2020年6月30日火曜日

アイ ターミネーション


先日トイフェルベルガーで新しく、
スプライフってのが発表され、
徐々にスライスは無くするようです。

そのトレーナーになれば
販売することもできるんだけど、
逆に販売が前提の場合だけの
トレーナーだったので、
自分で作ってイイのか?って
ことが気になってたんだが、
でもウェブサイトには、
スプライフのメソッドが出ていて、
誰でもやっていいゼってコトなのか?
判らなかった。
判らなかったんで、トイフェルベルガーにメールで直接問い合わせてみた。

そしたら、あんたがスプライフのトレーナーになるためには、
販売会社と契約する必要がある。ってことで、
その後、そうじゃなくて、ウェブサイトにもやり方が出てるけど、
アレで作ってもイイのか?って聞いたところ、
作るのは勝手にやれば良い。使うのも勝手で、でもAYORでね。
でも絶対に作ったモノを販売するのはダメだぜ!って返信が帰ってきた。
使い所やそのレギュレーションを理解して、使うのはあなたの自由だ。ってこと。

日本人ならではの悪いクセかなぁ。
動画になっちゃって配信されてるものは、何か正解とか正しいモノって思っちゃう。
でもそうじゃないのね。

トイフェルベルガーでも「なんだコイツ?」って感じ醸し出してたのは、
そんなこと自分で考えろよ!ってことなのだと思う。
自分に根拠を持っていればイイことで、
作るのも、使うのも、自分で決めることだ!ってな感じ。

そうだよなぁ。オレがトイフェルベルガーに聞いたコトは、
大丈夫なんですよね?って根拠をトイフェルベルガーに預けようとしていたってコト。
自分じゃテストも検証も何ひとつ根拠が無いから、
誰かに根拠を授けようとしていた。

これじゃ、〇〇さんはコウ言っていたってのと同じだもんな。
イカンな。

前に、出来上がったアイスプライス見せに来た人が居て
「コレで良いですか?」って聞いてきた人と同じじゃん!
そんな出来上がって体裁が整ってるもの見たって判らないよ。

まあ、アイスプライスは、元々アットユアオウンリスクなんで、
どうってことないんだが、何か今まで22kNの呪縛があり、
アイ加工は自己責任なんでビビリながら使ってたけど、、、

NFPAでも、製造メーカーによる末端アイ加工は、
85%以上の破断強度を有することが条件だから18.7kNで、
以前はアイスプライスは、強度低下を起さず、ロープ強度を100%使えるって思ってたけど、メーカーじゃないから、ノットに習って自分ではザックリ半分11kNって考えてる。
でもスプライフの認証を受けたスプライサーが作れば15kNってのは、、、

トレーナーじゃ無いから、自作は公称15kNの強度は期待できない。
オーバースペックめに考えて、15kNの半分の強度があると仮定すると
自分で作っても7.5kN以上は有るかな?
MFA6kNはクリアしてるだろう。
使い所として、フォールプレビジョンのワークポジショニングランヤードとかは、
自分ではOKだと思ってる。

ココで注意すべきは、私の「仮定」だからね。
自分に根拠を置いて多分これくらいって考えた仮定だからね。
その仮定は他の人には通用しないよ。
自分で仮定しないとダメよ。

あくまで私個人としての根拠をここに持ち
その危険性も承知して、使うんだからね。
簡単に考えてマネしないでよ。

これが良い!とか、これがラクだ!っていうコトじゃありませんよ。
私は、「そこにリスクが存在して、ソレを制御下に置く」から大丈夫。
その根拠を意識せず、これイイね!ってマネするのはアウトだからね。
根拠を自分におかず、〇〇さんはこれでイイって言ってた。じゃ
ダメだからね。
自分のリスクは自分でマネジメントして、危険を理解して、
それを承知で使ってるからね。

使用する度に、幾つかのチェックポイントを毎回検査するからね。

そのチェックに引っ掛かった時点で、その機器は使用しないからね。
ギアバッグに入れっぱなしで、何〜んにも考えず
ドロドロになっても使ってるんじゃ、全然お話しにならないからね。
気をつけてよ。

ロープ径の基準は...

when it is new, rope with a termination has an MBS of 15kN and rope without a termination has an MBS of 22kN.
「新品のロープでターミネーションがある場合のMBSは15kNで、ターミネーションの無い場合のMBSは22kNである」

トイフェルベルガーのスライス。コイツはダイニーマが内蔵していて、スムーズなアイなんで色んなデバイスに通しやすい。
いろいろ都合が良かったのに、無くなっちゃうんだなぁ。

しかしアイの強度が公称15kNって、どうして?って思っていたけど、色々調べてる中でMAFが6kN以上で、何らかの障害が起きる可能性があるので、
ロープが切れて落っこちる前に、ガツンとショックで脊髄損傷になる可能性の方が大きい。だからPPEでは、MAFを6kN以内に抑える必要がある。

例えばフォールアレスターとアブソーバで、衝撃を緩和して落下を食い止める必要がある。なら、ロープは22kNという恐らく一般的な不文律があるけど、それより弱くてもイイんじゃね?ってことなのか?
MAFが6kNってのも、色々調べて判ったけど、それを敢えて2倍にするとか?2.5倍にするとか?3倍にするとか?で、規格が変わってくる恐れもある。

EN 795の迷宮に迷い込んで、抜け出せなくなったコトがあるけど(未だに判然として無いが..)アンカーの規格って、12/15/18kN色々あるでしょ?
もうこれは、自分で考えてね!心細かったらシェアードアンカーにしてね!ってことだろうと今は認識している。

今いちスキッとした応えを知っている人が居たら教えてください。

新品ロープは22kNで、アイ加工(製造業者または検証済みの性能基準に対する同意を得てのみ)のターミネーションは15kNで良いのだ。

rope used for primary or backup systems has a diameter which is compatible with any of its neighbouring components 使う時に他のコンポーネントと互換性を考えてね。ってだけ。


そこで、
気になっちゃうのがロープ径。
径の規定が見当たらない。
前回のドラフトまでは、
10mm以上って規定だったし、
CIやNFPAでも1/2inch
(場合により7/16までイイよ)
だし、
だいたい、インチとミリの
換算もオボロゲなんで、、、
10mmって3/8inより
細いの?太いの?
8mmって5/16inより
細いの?太いの?って
良く判んなくなる。
最近は、高強度のアラミド系ロープとか登場してきて、細っくても、十分な強度が合ったりする。時代的により軽くより強くが、細くなっていくのは判るけど、アラミド系はその弱点もある。一概に細くても大丈夫!という訳にはいかないが、

SterlingのRIT8mmとかは、MBS24.1kNもあるぜ。

今後NFPAのT-useなら、8mmでライフセーフティロープとか出てくるのかな?
そして、小数点以下は最も近い0.5mm(1/64in)単位で丸めて?良い。the calculated diameter of all new life safety rope shall be rounded to the nearest 0.5 mm (1/64in.).
けど、この計測の時点で、0.5mmなんか直に変わっちゃいそうだけど、
比率的に、12mmが0.5変わるのと、8mmが0.5変わるのでは、結構な違いだと思う。

ちと関係有りそうで、無さそげな話になったけど、
最新のツリーケアの行動規範で、ロープ径の規定が無いのは、どうかな?
まあそれ以外にも、AFAGやINDGやRR668なんかもあるけど、

色んな解釈ができるっていうタイプの文言じゃなく、前回まであった径の規定が無くなってるってのは、どうも納得いかない。

だがしかし、下降器は自動ロック機能とフェイルセーフ機能が組み込まれているモノなので、そうすると、もう殆ど、実際にそういった機能を内蔵しているディセンディングデバイスで存在するモノってことになれば、10mm以上しかない。って解釈でイイのかな?

