2011年9月1日木曜日

防風林のコウモリ

家の前に防風林にはいろんな生き物たちがいる。
季節や環境で方法が解ってくると、徐々に観えてくる。
でも、観方が解らないと皆目見当も付かないことだっていっぱいある。
そこに存在があり、見えないけど感じると、どうしても観たくなる。

コウモリをちゃんと観てみたい。
居るのは解っている。でも寄る年波には敵わず、
子供が聞こえる声も聞こえないし、夜目が利きにくくなり、しかも老眼だし...
以前からタイミングを待っていたコトがようやく実現になった。
木登りで知り合った方のリサーチ的な調査に同行させてもらった。

夕方、防風林の間の用水路の上を飛ぶヤマコウモリ。
コイツは大柄だし、空ヌケの所で観察できるのである程度観られる。
でも、用水路の水面を飛ぶヤツや林間を飛ぶ小型のコウモリも数多くいる。
ヤブ蚊が多い暗闇の林間にバットディテクターを向けると
トントントン...ヤツらは確実にいる!


方法はいろいろあるらしいが、
捕まえました!
カワイイ〜そしてカッコイイイ!




キーキー元気がよく、
結構凶暴そうな面構えだが、
凄く繊細で華奢な、
ポキッと折れちゃいそうな
骨と羽根というか皮膜。
何か捕まえ方というか
持ち方があるようで、
早速、計測・同定。




鳥と同じように
コウモリにもバンドリングする。
計測の間に逃げられてしまう
可能性もあるので、
体重を量った後、
先にバンドリングする。




ライトテーブルで膜を広げ
羽先というか指先の関節を見る。
膜の先端はいわゆる指が伸びて
その間に張った膜で、
指の関節に当たる部分を見る。
コレは若い個体らしい。



後脚と尾の間の膜の血管の
走り方も同定の決め手になる。
なんかこうビラビラを広げて
いじくり回すのは忍びない。

この個体はカグヤコウモリ。



性別はもう直接的な方法で
確認する。
1個体だけだと違いが
よく解らないが、
比べてみると、
ポチッと出っ張りがあるものと
無いものの差らしい。



先ほどのとは違う個体。
これはドーベントンコウモリ。
サイズ的には小さめだけど
体重は一番重かった。
数を沢山見ると微妙な差も
見つけやすいが、
最初はなかなか解かんねぇや。




血管も真っ直ぐ。足も短め。
後ろ足の両側の膜の付け根も
同定の決め手になるらしい。
いろいろ計測してようやく放免。

ありがとう!
君たちを間近に見られて
本当に幸せでした。



今回は小1時間ほどで
カグヤコウモリ♂x2、♀x2
ドーベントンコウモリ♀x1を観察できた。


コウモリのいろんな話しが聴けたし、特徴や行動もリアルに感じられた。
何っつたって日本で最も種の多い哺乳類。
日本では昔から吉兆の紋として着物や手ぬぐいに多く登場するのに...
身近なくせに忌み嫌われたり、怖がられたり。
それに一晩で体重の半分ほどの虫を喰う彼らが居なかったら、
もう蚊だらけでカユカユな生活をしなければならない。
害虫駆除(害虫というのも何だが)に一役かっている。
どうも偏見やイメージ先行で見ていないものを見た気になって、
一方的に畏れられたり。
まあその方が彼らにとって好都合かも知れないが、
あの柔らかい背中を触ったら、もう虜になってしまいました!
ありがとう!コウモリたち、ありがとうケンちゃん!

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