すら要らないというのだ。誰が救助するってぇの?

幾ら講習の中で
「これはクライミングの方法なので、木を伐って吊って降ろす事は出来ません」と
伝えたって、基本的に登れれば何でもできると思っている人には伝わらない。
そればかりか<講習を受けた>という証拠が免罪符的に作業に導いているコトになってる。
「登って構えてセットして吊って構えて切って逃げて構えて」という行程の
最初のごく一部の手法を知っただけで、プラクティスも繰り返さず、
<登った事が有る>
   ↓
<登れる>
   ↓
<樹上作業が出来る>
コトに変移している。

賢明な人なら、コレだけじゃ作業にならないと理解して、先のコースに進むのだけど、
ここは、そうじゃない。
まあ私としても、登れるだけじゃ何もできないんだから、
人も育てられないし、ヤラされたとしても皆怖くなって辞めるだろうし、、、
ってな具合で放置し、見過ごしていた。自分が悔しい。
こういう組織は登れれば伐れ!という思いっきり短絡なんだなぁ。
また受講を断るスベもなく、勝手に申し込まれて、誰かすら判らず当日現れる受講生に、
ダメですよって言ってもそりゃぁ、オレもダメだな。伝わらね〜な。
まず入口でアンポンタンを抑止出来るシステムが必要だ。
こういう輩には受講を諦めてもらうための手段を講じる必要がある。

最近は私の講習を受けに来てくれる人に対し、自分の根拠は何処に有るかを尋ねて、
自分の根拠を持つように伝えるようにしているし、
スキルシートで自分の位置を確かめて貰ってるけど、
それが、学生時代の登山経験に由来する男前な登山からだったり、
十数年前の日本創成期のクライミングだったり、
初期の知識がアヤフヤだから
段々自分の都合の良いように変えちゃうし、YouTubeだったり、道具も買えるし、
イケイケゴーゴーな人には、何が問題かすら判らないようだ。

私個人としては、いろんな師匠に師事して経験を積み、
実践して失敗して再構築して、リギング作業の指針のような資料を参考にしたり、
自分なりに消化したところで、軽く短い対象で、重力・角度・フォースを体感し、
そう自分の都合の良いようには行かないんだなぁということを理解してきた。
ロープにぶら下がって力でねじ伏せるのは無理だよ。だから頭を使うよ。
そして順にシステムをバージョンアップして、サイズアップして、
怖いから→面倒な勉強して、プラクティスして、危険少なく作業出来るのだけど、
最初の「怖い」が無い人は勉強もプラクティスもない。
道具に頼る。力で何とかしようとする。ド派手なYouTubeを参考にする。

そして作業は当たり前に危険だと思っている。
しかし、すぐにトッピングカットしようとする。
例えばRR668でも「木の作業は肉体的に厳しく危険性が高い」と言われている。
だから「安全なリギング戦略とシステム」とか「適切なリギング手法の選択」とか
「器材の選択」とか有効な手段を用い、可能な限り危険を回避する。
トッピングカットやスピードラインは、
他に方法が無い時にやむなく選択するもっとも高度な技術だからね。
そしてそういうコトを伝えてるのに、
やれスピードラインだ!スパーだ!GRCSだ!ってどれだけアホなんだと思う。

基本的に動荷重やリフト使わなくたって出来るからね。出来る方法を探せるから。
そしてそういう難しい作業は、厳しい見積もりの元で資料を活用し、
面倒くさい公式なんか用いて達成されるから、
喜びも一塩でYouTube紹介しているのだと思う。
見た目で、手法だけマネして、シャー!グイグイ!ドスンバタンは違うと思う。
それを見て「おーこれだ!」ってどんだけお粗末な人よ。
トッピングカットっていわゆるスナッチバットローピングで
「最悪のシナリオ」と呼ばれている。
これ以外の方法が無い場合にしょうがなく選択する方法だ。
その最悪の方法を使いたがるって、どんだけよ。