だから、オーシャン10mmとかでもイイって解釈だけど…

それでマッドロックのセーフガード使いだしてるけどね。

各自が自分の根拠で考えてねってことで、全て解決しちゃうんだけど、
何かいろんなコトを考えてると頭がゴチャゴチャになってくる。
少し時間を空けないと、整理できないな。
こういうのが楽しんだけどね。

2020年6月29日月曜日

リスクマネジメント

本当の意味でのセーフティは、危険を知って、それに対処できる最善策を用意していて、それに直ぐ移行できるコトだ。
だからリスク評価は、リスクの正体を知りながら、そのリスクを制御下に置くことで、危険を承知して自分がコントロールできるようにして準備する事が、
リスクマネジメントだと思う。管理は、禁止事項の決定っていう短絡じゃなく、


マネジメント=管理は、

リスクの評価

合理的に実行可能な限りリスクを避ける

その量と質の分析

ソレに対応する手立ての検討(PDCA)

結果を受けたコード・オブ・プラクティス

でも相手が自然なら、
実際何が起きるか判らないという事を
承知していなければならない。
おおよそのリスクマネージャーって言うか管理者は、リスクを取り除く事を目指している。その考えは間違っては居ないが、それは管理できる人間社会のシステムや傘下の従業員のことだけで「そのやり方を正しく訂正しろ」とか「言う通りにヤレ!」とか。
そんなん、リスクマネジメントでも、コンプライアンスでも無い。動き難いようにでっかい鉄球を足に着けた、ただの足かせですよ。
管理者は面倒臭いから、間違ったやり方や間違った道具の使い方を排除できれば、全て安全を管理できると思っている人が多いと思う。

だから、河川敷には進入禁止!とか、ココは立入禁止!になるんだと思う。
どういう種類の危険が有るか?なんてどうでも良く、兎に角ソコに人間が近づかなければ事故は起こらないのだから、近づかないようにする。
ソレは単なる自分や組織の保身で、事故った場合、我々はちゃんとやっているが、勝手に入り込んだから事故が起きたんだって言い訳できる。
とりあえず「ダメ」って言っておけばイイ。

今の法令もアッポーな会社のリスクマネジメントも、ダメを先に決める。
決める方も現場の状況を知らなかったり、
単なる甘い見積もりだったり、
従業員の失敗はソイツのセイだろってことで、
管理はちゃんとやってるっていう姿勢だけ整える。

ダッセー

現場に則してないから、そんなマネジメントだと仕事が廻らない。
現場では、レストレインしてたら、作業が出来ねーよ!って
外したり、落ちるとこまでランヤードを延ばしたり、
作業を複雑にして、リスクを増やしてるとしか思えない。

樹上じゃない作業現場でも、立派なフルハーネスを履いて、短いMGOをこれ見よがしに着けて、な〜んにも使わないっていう人間を多く見るね。
行政や発注者に向けたポーズだね。 ラジオ体操した後脱ぐみたいなポーズだけなら良いけど、それで仕事が上手く廻らなかったり、余計にリスクが増えるなら、本末転倒。管理者はソレを求めても、結局ケガする状態で仕事をするんだから、ソレはもうアウトだね。
ロープ高所作業特別教育でも、ソレを装備しろ!ってことばかり強調するのは、管理者側の都合だけだよ。
だいたい何に使うか判ってない人多いだろうね。ただ重いだけだよ。

だいたいフルハーネスって何よ?
じゃぁハーフハーネスとかクォーターハーネスが有るのか?
フルボディハーネスだよ。
ソコを略して一般化させるのは、リスクマネジメントとして問題だよ。

新型コロナウィルスだってそうよ。
コロナは強かに変移して毎年のように登場するのに
新型って、来年以降また新型が出てきたら、どうするんだ?
最新型とか新々型とか元祖コロナウィルスとかになるんか?
他国では、ちゃんとコビッド-19って言ってるよね。
先を見据えてリスクマネジメントしてるよ。

マスクだって、感染拡大防止が
感染予防のように扱われてないか?
リスクマネジメントはポーズでも体裁を整えるでも無い。
個人のリスクは、個人が構築しないと、
リスクマネジメントに成らないよ。

樹上向う人たちもでも、オレのフルボディ化したセコイヤ見て、やっぱフルの方がイイんすかね?なんて聞かれる事もあるけど、使わないなら要らねぇよ。
どっちの方がイイとかじゃなく、使いたいから使う目的が有るからフルボディなんだよ。
どんなデバイスを使うとかは関係が無い。
どっちが危険なんて考えちゃうような考え方が危険なんだよ。
一元的な全体主義やステレオタイプでは、個人の危険は防げないと思うよ。
個人のリスクはあくまで個人の問題なので、ソレをどう捕らえるか?だと思うよ。

唯一認められた団体(誰に?)だからとか、他はやましいから気をつけろとか、言ってるヤツがよっぽど怖いけどね。そういう人と話すと、今はそんなんじゃ無いとか、立派にやってますよ。なんて聞いちゃうと、どれだけマインドコントロールされてるんだって思っちゃう。私は誰かに認められるより、自分で自分を認めますよ。

アイツの言ってる事は信用しない方が良い。
って言ってるヤツの事を信用しない方が良いよ。
って言ってる私も信用しない方が良いですよ。独り言ですから。

だから、ワーカーは自分の身を、自分で守る必要があるよ。
そういう知識を講習で伝えてるよ。

独り親方は、そういう規定をユルく考えてるね。
自分の都合の良いようにネジ曲げてるね。
ソレで出来るんなら良いけど、皆が皆できることじゃない。
独り親方は、失敗したら、オシマイだよ。
取り返しのつかない怪我したら、次は無いよ。

だからより厳しくリスクマネジメントするべきだ。
もしくは、チームを作った方が良いよ。

スイスチーズモデルってのが有るけど、
違う穴のチーズを重ねた方が、絶対にリスクは減るんだよ。
その為のネットワークを作っておいた方が良いよ。

良い仕事をした後に、ヤッター!って共感できるヒトが居ると励みにもなるよ。

2020年6月26日金曜日

技術には正解があるけど、作業には正解は無い

日本は過去に素晴らしい知識も技術もありましたが、親方が後身を育てる前に死んじゃって技術が在ったことだけが残る。そして無理矢理にでも見よう見マネしようとする。
一旦ダメになったのにもかかわらず、他の国から技術や道具など自分に都合の良い部分だけを取り入れ、知識が疎かなんで、相変わらず危ないんだと思います。過去に自滅した同じ轍を踏んでいます。
もちろんそんなコト考えなくても出来る天才は居ますけどね。
その天才の真似をしても誰でも出来ることじゃないですよ。

最近では、そのリスク評価にちゃんと取組んでくれる企業のチームがあり、短く軽い対象からセオリーを学んで、徐々にサイズアップして、計画/見積もりを正確にこなします。ハシゴや高所作業車で出来る作業もロープを使って学んでます。
そのチームは、地上で知識を貯めることが樹上で活かせることを知っています。



