2021年1月31日日曜日

サードジェネレーション

先日の自動閉鎖と自動ロックのカラビナの話だけど、最も言いたかった事は本当はソコじゃなくて「サードジェネレーション」と呼んでることです。

実はその「世代」のカラビナでも、ダブルロックと呼ぶモノもある。
それは当然で、自動ロックの機構は二重なので「ダブル」で良い。nijiUじゃないよ。 サードジェネレーションのカラビナも、アメリカ系というかANSI系では、ダブルロックと呼んでいる。

しかしいわゆる第二世代のシングルオートロックのカラビナのことをダブルと呼ぶ場合もあり、これが実に紛らわしい。

自動閉鎖と自動ロックがゴッチャに成っている。

1.自動閉鎖 2.ゲートを回して開けるそして離すと自動ロックする 3.回転して自動閉鎖したゲートを何らかの動きで更に自動ロックする。からサードジェネレーションでも、自動ロックの機構はダブルロックで良い。

だからこの2つ以上のアクションを伴う自動ロック機構のカラビナを、第三世代サードジェネレーションと呼ぶようにしている。

もうセカンドジェネレーションの有効性はない、と思うけど、それでもセカンドジェネレーションを頑に販売してる所も有るね。私の知らない所で需要が有るんだろうな。
ソコのメーカーでは、セカンドとサードのゲートの色を変えても、間違い易いね。

アメリカでもヨーロッパでも良いけど、ここは日本で、しかも製品名だったりするんで、呼び方まで統一できない。
何より問題なのは、それを分解して考えず単純に、俺は「ダブル」って呼んでいる!で片付けるってのは横暴だし、ガラパゴス化を促進するだけのような気がする。
または仲間内で統一しても、他所の仲間に通じにくいなら、サードジェネレーションの方が良くない?と思ってる。これなら名前が面倒臭いけど、間違えるミスが減ってセーフティに近づけるんじゃないか。
漢字に直して「自動閉鎖の二重自動施錠の接続器具」って呼ぶよりはサードジェネレーションのカラビナの方が言いやすい。

日本文字は象形文字だし、その漢字自体に色んな意味が在ったりするから、ややこしい。 表音文字を無理矢理既存の漢字に当てはめて、日本語化するのは危ない。
ワークレストレインも、フォールアレストも、フォールプロテクションも、フォールプリベンションも、みんな墜落保護器とか落下防止とか色んな解釈が出来る漢字に当てはめるのは、危険極まりない。

胴綱だけ落ちた時、器具は壊れなくても、身体は壊れるよ。
そういう重大な事が曖昧になってるのは許せないね。自分は怪我したくないもんね。

長いカタカナだけど、これは分けて考えてね。


簡単に単純に呼べないから、
舌を噛みそうになっても、敢えて
サードジェネレーションと呼ぶ。

自動ロックの機構はさまざまだし、
ゲートを上げるとか下げるとかボタンとか、
色んな機構とその呼び方があるから、
逆に面倒臭いから、
敢えてサードジェネレーションと
呼ぶようにしている。

スカイロテックのコイツなんか、
第1段階のロック機構のゲートの動きが、
左右どっちにでも回せるんだゼ!
素敵!

でも名前が、DOUBLE TRI
って、どっちよ!
みんな独自性を主張して製品を作るのは面白いしありがたいと思うけど、それこそ文化だし発展が有る。けどそれを総称する言い方は、サードジェネレーションで良いだろ。
カタカナが苦手とか、面倒臭いって言っても、漢字の方が面倒くさいよ。漢字によって曖昧な解釈が出来る方が、セーフティじゃないよ。
面倒臭くてもそこは大事な所だから考えるんだよ。覚えるんだよ。
「第三世代」でも良いけどね。

2021年1月30日土曜日

知らないでは済まされない習得すべきこと



Arboricultural Association
樹木文化協会みたいに訳されるけど、
樹木修練団体として、
樹木に関する様々なエキスパートが
集まって共に考え、
ディスカッションされ、
可能な限り善き道筋を提示する。

企業や個人の枠に縛られず、
自分の道筋を自分で作る為の一助となる
アイデアやロジックを提示して、
それを自分で選択する修練団体だね。

団体で発行するクラスのディプロマはあるけれど、
持ってれば良い訳の解らん資格じゃなく、この項目を終了したって証としてディプロマが発行されるだけだからね。免許や許可証みたいな物じゃない。

資格を貰うことが作業の根拠ではなく、そのロジックを理解していると、コースを終了したってだけの証だから、それで優良な作業が行える訳ではない。

そんな賞状くらいなら幾らでも作れるし、別に公的資格じゃないから。
寝てても貰える日本の「資格」とは本来の意味で違うから。

英語も判らんし、まずはArboricultural AssociationのStudentで登録して、これを機会に改めて学び直そうとしたが、学校の証明が必要で、スチューデントとしてこれから学び直すつもりだったけど、実際の学生でなければダメだった。学生じゃなくてもその履修根拠が無ければスチューデントに成れない。
英国内で登録されている幾つかの大学の同等レベルの学校に修学している根拠が提示できなければ学生にも成れない。
調べてみると、実際の作業以前に樹木生育の基礎っちゅうか、一般的なロジックを理解していることが前提で、それがベースにあってはじめて作業になるらしい。
登り方とか伐り方はほんの一部で、樹木の様々なことを大学で履修していないことにはスチューデントにも成れない。アーボリストに成れないってことだよ。

訳判らん資格をエサに学生を釣って、新規就労って名目で企業も補助金で潤い、毎年使い捨ての人材を集める学校と訳が違う。

以前に〇〇林業大学(仮、っていう所から、是非講師をお願いしたいと、そこで木に登る技術を特殊伐採を紹介して欲しいと連絡があった。
2日間の6コマで特殊伐採の資格を取らせたいと。ヒェ~!
私は毎週1回でも半年くらい70コマ程おさえることが出来るなら可能かもしれないって言ったんだけど、形だけで良いから木に登って伐採作業を行うテイが欲しいみたいで、どうやら名目として沢山の資格を取らせたいという目的みたいだ。
資格っていう賞状持った若者を、いきなり厳しい現場に出されて、無茶苦茶な根拠無い作業させられて、事故でも起して怪我でもさせたら、そんな事を誘発させる立場には成りたくない。資格を発給するだけのいい加減な人には成りたくないと言って、
私は現場の事故を減らしたいんで、事故を減らすためのエビデンスを持って現場に入ってもらいたいって伝えた。
いい加減な仕事の打破のために良い人材を育成するとか、間違った作業慣行を是正するためとか、これからの北海道の森に意義が感じられる行為なら喜んで受けたが、その実は地方自治体から莫大な予算が付いて、新しい綺麗なハコ作って、人を集めるだけのエサを撒く役割はやりたくないと、きっぱり断った。

さすが机の上だけで頭の中だけで言い訳を突き詰め、資格を取らせれば現場で役に立つと思ってしまうような地方公務員だから担当者は意味が判らないようだった。

ちなみに在学中に取得できる他の資格ってヤツは、チェンソー講習とか玉掛けとかフォークリフトとか荷役運搬機とか集材装置とか伐倒機とかクレーンとか、さすが現在の林業は機械化まっしぐらなんで重機のオペ資格がメインだ。
ドローンやICTとかなんちゃらシミュレータートかいっても、結局は現場で即戦力の資格じゃ無いから、現実との乖離がイヤになって、すぐ辞めるんだろうな。
そういう使い捨ての人材を毎年供給するんだろうな。
企業側も毎年供給される若い人材。
運営側も利益を出さなくても何の問題も無い。
公務員が考えそうな方式だな。
簡単に予想がつく。

初年度3次募集しても定員割れしてる。全国でこういうイカガワしい公務員が考えて定員割れしてる学校がある中、何を今さら新規開設するかね?
若者だってバカじゃないよ。

そんなアホ学校とは違うAAは、すべての人がどこにいても、最新の科学・意見・ベストプラクティスにアクセスできるように設計されている。
たえずアップデートしている。
スチューデント・ファウンダー・アソシエイト・テクニシャン・プロフェッショナル・コーポレイトって各ランクがあって、それぞれのメリットがあるが、基本アクセスできる情報に敷居は無い。…ただ英語がねぇ…いちいちグーグル先生の世話になってたら追っ付かないし、どうしたもんかね。
ただ地方自治体の資格教育とは訳が違う、現場に有益な情報が手に入るのは魅力的だな。

そうこうしているうちにTG1.2.4.5がプレオーダーのバンドルパックが手元に届いたけど、3はまだ発行されていない。

トップカットとかスパーとかリギングの前に、習得すべき知識が沢山ある。

2021年1月29日金曜日

コネクタのクラス

ちょっと気になる事があって、改めてENのコネクタについて調べていた。
概ねのコネクタは、EN362もしくはEN12275で、墜落に対するPPEの要件と試験方法の認証を受けている。

そしてそれの分類として幾つかのカテゴリにクラスが分けられている。

EN 362は、産業用コネクタの墜落に対するPPEの要件と試験方法
クラスは、
B=コンポーネント使用することを目的とした自動閉鎖コネクタ(いわゆるカラビナ)
M=長軸と短軸に荷重がかかるコンポーネント使用することを目的とした自動閉鎖コネクタまたはスクリューリンク(いわゆるキャプティブ付きのコネクタ)
T=終端、荷重が特定の方向になるようにサブシステムの要素として固定するための自動閉鎖コネクタ(いわゆるロープクリップとかスナップフック)
A=コンポーネントとして特定のタイプのアンカーに直接リンクするように設計されている自動閉鎖コネクタ(いわゆるMGOとかのデカいフック)
Q=永続的な接続にのみ使用することを目的として完全に締めるとコネクタの耐荷重部分であるネジゲートで閉じられるコネクタ(いわゆるスクリューリンク)

EN 12275は、登山用コネクタの墜落に対するPPEの要件と試験方法
クラスは、
A=スペシャルボルトカラビナ。ボルトに接触すると閉じる自動閉鎖カラビナ。特定のボルトハンガー
B=ベーシックカラビナ。ビレイシステムで使用するための自動閉鎖カラビナ
T=ロープポジショニングカラビナ。所定の方向への荷重を確実にするように設計された自動閉鎖カラビナ
H=HMS型カラビナ。HMS型ゲート閉鎖機構付きカラビナ
K=ビアフェラータ用。使用する自動ゲートクロージャー付き自動閉鎖カラビナ
Q=スクリューリンク。完全にねじ込まれたとき耐荷重性のあるネジ式コネクタ
X=楕円型(O型)エイド用。対称形状の自動閉鎖カラビナ。

登山用と産業用でコネクタのクラスが違う。

私はボルトハンガーやMGOとかは使わないから、よく理解できないだけかもしれないが、産業用の[M]は登山用の[T]と同様な感じだし、産業用の[T]と[M]と[A]の違いが曖昧だし、登山用の[T]と[K]も不明瞭。
カテゴリもそれぞれのENが出来た時期もバラバラだし、この辺もっと明確に出来ないかな?そのうち統一されるのかな?



ROLLCLIP AとZのトライアクト (TL)と
ROLLCLIP Zのスクリューロックは、
コネクタ (EN 362:2004 classB)
コネクタ (EN 12275 classB)
プーリー (EN 12278)

ROLLCLIP Aの安全環なしは、
コネクター (EN 12275 classB)
プーリー (EN 12278)

一方リボルバヴァーは
EN362:2004 B,
EN12275:2013 B,
UIAA121:2009
EN 362は、産業用コネクタの墜落に対するPPEの要件と試験方法

EN 12275は、登山用コネクタの墜落に対するPPEの要件と試験方法

EN 12278は、登山用プーリー類の墜落に対するPPEの要件と試験方法

最大使用荷重(Working load limit)は、2kNx2=4kN
破断強度(Breaking strength)は、20kN

UIAA121:2009は、コネクタ・カラビナの基準。
クラスは、
B=ベーシック、
D=ディレクショナル(クイックドローユース)、
X=オーバルシェイプ、
H=HMS、
K=ビアフェラータ用、
Q=スクリューリンク、


ロールクリップは、コネクタとしては、20kNでぶっ壊れるかもしれない。
でもプーリーとしての最大使用荷重は、4kN(片側2kNのx2本で)、
(プーリーとして片方だけ荷重することは無いから実質4kN)

ロールクリップはこれだけで判断すると、セーフティファクターが5:1って事か?
そして最近リボルヴァーは変わってしまった。
スクリューゲートとクイックロックとロックセーフの3種ラインナップで、形も少し変わったぞ。私の使い方としてはワイヤーゲートで充分なので全く問題ないけど、なんかショック。kwiklockってまさにセカンドジェネレーションみたい。
そして現在販売しているのは、MBSは24kNで、メジャーアクシスで8kN、
そして俺の持ってる前verは、MBSは24kNで、メジャーアクシスで7kN、
どう見てもロールクリップより貧弱に見えるが、、、
それはそれとして、
ロールクリップは、簡易的にプーリーを使う人が、カラビナ+プーリーよりもストロークが短くなることだったり、コンポーネントとしての有効性が望まれると思う。コネクタとして使う人は皆無だと思うが、プーリーで過荷重がかかって、プーリー機能が崩壊しても、コネクタとして機能するなら、かえってロープを切っちゃうとか、他のコンポーネントを傷つける恐れはないのかなぁ?
ロープをプーリーとしてロールクリップに通して、例えば12kNの力が加わってプーリー機能が崩壊したとする。でもコネクタとしては20kN以内だからコネクタは崩壊しない。 ってことは、当然プーリーとして通ってるロープは、そこにバイトで掛かってるんで、ロープを傷めちゃうんじゃ無いの?って疑問だ。

ツリーワーカーがターミネーションブリッジにロールクリップZを使ってて、あり得ないけど不意に4kN以上の力が加わってロールクリップZのプーリーが崩壊したとしてもコネクタとしては壊れないんで、ブリッジにぶら下がった状態になる。その時にブリッジを切っちゃう可能性は無いのだろうか?
スペックだけ見ると、ワーヤーゲートは論外だけどリボルヴァーの方がイイか?

メーカーが良し!としていることでも、オレはイヤだな。

うかうかしてると、同じ製品でも色々変わってしまう。

2021年1月28日木曜日

第2世代と第3世代

前回の話から論点がズレたが、
通常私たちはサードジェネレーション以上のカラビナを使う。第3世代ってヤツ。
トライアクトとかロックセーフとかトリプルアクションとか
スーパーセーフとかトリプルツイストとか(ロックエキゾチカはオートロックとか)
トリッキーなヤツだと、ボールロックとかマグネトロンとか
プル(プッシュ)→ツイスト→オープン、とにかく3つのアクションが伴う開け方。

それとは別に、第2世代として存在する
ポジティブロッキングとか
セルフロッキングゲートと呼ばれモノ。
一度ゲートをどちらかに回さないと
人差し指で握って開けられない。
これもよく使う言葉で
オートロックカラビナと呼ばれる。

でも2アクションで開く。
あくまで、ツイストすれば
ロック機構を解除できる。

回せば、開いてしまう。
2つの手続きで開いてしまう。
写真は、上から、マニュアルロック、オートロック、オルカロック。
同じrock exoticaのrockDだけど、マニュアルロックは第1世代になっちゃう。これは扱い的にワイヤーゲートと同じ。最近はPPEとして使わなくなったから第2世代は無い。下の2つは第3世代にあたるけど、下のはオルカ。
第2世代が登場した時には、これで手動のスクリューを回してロックしなくても、自動でロック機能が働く。カラビナを対象に掛けて手を離せば勝手にロックしてくれる。コイツは便利だ手間が省ける!って感じでもて栄された。

でも、何か他の物体に擦れたら開いてしまう可能性がある。簡単にゲートが回転して圧されたら、もーすぐ開く。作業中にフッと自分のターミネーションを見るとゲート開いてるじゃないか!っていうコトがよくあった。
画期的な自動ロック機構。ダメじゃないけど、
人的要件によるミスは減ったけど、気がつかないような場面で環境要件や作業条件によって忽ち危険な状態に陥る。自分のターミネーションには向かないね。

「便利」と「危険回避」を天秤に掛けて、危険回避を選ぶ人が続出した。
いやいやこんなオートロックなら、まだ手動スクリューの方がよっぽど安心だぜって、スクリューゲートに戻った人も多かった。
意外にフラッグシップモデルとしては寿命が短かった。

第2世代のセルフロッキングゲートに飛びつき、危うさを知って、第1世代の手動スクリューに戻ってしまった。
メーカーだって、これじゃマズいって、じゃぁもうひとつアクションを増やそうってことで、すぐに第3世代に移行したのだと思う。

でも第2世代だって、使い所を考えれば凄く便利よ。例えば、枝にスリングをガースで止める軽いリギングなんかでは非常に便利。メッチャ大変な姿勢で、出来るだけ先の方に締めたいって場合は簡単にロックされるからイイ。自分や対象に擦れて開く心配が無い所ではとても重宝する。開けて締めてっていう行程でテンション張った状態が維持される短期間なら最適だよ。

第2世代は、あっという間だったから気づかない人も多かったと思うけど、今ではオートロックって言えば第3世代のことを表す事が多いけど、
何も考えず、特にウェブ通販なんかで、よく読まず、ちょっとだけ安いからってポチる人もいるからね。そういうヤツ騙して第2世代売ってるお店も有るからね。

セルフクロージングゲートは、安全環が無くても自動開閉だから。
自動開閉も自動ロックも色々有るから、その辺注意した方が良いよ。

セルフクロージングゲート(Self-closing gate):任意の開位置から解放されると自動的に確実に閉じるゲート。(いわゆる第1世代)

セルフロッキングゲート(Self-locking gate):自動ロックゲート機能を備えたセルフクロージングゲート。 ゲートを開くには、2つの異なる意図的な手動アクションが必要です。 (いわゆる第2世代以降)

オートロッキングゲート(Auto-locking gate)は、自動ロックゲートではあるけど、第2世代も第3世代も有り、セルフロッキングゲート、ポジティブロッキングゲート、いろんな言い方か存在する。(いわゆる第3世代)
私の好きなロックエキゾチカのカラビナは、開きやすく締まる時に引っ掛かりも無くストレスが無い、逆に言うとアソビが多い。
ロックエキゾチカは第3世代もオートロックって言ってるから。
オートロック=安全ではなく、オートロック=便利だからね。
そして以前にはマニュアルロックとか、今ではORCAとか色々有るしね。
最近だと最初のアクションが〈下げ〉じゃなく〈上げ〉のゲートまである。

更に最近は、デュロロックとかANZI対応とか、更にめんどくさいヤツが出てきた。
正直言って私はデュロロックは扱える自信が無い、外すときイラっとする。
でもそのイラっとすることが、危険回避に繋がってる。

ツリーワーカーでもトリプルロックは面倒臭せぇし使わないって人もいる。
ソレはそれで自分で判断した結論なんで問題ないと思う。
ただ能動的にそれを選んでいるならイイが、値段や早さだけで道具を選ぶのはどうかな?

