2020年7月14日火曜日

機器の選択

3.10 機器の選択 It is essential to have a thorough understanding of the methodology behind the system, the technique and the individual components to be used.
システムの背景にある方法論・技術・使用する個々の構成要素を完全に理解することが不可欠です。

この各アンカーは、OKなの?NGなの?
どういう理由で、何の為に作ったの?
ってコトが判らないと、何とも言えない。
それぞれに理由があると思う。
単純に誰かに教わったからっていう
理由がダメなんだと思う。
チョーク/ガースのアンカーとか
スリーポイントロードとか
ターミネーションに集中するカラビナとか
どれもこれも、
決定的にはダメじゃ無いと思う。

ダメなのは、
白か?黒か?って考え方だと思う。
ダメを承知してセカンダリを用意して
一時的なら有効なグレーだってある。
使い所や方法選択だけが問題ではなく、
使うタイミングや状態や条件を
自分で考えて選択するってこと。

何〜んにも考えないで、だだ人の真似して、使うのが一番ダメね。

1番上は普通オープンスリングにガースね。スリング強度が22kNでも、ガースは強度が50%ロスするからダメ。って言う理由がダメ。使い所を考えて、荷重を予想して、ガースでも引く方向と動きを予測してチョークしすぎなければOKかもね?

2番目はスリーポイントロードね。このラウンドスリングはテクソーラで100kNの強度が有るから強い!って考えちゃうのもダメね。カラビナが3点荷重でマイナーアクシスと同等の強度しか無い。でも使い所を考えて、とりあえずテンションかける為だかだったり一時的だったりならOKかもね?

3番目はスリーバイトね。こいつはカラビナをリギングプレートにまとめてるし、もう何の問題もなさそう。でも一旦荷重抜けたら緩んじゃって、確認しないで再度引いたら、カラビナがマイナーアクシスになってるかも知れないから、使う時に考える必要がある。

4番目はアンカースリングに三角マイロンね。三角マイロンはスリーポイントロードOKなんで、マイナーアクシスも気にならない。調節可能なスリングなんで都合がいい。でもスリングの耐荷重容量を気にする必要があるし、ズリ下がる事を意識しないとダメね。

アンカーをとる時、デバイスにもよるがアンカープレートを使ってまとめるのが一般的だと思うけど、道具が増えるし、ストロークが出過ぎる。マイナーアクシスも意識する必要がある。例えば、三角マイロンとか使えば単純でOKですね。でもネジ式なんで面倒だし、本来はペンチでキツく締めててでは外せないようにする必要がある。面倒臭い。
このやり方をどっかで見て、シンプルに真似して、カラビナでやっちゃう人はアウトですね。
カラビナはスリーポイントロードは御法度。これはもうマイナーアクシスと同じだからね。 ただ、荷重が載るアンカーじゃなく、一時的にまとめるだけなら問題ない。
こういうようなやり方を工夫しながら、使用条件や状態を確かめて、適材適所で使うという知識を持って機器を選択する。
単純にどっかで見て、コレでイイんだって考えちゃう人、いるよね〜。SRTのボトムアンカーはブリッズアンカーでイイんだ!しかもスラッグとらないでそのまま点けちゃったりしている。荷重/抜重を繰り返す可能性がある所は、ブリッヅはダメでしょ。

そういう使い方と方法論を無視してヤルのがダメ。その頭の中がダメ。

それからどういう訳か?みんなバーセルアンカー好きだよね?
別にバーセルが良いとか悪いとかじゃないけど、
6mmコードのプルージックはダメだよね。
プルージックが良い悪いじゃなく、形だけ真似て、手持ちのアクセサリコードで
アンカーを作っちゃうのは、だめだね。誰がバーセル勧めたんだ?
イージーに形だけまねしようとする発想がだめだよね。
バーセルアンカーには、バーセルアンカーなりの、条件と状態がある。


変Dなら、スパイン側に加重する。でイイけど、O型ならどうなる?
O型は荷重すると、やっぱリスパインから外れて、弧の頂点になるから
強度が少し落ちる。とか
我々がよく使う、ヒッチコードのシステム。O型使うよね?
ソコで疑問に思ったのが、カラビナのメジャーアクシスは「長径の2点に荷重しないといけない」って解釈していたのだが、
MRTのヒッチシステムはそれでイイのか?ってことで、具体的には…

スラックテンダーのフェアリード用に
ヒッチクライマープーリーを使って、
ヒッチコードを使うシステムでは、
両方のレッグのアイで、
プーリーを挟む事になる。

ヒッチコードのレッグは2本あり
ターミネーションと合わせて
実際に加重するポイントは
3点になるんでないの?

