2020年5月2日土曜日

ユーチューボリスト

最近やたらある動画の話をされて、その動画のやり方はドウなんでしょう?と聞かれる。
まあ、あとでYouTube見るんだけど、コイツは見ても何をやりたいのか?全く判らない。ただ最新の道具を見せびらかしたいだけなんじゃないの?この人が悪い訳じゃないけど「こんなん買いました〜!」っていう感じ悪い情報ってだけで、理に敵った方法でも、マニュアルに出ているやり方でも無いし、彼独特の方法なんじゃないかな?

情報は自分で選択するものだよ。
何でも鵜呑みにするなよ。

そして突っ込み所も満載で、命綱って言ってるし、チェンソーをノコように前後に動かして伐ってるし、トップカットでどんな動きをするか判らないから怖いらしいし、受けも伐らないし、リギングじゃなく自由落下だし、その太さなら手ノコっしょ!てやつもチェンソ−使うし、システムもクソもない、そして全部1人作業。リギングも何も無い。
当人が事故ったら誰が助けるんだろう?
これこそ特殊な伐採かぁ〜!すげぇな。って思う。
トクバツって、特殊な人の伐採だからね。世界的に見てスタンダードじゃありませんからね。そのくせ世界基準の最新道具を使ってる。道具にはメリットもデメリットも有るし、メーカー推奨の使い方決まってるからね。 誰かにアドバイス貰ったり、相談する相手居ないのかな、友だち居ないのかな。ツリーケアは、人間は失敗するから救助前提で作業を計画するからね。人間は鍛錬や繰り返しの練習でもどうにもならない部分があるからね。スタートラインがトクバツとは違うからね。

この方は何がしらのスゲェ職人なのかもしれないけど、こういう動画を見て特殊伐採だ〜!オレもヤる〜!って喜ぶ奴らには超ウンザリです。行政の方々に多いです。まぁ「特殊伐採」とかで検索すると、こういう輩に引っ掛かるんだろうな。こういうのは本当に、特殊な人が行う根拠無いマレでトクシュな伐採ですからね。私がやってるツリーケアとは全く別物ですから。
私は林業出身じゃないし、空師の正当継承のカタチを知らないからだけど、昔それを踏襲しようとしている人のやり方観た時に、こんな危険なコトは私にはできないと思った。逆にこういう作業をできる人は「凄い」とも思ったし、こういう危険な作業に命をかけられる人が本当の「職人」だと思った。そしてオレがやったら正直遅くて非効率だしイイところ無いと思った。だからオレにも出来るツリーケアの方が良いと思った。
成功例やその人にしかできない事は凄いと思うけど、ソレを真似しようとは思わないね。

動画を見てもそこから得られる情報は自分の都合の良い解釈になっちゃうし、言ってる事判らないから動画で何かを知ることが無く殆ど疑問が残るので、敢えて見ないようにしている。大体外国語で話してる言葉判らないから一概に判ったつもりになるのは危険、情報は選択しないとネ。

多くの人は「絵」だけを見てるんだろうな。前に紹介された動画では、私のつたないリスニングでも判ったけど「あぶねぇ!だからそんなやり方はダメなんだよ。アハハ」って失笑してるヤツで、こんなバカな事しちゃダメよという戒めの動画だった。それを「特殊伐採はこうやればイイんだ」って思ったみたいで「やっぱり特殊伐採は危険な作業ですね」とか言ってた人がいた。恐ろしいのは作業じゃなくて、そいういステレオタイプの視聴者だ。こういう輩の方がよほど恐ろしい。
何言ってるか判らないからこれが正解だって思っちゃうんだろね。ポータラップで対象をガツンと止めて、上でグワングワン動いてるのを見て、ポータラップはこうやって止めるんだ、動きを止めればイイんだ!って思っている人は今でも多いと思う。信じられない。

特殊な伐採はコレでイイけど
倍速動画で見せびらかすような
手法はどうもいただけない。

こういう人を私は
ユーチューボリスト。
そう呼んでいる。



ツリーケアでもツリーワークでもないし、ましてアーボリカルチャーでも無い。だいたい材も取れてないっしょ。もったいない。樹に対するリスペクトが無い。樹の命を奪うだけだから本当のトクシュ伐採ですね。見ているだけでウンザリする。

