2011年10月18日火曜日

美登位T-3


先週末T-3講座を行った。時折雨が混じったり、
強風だったりの生憎の天候だったが、
なかなか静かに熱い講座だったと思う。
T-3はそれまでと違い、
正解の形が確定していない。
自分で見つけなければならない。
正直言って最近までは、
メリットも感じられず方法を模倣していた
感も否めなかったが、
今では自信を持ってこれが木登りだぜ!
って言える講座になってきた。

アドバイスをするが結局は
自分で方法を見つけ出さないと
どうにもならない。
しっかり目的を持っていないと
道具すら選べないから
最も難しいのだと思う。


一定の条件下での安全はあまり自然にマッチする方法ではなく、
やっちゃいけない!という決め事がかえってリスクを高めていると思う。
理由を解らずに形で理解していると範疇以外には対応できないし、
安全の形は状況で判断し資器材を選ぶことが重要なので、
フリクションヒッチの巻き数が何巻きという決めごともない。
だから代表的フリクションヒッチも
一様に5巻きが安全というわけではないと思う。
誰かがそう言っていたとか、Webにぶら下がっていたからという理由で、
ソレを模倣するような一元的な対応が最も危険だし、
言われたからやるのでは話しにならない。
習うのではなく、なぜ?を大切にして、
納得し咀嚼するまで受け入れないほうが良い。
マイギアはもちろんのこと、
使う資器材の基礎データすら
理解せずに、
昨日まで大丈夫だったから
今日も大丈夫という
根拠にならない根拠をベースに、
幼稚な知識で木に登るとなると、
出来ることも限られるから
縦方向だけの言うなれば
ミノムシ登りになる。


個人差はあるが必然的に高度と共に恐怖も増すし、
何しろ一瞬で死ねる方法だから余計動けなくなる。
例えば樹上が恐いと感じるのは、
得体の知れないことが多すぎて漠然と恐いと思っている人が多いのだと思う。
ひとつひとつ分解して理解して複合化すれば自分の安心感に繋がるし、
限度を知ればそれ以上のことをしなければよい。
後は根拠を積み重ねてその限度の幅を広げていけばいい。

人はどうしても自分の都合の良いように
物事を捉えるので、今ある状況下で
何とか方法を見つけ出そうとする。
チカラ技で行けたり経験上の方法を
無理矢理当てはめたりする。
思考の幅と視界がどんどん狭くなり、
そのうち機能停止して、
そこから一歩も進めなくなる。
まあ単純に見えていないコトが殆どなんだが、
その理由を自分以外の
道具や状況のせいにする。(あー耳が痛い)


それでも、自分が大変な思いをして到達した枝先に、いとも簡単に行ける人がいることも事実で、経験云々ではなく、重力方向とベクトルを理解し自然の力を利用する空間のイメージが出来るかどうかに係っていると思う。だから楽しい。
理屈の知識をとことん理解すると、目の前の空間イメージは急速に開けて、可能性も広がってアイデアも生まれてくるし、今まで見えていなかったリスクにも気が付く。そういう木登りを目指したい。

上空ではクワックワッと
ハクチョウが渡り始めていた。
今年初。
稲刈り後の田んぼで
落ち穂を啄んでいた。

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