2020年11月14日土曜日

道具が危ないんじゃないよ4

シリウスブルロープ。
とても使いやすいリギングライン。しなやかでクセがつきにくく、キンクしても解消しやすい。シースもコアも軟らかいポリエステルなんでランブーなんかのノットが作りやすい。ダブルブレイド32st.の編みは軟らかくツブれロワリングデバイスとの相性もバッチリ!太さに対して色分けされた直径が識別しやすい。
そして性能と比較してコストが素晴らしい。
そして過負荷インジケーター!軟らかいからその性能劣化に特質したロープに一定の間隔でマークされたストランドは、ロープが過負荷にさらされたことを示すから(いわゆる伸びる事によって、コアとシースのミルキングなど)、破棄基準が明確。
ANSI Z133-2017クオリファイ。


そしてマニュアルが秀逸!
まあ、使用条件や状態、
基準が事細かく当たり前に書いてあるし、
他のロープとの性能比較や、
ハーフとランブーのノットストレングロス、
タイインングの条件などの
テクニカルデータが出ている。
素晴らしい!
世界各国で使われるから色んな原語対応
(日本語は無いけど)全173ページの冊子
こんなマニュアル珍しいぜ。
これだけでメシ3杯はイケる。
安いからいい加減な使い方が出来るって訳じゃないが、汚れても洗いやすいし、洗ってもしなやかさが保たれるんで、ハードユースには持ってこいザンす。
リギング作業で昔は操作しやすくコストも安いって理由でツリーマスターを使っていたけど、シリウスが出てから、シリウスを使ってリギング操作をするようになってからもう、手放せない一品ザンす。

しか〜し、
これはリギングロープです。
リギングブルロープです。


クライミングには使いません。
吊り降ろすだけです。
PPEではないからね。

そんなコトを知ってか?知らずか?
ランヤードに使っているバカが居る。
フリップラインとか一時的なアンカーなら良いと思うが、
ランヤードで自確としてデバイス付けて使ってるヤツが居る。

恐らくPPEっていう認識すら無いヤツが、「おっコレ安いじゃん!」みたいな事しか考えず、規格もクソもなく、切り売りしてる安いロープってくらいしか認識が無く、ランヤードに使ってる。PPEじゃないから切れて落ちても知らないよ。切れて落ちても誰にも何にも文句言えないし、労災だって利かないよ。
恐らく過負荷インジケーターのことなど意識すらないだろうけど、そういうヤツに限って力技の凄い命がけなんだろうな。
しかもデバイスとの相性とか考えてないだろうから、ミソもクソも一緒。
偏心カムやテコ利用のデバイスの知識も無いんだろうけど、ロープがしなやかで潰れるんでデバイスに食い込みやすく「効く!」みたいなアホな考えで、デバイスとの相性や適合性なんて何も考えず、リギングロープをクライミングロープとして使ってる。
決定的にダメじゃないけど、知ってて使い方を制限して使うには問題ないけど「コレ安くて良いよ」みたいな情けない利用で、オレは一流のアーボリストだってな感じで知らない人に勧めるのだけは止めてくれ!
自分一人で勝手に特殊な伐採をやってくれ。

そんな話を鵜呑みにする人も、勝手に死ねば良いけど、何ぁんにも知らないヤツが、何ぁんにも知らないヤツに勧める事がどれほど危険を誘発するかを考えて欲しい。
そんな話を聞いた人は「コレはリギングロープですよね?」って突っ込んで欲しい。そんなバカはどういう反応をするか?見てみたいゼ。
恐らくテキトーに誤摩化すんだろうけど、知らないヤツに吹聴するのだけ早めてくれ。
その辛くてキツくて遅くて力づくな特殊伐採の世界では一流なのかもしれないけど、それはツリーケアとは言わないから。
まあ、ほんの一部の登り方だけ知ってるヤカラが、鼻息粗く特殊伐採って言ってるヤツなんだろうけど、それは一般じゃないからね。ツリーケアとは言わないから。
特殊な人が行う、ただ切り倒すだけの伐採だから、ツリーケアやアーボリストとは全く別なヘナチョコだから。そんな人の話を鵜呑みにするのは、メリット無いよ。
辛くてキツくて遅くて力づくな仕事が好きなら命をかけて勝手にやってくれ。

シリウスブルロープはとても素晴らしいロープだ。
リギングには手放せないロープだ。
でもクライミングじゃないからね。

道具が悪いんじゃなく、使う人が悪いんだからね。

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