「便利」だけが自分の指針だと、私は???で疑問しか残らないけど、
「危険回避」との折り合いをつけて自分で判断するなら良いと思うよ。

ある時これは画期的ってロックエキゾチカのマニュアルロックカラビナを買った。
その後RR668で、ツリーワーカーはオートロックカラビナを使わなきゃダメよ!って発表されて、アワワって慌ててロックエキゾチカに「マニュアルロックはオートロックのカテゴリに入るか?」って問い合わせたら、NO!って言われた。
マニュアルロックはそれ以降、AZTEKのバックに入れっぱなしだよ。必ず使える箇所はあるよ。倍力装置にはマニュアルロックが一番良いよ!

「便利」と「危険回避」は対象的。適材適所でセーフティを!

2021年1月27日水曜日

自動閉鎖と自動ロック

コネクタは、PPEシステムのコンポーネントを接続するために使用される開閉可能な装置で、ユーザはシステムを組み立てて、アンカーに直接または間接的に接続できる。

よく混同しがちというか「自動閉鎖」や「自動ロック」ってのが、勘違いしやすい部分だと思う。

まあ現在は自動閉鎖するのが
当たり前だけど、
例えばマイロンなどスクリューリンクは、
ネジ式で締め込まないと
開かないし閉じない。

そうじゃなくて第1世代としては、
手動でゲートを開けられて
指を離せば勝手にゲートが閉じる。
安全環の有無は、関係無い。

自動ロックじゃなく
自動閉鎖、セルフクロージングだ。
これが「自動閉鎖」ってヤツ。
なんか見た感じ弱そうなアルパインクライミング用のワイヤーゲートだって立派な自動閉鎖だし、私がこういう事に関わり始めた頃に最も一般的だった、手動のスクリューロックも安全環が点いていないってだけで「自動閉鎖」だ。セルフクロージングだ。

アルパインでリードクライミングとかは、数を沢山使うし軽いし、落ちた時に機能すれば良いので、安全環の有無は大きな問題ではなく、決定的には必要ない。自動開閉で充分。 それでも岩に引っ掛かって勝手に開いてしまう可能性が有るから、ヤバい箇所にはスクリューを使う人もいるし、違う方策を整えたりする。

レクリエーションのクライミングでも手動のスクリューロックを使えって言ってた。間違って目の前にあるカラビナを握っちゃったら開くからね。更に振動でネジが緩む可能性があるから、安全環のゲートが閉まる方向が重力方向にセットする。更に更にゲートが開く向きを自分側に向ける。これは樹皮に擦ったりして、ネジが緩む事を防ぐため。
すべからずゲートを人差し指で握って掛けて閉じ、カラビナを半回転させる。そうするとゲートが内向きに、スクリューが下向きに締まる向きになる。

スクリューリンクは、スリーポイントロードもOKだし、しかも荷重方向が限定的だし、サイズも形も色々ある。だけど、いちいちペンチで締めるのは面倒だし、開け閉めに時間がかかるし、スチールだから重いし、意外に安い。
そういえば最初に履いたハーネスは、ターミネーションが三角マイロンで、これを緩めて締めて、締まりすぎるといけないから、一旦締めてからちょっと緩めるみたいな教わり方だったけど、それは明らかな間違い。
三角マイロンやスクリューリンクは、ペンチで締め込んで、手で外せないように使うのが条件の道具だ。マニュアルにも出てるし、そういうウソを当たり前のように伝えていた団体は、今では信じられないけど、信じちゃう人もいる。

スクリューゲートカラビナは、安全環無しよりはリスクが減る!って思ってた。
確かに素早く軽くマイロンより、目的を達成しやすい。
けど実は、そういう危険に注意しなくなるので、安全環の締め忘れや、向きの不適切や、マイナーアクシスなどは簡単に起こる事象で、数々の人的ミスを誘発しやすい。

マイロンより遥かに便利で軽く素早く使えるけど、
その分、新たな使い方の条件や機材の条件が増えて、リスクが増大している。
アルミのカラビナの利便性を享受したいなら、条件を承知する必要がある。

「便利」と「危険回避」は対照的な場合が多い。

便利と危険回避を天秤に掛けて、その良い塩梅を自分で探す必要があるよ。

ちょっと論点がズレたんで、また次に。

2021年1月26日火曜日

うさぎのウォーレン

先日のノットクラフトの話の続きですが、
ブーリンが苦手な人が多い。



日本人の多くは「もやい結び」って
言った方が通りやすいが、
先人のアルパインクライマーとかが
コウやってやるんだよ!とか言って
ひとつの方法しか教えない。
その方法が唯一無二の完成された
もやい結びだと思ってる。
だから自分の胴腹にしか結べない。

あたかも正解は1つしかないとばかりに
これだけ覚えていれば間違いない。
なんて
そんなバカな話はないよ。
ねぇ、ウォーレン!
昔の山登りは自己確保でブーリンを結んでいた。しかしこの方法は生と死の分岐点で、荷重抜重を繰り返したり、力の方法が変わると解けやすかったり、一昔前に事故が多発して「もやい結びは危ない」ってことになった。
その後山でもみんなハーネスを履くようになって、アプザイレンという結びが主流になった。フィギュアエイトオナバイトなんだけどね。
そう言う時代の人たちはブーリンを信用しない。
これ覚えておいた方がイイと思うけど「もやいは緩む」とか「危ない結び」って言う人は、逆に古くさい考えの前時代的な人だと思って、あまり信用しない方が良い。
これこそ化石のような考え方なんだが、そう言われるのは日本だけらしい。

ある会社ではブーリンが危ない結びだって今も言われ続けている。
そこの社長はまさしく昔の山登りで、ブーリンを信用してない。
これだけ実績のあるブーリンを、ツリーワーカーはみんな使ってるブーリンを、
意味も判らず学生時代のワンゲルの先輩に危ない結びのレッテルを貼らたから、
それを自分でも伝承し「古くさい結び」って呼ぶ。
今どきそんな結びを使ってる人はいないとか言ったりする。
そりゃ山登りでは使わなくなった結びかもしれないが、
リギングではず〜っと使ってるよ。効果あるよ。ダメな理由は、他にあるんじゃないか?ドレッシングが出来て無いんじゃないか?間違ってるんじゃないか?
生と死の分岐点でも、ほとんどが間違ったタイが原因だった。
結びが危ないんじゃなく、クライマーが頓痴気で危なかった。
うさぎのウォーレンしか知らなかったら、そりゃダメだろうよ。

主題の「うさぎのウォーレン」は、その前時代的な人が教える代表的なブーリンの教え方で、「うさぎが木の周りを回って、、、」という唯一の結び方を伝える方法で、そのままに伝承され、よく「もやいは腹になら巻けるんだけどなぁ」って言う人が多い。
それはブーリンのメソッドとして「うさぎのウォーレン」を知っているだけ。
方法だけ知ってても、ブーリンのロジックは全く理解してない。

そんな人に、ランニングって言っても全く通じない。

よく比較するんだが、シートベンドというファミリーが多く存在する結びがある。
ロジックで理解すればシートベンドが出来れば●ダブルシートベンド●スリップリィシートベンド●ダブルシートベンドリトレースは非常に理解できる。
メソッドでしか覚えてない人は、その4種の結びを4つの別々な方法で覚えようとする。 伝える人がちゃんと理解してないか、覚えやすいように工夫せず、結びの伝承として自分が覚えたようにしか伝えられてない。ってことは伝える方もメソッドでしか覚えてない。

YouTubeなんかもちゃんとよく観て欲しいんだが、タイトルは殆ど[How toTIE]で、タイの方法しか伝えてない。結び方の手法を紹介しているだけ。
ノットクラフトは、タイの後ドレスがあってセットではじめて完成です。
そしてそれをどういうシチュエーションで、状態と状況のパラメーターを鑑みて、使用することが出来て初めてロープワークと呼ばれるものになるんだと思う。

[Rabbit Warren]っていう方法がダメって言ってる訳じゃなく、それしか知らないのが使えねぇ作業員になるんじゃないかな。その計画や状況や状態を意識せずにタスクの一部しか理解できてなければ、そりゃ良い仕事にならないよ。

自分の胴腹になら結べるんなら、伐る枝と一緒に身体をうさぎのウォーレンで結んで、対象木と一緒に落ちればイイんだ。

2021年1月25日月曜日

サイト固有のリスク評価

何らかの作業を行うために、当然サイト固有のリスク評価をする必要がある。
それには緊急時対応として、当然レスキューの計画もなされている必要がある。

Does the risk assessment process include dealing with emergencies?
リスク評価プロセスには、緊急事態への対処が含まれていますか?

レスキューなんてまだ必要無いとか
じゃいつ必要になるんだって言いたい。
必要無いなんて言ってたら
いつまでも必要にならないと思う。

ご承知ないかもしれないが、
現在の日本の公共サービスで
樹上から安定して要救護者を降ろせる
知識を持っているチームは無いと思う。
レスキュー隊は、河川の中州救助で
大きなテンションラインを張って
救出するような、高度な技術を
持っているかもしれないが、
樹の上でぶら下がった怪我した人を
止血したり、安定させて降ろす
我々のごく一般的なピックオフが
こなせるとは思えない。
急いでヤンチャに降ろすことは出来るかもしれないが、出血や脊髄損傷を保護して安定させてから降ろす手段は無いと思う。
ストレッチャーに入れて降ろすことは出来るかもしれないが、ストレッチャーを樹上に上げて、安定した体位で入れることは難しいと思う。
トレーニングタワーシンドロームってヤツだ。

基本的に上方にはアンカーがある状態でしか訓練していないから、樹冠にアンカーを構築する手立てを知らないと思う。ワークポジショニングなんて考えてもいないと思う。
脊損の要救を樹上で安定させる手段は知らないと思う。
伐った大枝があらぬ方向に飛んで、挟まってしまった人を救うためには、まず大枝を外す必要があると思うが、出来ないと思う。
チェンソーでもの凄い傷口になれば、すぐに出血多量になると思う。幾ら血の気が多いオラオラな人でも、数分しか持たないだろう。
第一公共サービスが到着するまで、目の前で樹上でダラダラと出血する仲間を、そのまま見てるだけなんて私にはできない。

非常に危険で大きなリスクと隣り合わせの仕事が多いってことを理解すれば、そうなった時のことを考えてないとイケナイし、なったらどうやるかの計画も組立てないとイケナイし、ならないようにするには、どういう仕事の手法を取れば良いかが判ってくると思う。 確かに現実的じゃないかもしれないが、何時そうなるか運に任せてヤル仕事じゃないよ。ヘタこかない自信があっても、人は必ずミスするからね。

あるツリーワーカーの管理者が、日中電話が鳴るとドキッとする、何処かで誰かが事故ったんじゃないかって考えてしまうらしい。電話に出るまでの数秒がとても心臓に悪いらしい。万が一は1年に一度ある確立だから、そういう心配をしたくないからワークショップに参加するって言っていた。レスキュープラクティスをヤルって言う。

そして、レスキューは万が一の対応かもしれないが、その知識を広げれば、タスクに安心感が生まれ失敗し難くなる、ビビりながら行うタスクは、いろんな注意点に気づきやすくなる。そして何よりその汎用性を理解すると、作業が早くなる。

作業効率が高まるセーフティなら、セーフティを意識する方が作業効率も高まる。

そう、レスキューの手法を知るだけでは何の役にも立たないが、レスキューの汎用性を、考え方を知れば、日常の仕事が効率良くなる!
セーフティを意識する方が作業効率も高まるんだ。

だからレスキューは日々のタスクに役立つことが多い。

何も緊急事態の対応だけじゃないんだ。そのことを理解するには、やってみないとね!

2021年1月24日日曜日

ノットトポロジー

ノットを数学的に研究することや、低次元位相幾何学として組み合わせなど、身震いする程理解できない。だいたい高校入試で3点しか採れなかった奴に、難しい正解を導く学問を理解できるはずが無い。


正解なんか導けなくても、
ノットのことを考えるのが好きです。
自分でもどうにか考えられ
出来るパラメータが多いから、
セーフティに繫げられる
範囲が広がるんで面白い。

その複雑さが心地よいからです。
簡単に覚えられるコトは
簡単に忘れます。

バカだから、簡単に覚えられないから
覚えると凄く心地よい。
カミさんには呆れられています。
一般的には変態と呼ばれます。
ノットの種類によるストレングロス[Knot Strength Loss](ノットの強度低下)を すごく気にする人が多い。その「強さ」に一喜一憂すること自体がオカシイ。
メーカーや研究機関が示すデータをマルッと信じてしまう考え方が気にくわない。
自分で作ったノットの強度は〈半分になる〉と考えていればイイんじゃないか?

単純に考えても、材質・編み方・荷重率・動力源の質・インピーダンス・エロンゲーション・ヤング率・伸び率・湿気含有量・汚れ具合・使用と経過の回数/頻度・天候の状態・自分の疲労や精神の状態・UV曝露・化学物質などの汚染状態・製造工程のバリエーション変化などなど、思いつくだけでも相当なパラメータが存在する。
研究機関のデータだって、ノットを結ぶのは人だし、スタンディングがどれだけ長いか?かける力はどのくらいかによって全然変わってくる。
研究機関で調査した基礎データを、実験で破断したロープのトポロジーだけに依存する複雑な非線形システムを無視して、そっくりそのまま利用しようと思う方がおこがましい。

結びとモツレの位相を正確に判断しようって言う禅問答のようになるんじゃないか?

最も優先される目的は、結び方や流れを順に追う方法ではなく、
●簡単に結べる
●簡単に解ける
●ロープの材質や編みに不可逆の変化を与えない
●視覚的チェックの容易さ
●意図した目的を達成できるか?
最後に●強度との整合性、だと思う。

そして一番大事なことは、その結びを目的に合わせて機能させることです。

「目的に合わせて機能させる」ことをロープワークって言いますが、
日本ではみんなハウツータイ[How toTie]をロープワークって呼ぶよね。

みんなが難しいって言うのは、ロープワークではなくノットクラフトのことです。結び方を覚えれば全て有効と考えてしまう一元的な短絡です。
先のパラメータを考えてみてちょ。
結び方を覚えていても、使用する条件によって、その強度なんて簡単に変化しますよ。
だからメーカーが提供するノットストレンジロスなんて、貴方にとって余り関係あることではない。全部50%強度低下起すと思っておいた方が楽よ。
その代わり結んだ後に、ちゃんとドレッシングすることよ。
ドレッシングすることで、その強度に近づけることが出来るんよ。
予測し難いパラメータより、ドレッシングを煩く考えた方が良い。

インピーダンス(impedance)なんて判らなくても、自分が引く力(入力)に対して引かれる力(出力)の位相の変化をザックリ考えて、数学的に数値をわり出すんじゃなく、トポロジー(topology)なんて連続変形しても保たれる性質を抽出するなんて難しいコトを考えなくても「ドレッシング」だよ、これだけで変数は相当制御できる。
数学じゃないんだから。ちゃんと計算できなくても、どんな変数があるかを考えて、変数が曖昧にならないように、製品の製造年を把握してるとか、経過が判るログブックを点けるとか、化学薬品や日光に犯されない保管とか、疲労が蓄積しない日程とか、当日の天気や雨や気温の状況を見て判断するタスクとか、そういうコトを優先的に考えた方が良い。

そしてドレッシングを出来るだけ完璧に仕上げ、タスクの安全率とピーク力の計算にロープ強度が半分になってるという数値を当てはめて予測すれば良いことだね。
昨日出来たから今日も出来るっ!じゃ、強度云々じゃないね。
オラオラで命がけで仕事してる人は、強度低下してるのは自分の頭だよ。
ロープワークが苦手だという人の多くは、
〈質〉ではなく〈量〉を学ぼうとする。しかも一度に覚えようとする。
そして一度できた結びを、もう自分のモノにしたつもりになっている。
受験勉強してイイ大学に入っても、その後さっぱり学んでないのと同じです。

私はよく、メソッドではなくロジックで覚えようとか、
毎日3ヶ月繰り返し練習して手に覚えさせるとか、
目の前で出来たら-背中で-ヒザの下で-頭の後で-左右逆に-裏表変えて-持つ手を変えて、出来るように練習しようとか言う。
名前を覚えられないって言う人には、カーナビゲーションシステムとかどういう物か判ってるでしょ?繰り返し使ってたら誰でも覚えるよ。幼稚園児だって覚えるよ。
スマホは使えても、スマートフォンは知らないって言ってるのと同じです。
長い名前は難しいとか、覚えられないって言う人は、
覚えるつもりがないか?練習嫌いな、ただの怠け者だって言ってます。

結び目を結ぶのはただのタスクの中のひとつです。

車を発進させる前に、後を確認するのと同じです。

後を確認しないで車を発進させようとする人が、どれほど危ないか?
登れたら伐れる!と思う人は、後を確認しないで車を発進させる人と同じです。
ノットクラフトは、当たり前に出来て当然のことです。
練習すれば誰でも出来るよ。繰り返せば誰でも習得できるよ。
逆に考えると、ノットクラフトも満足に出来ないで、なにが特殊伐採だよ。
だから特殊な人の伐採なのか?