スタティックリギングは、動かないから動画にしても面白くないから
そういうちゃんとしたセオリーは、あんたたちが見ないだけだから。
リギング作業は、決定的には危険かもしれないが、
出来るだけ危険少なくして力を使わず出来る知識があって、
まさにそれがアーボリカルチャーのツリーケアで、世界中の様々な人が調査実験研究して
指針出してるのに、ソレを面倒臭がったり、自分の努力を惜しんだり、
時間がかかるとか、金がかかるとかを理由に、とてもイージーにやってしまう。
ただの無知ですから。バカの壁ですから。
作業の基本と成功へのプラクティスは、探せば世界中にありますから。
でも日本じゃ寝てても良い「特別教育」を受ける事がマストで、
受けてさえいればマスターらしい、コレを免罪符にしたら、死ぬよ。っつうか出来ね〜よ。
 
そこの組織の親玉は、救急車で運ばれた従業員が入院した病院に駆けつけて
切断されたハーネスを見て
「これミシンで縫ったら使えるな」っと言ったそうで、もう何が何だか。

自分の為の危険回避

日本のロープ高所作業特別教育に対しとやかく言うつもりはありません。
ただソレで自分や仲間の安全が保証されるという幻想を捨てた方が良い。
JVなどで入札のためにマストな法規は守ればイイと思います。
ただ、それを真に受けて実作業で取り入れるのは作業者にとって危険だと私は考えます。
まあ、電工屋の道具を使って人工物に登るなら良いのかもしれないけど、
第一電工屋の道具を木の上では使えない。っつうか使うことを前提としていない。
だから木の道具として確立された外国製を使うことになる。
ENやANSIの道具を使って作業を行うならば、ENやANSIの規格に則った方が
より危険を回避できると考えているからです。

特にツリーケアの場合は、相手が自然だから、
インダストリアルな強固なアンカーが有る前提の考えは、なかなか当てはまらない。
単にロープアクセスと一緒に考えてもトンチンカンチンでチグハグでアンポンタンです。
仕事を受注する上で、日本の法規には準拠していても、
自分の危険回避は別に自分で構築する必要がある。コレが今の日本の実態だと思う。

日本の法規で決まってるからと言って、無理矢理拡大解釈をして、
ロープ高所作業特別教育(樹上作業)なんて唱ってるヤツは恐ろしいので止めた方が良い。
バカな木こりを騙して儲けようとする輩に賛同する必要はない。

最近は楽天でも買えるテキストとかあるけれど、びっくりする程イカガワしい。
ワークポジショニングやワークレストレインやフォールアレスト
メインやセーフティが都合良くその都度行ったり来たり、もう意味が判りません。
メインとセーフティが有って、
それ以外にワークポジショニングのような動くための
第三の何かが存在しなければならないはずなのに、
ワークポジショニングが都合良くワークレストレインになったり、
フォールアレストになったり、ひどいのはセーフティになったりもする。
日本以外ではセーフティは独立したフォールアレストだからね。
だからセーフティラインて呼ぶんだよ。
道具の紹介とかも、カタログ的で、規格自体が載ってる訳でもなく、
何に使うか?何をやっちゃアブナイか?すら判らない。
道具には条件があるからね。
本当は判ってて確信犯的なヤツなのか?何にも知らないでイケシャーシャーなのか?
何〜も知らない人間は、やはり立派な看板に引き寄せられるようで、
一旦信じたらなかなか考えを変えようとしないヒトにも会ったけど、
日本はこういうのがまことしやかに一般化して益々ガラパゴス化して、
事故も一向に減らない、ってのは黙ってられないよ。
自分の身は自分で守る必要があるよ。
へなちょこな資格を持って、一流な顔されても、事故は減らないよ。