前に、カナダの知り合いから、日本人は狂ってる!って話されたこと有ったんだけど、まず条件を満たしてないロープ使って、訳の解らん改造して、日本人は何を考えているんだ。とか言われても、日本人じゃなくて、こういう特殊な人がヤルことだから、日本人全体がそうじゃないよって言ったら、そリゃそうだねって納得してくれた。こういう特殊な人が日本人代表みたいに要らねー情報流すのは本当に辞めて欲しい。

マニュアルに書いてるように、勝手にレギュレーションに合わなくなる改造したり、セッティングの要件も守らないで自分の持ってる道具に無理矢理自分のやり方を合わせたりすることは、私個人は勧めません。
この動画がドウってことないし、勝手にやってりゃイイんだけど、まあ要らないことで私が色々聞かれたり、問い合わせを受けるのが迷惑だ。
どうなんでしょう?と思ってるんだったら、信じない方が良いよ。
第一オレが「イイじゃね?」って言ったら、ヤルのかよ。
前に、そういう新しい道具のYouTube見て相談されたとき、ソレは使ったことが有る道具だったから「あなたには合わないと思うよ。たぶんそんな良いことは無いからヤメた方が良いよ」って助言したにもかかわらず、一週間後に会った時もうすで使ってて、凄くイイ!って言ってる人がいたけど、1ヶ月後にはちっともラクじゃないって使ってなかった。そんな一時の気の迷いで◯万円も使うのかよ!イヤミったらしく「アレどうしたの?」って聞くと、ムニャムニャと言葉を濁して、、、また新たにコレはどうかな?って新しい道具のことを聞いてきた。ダメだね。懲りないね。好きにしてよ。

都合の良い情報だけでお気軽にネットで道具買うのはどうかと思うよ。
Why?を大切にしてHowしてみるのはイイけど
自分の根拠は自分で構築しないとね。
そしてこういう動画をスゲェと思ってる人は、私に聞かないでください。
根拠も方法も知識も考え方も判らないし、多分違うんで聞かないでください。
私は特殊伐採の人間ではありません。
自分の危険を取り除く、見た目に遅くて用心深くて派手さが無いツリーケアです。

倍速じゃないですから。

どうしてみんな、いきなり早さを求めるかね。
危険少なくセオリー通りやっていれば必ず早くなるけどね。
簡単に最新道具を取り入れても早くならないよ。
根拠が違うしメリットデメリットも有るし
でも自分をスキルアップしてないから
だから道具に頼るんだろうけどな。
早くなる道具なんてそうザラに無いよ。
使ってる人が早くなるプラクティスしてるだけだよ。

でも、真っ当に作業している人でもそういう動画に引っ張られちゃうんだよな。講習も問い合わせも全く迷惑している。
高所作業特別教育(樹上作業)と並んで迷惑している。
悪貨は良貨を駆逐する。グレシャムの法則。

昔の仕事である企業の紹介をした時、取材の通り従業員が思ってる事書いたらクレームが来て「そんな事書かれたら評判が落ちる」っていわれてボツになったことがある。
本当のことを言っちゃマズいらしく、口当たりまろやかな上っ面の記事になった。
だから私は基本的にステークホルダの後ろ盾が有るメディアの言うこと書いてることは信用しない。印刷物や映像ってよく見せるように作ってるし、ヤバい企業ほど自分の所をよく見せる宣伝するし、大きな仕事をしているとか、雇用機会を広げたり、良いことばかり言う企業は、後ろめたいことが有るから声を大きく偉そうに社会貢献してるとか言っちうんだろうな。リクルートアドは特に、人が足りなくなるから良いことばっかり書いて、使い捨ての人材を集めるんだろな。ちゃんとやってる所はそんなところ偉そうに吹聴しないもん。行政に対してのポーズなのかね。
逆に従業員がイイ事しか言わない会社も胡散臭い。正しい事言ったらクビになるほど恐怖政治で統治してるんだろな。だからそういうおべっか使いしか会社に残らないんだろな。だから私的なYouTubeもTVも業界紙なんかも信用できないね。
そういうマヤカシを信じない方が身の為だよ。
都合の良いことを信用してババを引くのは自分だよ。