どこに降ろすか?→
ソコに動かすためにどう伐るか?→
エスケイプゾーンはあるか?→
そのためにどのシステムを使うか?→
そのシステムにはどういう
セッティングが必要か?→
そのセットのためにどこで結ぶか?→

っていう組み立てを、
チームで話し合って修正を加えながら
検討します。

だからまず共通認識を持とう!って、
チームで一生懸命プラクティスを繰り返す。

作業の現場でも、しっかり後進を育てる為にたっぷり時間をかけて、プラクティスさせる。 巧く出来てるヒトを見せて、こうやればイイんだよ!とかじゃなく、
軽く短い対象を使って、まずは自分の考え通りやらせる。
しっかりと計画させ、見積もって、段取らせる。
どんなショボイ計画でも、危険が無ければ、やらせる。
思いっきり時間をかけさせ、結びやポジションが巧くいかないことを身を以って体験させ、軽く失敗させ、そして降ろす。
ヘロヘロになって、チキショーって思わせ、ゼイゼイ言わして水を飲ませてる間に、
サササって登って、スルスルと移動して、鼻歌まじりに結んで、修正伐りして、
オペレーションを素早く終了させる。
そして自分も降りてきて、どうよ?って言う。

そうすると、地上での結びの練習とか、ポジショニングとか、システムの選択とか、
登って伐る事より、地面に立ってシステマチックに考える事の重要性に気がつく。

次回に、この後進に、似たような事をやらせ、考える事やプラクティスをチェックする。

変わっていれば、どんどん違ったオペレーションに参加させるし、
変わらなかったら、出来るまで基礎を叩き込む。
そうやって、後進を育ててる。

それを繰り返していると、、、段々ワーカーとして成長してくるよ。
今後のデカいオペレーションの為に、外注先のワーカーも呼んで、同じようにプラクティスする。自社の優位性を着々と積み上げて行くよ。
私もそういう成長したワーカーチームを見ると、自分が伝えてきた事が間違ってないと確信するよ。
良いチームが出来上がるよ。

目の前の仕事を如何に早く終わらせ儲かるようにしか考えない、自転車操業しているトコは、いつまで経っても自転車だし、自分でたまたま巧くいった方法で無理矢理サイズアップさせるから、結局立ち行かなくなって、事故るか仕事取られるよ。残念!

2020年6月25日木曜日

小器用な…


フリクションヒッチなんて知らなくても
高所樹上作業は出来ると思う。
道具や技術なんて後からどうにでもなる。
ヒッチコードの結びやドレスなんて
覚え無くても、イケるよ。

SRTだけでも作業が出来るんなら
ソレで良いヨ
ただし、ハードマティリアルは、
動かなくなったらオシマイだから、
ソレネリの知識が必要だけどね。

でも多分そういった作業ができるのは、
根拠がYouTubeにある人間や
自分勝手に解釈した道具だけで、
自分に根拠を持っていないからじゃない?
ステーショナリーでも幾らでもセーフティに行える現状もある。
ソレは間違いない。

ただし、事故を起こさず、作業が早い、儲かるツリーワーカーは、
ALARPによって、合理的に実行可能な限りリスクを避け、
リスクの量と質を分析して、計画して→やってみて→検証してを繰り返し、蓄えた知識の中で、最も整合性のあるセーフティな方法で、登って作業してると思います。
そのために、いろんなファクターを予測して、いろんな種類の結びも覚えて、考えるのをヤメず、絶えず工夫してると思います。

そんな事やっる時間ないし儲からない!って人間は、できることだけを現場に合わせて無理矢理やるので、結局は自分を安く見積もってるだけだと思います。

私は経験上SRTだけじゃセーフティに出来ないので、産業用ロープアクセスやテクニカルロープレスキューなどいろんな方法を模索して自分なりに検討しています。

日本と同じ頃にツリーワークのセオリーが輸入されたニュージーランドや台湾では、最初からリスク評価の知識が存在します。
だからどんどん進化し続け、知識も技術も発展します。
マットーな人は、
優れた良い「考え」があれば直ぐ採用します。
アッポーな人は、
良さそうな「道具」があれば直ぐ採用します。

旧態依然とした、思考をヤメてしまったヤツらは、道具だけに頼るよ。
たとえそれば今までの作業やシステムと整合性が無くたって、
オレ様のヤリ方に、道具だけ持ち込むよ。

そして多くの特殊伐採業者はみんな小器用で、知識を貯える前に、技術的に出来ちゃうから、それで良いと考えるようでだね。面倒な知識よりも、たまたま巧くいった方法でイイじゃねーか!って考えます。

一方私は、ある講習を受けて、不器用で技術的にはダメダメで、心底イージだった考えと愚かさを理解して、どうしてダメなんだろうと考えていくうちに知識が身に付きました。そうして技術的に出来ないことでも知識でカバーできることもあると知りました。物理的に無理なら、それが出来る人を呼んできて一緒に作業します。
特殊伐採じゃないツリーケアの世界は、ソレができると思います。
基礎に共通性を持たせれば、皆で検討し、オペレーションできると思います。

「登り方」なんてそのヒトに合った方法なら何でも良い。

だいたい樹上に最初にアプローチする時間なんて、私の経験上1分〜5分とか程度です。
登った後に、重力と力と方向を考えて、効率良く作業を行うために良いポジションを取ることの方が重要ですね。
登るために最新のデバイスで、5分を1分に縮めたって、良いポジションを取る知識が無ければ、結ぶにも、セッティングにも、カッティングにも、時間がかかってしまう。
縮めた4分なんて、あっという間です。

樹上でおっかなびっくり幹にしがみついて、ランヤードをいっぱいセットしガチガチに固めて動こうとしても動けない。対象にアプローチできない。
ランヤードをちょっとづつ動かして、枝の上に立って、そろそろ動くと遅いし、ポジションが無茶だから、安定しない足場で、手を思いっきりの延ばして、無理な姿勢で結びに行っても、時間がかかるし、いい加減な結びになる。
吊る場合は、重力・力・方向を考えずに、手が届いた所でセットするから、動きも読めないし、これも無理な姿勢で結ぶから時間がかかるし、いい加減な結びになる。

そこでモチャモチャやってる時間って、どれだけ無駄なんだろうね?

よく、面倒臭い理屈を説明すると、まだそういうレベルじゃないって言ってる人に限って、YouTubeや道具だけで、いきなりレベルの高いのツリーワークをやろうとする。
ツリーワークはソレだけでは無いが、ある程度の基礎やセオリーを理解した上で、デバイスやシステムに傾倒して行かないと、いきなり高いレベルを目指しても何にも身に付かないし、だいたい講習受けてもチンプンカンプンだと思うし、途中でついて行けなくなって諦めて道具ばかり眺めてたりする。そしてオレは一流の講習を受けてきたって言う看板を引っさげて、基礎を端折って、成功例だけどっかで見て、ソレの繰り返しで何とか習得しようとする。

そんなに甘くないゼ。

みんなノッチもバックも回避もそれぞれの姿勢を決めずに、いきなり伐り始めるから、ヒンジが直ぐ外れてしまったり、予想外に動いて、慌てて修正しようとしても、ポジションがいい加減だから修正伐りも出来ない。
そして、面倒だからそのままやってしまえ!って伐っちゃう。
そして変な所に引っ掛かったり、壁に擦ったりする。
失敗してもグランドが何とかしてくれるとか、
自分に害が及ばなければ、もちろん回避のポジションなんて考えていない。
そしてたまたま巧く動いたら、これで良い!って思ってしまう。

そういう作業に、どれだけリスクがあって、どれだけ危ない橋を渡ってるとか考えないんだろうね?結局どれだけ時間がかかってるんでしょうね?