2021年1月23日土曜日

経験値

超有名なメーカーも、自分たちが悪くなくても、使用者のチョンボで言いがかりで、やむを得なく破産したり、会社名変えなきゃならん事態になることがる。製品の障害で事故になんてなったら、会社の存続だって危うい。
だから危うくならないような取組みを行っている。


クライミング機器の多くは
MBS22kNだけど、
22kNの力をかけて
試験をパスすれば良いので、
ギリギリでは無く
もうちょっと強く作ってる。
製品の障害で
事故になったら困るからね。

製品自体の強度はオーバースペックで作ってるけど、試験的には22kNでOKなんで、そういう表示になっている、と思う。

昔ゲートがイカレたカラビナが有って、それはメジャーアクシス25kNのMBSだった。
最近はもうあまり見かけないメーカーのモノだったけど、ゲートがオフセットしてちょっとズレて開くヤツでとても好きだった。でもゲートオープンのヒンジが弱いのか?セルフクローズしなくなってしまった。
まあ大事に使ってた道具だけど、通常の機能が果たせない物を残してたら、また使っちゃいそうで、ぶっ壊そうと思った。
その当時、これに26kNの力を掛けるとぶっ壊れるんだろうな。って思っていた。
ぶっ壊れたカラビナ見たいなっていう欲求だけで。
近所の人や車通りの少ない大きな橋で実験をした。
落ちても河原に取りに行けるから結果が見られる。
質量が26kg以上の(この時はぶっ壊れて良いバッグ、一番先にぶっ壊れそうだったんで、それも廃棄予定のロープでグルグル縛ったバッグに色々詰め込んだ)重りを橋の欄干に掛けた44kNの耐荷重アンカーに接続し、破棄予定の32kNのスタティックロープで自由落下させ、10m落ちた所で荷重が載るように長さを調整して、上から落とした。

まあ今考えるとやってることがヤンチャやね。

もうワクワクして、落とした。
するとどうでしょう!カラビナは壊れなかった。
うんうん、これは3σじゃないし、、もう一回やってみよう!
そして落とした。
壊れない。
同じ条件で5回繰り返した。
それでもカラビナは壊れなかった。
ピィーンて張ったロープの端で、パァーンって弾ける所を見たかったが、ダメだった。

簡単に重量を増やすことは出来なかったし、重いのをいちいち運ぶのに疲れたし、それでその日は諦めて、また次の機会に約10kgのコンクリートの基礎を追加でグルグル巻き付けて、36kgにしてリトライ!

運ぶのが鬱陶しかったんで橋の欄干に荷揚げシステム組んで、更にトライした、が、 ぶっ壊れない。
チックショー!ってんで、8回繰り返したが、先にバッグを縛ったロープが切れた。
ガックリして下に散らばった重りを片付けた。

頭にきて、翌日バッグのロープを縛り直して、落ちる長さも12mにしてリトライ!
今日はまず最初に、下のコンクリート護岸にカラビナを叩き付けて、それから行った。
そして5回繰り返し落としたが、ぶっ壊れなかった。
更にゲートをビニールテープで開けて、マイナーアクシスにして、許容を8kNにして落としてみた。それでもやっぱり折れなかった。
そこで心が折れた。

色んなファクターもあるし、ソフトマティリアルはセミスタといえど若干伸びる。
そう簡単にカラビナはぶっ壊れない可能性もあるってことを知った。
今でも記念にそのカラビナは残っている。使えない所に、

今でも試したい実験がたくさんある。
何処かにこういう実験が正確にできる場所貸してくれないかね?

ひょっとしたら規格基準って、相当高いのかもしれない。そしてその強度によって助けられている可能性もある。
この経験から私は、メーカーの言ってることを守っていれば、大丈夫だって、
逆に規格基準を正確に遵守するようになったのよ。

メーカーは経験値として、オーバーエンジニアリングで製品を作って、
どうだ!見たか!オレはすげぇんだって経験値で、危ないタスクをこなすのはアホだね。

2021年1月22日金曜日

How does it feel?

私はPDFで発表された規範とか、クローズページのSNSとかでいろんな情報を手に入れるんだけど、英語が出来ないんで、多くはGoogle先生にお願いして訳してもらう。


それでも辻褄が合わない所があり、
スペルの間違いや助動詞のいい加減さに
翻弄される。

ネイティブの友だちにお願いしたり、
知り合いに部分的に聞いてりするんだけど、
よく言われる事が
「英語を話す奴らはいい加減だから」
って片付けられる。
それは、
意味が通じればいい加減で良いからだよ。
目的は意味が通じることだから、
意思が疎通できることだよ。
日本でガッコでセンセに習う英語は、正しい言葉で、それも何時の時代の物か判らない。日本語の出来方は基本的に象形文字で、漢字ひとつ一つに意味がある。その出来方とか背景が存在するんで、元々輸入した文字なのに独自に進化し、そこに別の意味が追加されたりする。とても素晴らしいことだけど、難しかったりする。
諸外国と決定的に違うのは、外国語は表音文字は音が多く、細かいコトは気にしないで、文脈からイメージを膨らまし、意味を自分で修正しながら解釈するらしい。

書き順とかモロにそうだね。
アレは楷書体の書道をするための手順だから。隷書体になれば違うから。
唯一無二の順序じゃ無いから。
それを「正しいこと」としてテストで×点けちゃう方がオカシイと思わなきゃ。
墨と筆で文字を書くならまだしも、エンピツやボールペンなら、あの書き順じゃなくても意味が通じるんだったら「口」は「◯」でイイよ。
そうやって新しい書体が発生して、新しい文化が生まれるんじゃないか?
書き順に捕われてたら、センセの言う成りの正しい人が出来上がるね。
親や社会で上の人に従順な正しく機能する部品が出来上がるね。

ボブディランの詩なんかどう解釈したら良いか?曲のニュアンスを感じとるしかない。How does it feel?まさにそういうことだ。
だからその辺汲み取ってよ!っていう、良く言えばポエティックで、日本人のように正確にこだわる人間にとってはGoogle先生ではなかなか伝わり難い。
その辺りはあなたならどう解釈する?っていう他人とディスカッションしたり、他の意見を聞いてみて判断するってことらしい。そしてグレーに「感じる」って事が、象形文字の人種にはとてもムズカシイいんじゃないか。

私は左利きなんで、昔から世の中を射に見ていた。
剣道は右足を前にしなくてもイイんじゃないか?
左手にエンピツ持ったら字がヘタクソになる。
右手で箸もって喰ったら、食い物がマズい。
地下鉄でキップを左側の改札機に入れてしまう。
世の中って奴は、左利き用には出来ておらず、っていうか右利き優勢の社会だ。
何がユニバーサルデザインだ!
ユニバーサルデザインとか言ってる奴は、絶対に右利きだ!

右利き社会で、右習えで、横目で他人を見て自分の位置を確かめる。それがたとえオカシイことでも横並びに抵抗が無い。皆と同じが一番!
違うことは恥ずかしく、下に見られて劣等感を感じてしまうらしい。
そういう点で左利きは、自我が芽生えた時から違うから恥ずかしく劣等感を感じていた。 お母さんが恥ずかしいから直せって泣くんだよ。左利きは恥ずかしい事で、直さないとリッパに生きていけないらしい。そんな世間に疑問を持っていた。
今は左利きをバカにする社会じゃ無くなってるけど、私が小さい頃はバカにされていた。だから強制的に右利きの社会に慣れさせられた。左手で箸を持つと叩かれた。
食事をする時にプレッシャーを感じて、メシをマズくすることは無いゾって思ってたんで、ガンとして左手で箸を持ち続けた。
そんな風に育ったんで、ワリと世の中はオカシイゾって小さい頃から思ってた。
だからマイノリティとなることに抵抗がない。

センセのいうことはオカシイっていう、俺とは違うっていう前提があった。
唯一の正しいことが有ると思ってないし(それは過去に正しかっただけのことだ)いろんな考えがあって然りだと思っていた。それが個性だ。自然だ。
今なら学習障害ってレッテルを貼られてしまうようなガキだった。

エラかったり、立場が上だったり、立派な看板背負ってたりすると、何か聞かれて判らなくても知ったかぶりしたり、恐怖と好意で抑えつけたりする。
名刺に漢字ばっかりの長ったらしい何とか協会とか何とか理事なんて書いてる人の事は、基本的に信用できない。自分の不甲斐無さを肩書きで補おうとしてる感じがする。
悲しいね。
その点バカな私は「知らない」って言って、その場はごめんねって謝って、後から慌てて調べたり、検証したり、先輩に助言してもらったりして、善き方向を模索する。

故に肩書きは、新しい知識のジャマになると思ってる。その方が成長できると思ってる。 過去に捕われて、肩書きを大切に保身して、維持しようとしてる人は、新しいコトを学んでないっていう証拠だと思うね。成長できないね。

でもそんなエラい人の言う事を信じてしまう奴らが許せない。
肩書きだけに捕われてマルッと信じてしまう人が居るから、肩書きだけで仕事しようとする人が出てくるんだろうな。今さら面倒臭い勉強しなくても、過去の栄光に縋って儲かれば楽だと思うんだろうね。

自分でその都度勉強して絶えず知識のアップデートしてたら、立派な人間に成れなくても少なくとも自分のセーフティは信じられるよ。

2021年1月21日木曜日

職能まで商品価値に変換される

ツリーワークに携わっていると、理屈じゃ理解できない体感的な物理っていうか、天才的な方法を選択する人がいる。「どう考えても反対に動くよ」って思っても、そういう天才が難なく私の考えた方向じゃない動かし方をしたりする。
予想すらしてない何らかのパラメータが、その人には判っていることが多い。

何でそうなるの?って訊いても、教えてくれない。
っていうか、教えてくれないんじゃなく、本人も何でそうなるか判らないけど、皮膚感覚でそう思うらしい。
本人が誰かに口で伝えられるようなコトじゃから「仕事は親方の背中を見て覚えろ」的な言い方になってしまうようだ。

だからクッソ~って思って、そのパラメータをしつこく学んで、少しづつ近づくためにいろんな知識を身につけて武装するんだけど、勉強で追いつけるようなモノでは無いと判ってしまうと、イヤになる。

まさしく職人技っていうか、素晴らしいセンスの感覚だったりする。
そういうソフトウエアな感覚は、学びだけでは習得できないと思う。


天才がある機器を使って
スマートにこなしてしまう仕事を、
マネして同じ機器を使って
同じようにやっても出来ない。

自分の出来るコトを効果的にこなすのが
道具の役目だと言ってるし、
道具が有ったって
同じ仕事は出来ないと思ってしまう。

道具を手に入れれば同じ作業が出来ると
思ってしまう人間が腹立たしい。
道具を持てば同じ知識や技術まで
手に入ると思ってる人間が腹立たしい。
私は基本的に人より作業が遅くて、力も無く、いい加減なチョンボするような人だから、少なくても足手まといにならないように、チョンボを無くして、結果的に真っ当に成るようにする。時間はかかってしまうけど、危険が少なくなる方が良いと思ってるからね。 凄く巧くいくことより、失敗を少なくする方向を向いている。

更に作業というかその職能という価値まで、一般的な社会の中で、商品価値として変換されてしまう資本主義っていうか、あたかも人類皆同じっていう教育を小さい頃から染み付いてる人間は、機器を手に入れれば、その商品価値として知識や技術も付いてくる物だと思ってる節がある。
そんな簡単なコトじゃないよ。

職人技っていう技術は、ソフトウエアなセンスとか知識が、本人の技術によって総合的に能力として発せられるコトじゃないか!
職人技がラクにカンタンに出来る機器なんて、この世に存在しないよ。

倍力装置だって、動滑車・定滑車・力点と作用点とかいう、義務教育で習うべきコトを、しっかり理解してないと難しいよ。私は小中学でしっかり習ってなかったんで、現場で困ったんで40過ぎてから7回くらい習い直したよ。でも判れば、どういうシステムにすれば良いかザックリ理解したよ。だから誰でも判ると思うよ。
学校の勉強ができなくたって、いい点数採れなくたって、効果的な仕事をするためにザックリとした物理は役立つよ。

学校の理科も机の上でやった勉強は覚えてなくても、実験は覚えていたりするよね。
だから物理も数学じゃなく体感で覚えれば、ザックリ理解できるよ。
グルグル回せば44倍力!っていうメソッドを知るより、9倍力をどう組むか?を理屈で理解した方が良いよ。3も5も12も27も組めるようになった方が良いよ。

作業の職能まで、商品価値に変換される資本主義よりも、
職能は基礎をしっかり学ばないと自分のモノにはならないよ。

以前環境報告とかのグラフィックデザインを主にやってた頃、環境とか整備とか協働とか共生とか安心安全とか最新技術の導入とかジェンダーフリーとかステークホルダーとか、そういう言葉を使って、俺は環境にイイ仕事をしてるんだ!って思っていた。正しく地球にやさしい取組みの手助けをしているっていう自負があった。
年間を通じてそういう取組みに同行し、現場でも意気揚々とみんな良い取組みをしてるんだからカンバロウって士気を挙げていた。
千年後の未来を考えて出来る仕事は素晴らしいって思ってた。

しかしその企業のトップっていうか首脳陣は、結局は自分の利益のことしか考えてないことが多かった。情報公開って言って、自分の都合の良い口当たりまろやかなキーワードを巧みに使い、利益を生む構造だけに特化したヤツラが多かった。
政治と絡んでたり、自治体と絡んでたり、自分が儲かるシステムにするために、ことさら声高に、環境にやさしく自然にやさしく安心安全なんて言っていた。
一般の人の行政も騙しやすいし、その方がウケが良いし、そんなキーワードで大手を振って税金を使えたり、風当たりが強い所をかわすようにNPOを組織したり、大きなおぼろげなお題目があれば実体がアヤフヤにできるとばかり、一般を騙して儲けていた。
だから大きなお題目を掲げる、安心安全なんて声高に唱える奴らが信用できない。

千年後の未来を考えてたら、そんな方法になら無いんじゃないか?
声高にSDGsとか言ってる場合じゃ無いと思うよ。

良いことをやってるテイの奴らが最もイカガワしい。
名声を獲得して裏で何やっても自分の手は汚さないって言う、シンゾーみたいなコトをやってれば、世間体は保たれるって言う、リトルシンゾーが跋扈している。
一生懸命ガッコの勉強して、良い点数とって、良いセンセに付いて、責任を擦り付けられる。ワリを食うのは手下というか側近だったりする。

国も自治体の役員も社長も町内会長もみんな安心安全と言ってる奴を信用しない。
みんなそういうウソを正しく見せるために、名声を獲得しようと頑張ってる。
ちゃんとやってる正しいテイの人が、一番腹黒く安心安全とか言ってるんじゃないか?
皆を騙して懐を暖める汚い奴程、正しいテイの名声を欲しがるんじゃないか。

もちろん意識高く正しく行ってる所もあるが、95%はウソじゃないか?