ツリーイングもツリーケアも特殊伐採とは違うからね。ミソもクソも一緒にされがちだけど、木に登るって共通点以外は目的も手段も全然一緒じゃないからね。
「ツリーイングの技術を使って特殊伐採をやってる」なんて言ってるヤツは全くの嘘っぱちだからね。私は両方やってるけど、ツリーイングじゃ何もできないよ。ツリーイングは登って楽しむものだよ。愉しく登れても作業をすることは認めてないよ。
そしてツリーイングのインストラクターはレスキューありきだからね。失敗したら誰も助けてくれない危険な特殊伐採とは全然違うことだから。ツリーイングをナメんなよ。
そんな特殊伐採はCEでもENでもANSIでもないし日本独特のガラパゴス特殊伐採だからね。世界的にツリーワークの基礎は存在するし、世界中みんなソレに従ってると思われてるから、外国人に日本は狂ってるとか言われるのよ。
でもそんな外国人でも、外国人ってだけで尊敬しちゃったりもするのよ。昔スネークマンショーで、ミスター大平ってのが有ったけど、そのまんまですな。YouTubeや立派な看板の書籍を前にすると、私のやってることなんか吹っ飛ぶよ、霞むよ。まあ霞んでもイイけど、信用してくれないなら、ソレでイイよ。私は自分や自分の仲間が事故らなければ良いので、怪しいやり方マネてる他人がどうなっても構わない。と思うことにしている。

何を信じてもイイし、何をやっても構わないけど、自分のPPEは自分の保護具だからね。あなたと私じゃPPEも多種多様で当然だよ。
そりゃネイビーシールズのように身長や体重の規格が決まってるなら全身一緒でも良いけど、デッコボコのジジィどもが、頭の天辺カスクから、つま先アーボテックまで皆ん〜な全員一緒でチェンソー振り回してるっていう、おぞましい光景を観たことがあった。ソフビのウルトラマン握って、喜び回る幼稚園児か!って思った。PPEは個人保護具だから、体型違ったらきっと違ってくるよ。猫も杓子も皆モーションなのはオカシイよ。
道具を何とかするんじゃなく、自分に合ってる理に敵ったセッティングやコンポーネント、コンビネーションを探すことが愉しいと思うけどな。

ユーチューボリストじゃなく、YouTubeには有益な情報が沢山あるよ。
サーズコビッド19でアラートが出てるから、みんな自分で考えて、30秒アドバイスとかチェーンコーチとかやってるよ。
結構面白い間違い探しのコンテンツとか有って、みんな面白い考えを言ってるけど、間違えてる画像見て「これでイイんだ」なんて思わないでよ。
ちゃんと何言ってるかわきまえたら、有益な情報も沢山あるよ。

そしてみんな楽に登れるデバイスは何?っていうけど、そんなのデバイスじゃどうにもならんよ。ハイキングするヒトも早撃ちも犬の骨も稲妻形も、ましてや締緩工具や減速帯なんて「楽に登る」道具じゃなくて、降りる時に有効なんだよ。動画で凄く楽そうに登ってる。って、手足も長くタッパもある肉喰ってる民族だからだよ。魚喰ってるチンチクリンには無理だよ。

楽なのはそりゃラプターだよ。はっきりしてる。デバイスいっぱい沢山買うくらいならラプター買えるでしょ。ホンダのエンジンだよ。

そして「楽に登る」ことが重要ではないよ。
ゆっくり登っても、手早くセッティッグ出来りゃイイんじゃないの?
セットや作業姿勢で無理してるから→疲れるので→ラクしたいだけなんじゃないの?
よしんばラクに登れたって、あなたの疲れは取れないよ。
そういうヤツに限って道具に頼って、疲れないセットや姿勢を勉強してないもん。
地上で勉強できることも練習してないから時間かかってるんだぜ。
それを道具のセイにしちゃ道具も可哀想だよ。
でもそういうバカがいっぱい買ってくれるから、
怪しい販売店はソレで儲かってウハウハなんだろうな。
でもメーカーは本意じゃないと思うよ。

登ってから疲れないようにすりゃイイんだよ。
そのために知識を貯めたり、結びの練習をするんだよ。
でもそんなことよっか自分の危険をどう回避するか?が大事だよ。
道具ばっかり買っても、自分の効率も危険回避も担保できないよ。残念!。

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