小器用に登れるとか、昔アルパインスポーツでブイブイ言わしてたとか、道具を買う金が沢山あるとか、そんなん関係ない。でもそんなんカンケー無い!

登ることやデバイスなんて、ほんの一瞬よ!全体の作業の1%も無いんじゃないか?
作業を、セーフティに、効率良く、楽に、儲かる為に、登ることは、全然重要じゃない。

そういうコトを考えないで、疲れきってる人間は、兎に角新しいデバイスが出たら飛びついちゃうんだろうね。

そんなに早く楽に登りたいだけなら、ラプターしか無いじゃない。

私は自分の、ちょっとした疑問で確かめた基礎のポイントや知識として効果的な技術を構築して、初心者向けに行う講習で、一定の成果が上がっている。
セーフティな作業が、ゆくゆく効率を上げるとこを承知してもらって、実際にそう動いて実績を残し活躍しているチームもある。

凄げぇ天才ならレベルの高い技術も直に習得できるようだが、
多くはみんな地道に失敗を繰り返して成長して行くんだよ。
そういう人が成長して行く姿を見てると、自分の伝え方は間違ってないと確信するよ。

だいたい色んなデバイス色々買うくらいの予算が有るなら、
やっぱりラプターで良いじゃない。
シロウトには、小器用って、邪魔な要素だよ。残念。

2020年6月19日金曜日

対照群との比較根拠

トランプ大統領は抗マラリア薬を服用してコビッド-19に対抗してるらしい。
コレを聞いて、大統領が感染を防いでる!って→薬が効いている→オレもコレで安心!
そう思っちゃう人を、どう思う?
感染を防ぐ科学的根拠は一切無いよ。
よく、瘦せるにはこのサプリが一番効くって、芸能人とかのダイエット本とかあるけど、 それと同じで、検証データの基づかない個人的な意見でしょう。

それと同時に、比較検討する結果は、何処かでバイアスがかかってもいけない。
同じ作業環境の人を、ランダムに抽出して、または全然関係の無い人とか、
アメリカ系とヨーロッパ系と日本独自とか、比較検討しなきゃならない。
唯一無二とか、他を排除する団体とか、同じ仲間内とかで、
いわゆる利害関係者の結果ありきの比較は、屁の突っ張りにもならない。

政治家が法令を作る時と同じだね。


ランダムな対照群と
比較して検証された、
いわゆる同じ土俵に立って、
何度か試合をするみたいな、
実績を統計とすれば
一定の信頼性がある
科学的根拠は成立する。

それでも所詮統計なので
完璧じゃないけどね。

私もこういう比較検討が
やりたいね。

全盛期の前田日明とグレイシーが戦ったら..って感じの統計は出せないけど、今ある道具で、今ある手法で、今ある作業を、色んな人が利害関係なく、統計は取れると思うな。
そういうディスカッションが必要だと思うよ。

そういうランダム対照群と比較した統計の結果を受けて、今度は違う人達による結果と照らし合わせてメタ解析すると、統合したより信憑性が高いデータになって、それを体系的に評価すると信頼度は高くなるね。
系統的なレビューで有効性が増すってやつだ。

こういうコトがしたいね。

先のトランプや芸能人と同じレベルで「いい」というものを盲目的に信じたくない。
こんな風に言ってる私個人の考えも、またこの「勝手な考え」と一緒だからね。

本物でも正解でもない。

〇〇さんが使ってる道具は、素晴らしい!って誰かが言うのも、
〇〇さんは、一流の人だから間違いない!って誰かが言うのも、
〇〇さんは、凄い実績があるから間違いない!って誰かが言うのも、
〇〇さんは、彼奴の言うことは信用するな!って誰かが言うのも、
私がこう思うよ。って言うのも、基本は全部一緒だからね。

〇〇さんは、何処かのメーカーや、自分の利益を優先して、メーカーからチャリンチャリンとリベートが入ることが前提で「この道具はイイ」って言ってるかもしれないし、
素材を安くして形だけ真似して怪しくプロダクトしてるかもしれないし、
不良在庫を抱えて早く売っぱらっちゃいたい所もあるってことを、承知して、自分でメタ解析すれば良いだけだよ。
他の意見を聞いて、他を糾弾するコトも良いと思うよ。ただしその意見を自分でメタ解析しないとダメだけれどね。

私は彼を信用する!とかじゃなく、自分で検証して、失敗して、再思考した結果を、バイアスがかからない他の誰かと、コミュニケーションやディスカッションでメタ解析しないと、信頼度なんて上がらないよ。

だから、私の言うこと、書くことを、マルっと信用するのは、ダメだよ。

場所や考え方が違う人とディスカッションしたいから、私は石を投げて、波紋を立たせてるだけ。それに影響されるだけでは、アンポンタンです。
もう、誰かの言うことしか信じない!という人は、自分でバカの壁を大きく高く築いちゃってるんで、ソレを外から壊すのは難しい、っていうか面倒臭い。
他の話は一切聞く耳持たず、一度決めたことは、必ず守るって言う人はそうやって死ぬまで生きて行けば良いと思う。
そうじゃないのなら、自分の都合の良さそうな部分だけをテキトーに組み合わせる前に、自分で中から壁を壊して欲しいよ。そしたら色んな考えを、自分で吟味できるぜ。

そしてそんな壁は、誰かのマインドコントロールかもしれないぜ。
本物とか偽物とか、
白黒で物事を決めるとか、
誰それが一番とか、
本家とか元祖とか、
アアすればコウなるとか、
全体主義でも、
ステレオタイプでもなく、
もっとシンプルに、発想を組み立てれば、そのうちいい結果につながると思う。

私はただ、思ったことを言ってるだけで、それはただ底辺のグループの1人っていうだけだから、グループとかチームで比較検討して、他所はどうなのよ?って、比較対照で、メタ解析したいね。

シェアードディシジョンメイキングって、情報を共有した後の意思決定ですよ。
色んな考えを見て聞いて、自分で思考を組み立ててください。
だから相談も問い合わせも何でもOKです。
講習だって座学だってやるよ。まあ旅費とかは戴きますがね。
呼ばれりゃ何処でも行くよ。

Shared decision-making

2020年6月18日木曜日

MRT?/SRT?

木登りの方法は、
古くはスリーノットシステム(Three Knot System)とか、近年はDdRT(Doubled Rope Technique)、 RDL(Running Doubled Line)、何て呼び方があり、大きな輪にした1本のロープを縮めて登る。

ソレとは全く別系統の、元々ケビングの技術のSRT(Single Rope Technique)があり、アルパインクライミングのユマーリングとかも一緒で、固定したロープを機器を使って登る。

レクリエーションの木登りはDdRTが一般的なんだけど、コイツをダブルロープテクニックと呼ぶことが多く、でも本当のダブルロープテクニック DRT(Double Rope Technique)は、固定した2本のロープを登る方法なんで、紛らわしい。

ソレとも別に、ダイナミックロープを使う、アルパインクライミングでは、
●シングルロープ=1本のロープを単独で使用する
●ハーフロープ=1本のロープを半分折りにしてペアで使用する
●ツインロープ=ペアで2本を平行に使用する

さらにTRTなんてのもあり、コイツは厳密にはSRTに含まれるんだけど、アルパインではツインなの?ハーフなの?だし、その他に色々乱立してきたんで、
この際ちゃんとカテゴリーしようって流れになったのかな?

