2020年5月13日水曜日

FALLについて

以前から気になっていた落下というか[FALL]について、やっと自分なりに整理できた。

PPE [ Personal fall protection equipment ]は、日本語表記で「個人用転倒保護装置」が一般的かな?この一般的って言い方も、統計的なのか?どこかの団体の優位性なのか?はたまたメーカーの表記なのか?そしてそういう一般的は、条件や状態でも違うし、どうもアヤフヤでシックリこなくって、私の日本語力もアヤフヤだから、そう感じていたのかもしれないが、

保護が、防護 / 防止 / 予防 / 阻止 / 制止とか様々な表記で私を悩ませていた。

もちろん正式には違いがあるかも知れないが、広辞苑や広辞林や新解さんでも違うし、類語や同意語として殆ど似た系統で表記があり、私は結局判らない。だいたいこの日本語の明確な違いを理解している人がどのくらい居るのだろう?
私の周りでは、居ない。
そして利害関係が絡んでそうで、それこそ一般的ではないと思う。

日本の規格なら日本語で良いのかもしれないが、私は日本の規格に頼ってないし、持ってる道具は殆どENやANSIだし、作業もICoPに準じてるし、そもそも原文のままカタカナで言うのがが良いと思っていた。

そしてそういうモノをザックリ説明すると、落下保護と落下防止と落下抑止の違いが明確に伝わらなくって、さらにレストレインやワークポジショニングが絡んでくると、もうこれらは全て「安全」と言う言葉で片付けられたりする。

ヒトは間違うんだよ。失敗するんだよ。落ちるんだよ。
でも落ちた時に命を守る根拠が必要で、作業は伸び難いロープでやってるから、衝撃力がそのまま身体に伝わる。それはとても危ないんで、フォールアレストなんだよね。

日本の多くは、絶対に落ちないんだよ。人間は間違わないんだよ。成功しか見ていないから、失敗しない前提だから。だから皆それに向って鍛錬するんだよ。万がゼロなんだよ。行政や雇用主はちゃんとできる方法を規格にしてるんで、万が一の場合は「想定外」って、責任は完全に個人に依存されるんだよ。

私は「安全」って言葉は使わないようにしているが、どうやっても皆「安全」って勝手に変換して納得している気がする。セーフティ[Safety]は、安全じゃ無いからね。

中国人の友だちに聞くんだけど、安全て言葉は昔は存在し無かったらしい。
でも最近は中国でも便利な言葉だからよく使われて、国家が国民を騙す時や幻想を抱かせる時に「安全」って使うようです。そんなもんだよ。「安心・安全」何て言ってるヤツらは信じない方が身のためだよ。


Fall Protection
プロテクション
≒保護

Fall Prevention
プリベンション
≒防止

Restraint
レストレイン
≒侵入制限

Fall Arrest
フォールアレスト
≒落下抑止

落下抑止(アレスト)では落下防止(プリベンション)はできない。
防げないけど、のっぴきならない状況にならないように、落下を食い止めて地面に墜落しないようにする。または、衝撃荷重にならないように落下の動きを緩やかに止める。結果的に落ちないから抑止になる。だからそれは落下保護(プロテクション)にあたる。落ちる可能性はあるけど落下を容認して、失敗した時に落ちる動きを抑止する。

落下防止(プリベンション)は、落ちない。
危険なエリアには入った時でも、落下しないように絶えずロープが張られるか懸架状態で作業するから落下は起きない。これも落下保護(プロテクション)にあたる。

侵入制限(レストレイン)は、そもそも危険なエリアに入れないようにする。侵入できないから落下しない。だからそれは落下保護(プロテクション)にあたる。

てな感じで、今のところの理解として、図を起してみた。参考になれば……

今まで「保護」と「防止」はどう違うんだ?って思って、モヤモヤしてたけど、アーボのワークアットハイのICoPで、2014年までは、文の中にフォールアレストが一杯出てきていたが、今年のドラフトでは、Fall Arrestの表記が一切無くなり、どうして???って思っていた。そしてProtectionと同時にPreventionが頻繁に登場する。
コレの意味が判らなくって、コビッドー19の影響もあり、家で自粛して随分シツコク調べていたら、私が感じていた「保護」と「防止」のニュアンスの違いがオボロゲながら少しずつ霧が晴れつつある。
おそらくフォールアレストしても枝の間に複雑に絡んでいたりすると、アブソーバが効く前に何処かに激突する可能性の方がデカい。即座に見事に障害物に当たらず地球に向って一直線に落ちるコトは考え難い。もちろん高く一直線に登る時は完全な落下に繋がる可能性はあるから、その時はフォールアレストすれば良い。
だから通常は抑止はせずに防止しようぜ! でも2本使いな!、って感じを納得できた。
そしてEN 363とかに書いてあった意味も、ようやく納得できた。これを納得するまでに随分時間がかかってしまった。

でもね、この図だけじゃダメだからね。これに肝心なトコロは触れてないからね。ロープアクセスとかワークポジショニングとか、会える人なら説明するけど、それらがどう関わってくるかは、自分で考えてね。

でも、保護や防止や抑止は、やっぱりそのまま、プロテクション・プリベンション・アレストっていった方が判りやすいな。
フォールプロテクションは、落下プロテクション
フォールプリベンションは、落下プリベンション、にして
フォールアレストはそのままが良いかな?
まだ悩ましく、、残念。

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