2020年11月16日月曜日

スクラップアンドビルド

私はDdRTのみのクライミングは捨てました。
もうヤラないっていうんじゃなく、クライミングには使わないってことです。
ツリーイングならいざ知らず、仕事ではあまりに非効率です。
もちろん樹上に行ったらフリップラインやワークポジショニングでDdRTを使いますよ。
でもクライミングには使わない。それだけでは登らない。


TG:1がドラフト発表になり、自分なりに
精査していたら、そのレスキュー方針が、
本当にそうか?という疑問から始まって、
何度も何度もブラッシュアップして、
仲間とプラクティスを繰り返し、
自分一人でも気がついたら疑問を解消して
どうにか形に、この考えに行き着きました。
レスキュー前提でシステムを組んで
仕事をして、いざという時に救助しやすい。
どう考えても合理的でツジツマが合う。

「私のエアリアルレスキュー」
マイコードオブプラクティス
救助における特記事項
まだ一般発売はしないver0.9だけどね。
本当はこういうコトを考えて実践しているうちに、今秋にはTG:1の2ndエディションが出るっていうし、本家のテクニカルガイド1が出来上がるだろうと、その時にはコレは役に立つだろうと、この実践や検討が活きるだろうと思っていたが、、なかなか出ない。TG:1が発行されない。だから実践的に積極的にこのレスキューをやっていた。

色々プラクティスを繰り返しているうちに、レスキューは誰かがやった成功例を踏襲するだけではマズいって思い始めた。一般に薄めた状態でありきたりの平板化した救助が、自分には役に立たないと思い始めた。
ある人が出来ても、オレが出来なければ話にならない。
それにエアリアルレスキューって運動会で勝つことが目的ではない。 作り込まれた結果が分かりやすいタイムトライアルでは、実践の救助に活かせない。
たとえ30秒遅くても、ビクティムを怖がらせない、揺らさない、痛くない救助が現場では求められるんじゃないか?
速さだけを突き詰めると粗くなるし、システマティックに道具を揃えたら現場で臨機応変に出来ないし、ミニマムで行う可能性っていうか汎用性が重要な気がする。
運動会で一等賞取ることがレスキューの目的ではない。

そこでやってみて気がついたことは、やっぱりアメリカものは性に合わないなと、そして米国がアーボリストの本拠地と思っていた。でも、そんな事は無いという事実に気づき、否定はしないけど、積極的にアメリカの考えを取り入れるのはどうか?と思い始めた。
誰かに誘導されていたのか?そういうモノだと思い込んでバカの壁を築いていた。

それにアメリカモノは力が貧弱なチビの小デブには向かない。
ヒザの裏までとどくスパーとか、ウエストがユルユルのハーネスとか、長過ぎるヒッチコードとか、クソ重いヘルメットとか、重い革の(足首から20カ所以上編まなきゃならん)編み上げブーツとか、そういうモノだと思っていたが、、、
実はそういうモノでは無いということに気がついた。
第一非効率でしょ。

足が短い、両側のターミネーションがくっつきそうにウエストが緩い、手を延ばしても届きにくい、重い、面倒臭いってのが作業には非効率でしょ。
そういうモノだと思っていたが、そんな事は無い。
見本にしてる人がデカい人でも、一流のアーボリストはソウかもしれないが、仕事ができるアーボリストは必ずしもデカいヤツとは限らない。
まあデカいチェンソーを振り回すのは、デカいヤツかもしれないが、デカいチェンソー振り回すだけがアーボリストではない。

樹上にセットしに行くのは小さいヤツの方が、動きを理解してるヤツの方、上手く逃げれるヤツの方が良い。あわよくば軽い方が良い。
そういう役割をデカいヤツと分担すれば良い。
何でもかんでも自分一人でやろうとしない。チームで動けば良い。
ソリャ出来るに越したことはないが、出来ないなら無理しない方が良い。
無理したら効率が悪くなってセーフティも担保出来ない。

Arborists are great thinkers and visionaries and it is important that any improvements in ergonomic working systems are proven to be safe, efficient and effective.
アーボリストは優れた思想家であり先見の明があり、人間工学に基づいた作業システムの改善が安全、効率的、効果的であることが証明されていることが重要です。

賢明ならばセーフティで効果的であるものの、ヤンチャにすると色々効率的で無くなる。疲れや意思疎通の不備はストレス貯るよね。ストレス貯めちゃそりゃぁ非効率になるし、結果として焦ってセーフティじゃなくなる。

多くのツリーワーカーにSRT作業は実質的に選ばれ無いことが多い。アセンダーとディセンダーのチェンジオーバーが頻繁に行われ、その手順の煩雑さや時間の無駄を生む事が好まれない事が多い。
しかしSRTは、洞窟探検・スポーツクライミング・産業用ロープアクセス・高角度救助など、多くの分野で良好なクライミング方法ということは歴史が立証しています。
例えば、産業用ロープアクセスの現場でどうしてDdRTが使われないか?高所樹上作業で好まれるDdRTが他ではどうして使われないか?
また、レスキューの現場でDdRTが如何に好ましくないか?を考えるべきだと思う。

実際にレスキュー前提の作業手法を求められている高所樹上作業の現場なら、SRTを使うのは当然で、SRTを使わない理由がどこにもない。

ただ慣れてるからってDdRTに固執するのもイイけど、よりセーフティで効率的なら自分の方向性を変えてみるのも良い。今までの自分のやり方を否定されるみたいでイヤなのかな?否定じゃなくて積み重ねなんだけどな。
バカの壁を築いてシャットアウトしちゃうのは簡単だけど、そうやっていつまでも固執して自滅しちゃうのかな?
今までの自分を振り返ってみる、否定しないで触れてみる、良い方法を取り入れてみる。良い道具を買うっていうのではないからね。道具にはすぐに飛びつくくせに、ヤリ方に固執してたら、いつまでも成長しないよ。
スクラップアンドビルドが大切だよ。
一回ぶっ壊してみると新しい何かを感じられるよ。

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