MRT (Moving Rope Technique)
ムービングロープテクニック
ロープがアンカーを通過し、両方のスタンディングパーツを使い、調整可能な大きなループで登る技術のこと。クライマーはロープの両方のロープパーツに接続します。 一方の末端は静止したまま(多くの場合ロープのターミネーション)であり、もう一方の部分はフリクション要素(摩擦ヒッチまたは機械装置)を介してミッドラインに接続される。

SRT (Stationary Rope Technique)
ステーショナリーロープテクニック
ロープが1つまたは複数のアンカーに固定され、クライマーは、1つ以上のフリクション要素を使用してロープに接続して、静止したロープを登る技術のこと。ロープはアンカーで動かず停まったままで固定され、上昇/樹木の周囲を移動/下降できる。

ってことでイイと思うんだが、、、

これは、CE基準っていうか、アーボリカルチャーの行動規範中にでてくる用語でして、ヨーロッパ系では、そう呼ばれるみたい。

しか〜し、アメリカ系ではシステム(System)って言い方をする。




MRTは、MRS

SRTは、SRS

PPEのフォールプロテクションのコンポーネントとして
アメリカは道具ありきの呼び方なのかな?
道具にウルサイ人間がそうしたのか?
利権が絡むのか?

ヒトがどうやって登るかをテーマにすると、テクニックだし、

ヒトが何を使って登るかをテーマにすると、システムだし、

ヒトに着目するとテクニック。  道具に着目するとシステム。
PPEのテクニックを使うためのアッセンブリとしてシステム。

ロープをどうやって登るか?
って考えると、テクニックで良い気もするし、
SRSは従来のSRTと区別するためなのか?
って考えると理に敵ってる気もするし、
シングルじゃない!ステーショナリーだ!って言うのも可笑しいし、
別に区別しなくても同じだから良いとも思うし、、、

ただ、DdRTやRDLは、ムービングで良いから、そう呼んだ方が良い。
SRTは、シングルじゃなく、ステーショナリーだから、
でも頭文字で略すと、どっちも SRT。
あえてここだけシステムにする必要は無い気がする。

単に、アメリカもヨーロッパも双方に迎合するのはイヤなのか?
対抗意識を燃やしたり、本家元祖的な争いもオカシイし、
ウチが本物とか、他はニセモノとか、類似に気をつけろ!っていうのも、利害関係が絡んでそうで、イヤラシイし、ナンセンス。

ってか、別に言ってることは判るから、両方巧く使って行こう!って思う。

面倒臭せ〜、

2020年6月16日火曜日

キャプティブのコネクタ

先日から業界の行動規範を読み続けているんだが、

3.10.6.5 コネクタの要件で、
be configured in such a way as to ensure that only the major axis is loaded
「主軸のみがロードされるように構成されている。」

マイナーアクシスは、ダメね!
っでことは、これまで一般的に使ってるカラビナは、何らかの固定具か、キャプティブアイのモノにする必要があるってこと。

最近どおりで、キャプティブ系のカラビナが多くなってきたと思ってたら、
そういうことね。



DMMのPerfect Oも、
キャプティブバーが付いた
タイプが出てきたし、
ロックエキゾチカなんか、
スイベルアイや
ランヤードピンや
ワイヤーアイなんて、
随分前から出てたから。

おそらくICoPでも、
こういう変化になった経緯は、
マイナーアクシスによる事故が
多かったんだろうね。
そういう事例を活かした変更だろうから、
これはもう従った方がイイね。

メジャーアクシスを気にしない人も、これからはそうもいかなくなるゼ。

以前に第三世代のポジティブロックのカラビナが出てきたとき「うわぁ、高っけ〜な」って思ってたけど、2008年のHSEでアーボリカルチャーでのツリーワークをする人は、これからポジティブロック以外はダメよ、ってコトになって、
今まで持ってたスクリューは使えね〜じゃん。って参ってたけど、そのうち段々価格も落ちついてきたし、今ではPPEにはポジティブロック以外のカラビナ使ってない。
まあカラビナは傷みやすい道具だから、ライフスパンも短く、耐用年数を待たず破棄になるから、消耗品だね。今度からポジティブロックのキャプティブ系にするしかない。

まあこれまでも、システムのヒッチクライマーは、タイトアイで挟んでるから、主軸のみがロードされるように構成できてるし、ランヤードはスプライスだし、要所にはキャプティブになっているし、べアールピンチも使ってるし、主にターミネーションをワイヤーアイにすればOKじゃないか?
そう大きな変化ではないね。

以前にまったくメジャーアクシスを気にしてないのかな?って人が居て、しか〜し、その方は使う都度ビニールテープで、デバイスやロープとカラビナを、グルグル巻きにして止めていた人が居た。カッコいいぜ。
セーフティを意識してる人って、カッコいい。

でも実際にワーヤーアイだと、ナローエンドにロープ通すとき、結構邪魔になる。太いと入り難いしね。何とか工夫する必要がある。どうも気持ちとして、D型か変Dが好きなんだけど、O型になっていくのかな?

個人的にはロックエキゾチカのアルミアロイカラビナが好きですね。何ともストレスなく空きもスムーズだし、イヤらしくオフセットするし、色もエロいし、メンテナンスもしやすいし、rock O のオートロックワイヤーアイが好きだな。

リボルヴァーリグとかもキャプティブになってるし、アイツはペケットが憎いんだよな。欲しいな。

2020年6月13日土曜日

新しい作業様式

コビッド-19の影響で「新しい生活様式」なるものがもてはやされてるけど、[予防]と[感染拡大]が、ミソもクソも一緒で、とりあえず訳の解んないウィルス相手なんで、こうしよう!的な生活様式なんだろうけど、
今月発表になった、世界的な行動規範は、まさに「新しい作業様式」だと思う。

これまでも怪しい特殊伐採がまかり通っているけど、現実的にコードオブプラクティスを実践するには、具体的にいろいろ障害があるので、自分なりに考えてみた。

まず前提になる、2系統は、面倒臭いかもしれないし、時間がかかったり効率的じゃないと言う人が多いと思う。事業主もそんなモンに対応していたらカネが幾らっても足りない!かも知れない。
でもそれはセーフティのためなんだし、今から取組んでおく方が長い眼で見たらよろしいかと思います。

そこで、私は産業用ロープアクセスの技術をちょっと拝借して(まあロープアクセスの方が色々理に敵ってるんで)ツリーワークに流用できないかと、思ってみた訳です。



まず普通にスローラインで枝に通す。
用意するものは、高さの4倍あるロープ。
二重に折り返しだから、4倍要るんだなぁ。
それそれ別系統のロープ2本でも
できると思うけど、最初のセオリーとして、
プルスルーね。
スローラインだと細いんで、
8mmくらいのプルラインに変えて、
高さの4倍のロープの中央をバイトで
折り返して結ぶ。ここはズレると厄介なんで、
ダブルオーバーハンドヌースね。
プルラインをそのまま引き戻し、
高さの4倍のロープが垂れてる状態を作る。