少し判っている人なら、チェンソー安全講習を受けても
現場で活かせないことぐらい気がつくと思うけど、
世の中には安全講習受けたからコレで私も森でチェンソー作業が行えるって
思っている手ノコも使ったこと無い様なネイチャーおばさんとか沢山いるよ。
そういう人がエンジン付きってどれだけ危険か知らないだけだけど、
それと同じで、チグハグな特別教育受けても樹上作業なんで出来ませんよ。
アーボリカルチャー=特殊伐採じゃないからね。
アーボリカルチャー(木の栽培・管理・研究を推進)する人がアーボリストで、
木に登って伐る人がアーボリストじゃないからね。
どうもツリークライミングできれば今日から俺もアーボリストみたいな人が居るけど
残念ながらほんの数日ではアーボリストにはなれないと思うよ。

ISAは、International Society of Arboricultureだから、
いわゆるその名の通りソーシャルなネットワークです。
メンバーになれば優先的にコンテンツにアクセスできて、
製品の割引や教育上のメリットを享受できる事、
「成長の機会を提供し、ニーズ・目標・樹木栽培の専門職を推進することに関心を持つ
他の専門家とつながる」ことが目的で、共に学び、共に成長する団体です。
単なる資格発給団体では無いし、
その資格だって栽培・管理・研究に役立つ知識ではあるけれど、
樹上伐採に特化した作業者のソレではありません。
本当の意味でアーボリカルチャーをソーシャルな形で共有するための組織ならば、
「アーボリスト」を商標登録して「商売」としてクローズにはしないと思うし、
ソサイエティ広く共に学び、共に成長する目的なら商標にできないと思います。
まあ、エラそうな組織メンバーだから安心みたいな、チャンとしてる的な、
幻想と言うかマヤカシでは自分の危険は回避できないと思います。

私はロープ高所作業特別教育も受けてないし、
日本では仕事で正規に樹上作業を受注できません。
モグリです。
ただ日本の法規では作業者の安全は担保できないと思っているから、
そんな法規を守ったら、普段から言ってるコトが覆るから。
作業者の危険を回避できるのなら、その考え方を伝えていこうと思っているだけです。
会社の方針とかそんなことどうでも良くって
自分が自分のための危険回避の考え方を知りたい人に伝えてるだけです。

私の根拠はまた後ほど。

*文中の「アーボリスト」「ツリークライミング」は商標登録されている日本の権利を侵害するものではなく、世界的に流通する語句の、Arborist, tree climbingを和訳した一般名詞です。

2020年4月21日火曜日

プロスペクト理論-からのツームストーンセーフティ

例えばリギングプランで、巧くいきそうな時には
「失敗するかもしれないから確実な方法を採ろう」っていうクセに、
途中で失敗しそうになると「きっと巧くいくからこのまま行っちゃおう」って
なっちゃうこと、ありますよね。
本来は行動経済学での心理理論ですが、プロスペクト理論ってのがある。

プロスペクト理論は、不確実性下における意思決定の理屈で、
利益を生みそうな場合には、利益を大きくするより確実に入手することを優先し、
損失を被る場合は、損失を最小限に抑える方法を優先する傾向のこと。
大成功よりは少し損しても確実に「得」する方法を選び、
大失敗しそうな場合は少しでも「損」を回避しようとギャンブルにでるといった感じ。
でも本当は、最初に巧くいくって思った時の見積もりが甘い、んじゃないのかなぁ?
自分の知った方法に当てはめてムリヤリ作業を行った、からじゃないのかなぁ。
いつもはコレで巧くいってるのになぁとか、
オレの鍛錬が足りなかったんだなぁとか。
利益が大きくなりそうなときは確実に手堅く行動しても、
損失をがあるときはギャンブルに走ってはダメでしょう。

犠牲者の死を悼み〇〇に誓う。っていうのは、怪我した人の口は封じるし、すでに死んでるなら死人に文句言われる事は無いし、誓いも伝わらない。周りの人にとっても誓いは何の効力も無い。そしてその誓いは逆にオレじゃなくって良かったって聴こえてしまう。
オレはこうならないように鍛錬しよう。鍛えて、鍛えて。鍛え抜こう。なんて聴こえる。
ツームストーンセーフィティ。