作業の職能まで、商品価値に変換される資本主義。
まさしくそういうコトで、正しいことをやってるテイにすれば、そのこと自体が正しいことのように評価されるって、オカシイだろ!
正しいことのように評価しちゃう人間もどうかしてると思う。
みんな自分で考えようよ。

有名な業界のトップとか、特にイカガワしいコトしてるからトップに成れたんじゃないの?少なくとも私が知ってるト◯タもコ◯コーラもエネルギーインフラもそうだったよ。

またウソは言っちゃいないが、プロをサポートするとか言って、高度なツリーワークを見せて、その気にさせてウインチを売りつけるようなのは、樹上作業ではないからね。
機械化し続ける林業はソウかもしれないが、樹上で行うのは第一にセーフティだからね。機械に自分のセーフティは担保できないからね。
自動運転は、運転の楽しさも高揚感の感じないドライバーを骨抜きにする安全だからね。

樹上安全技術とか大仰なお題目は「安全」って言葉が入ってるだけ嘘くさい。
ベストプラクティスって、その時点の過去のベストかもしれないけど、なんか完成されて確立されたベストがあるとすれば、それはとても人工的な物で、自然の中で行う自分のツリーワークじゃないと思う。
商標登録して他を排除して、日本で唯一とか言って、大会で称号を得たとしても、レギュレーション有りきのゲームだから。そのゲームだって本当は称号を得るためのものじゃなくて他の知識を得るために皆で考えようぜって大会だから。自分のツリーワークに活かせない形だけのメソッドを知っても役に立たないと思う。
使えない技術を大仰なセオリーのように扱い、お題目ブチ上げて偉そうにいい加減なことをやってるのは、日本で唯一かもしれないけど。

まあ他の商売の邪魔するつもりはないけど、職能まで商品価値として変換されてるような名声や、高度で最新技術は、ほんとうに今あなたに役立つのですか?
誰かの受け売りじゃなく、自分のセーフティは自分で組立てようよ。
「壷を買ったら幸せになれる」ってコトと何も変わらない。壷を買って幸せになれる人はイイけど、壷が売れたことで儲かる人に奉仕する必要はないと思う。
宗教やファンクラブに騙されてることに気がついた方がイイよ。

みんな自分で考えようよ。

壷を買わなくたって幸せになれる方法はある。
真っ当に働いて、自己のセーフティを信頼して、慎ましく生きている方が幸せだよ。

2021年1月20日水曜日

道具じゃなく、考えを進化させないと。

最近にわかに現実味を帯びてきたTwo Rope Working
今でも「現実的じゃない」とか「難しいし、面倒臭い」と言われているが、やはり樹上作業でもパラダイムシフトが求められているよ。
私は以前から2系統だよ!って唱えているが、ここにきてやっと本腰になってきた。

もう8年程前からヨーロッパの木登り業界で、事故を減らす取組みがなされていないことが問題視され、それに伴いAFAGやAIACが幾つかのプロジェクトを立ち上げ、作業活動から生じる健全と危険回避に対するリスクの主要な領域を特定するべくアーボリカルチャーの諮問グループが組織され、ツリークライミングやトップハンドルチェンソーやエアリアルレスキューに関して広く意見を求めていた。
ドイツやデンマークなどのツリーワーク企業が自ら実践し蓄積したデータを公表し、そういう危険回避作業を提唱していた。そして今はより危険回避できるシステムとしてTwo Rope Workingが成果を上げている。つまり確実に事故が減っている。という事実が立証され、それが仕事の受注にも繋がっている。依頼主も(行政も)危険回避している企業に発注するようになってきた。

日本以外のツリーワーカーは、
AAが行ってるセーフティが当たり前に
なってきている。
そういう事実を直視して欲しい。
道具の進化ばかり追わないで、
その道具がどうして出来上がったかの
背景を考えるようになっている。
機器の適正を考えて
自分のシステムに取り入れている。
そしてイギリスの健全と危険回避の
政府機関HSEによってその指針が
ICoPとしてまとめられている。
高所樹上作業の行動規範に沿った形で、
それぞれのタスクに合わせた
技術ガイドが徐々に登場するだろう。

情報は日々更新される。

商売のことしか考えていないヤツらが、自分の儲けを優先させて名称を商標登録したり、日本で唯一とか、日本の法規にも準拠してるとか、ちゃんとしてるっていうテイばかり優先させて日本人を騙しているヤカラの言うことを信じるのは、どうかと思うゼ。
世界は広いよ。America is No.1じゃないゼ。
誰かがそう言ったコトじゃ無く、自分が信じる情報は自分で見つけようゼ。

日本のヤンチャな命がけな危ない作業が凄いって持て栄されるのとは訳が違う。
どれだけ危険を回避して、時間がかかってもその作業が正当化され、目的のタスクを達成するかを評価しない日本の行政ってどうなんだろう?何時まで知らんフリして、訳判んない法規を作って作業を複雑化させ、事故を増やし続けるつもりだろう。

個人的興味で他の業界のことも気になって、IRATAやSPRATなどではどういう取組みがなされているのだろう?って、調べたり実践したりすることで、ロープアクセスのシステマチックに熟成されつつある考え方を学んだ。
一部そんなことはない、メーカーの圧力かって感じる所はあるが、その無駄の無い簡潔な構成や、サルでも判るような基本や、無駄の無い組み立てに恐れ入った。

日本とは違い、作業者も企業も行政もオトナだ。

でもツリーワーカーは相変わらず事故が多く危険なままで良いのか?
ロープアクセスのような方策の、良い所は取り込まない手は無いと思った。
satocbooksでもロープアクセスの実践として、その学んだ道のりを紹介している。
自分では実際に出来るだけ作業に取り入れている。

もちろん予め強固な人工の耐荷重アンカーが存在するロープアクセスと、自然の木を使うツリーワークが、一緒に考えられる訳では無い。
そのまま丸っと持ってくるわけにはいかない。
何か良いベターメソッドはない物だろうかと、いろんな方面で、いろんな方に助言を求め、漠然と自分なりにブラッシュアップしたスタイルが出来上がった。

それに併せて自分の考えを伝えるワークショップをやってるよ。
satocbooksでも書いてるけど、詳細はワークショップで伝えてるよ。

アーボリスト(日本では商標として登録されているから、日本のカタカナのアーボリストのことじゃなくArboristの和訳です。その名称を商売で使おうと思う意味が判らないが)の世界は独特で、なんか他を排除しようとするような、頑に考えを取り入れず、道具だけ都合良く取り入れようとする姿勢が好きじゃない。

トップクロールなんかの胸や背に[A]があるハーネスは嫌がられる。
新しいデバイスには直ぐ飛びつくくせに、I'DやRIGは否定する。
頑にDdRTを使おうとする。……もう数えきれない。

チェストや4SRTや首輪より、トップクロールが良いよ。って言っても聞いてくれない。何とかハイカーとか何とかジャックよりも汎用性の高いデバイスは便利だよって言っても、頑にDdRTでヒッチコードを使って登りたがる。なんか、差別化したいんだろうか?ロープアクセスで完成された登高/下降方法なんだから、仕事をする人がそれを選んでいるんだから、なかなかそれより都合の良い物は無いと思うよ。木の上だって都合に合わせればとても有効だよ。(とか言って私もアキンボに飛びついたけど)

トップクロールは邪魔だ!とか鬱陶しいって言うけど、その考えの方が鬱陶しい。
登高と下降がチェンジオーバー無しに使えるって、そういうシーンでは使わなきゃ良いし、アセンダーディセントとかディセンダーアセントなんて技術も有るよ。
そういうコトを知ってて使えねぇ!って言うなら良いけど、知らないだけでしょ。

私は、ある初心者ツリーワーカーチームに、シットハーネスで従来のトラディショナルなヤリ方と、フルボディハーネスでロープアクセス的な楽なツリーワークを比べてもらい、どっちが良い?って聞いて選んでもらった。
今までも比べてもらうコトはしていたが、あまりフルボディを選ぶ人は居なかった。でもその初心者チームはフルボディハーネスを選んだ。
そして効果的に理に敵った楽で速い方法で実践するようになった。

幾つかの段階の講習を受けてもらって、併せて一緒に作業しながら現場で学んでいるうちに、何も無いゼロの状態から約2年でもうバリバリのツリーワーカーになっている。
その人たちは、フルボディハーネスがなんで邪魔なのか判らないらしい。
シットハーネスにこだわる理由が判らないらしい。
海外でもそういう人が多いが、そうじゃない人もたくさん居る。日本ではとにかくフルボディハーネスじゃない人が蔓延してる。

ワークショップでは各種色々試してもらっている。自分の道具を持って来るのは構わないが、他も色々試してもらう。道具選びも大切なワークショップの目的だからね。
自分の道具を持ってきてその道具に整合性がなければマイナスからだからね。
以前から「こういう方がイイよ」って言っても、なかなか取り入れてもらえない。
やっぱりトラディショナルな、従来のアーボリスト的なのが良いのだろうか?
新しい「他の考え」はなかなか取り入れてもらえない。
そのくせYouTubeからは直に取り入れてポチるくせに。
訳の解らんテキスト手に入れて、読んでも意味が判らんテキストに満足して、都合の良い部分だけ取り入れて、特殊伐採とか言ってる。それでイイのか?

そんなヤツばっかりだから、私が考えていることは間違っているのだろうか?って自分に自信が無くなって、何度言っても自分で勉強しない工夫しない条件を考えず新しいモノに直ぐ飛びつくヤカラの多さに辟易していた。
こんな奴らに教えたくないって、もう止めたいと思っていた。

そうこうしているうちに、条件と状態を鑑みて適合と適正を考えてゼロからちゃんと始めるチームが現れて、自分のチームで考察して危険回避して皆で意見して、私がちょっとしたアドバイスすると納得して取り入れたり変更したり、スクラップアンドビルドして、根拠のある勉強をするとこんなにスムーズに巧くなれるのかって驚いている。
まだまだ伝えなければイケナイことは多く有るけど、これまで実践したやり方はもう自分たちのチームのモノにして、より高度に進み続けている。
もうすぐサイズアップして大きなヤツもやっつけられるようになっていくと思う。

2年でここまでになるとは思っていなかった。
俺が考えてることは間違っていなかった。
ゼロからスタートしても2年でモノになる。

これまで多くの奴らがオカシイだけだった。いい加減なだけだった。
これまで粋がってた奴らに伝わらな方のは、覚える気が無かっただけだ。
心を入れ替えてイチからちゃんと始めるってって言われても、
脳ミソと道具を入れ換えないとダメだよ。
イチじゃなくマイナスから始めないとちゃんとはならないよ。

俺の言ってることが間違ってるのかなぁ?
自分のセーフティを一番に考えることって樹上作業には当てはまらないのかなぁ?
って思って一時期完全に自信を失った。
もうセーフティを伝えるのヤメようとも思った。

でもそんな中、ちゃんと伝わるチームが誕生して、俺の言ってること自分の考えてることは間違っていない。そういうセーフティを考えるチームもあるんだ!
ってなって、自分にも自信がついて、そうこうしているうちに優良な作業規範は発表されこれは取り入れない手は無いゾ!と思い、優良な作業規範をベースに、ロープアクセスやレスキューの良い所を取り入れ、自分なりにブラッシュアップした事故を減らせる今の所ちゃんとしてると思われるコトを、ワークショップで伝えてるようになった。

選ぶのは各自の自由だけど、効果が有る考えを、そしてこれまでを否定できないとスクラップアンドビルドしないと、パラダイムシフトしないと、先のような真っ当なチームが続々出てきたら、ヤカラはそのうち淘汰されるゼ。

そのチームは10年先を見てるからね。10年後に当たり前になっていると思われることを今から実践してるから、今は投資かもしれないけど、もう他に出来ない良い仕事やってるからね。日銭を稼ぐダンピング仕事には手を出さず、自分たちの優位性を信じて言い値で稼いでいるからね。取られちゃったらそれまでの仕事よ。安くても良い仕事なのよ。己の価値を安く見積もる仕事なのよ。クライアントにも安く見積もられる仕事なのよ。
でも世の中には安く出来ない仕事も有るからね。

日本でもセーフティな作業を実践している、ちゃんと考えられる組立てられるチームが、世の中を席巻したら、日本の森もちょっとはまともになると思うけど、そして林業屋がやるアホな特殊伐採が淘汰されれば面白いのにな。
日銭を稼いでいるヤンチャな人間が慌てふためく様子を見たいな。
今は鼻息粗いけど、そのうちウソはバレるよ。

今から取組まないと直ぐにケツの毛毟られるゾ。

2021年1月19日火曜日

ベクター・フォース・グラビティ

絶えず変化する社会に右往左往して、その都度自分のレギュレーションを変えるのはなかなか大変だけど、変わらないベクター・フォース・グラビティを基本に捉えれば、そんなに無理でもない。ちょくちょく刷新するEN基準は厄介だけど基本が一緒ならデータを数値を変えるだけだからスムーズに変更出来る。

ベクター・フォース・グラビティの
基本があれば、大体対応できる。
システムの変更やトラブルにも対処できる。

変わらないモノが何かを見つけておけば、
自分の面倒臭がらずバカの壁を
取っ払ってデータを変更する。

マスは変わらないよ。
装備入れて質量は100kgでも
90˚曲れば質量は変わらないけど、
角度(ベクター)が付くとアンカーに
かかる力は140kg超えるよ。
180˚なら200kgだよ。
質量(マス)と力(フォース)は別物だよ。
1m落ちたら約1,000kgの力になるよ。約10倍だよ。質量は100kgでも1トンの力だよ。重力加速度(グラビティ)の力が生じるよ。

例えば、10mの樹上で手で持つのが難しいなって10kg位の枝があったとする。
そいつをただ伐って自由落下で落とすとする。
10kgなんで10m落とすと1トンくらいのエネルギーになる。
どこにも引っ掛からずぶつからず、地上が安定した平地で、シャーガツンって落としても問題無ければ落とせば良い。
しかし、直ぐそばに屋根があったり、地上のスペースが狭かったり、地上には壊しちゃいけない何かがあったり、他の樹木にかかりそうだっ
たり、の場合は吊って降ろす。
登ってる木の上の方に、下の障害物を避けるために都合の良い適切な耐荷重アンカーが採れるのであれば、吊ればよい。
でも、地面には衝突させたくない。
下の障害物を避けるためには力の方向を変える必要がある。
. 枝の成りが不均等で回転しそう。
などの変数パラメータが沢山ある。

まずは、何処に降ろしたいか?片付けるためにどうするか?によって作法が変わる。
そこで、別な高い所に耐荷重アンカーが採れるか?リディレクトなのか?リフトなのか?ロードトランスファーなのか?の方法選択や、バット/チップ/クレイドル/タグ/コントロール/ガイディングなどの手法選択を考える。
そしてどこに結ぶか?結ぶためにどこまで行けて、そこにエスケープポイントがあるか?作業姿勢が採れるか?リギングトライアングルに入らないか?などが検討され、始めて作業が実施される。

良好な耐荷重アンカーが設置できて、落下係数0.3くらいで、クレイドルのリギングチップで伐れるとしたら、対象が30kgだとしても、約0.4kN弱なんでロープにかかるピーク力は大丈夫。クレイドルできなくて落下係数0.5くらいでも0.45kNなら大丈夫。
アンカーにかかる付加も最大0.9kNと換算して大丈夫。

ポジションが採れない結びに行けない、ならもうバットタイしかない。
重量のバランスが判らないけど、梢側が5mくらいの長さとして最大5mの落下と考えて、1.5kNのエネルギー。アンカーには3kN。

リギングロープがシリウスの12mmでMBS3,500daNなら、35kNってことは、安全率10:1で考えて3.5kNでしょ。

そもそも上に耐荷重アンカーが設置できない。
もうバットヒッチングになってしまう。
カウヒッチからハーフヒッチまでが1mとすると、さっきの1.5kNの1m落下で、いきなり15kNになってしまう。
もうシリウスの12mmじゃ安全率考えると無理!
でもヤっちゃうよね。
安全率を5:1で見積もると17.5kNだからギリギリセーフ。
って安全率変えちゃそもそも理屈に合わなくなる。
ロープメーカーだってMBS35kNって唱ってるけど、35kNでぶっ壊れないようにオーバースペックに作ってる。表示を35kNにしているだけ。
けど、そうやって安全率やオーバースペックに頼って助かってるんだろうな。

理屈的には静荷重強度で3,500kgまで持ち上げられるとしても、1回でもダイナミックで落としてガツンとアンカーに負荷がかかれば、そのロープはオシャカになる。

IRATAでは、ハードマティリアルは5:1の安全率、テキスタイルエレメントは10:1の安全率って指針されてる。なんか他もコレに右習えだったりするけど、そもそもMBSだから、静荷重強度だから。
以前に読んだリギング資料では落下係数が0.3以下でスタティックリギングと考え、それ以上はダイナミックリギングになる。そしてその安全率は25:1で換算するべきだって。 全然ダメじゃん。
シリウス12mm使ったリギングで、落下係数0.3以上のダイナミックリギングなら、最大1.4kNになってしまう。
ってことは耐荷重アンカーが無い、ダイナミックリギングで使えないじゃん!
トッピングカットで30kgの対象を落としたら、ガツンと止めたら、もうオシャカ。

1回でもダイナミックにガツンと負荷をかければ、そのロープはオシャカになる。
たとえそれが90mロープで、使った場所が10mだとしても、ロープ全体に負荷がかかるんで90m全部オシャカなんだよ。

そしてcycle to failure
何回も繰り返しガツンとしてたら、どんどん寿命が縮む。静荷重で1,000回使える物も、100回でダメになる、ヘタすると10回かもしれない。

だからそこでポータラップのアンロード操作が必要なんですね。
ポータラップで適切に抜重してあげる操作が求められる。
適切にアンロード操作が出来れば、ダイナミックリギングにも使える。
だから、ベクター・フォース・グラビティでパラメータを予測して的確に操作する。

ポータラッパーは、その辺のパラメータを予測して、確実に動きを制御し、エネルギーを相殺して、どんなに激しいダンスでも巧くリードしてやらないと!