プルラインで引っ張ったバイトの両側に、
1個づつバタフライノット。
その2点それぞれに
鉄ビナをかけて→
ワイヤーアンカー→
マイロン
(これは絶対マイロンが良い。)
マイロンをアンカー通って降りてきてる
もう一方のスタンディングパーツ〈以降SP〉
も通しておく。


そして両方のSPを引く、
アンカーを通過し、
マイロンとバタフライノットが
ガツンと当たるまで引く。
こんな状態になる。

プルスルーのプーリーはプレート側板が
ノットに押し付けられ
ロープを傷める恐れがあるので
マイロンの方がイイって
最近言われてきている。

そのSRSの2系統を、
プライマリー〈以降1st〉に
トップクロールとハンドアセンダー、
バックアップ〈以降2nd〉に
フォールアレスター、
サーシャリー〈以降3rd〉用の何かしらと
システム2個を持参して、天辺まで登る。

SRSならクロールじゃなく何でもイイけど、
トップでぶら下がった状態でアンカーを
いじるんで、サイズの合わないハーネスや、
ハーネスのブリッジや、
でっかいシステムだとやりづらい。
あとデバイスだと、
いろいろ都合が悪いと思うよ。
ここはロープアクセスの技術で、
ロープにひっついた状態がベスト。


サーシャリー用の
ランヤードやモバイルアンカーで、
3rdアンカーを設置、荷重を移す。
この時点で2ndのファールアレスターが緩む。
荷重は1stと3rdの2系統。

この場合は、モバイルアンカーの
マッチスリング!こいつは素晴らしい。
荷重載ってても動かせる。
高いけど今手放せない強者。


2ndのプルスルーアンカーの
バタフライから鉄ビナを解除し、
そのままMRS状態になるよう
SPに鉄ビナをかけてシステムを設置。
このときターミネーションは
必ずキャプティブ系ね。
荷重がアッチコッチ動くんで、
絶対マイナーアクシスにならないビナね。
これで、2ndは独立したMRSと
そのアンカーになる。
この時点で3rdアンカーに荷重があり、
2ndがフォールプレビジョンの
バックアップとして2系統になる。


一旦、さらに3rdアンカーに荷重を移し、
1stを緩ませ、クロールを解除。
1stアンカーは緩むので、2ndと同様に、
1stのプルスルーアンカーのバタフライから
鉄ビナを解除し、そのままMRS状態に
なるようSPに鉄ビナをかける。
そしてハーネスのもう1本の
ブリッジにシステムを設置。
これで、1stも2ndも独立したMRSと
そのアンカーになる。


3rdアンカーからゆっくり荷重を抜くと、
1stか2ndに荷重が移る。

均等に加重すればイイが、、
まあそうもいかないので、
荷重が移った方がプライマリーになり、
もう一方がセカンダリの
2系統のシステムになり、
3rdアンカーが解除できる。

ここはアジャストブリッジが有効ですね。
コイツを使いたいからセコイアなんだけどね。

あとは、煮るなり焼くなり
通常の2系統操作ですよ。


1stと2ndを操作し、
完全な独立した2系統の
MRSシステムで作業に挑む。
降りてきたらこんな感じ。

必ずプライマリとバックアップが存在し、
2系統で最初から最後まで完了できる。

最初は思いつきでダブルブリッジにしたけど
本当に理屈に合ってるね。
ロープだけ2系統でも
ターミネーションが1系統だと
それはセーフティにならない。

この状態で作業終了して降りてきても、地上からリトリバルコーンで回収できる。2系統同一ロープなんでちょっと面倒だけど、やりくりして何とか回収できる。1回失敗して残置になったけど、そういうミスを経験することで、次に失敗しない方法が完成するのだよ。

これは、プルスルーを利用し、SRSで登って、MRSに変更するパターン。
バタフライどうなのよ?とか、鉄ビナじゃないとダメとか、リングセーバーじゃだめなの?とか、アンカーが狭い股ならどうよ?とか、ゴチャゴチャして難しいとか、ハウスキーピングが難しいとか、いろいろまだまだ考察すべき点はあると思うが、産業用ロープアクセスに比べると、随分シンプルで合理的だと思う。
今のところ最も道具が少なく、理屈に合った方法だと思うよ〜。
枝に立てる所だともっと楽だけど、ぶら下がった状態で出来る!ことが重要。完全に独立した2系統の操作ってのは、荷重がアヤフヤな所じゃ伝わりづらいからね。

それから救助前提のツリーワークなんで、ぶら下がった状態で荷重をもらうとか、アンカーに取っ付いてあとカラビナ1枚分上に行けたらとか、操作自体をシビアに出来ないと、ダメだからね。私は七五三みたいなモーションとかだと、できね〜もん。

バックアップのフォールアレスターをそのまま使うとか、システムじゃなくデバイスだとどうよ?とか、組み合わせ次第で色んなやる方があるけど、必ず2系統にするとなると、このくらいは出来ないとね。

まあ今のところコイツが最もシンプルかなって思う最初の一歩なんで、これからどんどん改良できそうな予感♥︎
新しい作業様式にするんだったら、自分の新しい作業様式を開拓すると、楽しいゼ!

こういうコトを、ロープ高所作業特別教育(樹上作業)でご教授いただけるならイイのだろうけど、実際は利害関係者の思惑や、道具販売店の売りたい願望が、前面に出てしまうんで、そうもいかないようですね。シガラミってヤダね。
だから自分で自分の身を守るコトを考えた方がイイよ。
自分で自分の身を守るために、オレはこういうコトをいつも考えてるゼ。

追々その他も検証していくよ。

2020年6月10日水曜日

救助

日本では、119番に電話したら、消防署に繋がって、Fire Rescue EMSサービスが受けられる。もちろん素晴らしいシステムで、そのレスポンスの良さは世界有数。


しかし、もし木の上でぶら下がった状態で、
意識を失ったら…どうなりますかね?

際どい状態で樹上作業している時に、
足が滑って、衝撃荷重がハーネスの
ターミネーションから腰に伝わり
「く」の字に身体が曲がったら、
意識を失うだろう。

運が良ければ、チェンソーで
ロープを切っちゃって、落っこちて、
骨折で済むかもしれない。
○年使い古したロープを、
墜落で過荷重になったら切れて、
落っこちて骨折。

でも切れなかったらロープに宙づりになる。
意識を失って
ロープにぶら下がった状態ってこと。

カリフォルニアのアーバンサーチアンドレスキューでは、発見から15分以内に救助するのが目標で、15分以上経過すると何らかの障害が残るといわれている。

落下はもちろんヤバいんだけれど、最悪は、ぶら下がっちゃうこと。
そしてぶら下がってる人を、降ろせないこと。
15分以内に降ろさないと、サスペンショントラウマですよ。
状態にもよるが、落ちなくても地球に引っ張られるから、衝撃荷重のピーク力で、浮いたまま脊髄損傷の可能性もある。
脊髄損傷でぶら下がってる人を、無理矢理降ろしたら、一生車椅子生活になるだろうな。

だからグランドワーカーと意思疎通しておくし、万が一の救助手順や救助のアルゴリズムを理解して、作業計画に入れておかなければ行けない。
チームでは専用のレスキューキットを用意して、役割分担しておくのよ。

レスキューは重要ですよ!って言うと、大体の人が「まだそんなレベルじゃないので必要ない」と応える人が多い。
救助計画が無いまま、登るだけ登ってチェンソー振り回すのがどれだけ危険か?を承知しないで、眼先の利益で木に登るってのは、オカシイね。たいして計画もせず、登り方だけ教わって、作業中に最悪の事態が起きたら、どうするんだろ?
119に連絡しても、木にぶら下がった人を助けられる隊は、そうザラに居ないよ。