失敗する事は考えない。巧くいく方法を繰り返しトレーニングして、
鍛えて、鍛えて、鍛え抜いて、事故が起きないようにする。
1つの方法を鍛えて、鍛えて、鍛え抜いて、完成させようとする。
スイスチーズの穴を埋められると思っている。

または国や行政のデスクワーカーが作り上げた「安全安心」を信用してる。
やつらの「安心安全」は、自分たちのためだからね。
社会の人間は失敗しない。でも生き物としてのヒトは間違うからね。
そしてみんな自分の都合いいように解釈する。ヒトは間違うからね。
目標に掲げるのはイイけど、
幾ら自動運転技術が精度を上げても事故は無くならないからね。
運転してるのはヒトだからね。
そんなの信用してると逆に万一の時に対応できないからね。

私は手で出来ることを機械に100%任せたくないね。
車の窓は自分でクルクル空けたい方だね。
イザっていう時に手で出来なくなっちゃったりするからね。
手で出来ることを効率よくするのが道具だからね。

幾らチェンソーの扱いが巧くても
樹上で手ノコを使ってない人に
樹上カッティングは無理だからね。

二度と事故が起きないよう、事故を防ぐ対処法を知ろうとするするけど、
「事故を防げる、無くせる!」と思っている前提が可笑しい事に気づいてもいない。
どうして事故が起きたんだろう?って考えても
「ヒトは間違う」ってことに気がついていない。
鍛錬すれば間違いは無くせる、って思ってる。



事故が起きる前提での危険回避方法を
プラクティスすることが
リスクマネジメントじゃないのか?

リスクそのものを無くそうとするのは
ただの幻想でしょ。
どんだけおこがましいのヨって思う。

自分は、
アベンジャーズか! ハリウッドか!


私は「事故は起きて当然!人間だもの」って思ってる。
そしてそうならないように、引き出しを沢山持つ。
作戦はいくらあっても困らないし、そういう余裕が事故を防ぐと思う。
だからさかのぼって勉強する。

新製品を動画で眺めて、新しい技術だ!なんて
言ってる人が信じられない。
世の中にはアホみたいな道具マニアが居て、
実験とか試用とか言って、根拠ない方法を紹介する輩が居るからね。
最新の道後を買って、直ぐさま使ってみました!って
マニュアル読んでないだろオマエ!
そういう輩の動画見て、コレがあればオレも一流さ!ってなるヤツが大勢居る。

そういうのじゃなく、
今までの失敗やベストプラクティスは
ウェブ上に幾らでも見つかるからね。
アホな動画じゃなく
そういう PDFや論文こそ読むべきです。
今はGoogle翻訳とかでも充分に理解できるよ。

失敗する前提でプラクティスを繰り返すってなりましょうよ。

2020年4月18日土曜日

特殊な伐採じゃないツリーケア


先日良い機会があって、
まだ樹上作業に手慣れていない方々と一緒に
ツリーケアの基本というか、
軽く・短く・危険の少ない現場を行った。
基本に忠実に、アドバイスしながら、
地球の力を巧く使って、
予想通りの動きを体感することで、
ツリーケアの良いプラクティスになった。
こういう機会を与えてくださった、
親方や施主に感謝です。

スゲェ作業をやった事なくたって、
立派な看板がある一流じゃなくたって、
数々の危うい現場をこなしてなくたって、
経験豊富な手慣れでなくたって、
最初はみんな、軽く短く危険の少ない
簡単な作業から始めるとイイよ。

どういう訳か、ど素人の輩ほど
しっかりと理屈を学ばなかったり、
いきなりオオモノを扱ったり、
数少ない知識を無理矢理当てはめたり、
名の知れた一流の手法をマネしたがるよね。
それでたまたまセーフだったら
その手法を繰り返す。不思議ですね。

農道にはみ出した枝を、
伐り方でゆっくり頭下げたり、
重心よりチップに出来るなら
角度考えて吊ったり、
引く方向をタグで変えたり、
トラッキング使ったり、
もちろん自由落下もアリで、
スマートなツリーケアの
基本をみんなで学んだ。