2021年1月18日月曜日

潜在的なピーク力

the aim should be to reduce potential peak forces to below 6kN.
目的は、潜在的なピーク力を6kN未満に減らすことです。

このピーク力の認識が無い人間が多い。

重さは60kgでも1m落ちたら6kNだからね。


クライマーの機器は大体
22kN以上の強度がある。
CE取ってるPPEなら
全て22kN以上に
なっているはずだ。
この22kNがくせ者で、
強ければ良いって
モノじゃない。

22kNの強度が人体にそのまま負荷されたら、どんなに鍛えている猛者でも何らかの障害が必ず起こる。

これは人を守るために強度表示ではなく、機器が損傷しないためのひとつの基準になってるけど、元々はUIAAとかがアルパインスポーツで怪我をしないための強度である。
それがベースになっておおかたの作業機器も22kNになっている。
オープンスリングとかが大概22kNだよね。
アルパインスポーツで使うロープは、落ちた時にエネルギーを吸収してくれるロープだ。日本語で言うと文字通り「命綱」って感じのダイナミックロープを指す。
ダイナミックロープは、伸び率が20〜30%程あって、ロープが伸びることによってその落下エネルギーを吸収してくれる。バネの様なもの。

ダイナミックロープは、落ちた時のためで、普段は荷重していない前提になる。

ツリーワーカーが使うロープは、セミスタティックやローストレッチと呼ばれる、日本語で言うと「索」って感じの作業線、伸び率が6%以下が基準になっている。
やってみた人は判るだろうけど、ダイナミックロープで作業を行おうとすれば、身体がグワングワン動いて、手元も定まらず作業にならない。

ローストレッチ系ロープが伸び率6%程度の理由は、最初っからロープに荷重してるし、普段から荷重していろことが前提になる。
伸び縮みしては作業にならない。

見方を変えれば、ダイナミックロープが30%伸びるとしたら、径も30%細くなる訳で、断面径が細くなるってことは、11mmロープでも細く伸びたら8mmくらいになるってこと。ってことはクライミングシステムのヒッチコードや、許容範囲が10.5〜12.5mmのクライミングデバイスでも効かなくなるってこと。伸びた時にググッと下がるんじゃ危なくってしょうがない。
ロープが伸びるってことは、径が細くなるってことだからね。

一方ローストレッチ系ロープなら、6%細くなっても、10.3mm程度。これならヒッチコードもデバイスも使える範囲じゃないか。だから作業線として使うロープは、径の変化があまり無いローストレッチ系ロープになる。

もし仮にローストレッチ系ロープで落ちたら、そのエネルギーが直接身体に衝撃となって伝わる可能性が大きい。
だから落ちないシステムにする必要がある。
落ちたら怪我をする可能性がある。

ヤンチャな特殊伐採の人間は、アルパインクライミング出身の人だったりするが、落ちてもロープが救ってくれるって幻想を抱いてるから、イケイケなんじゃないか?
だから枝の上に立ってロープがたるんでいても、気にしないのかもしれない。
特殊伐採ならこのロープでしょ!ってな感じで、通販ショップでローストレッチ系ロープを買って、落ちてもロープがあるから大丈夫って思ってるんじゃ無いの?
「鉄面皮、鉄面皮」って唱えれば、火もまた涼し、じゃないよ。

我々のロープは命綱じゃないし、落ちたらオシマイだから、落ちないようにする必要がある。そのために機器の適合性や面倒臭いパラメータを考えなきゃならない。
そして潜在的なピーク力を6kNに抑える必要がある。

この6kNだけど、どうやってこの数値になったんだ?って疑問があり、シツコク色々調べてみてもなかなか見つからない。まさか人体実験か?って思ってると、アメリカは60年で一部の公文書が公開される。その中で落下傘部隊で戦地に降下する人が意識を失うことや、何らかの障害が発生することが多くあったらしい。
そして戦後連合国が、捕虜を使って落下傘降下の実験をやっていた。

意識がある訓練されたソルジャーはなんてこと無いらしいが、無意識の一般人が突然落とされちゃうと、脊損や骨折が起こることがある。
その限界数値が5.5〜6kNってことらしい。
恐ッ、人体実験じゃん!
先人たちがカラダを張って示した数値が6kNなんじゃん!

これがまさに潜在的なピーク力で、
人は6kN以上の力がかかると、何らかの障害が起きる可能性がある。
だから突然のエネルギーは6kN以下に抑えなくては、働けなくなる可能性がある。

これがベースになって、その昔アンカーの強度は、2倍にして12kNだった。
最近は15kNになり、現在は18kN。
昔の建物のこれまでに設置されているアンカーは、12や15kNのことが多く、そういうアンカーはシェアリングアンカーにするべきらしい。EN795の迷宮。
国によって、5.5kNを限界としてる国もあり、その2倍で11kN、作為的に更にその2倍で機器強度限界が22kNが誕生した。

マキシムアレストフォース(MAF)は6kNに抑えなければならないよ。
鉄面皮じゃないよ、クワバラクワバラ。

2021年1月17日日曜日

communication?



3.4.7 Whilst a number of communication methods are available for climbers and ground staff, helmet radio comms can provide a practical solution to ensure clear and regular communication is maintained between all parties. 

3.4.7 クライマーや地上スタッフは
さまざまな通信方法を利用できますが、
ヘルメットの無線通信は、
全ての関係者間で明確で定期的な通信を
維持するための実用的な応えです。
コミュニケーションという点で、声やホイッスル、ハンドサインなんかが一般的だけど、前に高速道路の脇の現場で、高さもさることながら、高速で走しるトラックのタイヤノイズたるや、もの凄い音で、アスファルトを叩くゴムの音がこれほど響くと思わなかった。敷内は土盛りしてるんで音がよく響く。
対象の木も高さも30m近くあり、途中でシステムの確認や、荷揚げのためにロープの流れを変えるお願いも、ほぼ意思疎通できない。

クライマーのセーフティに関わる事象なんかは、Fox40吹きまくり、大きく両手を振っても、意識が地上に向いてなければ殆ど役に立たない。
自分のホイッスルが喧しくて、耳がキーンとなってもタスクを中断することが出来ないんで、結びや対象降下の流れなど、クライマーのタスクが一旦終われば、必ず地上と確認するってコトにして何とかなったが、片付けで入って貰ってるオッサンが、不意に動き出したりするとアワワになって作業を中断するのが難しかった。

骨伝導のインカムは、平時は有効で凄く良く感じるけど、それだって役に立たないほど環境ノイズが大きい現場がある。
最近はヘルメットのイヤマフとインカムが特に有効だと思う。

ファナーのプロトスのインテグラルなんかは素晴らしいと思う。
セーフティにタスクをこなす人たちにはとても有効でイイね。

でもプロトスは、重いから振り返るとグラグラする感じだし、頭の上が高いから変な揺れを感じるし、狭い樹間を通ろうとすると引っ掛かるし、縦に長いオーストリア人の頭の形と違って平たい顔族の私には合わない。
ヘルメットだけ観るとカッコいいが、被るとダサい。

イヤマフやインカムはイイけど、やっぱりヘルメットは自分の頭に合ったフィット感と出来るだけ軽くて小さい方が良い。
プロトスと同様に一時期みんなカスクを被ってたけど、カスクもイタリア人と頭の形が違い過ぎて合わない。最近あまり見ないのは、みんなハチが痛くなってるんじゃないか?

ファナーだし、アーボリストはプロトスでしょ!って感じで、しかもチームで揃えても自分の頭に合って無ければ、幼稚園のお遊戯会みたい。
目的が良好な通信だったり、チェンソーノイズからの保護だったり、目に入る削りカスだったりだけど、カッコだけで揃えるのはどうかな?

自分ではCTのXアーバーがもの凄くシックリくる。
普通にイヤマフやバイザーやインカムも付けられる。
別に一体化してなくても、作業タスクに不必要なときは取り外せる方が良い。
ANSIの規格で騒音に見合った保護具を取り替えれる方が良い。
そしてそこにウン十万かけるなら、ペルターに着く3Mで充分。
そして信号も、千円強のFox40でいいかな?

以前内地のジジイ特殊伐採のチームが、みんなプロトスを被っていた。
そして樹上から大声を出して叫んでたけど、イヤマフしてるから声が届かず、マフ浮かせて「何よ?」って会話してたのが印象的だった。
別にイヤマフしなくても良い作業なら、やっぱり外せる方がイイと思った。
監督や地上スタッフも同じのなら良いけど、地上の人はメットも被ってないし、第一ハァ〜って眺めてるだけだからなぁ。使い方も使い所も判ってない。
樹上と地上で視点が変わることで、見えなかった力の方向が確認できるってのが目的だろ。クリスマスプレゼントで買ってもらったトランシーバーで喜んでるガキのようだ。 トランシーバー見せびらかして、俺は凄い仕事ができるって思ってるダサさ。

なんかタスクに見合った装備を身につける方が良い。
仕事と取るために装備ばかり立派にするなら、
セーフティをちゃんと身につけるために、もっと勉強して欲しい。

第一、タスクに必要な意思疎通が出来なければ意味無いじゃん!
シビアなタスクを、フォースリミットを意識しない奴には必要無い。
登って伐るだけの特殊伐採の人は、地上と樹上のコミュニケーションは必要無いし、第一意思疎通しないから必要無いんじゃないの?

2021年1月16日土曜日

方法の選択

ツリーワークを行うために、そのアクセスの戦略では、樹木の状態評価、クライマーの能力、トレーニング、周囲の特徴、樹木の構造が考慮されなければ、登る方法を選択することすら出来ない。


7.1.1 In order to carry out tree work at height safely, the climber will need to undertake an assessment to (1) determine the most appropriate method for access and (2) select an appropriate ascent technique.

7.1.1 高所での樹木作業を
セーフティに行うために、
クライマーは、
(1)アクセスに最も適切な方法を決定し、
(2)適切な上昇技術を選択するための
評価を行う必要があります。

最後のトップカットだって
上に吊れる時は吊るよ。
そして、選択したアクセス方法と上昇技術の全てについて、チームがセーフティに作業する方法として話し合い、合意しなければならない。
更に、効果的な救助を行うために使用する技術に精通しなければならない。

当然のことだけど、これが、なかなか出来ない。出来ていない奴が多い。

ガキがおもちゃを買ってもらったから、そのおもちゃで遊びたくて、まず遊びたいが先に立ったっちゃうから、無理矢理遊んだりする。
マニュアルも読まないで、機器の適合性も合わせないで(機器の適合性がないもの買っちゃうしね)、自分のシステムに合わせた方法選択じゃなく、道具が有って、それが使いたくて、無理矢理自分のやり方に使ってみるっていう、おぞましい道具の使い方。

ツリーワークは、事前に勉強しているのが当然だが、自分が出来ることをやって、それじゃあタスクに都合が悪かったり、巧くいかなかったり効率的じゃないってことにイラッとして、もっと自分の行う作業のセーフティのために、道具を使う。
自分で出来るコトを効率良くスムーズに行うために、道具を使う。

いつも言ってることだけど「トッピングカット」は「最悪のシナリオ」だからね。
もうそれ以外に方法が無い場合にのみ使う手段だからね。
それ以外の方法を知らないから、何でもトッピングカットするような奴らは、
自分の仕事が自分の方法が最悪だと思った方が良いよ。

周りに採用できる耐荷重アンカーを構築できない場合に、その単独の木だけで処理しなきゃならない時に、他の枝は全部他の技術を使って処理し、しょうがないから最後の1本だけは、上に吊るアンカー無いから、バットヒッチングでヤルしかない。
その日の作業が仮に30タスクあるとすれば、29まではいろんな技術を使って、上にアンカーを作って吊るタスクになると思う。
そして最後の1タスクだけバットヒッチングになると思う。

そのバットヒッチングは、クライマーにとって危険極まりないタスクなんで、複雑で数多いタスクをいちいち確認しながら行うから時間がかかってしょうがない。
そのタスクのピーク力の読みが難しく、とんでもない色んなファクターを予測する必要がある。落下係数が2近くなるんで、機器にも悪影響を及ぼす。
ロープなんか基本的に、落下係数2で使ったら破棄だからね。
道具にとっても、最悪のシナリオになる。
全然良いことがない、方法だからね。

それをまずスパーありきのクライミング方法を選択するって、おかしいだろ!
新しい軽いファイバーとかカーボンのスパーが登場してるけど、スパーは軽くなると動きは楽だけど、逆に危険性が増すと思うな。動き難いからしっかりと確保するっていう部分もあると思う。ブレーキが利かない車の方が、慎重に運転するようにね。

そして本来のツリーワーク業界自体は、スパーを使わない方法の選択を勧めてるよ。出来る限り使わないように!ってなってきているよ。使う場合はシビアな条件と状態を見ろよってなってるよ。危険性を承知すれば、そうなっていくのも当たり前だけどね。

テクニカルガイド1の、ツリークライミングアンドエアリアルレスキューでも、
計画と管理から始まって、
役割と責任、
オンサイト準備、
労働衛生、
ツリーワークにおけるPPEシステム、

そしてその次にやっと、アクセスの戦略が出てくる。

更に上昇テクニック、
スラックの管理とワークポジショニングの改善、
下降、
機器コンポーネントとシステムの構築、
救助のためのアクセスと機器、
機器の手入れとメンテナンス、

そして最後に救助
って言う具合に話が進んでいく。

樹木評価も、サイトのチェックも、作業計画も、PPEも、機器の整合性も、レスキューも無しに、ツリーワークは出来ない。

このテクニカルガイド1は、登る前の最初に覚えていなければならない最低限の知識っていうスタンスなんだけど、これを考えている人はどれだけ居るんだろう?
まあ、考えなくても出来るんならイイって言う人が、いきなりスパー買っちゃうんだろうし、色んなデバイス買っちゃうんだろうし、トッピングカットなんだろうけどね。

それでちゃんとしたセーフティな作業をしようとしても難しいよ。
今はまだ行政やクライアントも知らないから、そういうモノだと思ってるかもしれないが、ピーク力を考えないタスクは事故が増えるから、今は良くても、そのうち行政だって気が付くよ。気づいたらこれまでのやり方がすっかり否定されるよ。
そこから初めてもきっとイニシャチブは握れないよ。

2021年1月15日金曜日

VIRUS?

得られるモノや感情が均質であればある程気持ち悪い。
釣りは釣れないからこそ、また釣りに行きたくなる。
より良い結果を得ようと試行錯誤する。工夫する。
毎回尺物が釣れる所には頻繁に行きたくない。
釣れなくってどうしようもなくって感覚を味わいたくって、たまに行くけどね。
結果が見えているものにはあまり興味が無い。
ここに行けば釣れるって言うのは、もはや漁だ。喰い潰す行為だ。
人間が作り上げた社会の対価として自然を利用するのは止めて欲しい。
そして数多く結果が得られるコトを唱い文句にしないで欲しい。
そんな事したら、一時的に人間社会が押し寄せて不確定な自然を喰い潰す。
どうしても結果を得ようと人間が不確定な自然を喰い潰す。

自分のカーティスクリークは、自分で探さないと面白くない。
良き釣り場でも、その気候や環境や状況で変化するから面白いのに、そういう条件をすっ飛ばして結果だけ得ようとするのは、人間が考えること。
自然をリスペクトしないと結果は得られないし、人間が考えたことだけで結果を得ようとするのは、それはただのエゴだよ。そうやって自然は破壊されてきたんじゃ無いの?
人間が考えるエゴが、カネに成るって考えた、またはカネにしようと利用するだけだから自然はしっぺ返しするんじゃ無いの?
自然は人間社会が制御できないのに、あたかも制御してるって、制御できているっていう一側面だけを見て、カネになりそうならエゴイスティックに利用するだけ。


ウイルスだって地球が生んだ、
あたかも制御してるって言う奴に対して
地球が派遣した刺客じゃないの?

ウイルスって自分の目的のために
手段を選ばず、
自分が増殖するために必要な宿主まで
殺しちゃうような貪欲な奴らだ。
宿主が死んじゃったら、
どうしようもないけどね。

貪欲な己の為に宿主まで殺しちゃうって、
何処かで聞いたような話だな。

ワクチン作って一定の
成果が得られたって発表すれば、
株価がドーンと跳ね上がるってことだろ。
コビッド-19を制御できたつもりになって、一側面だけ見てるからみんな色めき立つだけで、根本の解決や制御ではない。
シンゾーが完全にコントロールできてるって言ったゲンパツも、毎日汚染水が増え続けている。未だ家に帰れない人も居る。それはコントロールっていうのか?
誰かの懐具合が調子良くなるように手配された安心安全は、自分の安心安全じゃないよ。
身近な所で考えると、、
知床は世界自然遺産に認定されてるけど、ユネスコの世界自然遺産が自然破壊を増長させているんじゃないの?知床は到達しにくいのでそれでも頑張ってようやく着いたから余り人が居ないから豊かな自然に魅力があって、1ヶ月くらいじっくり居たいのね。
1泊2日で行けたら面白くない。
知床のヤカラだって押し寄せる観光客にはカニとリンゴ喰わしておけばイイって。数と形だけ食い放題で、身スッカスカなカニでも文句言わないって。
観光ってそんなモノか?
それで良いのか?って思ってたけど、そのままにしておけばそれなりにみんな暮らしていけてるのに、ユネスコのお偉いさんを接待しておべっか使って、登録されたら、人が来るゾ~!って色めきだって、旧港潰して埋め立ててでっかい道の駅作って、道路整備してインフラ整えてレスポンス良くすることで、一時は観光客が増えた。
でも行きやすくすることで魅力が容易く楽に簡単になったことで、2年で観光客が激減。それまで慎ましく暮らしていた人も憔悴し切って喰えなくなって、人も居なくなって、後に残ったのは壊れた自然と立派なインフラ。
でかいインフラは維持管理だって大変なのに、その一時の世界遺産ブームに乗っかろうとする奴らに喰い潰されて、世界遺産ってそういうコトか?
世界の自然を喰い潰すための方法か?田舎を騙す方便か?
喰い潰した後に産業遺産とか遺構とか言って更に喰い潰すのか?
お役所の安心安全って、ドーコンの儲かるなんてその程度の物だよ。

返せ北方領土とか言って、ただ開発したいだけじゃ無いの?返ってこない方が良いよ。あそこは人間は誰も行きたくない、社会から分断された所だから自然が残っている。国や土建屋やユネスコに騙されて開発しようとするんじゃないよ。

朝鮮半島だって38˚線が一番自然豊かだよ。そういう所を世界自然遺産にする方が良い。ユネスコだって金持ちの国にはバンバン遺産を作るけど、貧乏な国には作らないもんね。そういう利害関係があるから、ユネスコが認めちゃうんだろうね。

コケコッコーショウは、相変わらず如何わしい分厚い企画書とデータで自治体を騙して道の駅を作り続けるし、巨大な青看板100mごとに立てるし、情報が多過ぎて曲がる所を見失うよ。鉄道廃線になっても新しく道の駅作るし、道路情報ボックスは表示が欠けてぶっ壊れても新設ばっかりでメンテしないし、ウポポイの宣伝広告塔になってるし、情報ボックスと言いながら宣伝するってどういうことよ。アレは国民の税金で建てた物だろ?それを使って広告する意味が分からないのか?もう麻痺してるんだろうね。
俺は道路情報ボックスでウポポイの広告見た時に税金返せ!って思ったよ。民族共生象徴ってのは悪くないけど、空間を作る必要あるのか?ポロトコタンで充分じゃないのか?国民の税金使ってやりたい放題の開発局とドーコンとコッコーショウはどこまで大地を荒らすつもりなんだろうか?