ツリーワークでは救助がマストだからね。
ICoPでも、作業計画を立てるチームは、その中に絶対に救助計画も含まれなくてはいけないからね。レスキュー有りきでないと、高所樹上作業は計画すらできないのが本筋だからね。レベルの問題じゃなく、あしたババ引いちゃうかもしれないよ。
ラッキーの種を沢山持ってる人は、なかなか死なないかもしれないけど、何時かはラッキーが尽きるからね。

レスキューの計画をせずに、今作業できてるのは、
たまたま上手くいってるだけだからね。
基本は失敗する前提で作業に及ばないと、
そういう所が命がけなのかもしれないけど、根拠の乏しい命がけは、
命がけじゃなく命知らずだね。

命知らずの猛者が、漢儀で向い打つ、特殊伐採。

死んじゃえば、本人は良いのかもしれないが、残った者はいい迷惑だ。

2020年6月5日金曜日

グラウンドワーカー


木に登ってツリーケアを行うとき、
最も危険を少なく
作業を円滑に効率的に
そして疲れないように遂行する上で、
大切な重要なメンバーは誰でしょうか?

クライマー・グランドワーカー・
チームリーダー・チームオフィサー
(多くは責任者)など、
クライマーを細分化すると
カッターやセッターも居ますが)
それぞれ皆重要ですが、
私が自分で登る時は、
最も重点を置くのは

グランドワーカーです。

自分で登る時には、樹上で予想してセッティングする時も、視野が狭くなってるから、チョンボもするし、そうい時の予想にアドバイスしてくれるのはグラウンダーです。

それに私が伐り方失敗してヘタこいて対象を切り離した後、とんでもない方向に動いたら、基本はグラウンダーが何とかしてくれる。

また、伐った後に対象や確保ポイントが激しく揺れそうな時にも対象の動きを制御し、より危険を少なくしてくれるのも、ストレス無く揺れずに降ろすのもグラウンダーです。

そしていざとなったら救助してくれるのはグラウンダーです。最も重要なのはレスキューです。私が樹上でヘタこいて動けなくなったら、助けてくれるのはグラウンダーです。

私は、命がけの作業を漢儀で行うことに意義を感じてないし、力や派手な動きで、どうだコノヤロ!ってこともできないし、助けてもらうのはたぶんグラウンダーなんで、最も重要視して最も信頼しているのはグラウンダーです。

自分で登る時には、自分の作業を円滑にしてくれて、対象を降ろす時の私の危険を牛耳ってるのも、レスキュアーも全部グランドワーカーの仕事だと思ってます。

善きグラウンダーが居ない現場で、自分が登る必要がある時は、とても怖いし、安心できないから時間もかかるし、視点を変える必要があるから登ったり降りたりを繰り返すから疲れるし、良いこと無いです。
だから現場に入る時、私がグラウンダーをヤルことが多い。一緒に現場をやったことのある人は判るだろうけど、どしてヤツは登らないんだ?って思われてるかもしれないけど、この場合オレがグランドやった方が良いなって思うだけです。
別にチームを信用してない訳じゃありません。クライマーは私のグランドを信用してくれてるから安心できるし、いろんなプランを試せるし、ありがたいと思われてると思う。って思いたい。って思って欲しい。

もちろんいろんな知識を持って臨機応変に対応してくれる人が居る場合は、喜んで登るよ。午前と午後で交代するよ。もっと良いときは、10時と昼と3時で4人交代するよ。だから疲れも分散するよ。クライマーもグランドの厳しさを理解できるし、共有できるよ。自分の知識と技術を信用し、お互いに信頼できる人は安心だし、考えてることは何となく判るし、意思疎通できる現場は愉しいよ。

だからよく「吊るポイントは?」とか「伐るポイントは?」とか「身体の向き逆じゃない?」とか「今何やってるの?」とか「そこは違うんじゃないか?」とか、激しく怒鳴り合うよ。でもそれは信用してるからで、本当は何やってるか、やろうとしてるかが判るから、確認するんだけどね。
また、他のグラウンダーと対象ログの重量や動きの予想をして、どっちに傾くとか、その予想に昼メシ賭けたりするけど、それに対応するシステムや何となく心配なときは、地上でセカンダリを用意し始めるとか、着地点をを片付けるとか、グラウンダーはもう本当にヤルことがいっぱいよ。

たまに他所の現場を見学すると、とりあえず登ってしまうクライマーが居て、上で何ヤルか判らないから、グランドは雑談したりボーっと見てるだけ、ってチーム(それはもうチームじゃないけどね)が在る。
クライマーは一生懸命登って、頑張ってセッティングして、その間グラウンダーはボーっとして、チェンソーの音が聴こえると、慌てて準備したり、でもその時どうやって伐るかも、どっちに動くかも、何処に降りるかも判らないから当然のように手間取る。
クライマーは伐って終わりだと思ってるから、ヘンに動こうが引っ掛かろうが、伐り終わったら木の上でグラウンダーをイラっ見てるだけ。そして対象を降ろした後も結びがダッサいんでなかなか外れなかったり、手間取ってると、何やってるんだ!早く降ろせよ!早く外せよ!だからお前らの給料は安くていいんだよ!とか思ってる。

結局そういう現場では、1人しか動いてないよね。そりゃ手間取るよ。遅いよ。疲れるよ。危険だよ。って思うけど、そういう奴らに限って、クライマーとグラウンダーのギャラが違ったりするね。
そういう登るヤツが一番偉かったりすると、始末に負えないね。グランドは大変だね。そういうクライマーは大体グラウンダーの役割を理解してないからね。

登るヤツが一番危険だから、一番高いギャラ貰って当然だろって思ってるみたい。グランドなんて誰でも良いって思ってるし、オレは男だ自分で何でもできる、そして死なない。グランドなんてただの人手だから何の知識も技術も要らね〜んだよ。って思ってるみたい。でも本当はクライマーの危険回避を牛耳ってるのも、イザの救助もファーストエイドもグラウンダーの役目だからね。延いてはグラウンダーを安くみてるクライマーは自分のことも安くみてると思うよ。

疲れてシンドイ作業をやってるのは自分かもしれないけど、ちゃんと段取って役割分担しないから、何人居ても結局動いてるのは1人で、しかも勉強してないからモチャモチャ遅いし、そのくせ自分の作業(伐り)が終わったら、早くしろよ!ってどんだけ横柄なんだろね。チームが出来て無いって言うか、チームの存在意義やメリットを知らないんだろうね。どうだオレはカッコいいだろう!って独りよがりで浮かれて登る、スットコゴッコイだね。可哀想。

そして自分が見積もった作業で、その自分が考えてるコト、段取ってるコトが、グラウンダーには伝わってないから、そりゃグラウンダーだって動けないよ。
動きようが無いんだよ。コミュニケーションやディスカッションは、自分を助けてくれるってコト知らないんだろうね。そういう輩はよく上手く説明できないって言うけど、それは操作を自分で理解して無いからだからね。

もしくは自分で自分の作業が決まってないのか?その場で考えた自分の都合の良い方法なのか?いずれにしても自分でちゃんと考えないから登る前に説明もできないんだろうね。
ひょっとしたら、ちゃんとした一流のクラウンダーが居たら、自分が威張れなくなるとか思ってるんじゃないの?オレが一番だ!とか思ってるから、ダサいね。
そしてグラウンダーもクライマーを信用してないから、ただしんどい作業をさせられてるだけって思ってるから、勉強する時間もないしね。
どうしてそういう方向に向かうかね?