これはスリーポイントロードという
ことにならへんの?

フェアリードシステムでは、ヒッチコードに均等に加重する目的からO型ビナを使うのだが、本来の長径の荷重ポイントにある真ん中のプーリーは、ヒッチコードを引き上げる為に有るだけだから荷重しない。
そして真ん中にプーリーを挟むから、荷重ポイントがどうしても長径から両側にズレる。

# 荷重する方向が3点でもスパインと平行だから良い?
# そんなもん、ちょっとズレるだけだから3点でもイイ?
# 本当は、コードを挟むようなプーリーが良い?

いろんな考え方が有るけど、ここがまさしくグレーゾーンだと思う。
こういうことをアーボミーティングループで話し合いたいね。
他のいろんな人の考えを知りたい!
そして自分で自分自身の機器を選択したいね。

それならピントとかフィクセとかの、アイをサイドプレートで挟むタイプのプーリーの方が良いに決まってる。
しかしヒッチクライマープーリーは、やはり、この3つ穴がめっちゃ有効で、ツリーワーカーが開発しただけある。この穴が無ければ使わない。
他にもハイドラとか、ISCのプロティヒとか、CMIのトリタイとか、様々あるけど、色々使ってやっぱりヒッチクライマーに落ち着いた。

そして自分では、これはスリーポイントロードかもしれないが?使い勝手を優先して、でもそこにリスクがある事を承知して、そのリスクを制御するように使う。

それでイイんじゃないかな?
誰か、このスリーポイントロードの疑問について知ってるコトが有れば教えてください。

ただ実際にはプーリーなんて使わなくたって、クライミングシステムに成る。
このプーリーは、使い勝手やその他の汎用性の為に存在する。ってことを知らずに使ってる人も居る。
樹上のポジショニングで、その穴使ってランヤの逆末端でもう1点取れるでしょ!って言っても、何の事か判らん?って感じで、一切他の穴を有効に利用せず、ただカタチとして、クライミングシステムはヒッチクライマープーリーだろ!って決めつけてるだけの人も多く見受けられる。
使われない穴が可哀想ですよ。

穴だけじゃなく、そもそもプーリーを点けてるだけで、フェアリードやスラックテンダーや荷揚げに利用しない人も居る。なんだソレ!
なんか、みんな点けてるから、オレも点けよう。的な人は、カタチだけであんな高いプーリーを使うのはもったいないですよ。

それからそんな事は一切関係なく、
HMSやD型のビナを無理矢理使ってる人も居る。

D型は荷重したら、プーリーがオフセットするし、レッグに均等加重しないでしょ! フェアリードしたらその都度プーリーが動いて、レッグのすき間が拡大して、それこそスリーポイントロードになる。
HMSで、ユルユルのアイで、抜重すると、グラグラ動いて、ダイアゴナルロードになる。そんな事一切気にせず、目的も判らずカタチだけマネして、プーリーを点けるモンだろ!ってだけの人も居る。

昔、HMSで、フィクセマイクロプーリーの両側に、アイがユルユルのコードで、これでイイんだ!って特殊伐採の会社が合った。今もきっとそのままなんだろうな。
話を聞くと、フィクセはサイドプレートが固定なんで幅が広く、ソレを使おうとしたらO型ビナは狭過ぎて入らない。だからHMSを使ってるって、もう目的も条件も状態も何が何だか判らないシステムだよね。
百歩譲って、フィクセ使ってるなら真ん中にアイ入れられるだろ!って思うけど、なんかカタチだけなんだろうね。悲しいね。

システムの背景にある方法論・技術・使用する個々の構成要素を完全に理解することが不可欠です。
機器の選択は、非常に重要です。

ってか、システムには適切な機器の選択が不可欠なんだよ!残念

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