人口が減るのは目に見えていたのに高速延ばして、流れが良くなって、途中の街は廃れて人が居なくなった旧道は工事ばっかりやってるし、人に見つかりにくくなったんで本当に必要あるか疑わしい砂防ダムばっかり作ってる。開業3ヶ月で赤字に転落してる新幹線を延長しようとしてるし、これ以上悪玉が結託して北海道を荒らすのは止めて欲しい。

国の補助金だろうが地方交付金だろうが、地元の土建屋と結託して、ドーコンにそれらしいデータ見せられて、開発局のお偉いさんと現地視察とか言って観光旅行で接待されるのはどうかしてるゼ。もうじり貧だよ。たこの足食いだよ。

コッコーショウもノースイショウもモンカショウもケーサンショウも、
ユネスコも国も行政もドーコンも開発局も自治体も土建屋も、
これ以上自然を痛めつけないでくれ。いじめないでくれ。喰い潰さないでくれ。
もっともらしいデータで誤摩化さないでくれ。
もっともらしいデータで田舎を虐めないでくれ。
造林生産なんちゃら協議会なんて、最も自然を虐める手先だね。

コビッドよりニンゲンの役人の方がよっぽど酷いウイルスだ。
やたら自然を喰い潰す悪玉だ。
制御できてないくせに、一面だけ制御したつもりになってるコトが
それで一儲けしてやろうなんて考えてるヤツが社会だ。
社会が自然を喰い潰すのなら、自然だって黙っていないんじゃ無いの?

そんな影響もあってコビッドになったんじゃないの?
地球が怒ってるんじゃ無いの?

2021年1月14日木曜日

条件と状態

自然を見て歩くのが好きです。毎日違う発見があります。


私は作業が無い日は毎日森を歩く。
家で仕事をしてると、通勤が無いから、
切り返し難いってこともあるけど、
何より日々の自然の変化を日常で感じる
方が好きだから。
今年は去年と違うとか、昨日と違うとか、
当たり前だけど条件と状態が違うから
結果も変わってくる。
自然を相手に仕事をするって言うことは
そういうことだと思う。

今シーズンはモモンガに出会う事が多い。
今年に入ってからはほぼ100%
エサとして狙うヤツが増えると
今後はフクロウが増える。
よく彼らと出会うために「巣の場所だけ教えてくれ」って言われる事が多い。
まあ、場所だけ教えちゃうと、そこに怪しい人間が群がるから、嘘を教えたりするけど、場所だけ知ってどうするのかね?

イメージとして樹洞からひょこっと顔を出す姿が象徴的だから、それを見たいと思うのか?それしか知らないからか?
そういう所が見たいのかもしれないが、それは逆に大変だと思う。
あの場所の広場に行けばミッキーマウスと会える、って事と同じ感じで、人間が人工的に作った場所で誰かに会おうというのと全然違うからね。
そんなんなら開園時間の動物園に行った方が良い。それと一緒だから。
スターが登場するのを裏口で何時間も出待ちするほどヒマじゃない。

だいたい「巣」ではない。「寝ぐら」だからね。巣と寝ぐらは、全然違う。
夜間の方が外敵に狙われる確立が低いんで、夜に盛んに食い物を探して飛び回る。
そして夜が明けると、慌てて近くの穴に逃げ込む。だから大きくて目立つ穴に複数個体が入ってる事が多い。逆にそこにいろんな遺伝子を持った個体が集まるんで、カップルが成立して、2頭で巣に向う。いわゆる合コン会場だ。お持ち帰りする穴だ。

まあそこで待っていれば、何時かは出てくるんで、出る時外の様子を伺うんで、可愛らしく穴からちょこっと顔を出してみる。
でもその瞬間を何時間も待つ程ヒマじゃ無いんでスルーするんだが、何処から聞いたか、穴の前ででっかいバツーカ砲を構えてる人間が何人も居る。



そんな奴らを尻目に離れ、直ぐ隣でも、
その時期にイイ樹があったりすると、
ソコに居るもんね。
動いてエサを喰う仕草は可愛いね。

狙われる猛禽に警戒しながらも、
コッチがジッと動かないで観てたら
あまり意識されないから、
盛んに動いて掴んでムシャムシャ。

この時期は繁殖前で喰い走ってるから
陽が高い青空の明るい時間に
良い感じで観察できるもんね。

寒そうにすぐ横の穴の前で
ず〜っと待ってる人間の気が知れない。
野生を観察するなら、対象の生態をよく知らないと。
生態を知らなくても、条件と状態を見極めなきゃ。
次にどうするとか、周りの環境の状態とか、前日の状況はどうだったとか、どっちに風が吹いてるとか、今偏食してるモノは何かとか、、、まあ色々有るんだけど、私は今年になってから森に入るたびに出会える。

だから穴を見てても、時間がかかって、寒くて、辛くて、疲れる。
そんな無駄はしたくない。
疲れて辛い作業をするくらいなら、楽で効率良く時間がかからない方が好きだな。

自然を見るのが好きだから、何かに出会うワクワクがあるから森に入る。そして当然鳥や動物出会えない日もある。
いつも同じ結果が得られる訳ではなく、鳥や動物に出会えなくても、フロスト状の霧氷を見たり、春に向けて膨らみつつある冬芽や雪が積もった木々の美しさに感動する。自然相手に遊ぶことが楽しいから、一様の結果なんてない。
例えばここに行けばワカサギが◯匹釣れるってことを、売り物にして客を集める自然を喰い潰すような消費型のアクティビティにはウンザリだ。数を売り文句にするなよ。いつも結果が得られるのは人工物だけにして欲しい。
条件と状態を見極めて楽しめよ。楽しめる自分に成れよ。
そうやって北海道の自然をダメにするなよ。
条件と状態を知れば、もっと良い結果が待ってるよ。

木を伐るんでも、相手の条件と状態を知れば、セーフティに効率良く作業できるよ。
生き物じゃなく、木だから、もっと簡単だよ。少し勉強すれば効率は上がるよ。
相手が自然だからね。

条件と状態を鑑みて、的確に判断して、戦略を組立てる。
ツリーワークと一緒だよ。

2021年1月13日水曜日

キンク

私はキンクが嫌いだ。
それは著しく作業を面倒臭くさせるから。

結構な重さの対象木のリギング操作で、落下のピーク力を巧く減衰させ、動きを制御して「やった~」って喜んで、後は降ろすだけって下げてる途中で、リギングロープがキンクしててポータラップにクチャクチャって絡み着いた時、もう最悪。
無理矢理なんとかしようとしても、重過ぎてどうにもならない。
その間にズルズル下がってポータラップが抜き差しならない状態になる。
一旦確保して、倍力でリフトして、絡み解消してから降ろすっていうタスクが増える。
時間がかかる。余計な力を使う。変な動きになる。こんな無駄な作業はしたくない。

これはオペレーションが始まる前に、グラウンダーがチェックしておく項目だが、その他の作業で忘れちゃうとか、たいしたことないだろうと甘く予測していた結果だ。
ポータラップは酷くキンクするからね。

それじゃなくてもキンクは良いことが無い。
登ってても身体が廻っちゃうことがあるし、バックアップと絡んじゃうし、変な力がかかってるってことは、それこそ強度低下しちゃう。



キンク[kink]って、
ネジレとか絡みとか身悶えとか、
作業としては芳しくない状態だけど、
性質としてはノットとそう変わらない。

ノットは、
バイトとループとラウンドターンの
組み合わせで出来てる構成なので、
いわゆるキンクさせて
引っ掛ける場所を作ったり、
キンクさせて締めつけて止めたり
っていう方法のひとつ。
キンクとノットは親戚みたいなもの。

一方はとても有効だけど、
一方はとっても厄介だね。
ノットは作業にとても有効だけど、必要の無いところには絶対に要らない。
短いロープを繫いで、突然現れたノットパスほど要らない。

キンクを解消することは、ツリーワーカーっていうか、ロープワーカーにとって作業を円滑に恙無く遂行するためにとっても重要なことだと思う。
ロープをバックから繰り出している時に、一緒にバッグごと付いてくるってイラッとするでしょ。鬱陶しいでしょ。それをさもひとりでにバッグの中で絡んだように扱う人居るけど、それは使用者本人がメンテナンスしてないからだからね。
突然の雨や日暮れによって慌てて回収して収納する場合もあるけど、あ〜酷い雨だったねとか言ってそのまま翌日使ってるからでしょ。
濡れたロープはメモリー効果も相まって、キンクしやすいよ。
そうなったら夜に明るくて雨の当たらないガレージとかで、一度バッグから出してキンクを解消して改めて収納する日常のメンテナンスをしてないからでしょ!
出来れば陰干しした方が良いよ。そして連続翌日に使わない方が良いよ。
一度荷重が載ったロープは、アンカーから降ろす前に、振ればイイよ。
振れば少しだけロープの堪ったエネルギーが抜けるよ。
そしたらあまりキンクせずに収納できるよ。
使い終わったロープは一度全部バッグから出して、巻かずに8の字で収納すると、キンクしないよ。次に使うときスムーズに引き出せるよ。

日々のメンテナンスだよ。
そういう基本を疎かにする人多いね。

スローラインがキューブの中でコタコタに成ってるのイヤでしょ。
作業前には一旦スローラインを真っ直ぐに延ばしてからの方が良いよ。
キューブの中でメモリー効果が働いて直に絡むからね。

ロープを扱う仕事をしているのに、
バッグの中でコタコタにキンクした奴がいるけど、信じられない。
手の中でアレッ、今キンクしてたなって思うだけで、イヤな気持ちになる。
だから人のロープは借りたくないんだぁ!ってことになる。

アーボリストロープは、派手な色が多い。
樹間で複数のロープを使う場合に、判りやすいように、タスク中に判断しやすいように、視認性が高い色合いが都合がいい。
それから他の産業用ロープにはあまり観られないが、結構の模様っていうか、ストランドの色を変えたパターンが多い。
これはキンクが判りやすいように、気付きやすいように、キンクを解消しやすいように、 いろんなカラーストランドのパターンがある。

みんな大好きタキオンなんかは、何色あるんだろう?
メーカーによって販売店によってそれぞれ特徴を持ったパターンや色がある。
どれもキンクが判りやすい構成だ。
レクリエーションで使う16st.のロープなんかは、縦に長く色替えしてあることが多い。 スリーノットシステムなどの、トラディショナルクライミングでは、キンクがとても厄介になる。24st.のヒッチコードシステムでも、降りるとき均一な動きに成らない時は、大体キンクしてる。

ロープのキンクは、末端まで延ばしてやればほとんど抜ける。
使う所だけじゃなく、必ず一旦ロープバックから全て出して末端に向って延ばしてやる。できれば広い場所で真っ直ぐに延ばしてやるといい。
スローラインなんかも、アレはホローブレイドなんで、使い終わった後に広い所で爪でシゴキながら真っ直ぐに延ばしてやる。
それだけのことで次の作業はスムーズになるよ。

キンクが起きてなくても、私は作業が終わったら、降りてきたら、荷重が抜けたロープを左右に振ったり、揺すってロープに蓄積されたエネルギーを抜いてあげてから、バッグにしまうよ。作業性も上がるけど、ロープが長持ちするよ。
キンクを放っておいてバッグにしまうと、バックの中でネジレや絡みが記憶させられる。メモリー効果ってヤツで、これはロープの寿命にも関わる。

ギリギリ暗くなるまで仕事してるから、早く帰りたいから、そんなメンテナンスをしない人間が多いけど、バッグの中でコタコタが記憶され、そして次に使うときコタコタのまま使ったら、どんどんキンクが進んでいく。そして寿命も短くなる。
まあメンテナンスしない人間は仕事も遅くなって、まさに悪循環だね。

簡単なメンテナンスで寿命も長くなり作業性も上がるなら、そんな良いことはないよ。

2021年1月12日火曜日

自然は愉快やめられない

今年の冬はいつもと違う。って言っても毎年違う感じがあるから面白い。


ほぼ毎日林に入ってるけど
毎回新しい発見がある。
だから満足して帰ってくる。

数年に一度しか会えないクマタカ。
がたいのワリの顔が小さく
筋骨隆々の力強いイメージがあって
この威厳があるイカツイ顔。
帰って図鑑を読んでみると
歌舞伎俳優の隈取りみたいな模様が
名前の由来になっている説もある。

このデカい身体で羽を畳んで林間を
自由に飛び回って猟をするらしいが
一度ハンティングを観てみたい物だ。


この辺りで赤い鳥って言えば
ウソが定番でよく見かけるが
今年は観ない。
その代わりって言ってはなんだが
ベニヒワが多い。

シラカバの前年雄花の残りのカサカサ
なのか?そこの虫を喰ってるのか?
とにかくシラカバの高い枝先に集まり
パラパラと雨のようにカスを降らせる。
真上を見上げるように観てると
目に入る。イタイ。

晴れた青空に生える頭頂の赤が眩しい。


ベニヒワに混じってマヒワも居る感じ。
ベニヒワは真下から見ると
頭頂の赤や顔の周辺の模様も見えず、
ベージュっていうか白みが強いけど、
ほおの辺りが黄色っぽく見える
奴らが混じっている。
近くで観ると全然違うんだけど、
青空で明るくてコントラストが強いと
なかなか判断できない。

比較するとベニヒワはめんこく
マヒワは人相が悪く観える。
眼の位置か身体とのバランスか
擬人化は好きじゃないけど
とにかく目つきが鋭く観える。


今年は特に16mm回程度の確立で
モモンガに出会える。
今年に入ってから1回に複数箇所で
しかも同時に3頭とか観ている。

っていうかコイツらを狙って現れる
フクロウが目当てなんだけど、
エサの生態を知ると、給餌に来る鳥に
出会える確率も上がる。

時期や時間や好みの食性や集まる木が
判るととても見つけやすい。
繁殖期っていうか繁殖期前には
日中でも喰い走るので自然光で観られる。
見つけ方が判らないと
ただの枝に積もった雪に見える。


イメージとしてこういう画を想像するけど
穴に入っていれば、直ぐに隠れられるんで
警戒心が薄いからよく観るんだと思う。
ゲラ達の使った古い太い木の洞は
中が広くて使いやすいのか?
巣みたいに思われてるけど
家族じゃなくて遺伝子の違う別個体が
繁殖期に集まってパートナーを見つける
いわゆる合コン会場になってることが多い。
中で乱交パーティが行われるんじゃなくて
ここで伴侶を見つけてペアで離れて
別の穴に巣作りして巣になる。
まあネズミだから繁殖力も旺盛で、
判りやすい所に巣を作るし、
動きが判りやすいし、
フクロウも捕まえやすいんだと思う。
森を切り開き、舗装道路を作り、快適に走れるようにするから事故が増える。
と同じようにスノーシューの踏み跡を作り、道にして、目的地に到達するように動物を探しても、自然だからなかなか見つからないよ。みんな公務員なんじゃないか?そういう人に気づかれないように直ぐ横で撮った写真だけど、私は写真が目的じゃ無いんで、後から観たよって言っても信じてもらえないことが多いから、持ち運びも邪魔にならない軽量のカメラで証拠的に撮る状況写真だから。

自然はよく観てると面白いことが一杯あって、毎日新しい発見があって、やめられない。

2021年1月11日月曜日

MY Aerial RESCUEの訂正

まったくトンマな間違えをヤッてしまった。


「正」「誤」を表示します。

見落としそうな箇所だけど、
これが判らなかったんだな。
アホな間違え。
人は皆間違えをおかす。
誰でも必ず間違える。
これを観ると、あ゛~やっちまったぁ~って悲しい気持ちになる。
も~本当にしょぼいミスで自分がイヤになる。
これを見ることで臥薪嘗胆とする。

自分を正当化する訳じゃないけど、ミスが無いように心がけ、そのために頑張るとかキモに命じるとか心理的な戒めではなく、物理的に科学的な対策を施し、幾重にもセーフティネットを広げ、万全の体勢だと思っていたとしても、人は必ずミスをする。慢心がある。観ているつもりで、眺めているだけ。チェックしたつもりになっても、眺めているだけ。二度とこのような事故は起さない!って心に誓っても、人は必ずミスをする。
ツームストーンセーフティ。
そんな一時的な幻想は持たずに対策を講じる。それでも人は必ずミスをする。
スイスチーズの穴を、見事に通過して、事故に繋がってしまった。

多くの人の目を介してチェックしていましたが、誰も気づけなかった。
でもそこに気がついてくれた人がいて、訂正を教えてくれた。
ありがたいことです。

つきましては、
伝えたい本の内容に直接関わることではないので、ご了承いただいて「バカな間違いしちゃって!」って笑って済ませてくれる人には、後に何らかのバウチャーを考えています。
現在までにご購入いただいた方で、訂正版をご希望の方は、
大変申し訳ありませんが、旧版をご返送いただければ、
改めて訂正版を無料で発注致します(返送料各自負担願います)
ご購入いただいた皆様には直接メールでご連絡差し上げます。

この度は本当に申し訳ありませんでした。

2021年1月10日日曜日

Technical Guide

昨年11月にプレオーダーになったTechnical Guide を直に申し込んでいたんだけど、年末にやっと届いた。


まだ(3)は売ってないんだけど
その他の1.2.4.5のバルクパック。
冊子自体はそう高くないが
送料がバカ高いんで、
Good PracticeとICoPも頼んだ。

実際にTechnical Guide を手にすると
なんか身が引き締まる思いで
でもPDFとかで公開されていないので
私的翻訳するために英字でtext化
本当はマズいことだけど、
日本語ぢゃないと読めない。から
いわゆる自炊する必要がある。
Google先生と友だちになって
起した訳を知り合いのネイティブに
添削してもらう。長い道のり。
最近はiosで写真を撮って、すぐに翻訳してもらえるようなappが存在してるけど、私の持ってるSEには対応してないオペレーションシステムがほとんど。
かと言ってMacOSも古いバージョンなんで、とにかく面倒臭い。
勝手にアップデートされるhtmlでchromeでオンライン変換とかすると「あなたのお使いのOSではもうサポートが行われてない云々」
そのために新機種にするのもナンだし、従来の方法で行うととにかく面倒臭い。

年末年始はこのタイトロープな方法でエラい時間がかかって、休んだんだか働いてたんだか判らなかった。もっともヒマなんでワクワクドキドキしながら楽しんで、
一人で、なるほどね!とか、そういうコト!って大声の独り言をつぶやいていた。

嬉しかったのが、TG:1のドラフトのときパブリックコメントを募集していたんで、ココゾとばかり意見や質問を投げかけ、俺はコウしてるぜ!って提案までした部分が大きく変わっていて、私一人じゃ無いと思うけど、東洋の端っこのファーイーストのしがないツリーワーカーの意見をちゃんと反映してくれていた!