見積もりは、一番できないヤツに合わせて時間を計算するんだよ。でもそんなことしたら、カネばっかりかかるからヨソに仕事取られるダロ!って思ってるみたいで、だから安く見積もって、早く片付けようとするけど、チームができてないから遅いんだよ。
そしてそういう作業はキツい仕事になるから事故を招くんだよ。そしたら仕事も無くなる。全くの悪循環。ヒドいよ。

クライマーがグラウンダーをリスペクトして、円滑にスマートに作業をしたら、決まった時「やった〜!」って高揚感も味わえるのが好きだね。私はそれが愉しいからやってるようなモンだけど、、、

グランドを信用してない人は、どうぞそのまま辛くて、苦しくて、危険で、儲からない、トクバツをどんどん続けて欲しい。
そしたら結局ちゃんとやれるツリーケアはオレのところに廻ってくるから。

私だってもちろん儲からない仕事は有るよ。この値段でどうしてもやってくれ!って。
でもそういう時は勉強して知識を貯めるんだよ。
生活の糧にはならないけど、頭の糧にはなるよ。

そういう現場では、これまでツリーケアに携わってないが、ゆくゆくこういう作業をしたいって人に声を掛けて、安くヤルよ。その時はもう頭割りでギャラ分配するよ。
ツリーケアの基本が判ってる人だけ限定だけど、そういう安い仕事が有った時でも「安いけど勉強したいから」って呼ばれることも多いヨ。一緒にトクバツじゃないツリーケアしようゼって、私は喜んで行きますよ。

グラんドワーカーは、カッコいいぜ!信頼してるぜ!
サルもおだてりゃ木に登るんじゃなくって、適材適所ってスゲェ大事だぜ。

2020年6月4日木曜日

プライマリとセカンダリ

it is expected that there will be a backup system to prevent them falling a distance that is likely to cause injury if the primary system were to fail.
プライマリシステム(一次系統)と、怪我をする可能性がある距離を落下するのを防ぐためのバックアップ(二次系統)システムを併用することが期待されます。

ということは、やっぱり最初から2系統で作業した方が良いということだな。

まあ、メインラインを登って、樹間に達しても、重力方向に引っ張られたままなので、ワークポジショニングで2系統にする。
ワークポジショニングランヤードはEN 358のPPEなので、これでもう2系統になったから、プライマリ/セカンダリシステムだから問題ない。
しかし、その樹間に達するまでが、1本だと言うことだな。

厳密に言えば、というか、上に行くまでに1系統がマズいということで、バックアップを最初から装備している必要がある。

私は、産業用ロープアクセスに最初に取組んだとき、まぁなんて面倒臭いんでしょう!って思ったけど、暫く使ってると、そんなに苦にならなくなった。
っていうか、逆に無いと不安になった。

その辺の理屈を理解したら、ツリーケアもやっぱり2系統の方が良いのでは?っと思い始めていたし、実作業においても、ヤバい枯損とかに登る必要がある時は、アサップ使ってたから、それほど苦にならない。
最初は面倒臭いと思っていても、今じゃ無いのは不安になる。
樹間にアプローチする場合は、もう主にSRSで登って、上でMRSに変えて作業しているから、その最初に登る時に2系統で行こう!ってことだ。


以前に参加した
ツリーマジナーズのスライドで
「あなたは今、どの辺り?」
っていうのがあって、
まさに、今、
重要なアップデートの発表で、
これからはコウやれよ!
って時期だから、
今から取組んでおく方が
都合がいいぜ。

はしごでたわんでグラグラで、地面にも固定して無いで、誰かに押さえてもらって、そこからトップハンドルを片手で延ばして、エイヤッて作業がどんだけ恐ろしいか、判ってしまえばロープ使うようになるし、そしたらもうはしごは怖くて戻れない、のと一緒だよ。

今なら、数年前の方法で、道具に翻弄されている人達が、サルっぽく見えてしまう。
日本の特殊伐採は、原人かな?

正当なエボリューションというか、パラダイムシフトっていうか、
過渡期でますます変化するツリーケア業界は、industry progress that could provide an opportunity for improved and safer work methods って言ってるし、
それは、新しい道具を次々に買う、とかではなく、新しい業界の進歩を利用するっていう知識を持つコトだよ。
頭を使うってことだよ。
業界の行動規範は、みんな失敗から学んでるよ。

そしてアップデートしてるんだよ。

この発表になったイギリスの行動規範のアップデートを見てから、最近インダストリアルロープアクセスの技術が一部使えて、それがツリーワークに適した方法じゃないか?ってやり方を数名で検証している。
昨日はそれが上手くいった。考えていた方法が、ドンピシャで、今のところベターな方法で、コイツは使えるゼ。

道具もソレに合わせて進化してきてるし、あっなるほどね!って感じのモノも出てきたし、飛びつくのはモノじゃなくてコトだと思うよ。

情報のアップデートとともに、知識もエボリューションしていきましょうか。

2020年6月2日火曜日

ALARP

ALARP As Low As Reasonably Practicable

アラープ - 合理的に実行可能な限りリスクを低くすること。

ALARPの核となる考え方は「合理的に実行可能な方法の選択」にあり、リスクを制御するために必要なトラブル・時間・お金に対するリスクを比較検討すること。


トラブルを回避しながら、
時間をかけず、金額的にも
見合う作業を確保するために、
リスクが適切に制御されている
という条件の下で
そのリスクを受容する意味で、
決してリスクが許容される
わけではない。
リギング作業では、落下係数が限りなくゼロに近づく方法があるなら、時間と予算を鑑みて方法を選択するべきである。
方法を知らないのは、ただの勉強不足か怠け者。それとも時間と利益を優先させるアホな雇用主か、命知らずの一人親方の態度だよね。
よりセーフティな方法があるのに、入札で他に取られるかもしれないから、手っ取り早く仕事を済ますため自らや従業員を危険に晒す。そんな奴らは自分の命や従業員の命を軽く見ているとしか思えない。第一ケガしたら仕事できないから暫く利益も得られないし、費用だって保険だって、出費も多くなるんだけど、ソコをさておいて、目先の利潤に飛びつく。すげぇな。
知っていながら危険な行為を遂行するのは愚の骨頂。オロカモノの戯れ事だ。

危険と言われる作業だから、登るヤツのギャラが高いとは、あり得ないぜ!

危険を回避できるなら、その方法をプラクティスして、自分の作業の時間を短縮できれば、結果、早く効率良く危険少なく作業が出来るのに、面倒だからやらないのか?

そんな原則すら知らず(知っていながら使用せず)作業を行うのは、残念だね。

最近発表になったICoPでは、盛んに合理的可能なリスク低減が登場する。 まあ当たり前の考えではあるが、こういうことを明文化しないと、事故が減らないのは業界の特性かもしれない。日本では特に危ないコトをヤルのが漢儀で、その命がけの作業が「美徳」だと思っている輩が多いから、そんな奴らは勝手にやってくれ。でも私はそれができないしイヤだし、結局のところ命がけは遅いし、良いトコ無いと思うんで、
ICoPをベースに、自分なりに解釈したMYCoPを作っている。