2010年11月22日月曜日

T-2三笠

今年最後となるT-2講座。
単純に道具の使い方や方法を伝えるだけでなく、
T-2では目的に近づくうえで障害となるファクターの回避方法や
高い木にいかに早く、いかに楽に近づくかを学ぶ。
それはT-1で蓄積した安全に対するロジックがベースになる。
目的は登りやすい木に登る方法ではなく、
登れなかった木にいかにアプローチするかなので、
頭を柔らかくシンプルに組み立てることで、
今まで出来なかったことが工夫できるようになる。


今回の講座ではSRTのキモとなる
アンカーの取り方を工夫し
いくつか代表的なものを紹介した。
それぞれ目的別の善し悪しがあるし、
各自が持っている道具でベターな
アンカーの取り方となると千差万別。
一つの方法だけ覚えても
それだけでは対処できない場合が多いし、
対象が人工物ではないので、
これがベストという方法はない。

SRTから切り返しでDRTに



荷重と抜重が繰り返されるアンカー数種、
荷重されたら開放するまで
抜重されないアンカー数種、
メインを抜重するための一時的なアンカー、
ボトムロアリングのシステム数種、
フィックスドアンカーのとりかた数種、
エマージェンシーアンカーのとりかた、
幾通りもある目的に合わせた
使用資器材やノットの選び方を実践する。
もちろん一般的な方法はあるが、
体系的に完成されることがないシステム。
そこが木登りの魅力でもある。

手前のミズナラ、奥のエゾマツ、
それぞれ違ったアプローチで。


方法だけ理解しても、使いどころが不明瞭な場合、
目的を果たせないことが多いので、
その場に応じた考え方に合わせた方法を選定してその幅を理解する。
講座の方向性もしっかり理解していただけたし、
「もっと早く知りたかった。本当に勉強になる」と言っていただけた。
伝える側の冥利に尽きる講座だった。

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