どうもヤリ方が違うから、最初の一歩が違うとここまで苦労するかな?って部分も多く、アクティオでレンタルすれば、バカでもチョンでも借りられる高所作業車からの作業とかが厳格に規定されている。
ソリャそうだ、簡単に手に入れれば簡単に作業できるなんて考えは、世界では通用しないんだなぁ。通販でポチった道具で見よう見まねでヤル仕事を承認して発注する日本と訳が違うからな。

逆にクレーンで人を吊るとか、チェンソーのドロップスタートなんかは、日本じゃ厳しく認められてないけど、条件と状態を定格通り行えばイイっていうスタンスもある。こういうコトを守ればドロップスタートもOKなんだっていう、作業を効率良くしながらセーフティを担保するっていう方向性が素敵!
本来仕事はこうあるべきだよねっていうか、無茶苦茶な法規で作業が遅延しては本末転倒だからね、ガンジガラメにするだけして従えない法規なんて必要無いよ。

TG:2のUse of Tools in the Treeでは、知らない道具の使い方や、伐り方の紹介もあって、凄く勉強になる。今度実践してみよう!ってワクワク感が増すゼ!

そのうちTG:1から自分の技術情報としてMYTG:1を組立てて、つらっと読んだだけでも疑問が残るし、善き自分の方向として自分の仕事の行動規範を作って、皆にも読んでもらえるようにしようと思う。

2021年1月8日金曜日

俺のターミネーション問題

旧版セコイヤSRTのターミネーションに、デルタのキャプティブ付けているが、、、気が付くとこのはめ込みキャプティブが何処かに飛んで行ってしまってる。クッソーって買い直して付けても、外れてすぐ無くすんだよね。
トップクロールで登るとき、ハンドルアセンダーと併用するけど、一瞬荷重が抜ける時に横向いて、再び荷重すると変にテンションがかかり飛んじゃうんだよなぁ。
この「クロールを正しい位置に維持する為の反転防止機能」ってのが、正しく機能しないんで横向いてしまい、チェンジオーバー後に気が付くと何処かに飛んでしまう。
クイックリンクは横向いても大丈夫だけど、どうも横向くと気持ち悪い。
この「クロールを正しい位置に維持する為の反転防止機能」って意味あるのか?

もっともトップクロールと併用しようってのがいけないのかもしれないが、気持ち的にはここにアタッチメントポイントを2カ所以上作りたい。一度に荷重することはないけど、I'Dsにチェンジオーバーしたときに同じ場所で荷重して欲しいんで、複数箇所のポイントを作りたい。
ココをあれこれ考察しているが、なかなかベターなヤツが見つからない。

先日ノッチのクイッキーを取付けてみたけど、クロールの向きもロープの通りも良くって強度の充分で、気持ちよくスッキリして、コレじゃなきゃダメだくらいに思ってたんだけど、使い勝手もモノ凄くあんばい良かったんだけど、、PPEじゃなかった。
実践で数回利用したけど事故らなくって良かった。
確かにクイッキも横を向きそうになってて、あまり好ましくないなって思ってた。それに2カ所あるツメの本体側が、どうも少し本体に食い込むみたいで、気持ち悪い。

俺が買った時はメーカーのウェブ表示でもPPEって載ってたし、大丈夫と思っていたが、あるとき確認したら[NOT PPE]って赤で大きく表示されていた。
多分何か起きたんだろうけど、変えるなよ!って思っても仕方がない。
まあこういう機器で気をつけなきゃならない点で、ヨーロッパ製かアメリカ製かってコトもあるんだけど、ヨーロッパ製はCE取らなきゃ販売できないし、だからENを取って根拠が明白になるんだけど、アメリカ製は、ANSIの厳しい基準って感じだけど実はソウでもない。販売はテキトーなようで、こんなイイの出来たゼ!って売っちゃうようで、ちゃんとマニュアル読まないと自分に適合してるかどうか判らない。
ヨーロッパではCE取得していないと販売できない!って一方的に信じ込んでいたけど、CE取得していなくても販売できるのね。クイッキーはヨーロッパの販売店で買ったんですっかり信じていた自分がいけなかった。
慌てて外して、またこのターミネ-ション問題に取組まなくてはいけない。

ペツルのリングオープンなら良いだろって思ってるが、しかしコイツはどの方向でも荷重して良いけど、コイツをハーネスのフロントDに着けて、レスキュー時にスナッチして 相対方向に同時に引かれたら(懸架されてる状態で、鉛直線上に荷重が載ると)ハーネスのステッチがヤバいらしい。
リングオープンは幾つもどの方向に引かれても、リングオープン的には問題ないけど、肝心の付根のハーネスがダメっていう。

レスキュー時にスナッチしてビクティムを確保する時は、リングじゃなくてI'Dsのカラビナに確保すれば良い。
そういう条件と状態を知ってて、ここにリングオープンはOK。

そこで塩漬けになってたクーラントのオリクオープニングリングが急浮上してきた。


EN354:2010 45kN
ってランヤードの墜落防止規格だけど
PPEとしてロープの垂直活動を目的として
るんで問題ないだろう。
フランス製だからENも信じられる。
アメリカもんじゃないし、CE取ってるし
コロコロ変わるPPEの規格より、
問題無いんじゃないか?
拡大解釈だろうか?

最もハーネスのここのポイントに
他社製品を使ったら保証も何も無いけど。

機材の整合性を無視しちゃダメだよ。
お勧めできないからね。
オリクオープニングリングは、本当は別な目的で以前に手に入れたんだけど、なんと通してみるとしっくりハマる。
ぶら下がってクロールの向きをチェックしても問題ない。ロープの流れも良い。偏心カムが少し外を向くことで返って調子がいい。
違って開くリングってネーミングも良いし、ロックナットを2カ所で4Nmでトルク締めするキーロックも好ましい。
しばらくこのコンビで行って見よう!
でも機材の整合性を無視しちゃダメだよ。お勧めできないからね。

ターミネーション、悩ましいね。

メーカ-名の「クーラント」って、英語で「カレント」
意味的には電流って感じだけど「現行」って意味もある。
オリクはスェーデン語で「異なった」ってことで、
Courantの Olik Opening Ringって
「現行の異なって開くリング」って面白い。
そうして私のターミネーションは現行では異なったリングになった。



こういうのが欲しいって
考えてると、
必ず何処かの誰かが
作ってるね。
必要があるから供給もあって
必要って思うことが
プロダクトに活きる。
スゲェ!ってただ飛びついて
使っちゃうヤツも居るけどね
これで暫く様子を見よう。

そうこうしているうちにまた新たに ODIN RingってのがCourantから出てきた。A KING'S TOOLだって。特別設計されたキーロックとか、スレッドロック付きのスプリングボールシステムだって。コッチの方が目的合ってるかも?
もうヤんなっちゃう。
俺のターミネーション問題はしばらく解決しない。

2021年1月7日木曜日

ジャイロ

campのgyroを授かった。
何やら怪しい形で、色々使えるって触れ込みで、コンパクトで非常に用途の広いとか、リギングシステムとしても利用できる、3点のスイベリングアンカーで、さまざまな要素間の接続の可能性が無数にあります。っていわれても、可能性とアレも出来るコレも出来るってのは凄いことだけど、汎用性の高さによってコレっていう決め手が見つからない。

150gというコンパクトなサイズで、WLL300kgのMBS26kN、EN 795:2012やEN 354:2010やANSIのZ359.12、2点は150˚まで開き、EN1891やEN892のロープまたはEN 565のウェビングを直接接続することもできる。永続的な接続の場合はEN12275(クラスQ)として選択できる。

ちょっとどうして良いか判らなかった。

campって革新的で挑戦的なプロダクトを世に送り出してくる。ただイメージとして、鉄板で挟まれてるボールは、パァンッて外れてしまわないか実に不安をそそる。

コレってロープに直接通すことが出来るから、ブリッジに通過させれればコンパクトで良いかもしれないが、穴が思ったより小さいので通らない。
ウェビングを通してもイイって言ってるけど、ダイニーマの細いスリングしか通らない。

前にセコイヤSRTのターミネーションに取付けて、ロープトゥロープの角度をパンパンに張って使う方法を試みたが、スイベルによってかなりデバイスの操作性は良くなるけど、コレもニッチな使い方だなぁ。って思ってたけど、
あの時はクイッキーに取付けたけど、クイッキーはPPEじゃないので基本ダメ。
クイッキーをターミネーションに取付けたらダメだからね。

ブリッジにカラビナ付けて接続するなら良いけど、ストロークが長くなってしまいあんまりメリットを感じない。
前にモーションのブリッジに入れて使ってた人いたが、そもそもブリッジにジャイロ付けても、それは2ポイントにはならないね。ブリッジが1本だもん。
それならU字吊りのワークポジショニングの方が、よっぽど有効じゃないか!
そこを2点で吊っても、何の意味も無い。
逆にダブルブリッジにジャイロの2点をそれぞれ入れて、使うんならギリ2ポイントに成るな。あんまり意味ないけどね。
2ポイントのボトルネックにしてもしょうがない。
そういう使い方じゃないんだ。それならスイベル1個の方が良いもん。分かれてる必要ないもんね。荷重するポイントが2点でそれぞれにスイベル要らないもんね。
どんだけクルクル回りたいんだ。猿回し。

スイベル物って、出来る限りストロークを短くすることに意義が有ることが多い。
DMMのアクシスも1穴に2丁掛けれるメリットが有るから有効で、
RockExoticaのスイバビナシリーズだって、如何にストロークを短くして接続するかがメインテーマになっている。
実際の仕事でここにスイベル欲しいけど、ストロークが長くなったらヤリにくいっていう要望があるからプロダクトされるのに、そういう事実を無視して、ジャイロにDMMフォーカスとかネクサス付けるとかオカシイだろ!パーフェクトOが1枚の方がストロークが出ないんで有効だよ。多分仕事してない道具コレクターだな。
大体スイベルにスイベル付けるって発想がイカレてると思う。

3方向からベクトルが集中して、そこにスタビライゼーションを求める、そんなシチュエーションって、何だ?

●インパクトブロックのLの真ん中の穴的な役割?
●フォーカシングアンカーで、スタビライズを安定させる?
●メインビレイのシステムでデバイスの傾きを制御できる?

1ヶ月程悩んで、知り合いやグループに投げかけてみた。
こういう時ってSNSのクローズグループはイイね。
一般の訳の判らん奴らには伝わらない、指向性が明確なグループ。

海外で誰かがMRTシステムのヒッチクライマーのように使ってる画像が有ったらしい。 でも末端から入れなきゃならんから面倒臭い。そこでその方はランヤードにしたら固定なんで良いって思ったらしく、オッっと思ってやってみたが、まだ不十分な検証だけど結局あんまり都合良くない。スイベルが勿体ないな。

3つ穴が有るスイベルでも、3穴のヒッチクライマー程の優れた汎用性は無い。
なかなか良い答えが得られず、暫く悶々とすることにする。

面白さでいうと、こんな感じ?
インパクトブロックのLは
何がイイって、このまんまかの穴でしょ!
この穴がどんなに役に立つか。
この穴が無い小ちゃい方は
そりゃプロダクトの成功さとか
エッジ処理とか色とか
ブルブルするほど素敵だけど、
この穴が無ければ魅力半減っていうか
穴が無ければただのカッコいいブロック
まあ耐荷重性能的にも充実してるけど、
いきなり可能性が広がる一番の魅力は
「穴」だよね。

その穴的に小ちゃいヤツを動かせる
ジャイロってか。
軽い奴の自由に移動できるフローティングアンカーってか。
でもあんまり良くないかな?

2021年1月6日水曜日

ロープグリッパー

先日ある方が使っていて「これはイイ!」って思えるモノがあった。



KNUCKL ロープグリッパーデバイス

力があり余ってる方は
全く必要無いけど、
私のように力が無い貧弱な人には
すごい武器!

何をするかって?
その名の通りロープをつかむヤツ。

握力が弱い人がロープを引くとき
手の中でズルズル滑っちゃうよね。
グローブなんて履いてたらなおさら、
滑っちゃうから手に巻き付けたりする。
これがどれほど危険なコトか!
タグラインをハンドホールドで引くくらいなら問題ないが、例えばリフトで倍力装置で引く時に、グローブの中で滑っちゃうと巧くロープを引けなかったりする。
だから手に巻き付けて引いたりするけど、倍力装置なら必ず停まる箇所があるからそれほど問題ないと思っていたが、アリゾナに行った時「AZTEKを引く時に手に巻き付けては絶対にダメだからな!」って言われてしまい、肉喰ってる猛者と、握力が弱い野菜喰ってる人では全く引く効果が違うってことにイヤっちゅう程思い知らされた。

タグラインはハンドホールドで引けるぐらいの力を使うラインシステムだけど、手で引けなかったらトラッキングラインにする必要があるんだけど、力自慢だと無理矢理オリャ〜って引いちゃったりするよね。
力が無い人は、機器の整合性も無視してハンドアセンダー使って引いちゃうよね。
ハンドアセンダーでロープ引くのもダメだからね。
前に、荷重が載ったロープを無理矢理引こうとして、なんかの拍子に手から外れて、先にあるプーリーにガチッと当たってしまい、荷重載ってるからロープも外せない、頭が当たったハンドアセンダーも外せない、ってことが実際にあった。

引ける人のマネをしても引けないから手に巻き付けてロープを引いたりするけど、実際に突然のか荷重がロープに載ってしまい、ロープが急にキツく締めつけられ、手に巻かれたロープによって手の骨を粉砕骨折したっていう事例もある。
手の骨折らなくても素手なら火傷だね。

ロープは絶対に手に巻いちゃあダメ!

引けなかったら違う方法を選択すれば良いのだが、そのシステムが都合が悪ければ別なシステムにするのが当たり前って考えだと良いけど、面倒臭いからそうしないことが多い。無理矢理に力で何とかしようとすると怪我する。戦略を戦術では補えない。
手の骨折っちゃうよ。
またはツメ付き道具なら外皮喰い破っちゃうかもしれないよ。

そんな貧弱な握力ヨワヨワの私に持ってこい!ロープグリッパー!

マニュアルには、Ø8〜13mm(5/16”〜1/2”)対応とある。
プラスティックのV型のギザギザがついた単純な物。
こんなモノで、あの凄いグリップ力を手に入れられるとは!

実際に使ってみると、これはスゴい!
通常のクライミングラインも、AZTEKもめっちゃ効く。
手の中で滑らない!
滑らなさ過ぎて、シースにグリップして、コアがたるんじゃう程。
もうマストでホイッスルとレーザーポインタと双眼鏡とロープグリッパーだな。

しょうがないけどこんなプラスティックの簡単なモノが、、高くないか?
幾ら単純なモノでも、アイデアに対しての、研究開発費としてリスペクト代だからな〜。

でもこれでもうでっかい外人にバカにされないくらいのグリップ力を手に入れた。

2021年1月5日火曜日

嘘くさい理屈

外材との比較で、国産材は割高らしい。
だから国産材を使用してもらうために、コストを落としたい。
外材と対等以上に勝負するには安くして買ってもらうってことらしい?
そして間伐よりも皆伐の方がコストが安く、生産量が高くなるので相対的に単価が落ちるので、国産材を使ってもらえるようになるらしい?
全国造林生産なんちゃら協議会では、数値によるマヤカシと、一過性のコスト削減、機械化をドンドン勧めることで、雇用も創出できて日本の森を守れる?らしい。



人件費を削減して機械化し安くすれば
木は売れるようになるらしいけど、
そのために手間のかかる間伐よりも、
速くコストがかからない皆伐で
山をボウズにして、
その後造林することで森を守る!ってのは、
何処か理屈が破綻している。

キツい仕事で、他業種よりも単価が安く
儲からないので、
人間が集まらないとか言ってるけど、
だから作業条件を整え女子でも
働きやすい安全な行動規範を作ったら
人が集まるらしいとか言ってるけど、
ホントにソウか~?

作業に魅力が無くてキツいから集まらないんじゃないの?
逆に作業が楽しくて魅力が有れば、キツくても人は集まるんじゃないの?