翌日は、ちょっと難易度が上がり、
一方は屋根にかかり、一方は電線があり、
一方は他の立木が邪魔になり、
結構タイトに考えないと、ヤバイやつ。

普段から一緒に作業していなくても、
基本が一緒だと考えてることが共有できて
2人で登って、次々に吊って降ろして
スマートに作業が進みます。

これ地面に立ってるようだけど
屋根より遥かに高い位置だから。
そこでどれだけ安定したワーク
ポジショニングをとれるかだから。
安定姿勢だから地面に立ってるみたい。


YouTubeや、
何だか訳の解らない怪しい樹上作業テキストなんかを眺めて行う
危険な特殊伐採とは違い、
(あのテキストと講習を受けて何でもできると思うヤツの気が知れない)

 どんな簡単な作業でも、地球の力を巧く利用して、基本に忠実にやってみる

ということの重要性を確信した。
そこに気がついたら、あとはサイズアップしていけば良い。

簡単なものは今まで通りエイヤッってやって、難しいものをいきなりやれば
それは本当に特殊な伐採だと思う。
だって理屈判ってないんだから、特殊だよね〜
判っていないで「男祭じゃぁ」ってやるから、特殊だよね〜
海外では女性のアーボリストも沢山いるよ。男祭じゃないよ。

まず、ろくに段取りも決めずとりあえず登って、
無理なポジションでもチェンソーさえ届けば、枝の動きも、自分の回避も考えず、
目の前のヤツを適当に手っ取り早く伐ろうとする。
でも練習してないし安定してないから、結びにもシステムにも時間がかかる。
グラウンドもその間ポカ〜ンと見てる。
そうじゃなかったら、人の道具をじろじろ見てる。
伐り方ダサイから、思わぬ方向に動く。
後手後手でシステムが複雑になる。
そんな特殊な伐採が多いよね。

命がけの特殊な伐採ではなく、アーボリストのツリーケアは
危険を予測し回避しするために、チーム全員で地面で段取りを済ませて、
登ってからも微妙な修正を共有するから、登ってからが早いよ〜、スマートだよ。
その分、結びとか力学とか、日々の勉強は怠らないからね。

私はツリーケアを特殊伐採と呼ぶ人が嫌いです。
俺は命を張って危険なコトをやってんだゼ!的なダッサイ心意気で、
自分を特別な人間だみたいに「トクバツ」と呼ぶ輩がおぞましい。

現場に入る前に、システムの勉強をしているのは当たり前。
そのシステムによる作業工程を全員が承知している。
当然のように結びは練習している。
いざ現場に入ったら、プランを共有する。
樹上で細かな修正をする。
その行程に必要なポジショニングは手間を惜しまない。
そしたら作業はとてもスムーズで疲れないし早く終わるよ。

今回は自分も含めて、みんなとても勉強になったと思う。
ツリーケアは、始めるスタート地点が「トクバツ」とは違うから。
それが判らない人は、命をかけてトクバツすればヨシ!!
仕事に命をかけることがカッコいいって思ってる人は
どんどんトクバツをやってください。
脳ミソを筋肉にして、気合と根性で鍛錬して進めてください。
そうしてもらった方が、ゆくゆくコッチに仕事が廻ってくるから。

2020年4月16日木曜日

ツリーイングインストラクター検定


先日久しぶりにツリーイングの
インストラクター検定を行った。

ツリーイングは、自分が愉しく危険少なく
木に登れる手段を使って、
自分が樹上の世界を体験する遊び。

登れるようになったから、
ソレを教えたいって人は北海道ではお断り。

インストラクターは、自分の危険じゃなく
第三者の危険を予測しそれに対応する。
技術だけじゃなく、全く別の知識も必要。
誰かの言った根拠を鵜呑みにせず、
自分でスタンスを決める必要がある。

予測不能な動きをするヤツが居るから、
その予測不能を上回る経験や知識も必要。
トラブルが起きないことが前提だけど、
当然レスキューも必要になるだろう。

今回は模擬体験イベントで、
百戦錬磨のインストラクターが
自分の経験を活かし、
予測不能の動きをしたから、
受講者に取っては迷惑な話だった。

瞬間的に自分のアンカーの上に立って
ポケモン探すヤツなんてイネ〜けど、
可能性はなきにしもあらず。


参加したインストラクターも、
自分の疑問を解決するため
セルフトレーニング。
かなり際どい、救助が
本当に出来るのか?
ってプラクティスしていた。

こういう機会に疑問を持ち込んで、
知識陣も道具も揃ってるから
みんなでやってみるってスゴイ大事だと思う。

インストラクターは、今は巧くいかなくてもイイ。
パニックになってケツを捲らなければ良いと思う。
予測不能を可能な限り無くして、
自分で WHY? を勉強して行けば良いと思う。

私は登って降りて、ハーネスを外したとたんに
メット被ったまま、走って逃げて居なくなるって
アバンギャルドなかくれんぼをやったんだけど、
ごめんなさいね。

あ〜楽しかった!

Slaice®の謎

TeufelbergerにSlaice®っていうアイスプライスの製品がある。
いわゆるファクトリースプライスの方法で、
ロープ強度は低下するんだけど、
フリクションマネジメントや他のデバイスにも、
スムーズに通るし、非常に有用。
数値的に見て、1人荷重で作業するには何の問題も無いが、
レスキューで2人荷重になったら使えない。
痛し痒しのスライス。
使い所も考慮しないとイケナイので、簡単には受け入れられない。

そして、中身がどうなってるのか判らない。
なんかダイニーマが入ってるらしいけど、見たことないんで判らない。
メーカーが作ってるんだから問題ないだろ!
って言う発想にはなりたくない。
だからこのSlaice®製品は持っていなかったのだけれど。
誰か、このスライスをバラしてくれないかなぁって言っていた。

でも、Teufelbergerではもうこの Slaice® は廃止になって、順次spLIFEという新しいメソッドに置き換えられるらしい。
そしてこのspLIFEは、公認のトレーナーに師事して行われないとダメらしい。
ダメと言いながら、やり方が紹介されている?どうして?
これまで通りダブルブレイドのアイスプライスは出来るけど、
spLIFEのメリットも享受したい。

Slaice®の疑問が解かれないままに、
spLIFEになってしまう。のはいかがなものか?
っと思っていたら、機会があり、
ある人がこのSlaice®のdrenaLINEを買って、
自分でspLIFEしてみて、
末端のSlaice®をバラして疑問を解決してみよう!ってことになった。


drenaLINEは、ナイロンコアが9本、
シースはポリの32本。
質量のうちコアが42%、シースが58%

カチコチのステッチの所には何か秘密が
隠されている。と思い、
早速、触って、問題なさそうな所から
シースを切り開いてみる。
カッターで丁寧に切り開く。
でもカタいんで、段々大胆に切り開く。

あらかたシースを開いたが
問題のステッチの所は
一筋縄では行かない。
このステッチ部分にはWEが
入り込んでると思うが、
今のところ判らない。
ダイニーマが
隠されてるとしたら
もう見えてもイイが。

そしてこの糊付けされた
ステッチを無理矢理開いて、
WEを引っ張り出すと、
WEにもステッチがある。
そして見えました、
ダイニーマ。

ん?でも入り込み方が
ちょっと予想と違うゼ!

この時点でコアは見えない。
ステッチ部分までしか
コアは入ってない。

コアは引っ張ったら
ヌケてしまったんで、
ダイニーマを引き出してみる。
オープンスリングとかの
一般的なダイニーマスリング
のようだけど、

まあ何となくこんな感じで
図式してみた。
ダイニーマは入っていたけど
入り方というか、
行程でどうやって
ダイニーマを入れるが判らん。

結局Slaice®の謎は解決せずに深まるばかりだった。
でもこうやってみないと判らないことも沢山ある。
やっても判らないことが増えたけど、、、

drenaLINEのSlaice®を惜しみなく提供してくれた、
素晴らしいアテンションに感謝、ありがとう!