なんか偉そうな人って、自分が森の作業に魅力を感じてないから効率的に儲けるために何処かと張り合おうとしたり、魅力を感じてないから機械化しようとするんじゃないの?そしてまた相手が値下げしたら、さらに値下げしてってダンピングの競争力を付けたって、森のためにはならないよ。
お偉いさんや何とか協会の人は、本当に森のこと考えてるのかな?
自分の懐のことしか考えて無いんじゃないの?

機械化と雇用創出は相対することだと思うけど、一方では人員削減のため機械化し、人間がいないと出来ない手間のかかる作業員の福利厚生を充実させインフラを整えることで人間は集まる!と思えない。実作業の魅力も知らない人間が空想する絵空事だと思う。
国が行ってるような、ハコを作ればヒトが集まるなんてバカな役人が考えそうなことだ。現場の作業を知らない人間の机上の空論だから、ヒトは集まらないんじゃないの?
それはあんたが金儲けのことしか考えてないからじゃないの?

山を守るんじゃなく、自分が儲かるために使いっ走りの作業員に幻想を抱かせて良い仕事だって言ってるだけじゃないの。
自然にやさしいとか、地球のためにとかいう薄っぺらい一過性の流行の情動で、作業員を騙してるだけじゃないの?

幾ら作業じゃない所を整えても、現場が汚く辛くてキツい作業だから、森に入って感じる余裕を持てないから、魅力が無いんじゃないの?
雇用主とか役人が森に入って感じる余裕を持って無いからじゃないの?

虫がキライって言ってる親に育てられた子供は、殆どが自分もキライって思ってしまう。一方で自然が素敵とか環境教育に良いってことで、山に入って自然を感じて素敵な人間になって欲しいなんて思っても、自分がキライなら子供にだって伝わらないよ。
汚いならキレイにすれば良いって、環境を人間の都合でいじって、汚くないから山に行きましょう!ってズルいことでしょ。
自然は虫がいっぱい居るよ。汚い部分が沢山あるんだよ。
人間が自分の都合でキレイに都市化しちゃったら、それは人間のイメージの中の人工的な自然の様なものであって、もはや自然ではないよ。
虫だって自然なんだよ。
自分のキライな虫を排除してから、素敵な自然でしょ!って言ったって響かない。
辛くて寒くて痛くて汚い自然の中から魅力を見つけると、
辛くて寒くて痛くて汚い自然が素敵に思えるよ。辛くて寒くて痛くて汚いことなんか気にならないくらいの魅力を感じるよ。
山作業は汚く辛くてキツいって思ってる役人が、環境を人工的に整えることで、ほら素敵な仕事ですよって言ったって、何も伝わらない。
どうやって事実を知らない人間を騙そうかって考えたことじゃないの?

確かにその魅力を伝えるのは難しいコトだと思うけど、まず自分がその魅力に気づいて、素敵なんだなぁって思うのが前提じゃないの?
魅力を感じてないホワイトカラーが、素敵だと思ってないから、考えてないから、結局は自分のソロバンのことしか考えてないから、伝わらないんじゃないの?
そんな一過性の、一世代の儲けのことしか見てないから、ナンダカンダ機械化して、自分で働くのはイヤだから若いヤツを騙して「ほら素敵だよ!」ってウソついて自分の懐を潤そうとしてるだけでしょ。
もう賢明な人には、これまでの経緯とか国が行う事業とか、経験から絶えず学んでいる人には、見透かされてると思うよ。

甘く快適な幻想だけじゃ、現実とのギャップを感じた人は、直ぐ辞めるよ。
俺のために働け!って思ってる人が、次々に若い人材を供給するシステムを作ろうと、そういう現実離れした夢の幻想のイメージだけを植え付けてるんじゃないの?

木だって成長するのに50年100年かかるのは当たり前だよ。
2年3年で使い物にしようとするのがオカシイんだよ。
眼先の欲で森は作れないよ。
環境にやさしいって年一回植林活動をやって、翌年同じ場所を皆伐してまた繰り返す環境活動と同じだ。企業がイメージとして環境活動しているって事実が欲しいだけでは、森は作れないよ。林業は女子でも出来るってイメージを植え付けて、利用されてるだけの女子もそろそろ自分に気づかないと。森は楽しくて魅力的だって思ってるなら良いけど、イメージ利用されてるって事実を承知して強かに行動する女子も居るけどね。

2021年1月4日月曜日

自分の作業負荷制限

最近機器にはMBSと共にWLLが表示されてることがある。
モノによってはWLLしか無かったりする。
まあこれをベースに作業計画や機器の適合性を組立てるので、
自分の作業に適切か?を考えないとイケナイ。強度不足は論外だよ。
ある講習で使ってたとか、流行ってるからとか、誰かが使ってるって理由で、自分の作業に当てはめるのは危険だよ。


作業負荷制限を何に持ってくるかに依って
そのタスクの機器選択に繋がるし、
あるタスクを遂行するために
必要な作業負荷制限を換える場合もある。

ただ単にWLL値が高いモノ選びは、
逆に必要以上の強度になり、
オーバースペックで重くなり作業が滞る。

自分が行うタスクに合わせないで
いつも使ってるからっていう理由で
機器を使うと、操作性も良くないし、
作業が増えるし、遅くなるし、
危険が増すよ。
16mmのリギングロープは、重いしカサ張るし、その強度が必要な時だけにしないと、要らない力を使うことになり、疲れるよ。

先日あるグループで「みんな自分の作業負荷制限はどのくらいでやってる?」っていう質問があり、世界中の作業者が、自分たちはエリアで制限されてるとか、ウチの会社は〇〇だよとか、国の基準は〇〇だけど会社では〇〇で、チームでは最低〇〇でも自分では〇〇で行ってるとか、会社で行うタスクごとに分けて考えてるなど様々な回答があった。

国家の基準と会社の基準とチームの基準と個人の基準が全部別々で考えてる人もいる。

更にタスクごとに分けている会社っていうのは、スタティックリギングでリフトでSF5、ロードトランスファーでチップならSF10、バットヒッチならSF25、30cmを超えて下がるダイナミックならx3で考えてるらしい。 30cmを超えて下がるダイナミックって、殆どそのくらい下がるって考えられるんじゃないか?そしたら全て3倍にするって、最悪のシナリオでトップカットなら75倍の安全率を適用するってこと。

ロープ強度がMBS35kNのシリウス12mmでも、ハーフ+ランブーで21kNになる。するってぇと対象が30cm以上落ちるバットヒッチのトッピングなら安全率を75:1にするなら0.28kN以下の落下エネルギーに抑える。ってぇことは対象を約28kg以下に抑えなきゃならない。って会社のレギュレーションとして考えてるらしい。 会社としての作業負荷制限が、約28kgって、トッピングカットはそれほど大きなエネルギーを生む最悪のシナリオだってことだ。

恐らくこのくらいの対象しか扱わないってことは、ポータラップの操作も多くて0.75巻きくらいでないとロープが流れないんで、余計難しくなるんじゃないか?って聞いたところ「会社のレギュレーションだから、個人の作業負荷制限としては50:1で考えてる。」という応えが返ってきた。

公式にMBSとかWLLとか出てるけど、最小破壊強度(MBS)を安全率(SF)で割った数値Safety Working Limit (SWL) を自分でチームで会社で独自に設定している。
自分でSWLを決めるっていう。

そう国家の基準も会社の基準もあるけど、最終的には経験値を加味して個人の基準を活かしてるってことらしい。ダイナミックバットヒッチならx2で考えてるってことらしい。
対象を短く軽くして回数が増えると作業が増えてしまうんで、実用範囲として約42kgという安全率を考えて時間を半分程度にしている。
もちろんフォールファクター2で落下距離が30cm程度ならだけど、個人的にチームや自分の組み立てが出来ている!インディビディアリストな世界。


ある疑問があり、
このハーフ+ランブーなら
21kNという数値は
何が根拠なのと聞くと、

ロープを買ったとき
こういうシールが張ってて
作業仕様によっての
MBSが表示されてるらしい。
そんなの常識でしょって言わんばかりに画像だけ見せてくれた。
詳しく訊いてはいないけど、メーカーや販売店ではこの根拠をいちいち提示し始めてるらしい。メーカーとしても製品のMBSだけでは、作業負荷をギリギリで考える奴がいるんで苦慮した上の表示なんだろう。
まったく同じ製品でも「これまで良し」と考えてたことが、時間経過によって改変が有るってことだろう。だからロープを新しくしたら毎回マニュアルをチェックしないと、辻褄が合わなくなる。

新製品に飛びつくだけじゃなく、情報は絶えず新しく変わる可能性がある。
以前のマニュアルの紙は変わらないけど、その情報の中身は変化する。

メーカーは絶えず研究開発やそのデータを蓄積してるんだろう。
そしてその情報をユーザーに提示している。
メーカーが情報を変えるってことは、何かのトラブルがあったってことだろうからね。
最近ENだってナンバーの後に2016とか年号が入っている。

そして機器に表示されているMBSやWLLには、マニュアル提示の条件や状態がある。角度やシステムの制限がある。ハーフ+ランブーなら表示のWLLより低下した作業負荷宣言があり、それに合わせた自分の作業負荷制限を自分で設定しないとね。

モノが売れれば後はどうなっても知らんぜっていう販売店が、過去の情報を元に組立てただけで最新の講習とか、これこそ正しいやり方なんてやってるけど、ツリーワーク自体がまだまだ過渡期なんで、それはある時の情報を元にしてるってことを個人で知ってないと、新しい機器には適合しないかもしれない。
YouTubeで眺めた方法なんて、条件も状態も全く判らんからね。
やり方だけ学んで、1つのメソッドしか知らないのはとても危険だよ。


スパーあるあるなんだけど、モノを買って嬉しくて、これ見よがしにスパーを逆の脚に着けた写真を投稿してる奴がいるけど、外側にギャフが有ってどうやってソレで登るんだ!って、登り方も知らんでとりあえず買うっていうヤカラはどうにもならんね。
道具はタスクの必要性があって、出来る作業を効率良く仕上げるために機器を手に入れるものだからね。カッコ悪い。それじゃあトレーニングすら出来ないけどね。

スパーとかトッピングカットは、過去には出来ないことが出来るようになった凄げぇ技術だけど、それは全体の1%有るか無いかのニッチで危険な方法だから、最悪のシナリオだから、逆に今は出来る限り使わない方法になってるから。
作業全体の1%以下のトッピングカットの為に、スパーなんて高い道具を買ってペイするには、そうとう数をこなさなきゃならんよ。そのうち機器の破棄基準になっちゃうよ。
国民の税金で、年度末で予算が余ったからとりあえず買うって道具じゃないからね。
そう言うおかしな奴らのおかしな情報に流されないでね。

それより汎用性の高い繊維製品を、絶えず新しくアップデートしてカタログ表記の強度基準に近づけた方が自分の身のためだ。個人が考える自分の作業負荷制限になると思うよ。

2021年1月1日金曜日

戦略と戦術

戦略の失敗を戦術で補うことは出来ない。カールフォンクラウゼヴィッツの「戦争論」だけど、どうしたら紛争を防止できるか?とか、より良い解決に繫げるためにっていう、人間が起した問題を人が解決するための科学で、強い軍人を育成するより、戦争を発生させる根本を探ってそれを防止することの重要性を説いている。
難しいしドイツ語はさっぱり判んないけど、最近は平易な日本語訳が有るから、本意ではないかもしれないが、そう読み解けた。だからどう戦うかではなくどう抑止するかって言う、戦争防止論だ。軍人が言ってる防止って説得力が有る。
事故を起こす人の事後の安全対策とは全然違う。
起きないようにすることが、一番の事故防止だからね。

人間は自然現象を自分勝手な戦術で押さえつけようとしている。
君主に一途な兵を叩きのめして才能や身体能力を磨き上げ、誰かに打ち勝つ強靭な戦士を作る。ってことより、本質を理解し人間社会とか政治的背景とは別に、どうしたら戦争が起きないかを考えるコトが最も重要なんだよって読める。

長期的なビジョンで全体を把握して良好な結果を生むのが戦略で、
どうやったら勝てるかを考えるのが戦術。
戦略はロジックで、戦術がメソッドだと思う。
方法を知っても根本の解決には繋がらない。 方法だけに頼ると、本質が疎かになって、ヤルことが目的になてしまう。

戦術ばかり考えていたら、そのうちより強力なって核戦争になっちゃうけど、核を抑止力として使うのが戦略。
戦略的な戦争がイイっていてる訳じゃなく、破滅的な戦術の前に、良好な結果を生むことが目的なら戦略を考えないと未来は無いと思った方が良い。

私は人間社会の戦術を、自然に当てはめようとすることが嫌いだ。
コロナに打ち勝つのは勝手だが「必ず夜は明ける」みたいなスローガンは、まさに夜が明けるのは自然だけど、正体不明の相手に打ち勝つのことを戦術で何とかしようとしている社会や人間の浅はかさに感じる。
その「必ず夜は明ける」とかテキトーなこと言って、自然と社会の違いを有耶無耶にして希望を撒き散らして群衆を洗脳する社会の戦略かもしれないが。

相手が自然のツリーワークは、自然を制圧するんじゃなく、自然に従って折り合いをつけてイイアンバイにするための戦略が最も重要で、その戦略も自然現象や重力に逆らわないように利用させてもらうことで、戦術を組み立てる。

まず戦術でどんな道具を使うかを第一に決めて、それに合わせてテキトーに戦略を選べば、一生懸命頑張って持てる力の120%で作業して、体力を使い疲れて、必ずしっぺ返しに遭う。地球に怒られる。
ほとんどがPPEだとしても、1コだけPPEじゃなかったら、すべて×だから。
適切じゃない一箇所が全ての崩壊に繋がる。自然はダメな1カ所を見事に突いてくる。

何の道具を使うかは戦略が決まった後の作業で、その道具も整合性を鑑みてから決める。 最初の計画や適切な戦略の上で、ウイークポイントがどこに有るかを知ってから、戦術の適合性を確かめてタスクに挑む。
ウィークポイントを知っていれば、そこをどうカバーするかの戦術修正が出来る。

以前にランヤードが切れたことで、ぶら下がったビクティムに成らないで済んだ。
でも落ちたって人がいた。
ぶら下がっちゃったらどうしようもなく、レスキュー出来るチームじゃなかったから、死亡に繋がったかもね。それはランヤードの整合性が無かったから切れたんだろうけど、まさに偶然の不幸中の幸い。落ちたんだから幸いじゃないでけどね。
これから気をつけるとかそういうコトじゃなく、環境や機材以外の組織的要因だけどね。 そうなったら今まで使っていた機材全てを見直す必要があるし、その判断が出来る勉強するとか、一旦全て破棄するとかじゃないとね。
たまたま偶然失敗したみたいなこと言って続けてるけど、組織的にリスクを招いている、歓迎してるけどね。本当に話にならない。
そういう所が戦略もろくに知らずに戦術にだけ凝って失敗するんだけどね。


まさにYouTubeなんかは、
派手で凄い戦術のみで、
それを見て自分に当てはめるっていう
情けなく怖い状態だね。
最も戦略を説明したって、
動画にしたら面白くないからね。
面倒臭いしね。
自然現象を知って、
モノがどういう動きをするかを知って、
ザックリとした力学を知った上で
戦略を組み立てないと、
予想すら立てられないよね。
だから商品にはマニュアルが付いている。
そのマニュアルで自分の戦術の整合性を
合わせないとダメだね。
チームで話し合わないとダメだね。
まさに「戦略の失敗を戦術で補うことは出来ない。」だよ。
現場調査や下見なしに適切な見積りなんて出来ないよ。それは自分の戦術を当てはめてるだけだから、戦略ではない。
戦略の勉強をして、自然を見て、機材や環境の要因を鑑みて、タスクに向いてる人選をして、それならこの戦術を選ぼうって言うのが正当な戦略。

特伐チームが、戦略(計画)も知らずに、持ってる戦術(道具)のみで戦おうとしたら、次々に死人が出て、死んだら次の要員を補充して、同じ間違いを繰り返していたら、そんなモン戦術もへったくれもない。機材も環境も人選も関係ない。
1チームで動かすなら、チームで様々の戦略の検討をしないと。検討出来ないのはチームが学んでないからでしょ。ちゃんと学べば1チームで様々な戦略に対応できるよ。
正しく見積もるためには戦略を知ってないと、知ってる人じゃないと安く見積もって突撃させて、死んだら次の要員を補充してってのは、その要員にはなりたくないね。
勝てる戦いも勝てないよ。
その失敗戦略は、機器や人的の要因のミスを招いた組織要因で、そんな要因の要員にはなりたくない。だから現場の人が独自に勉強しないと。

頭の良さって大学出てるとかの評価じゃなく、出身校でしか評価できないヤカラに、名刺の肩書きでしか評価できない人には、自然相手の仕事は出来ないよ。
18歳のほんの一瞬に学校社会の良い点数を取れたってダメ。18歳過ぎても今でも学ぼうっていう姿勢があるかってこと。絶えず学んでるかってこと。
現場の人は学び続けないと、学校の勉強じゃなく、点数じゃなく、人として自然を知るって言う学びを続けてないと、良い大学を出た雇用主にパシリやらされて殺されるよ。
殺されないように、逃げれるように、自分で学ばないと。
ザックリとした物理ね。ベクター・フォース・グラビティね。

自分に好意的に都合良く、多分コウなるだろうってのは戦略じゃないからね。
コウなるだろうじゃなく、コウなって欲しいだからね。
自然を無視して制圧しようとしてる、人間の都合だけの社会で見積もって、自然に当てはめようとしてるだけだから、そんなの自然相手の仕事じゃないよ。だから問題をすり替えて「必ず夜は明ける」とか言っちゃうんだろうね。
夜が明けるのは自然現象だから。自然に打ち勝てると思ってる前提がオカシイんだよ。