2020年6月25日木曜日

小器用な…


フリクションヒッチなんて知らなくても
高所樹上作業は出来ると思う。
道具や技術なんて後からどうにでもなる。
ヒッチコードの結びやドレスなんて
覚え無くても、イケるよ。

SRTだけでも作業が出来るんなら
ソレで良いヨ
ただし、ハードマティリアルは、
動かなくなったらオシマイだから、
ソレネリの知識が必要だけどね。

でも多分そういった作業ができるのは、
根拠がYouTubeにある人間や
自分勝手に解釈した道具だけで、
自分に根拠を持っていないからじゃない?
ステーショナリーでも幾らでもセーフティに行える現状もある。
ソレは間違いない。

ただし、事故を起こさず、作業が早い、儲かるツリーワーカーは、
ALARPによって、合理的に実行可能な限りリスクを避け、
リスクの量と質を分析して、計画して→やってみて→検証してを繰り返し、蓄えた知識の中で、最も整合性のあるセーフティな方法で、登って作業してると思います。
そのために、いろんなファクターを予測して、いろんな種類の結びも覚えて、考えるのをヤメず、絶えず工夫してると思います。

そんな事やっる時間ないし儲からない!って人間は、できることだけを現場に合わせて無理矢理やるので、結局は自分を安く見積もってるだけだと思います。

私は経験上SRTだけじゃセーフティに出来ないので、産業用ロープアクセスやテクニカルロープレスキューなどいろんな方法を模索して自分なりに検討しています。

日本と同じ頃にツリーワークのセオリーが輸入されたニュージーランドや台湾では、最初からリスク評価の知識が存在します。
だからどんどん進化し続け、知識も技術も発展します。
マットーな人は、
優れた良い「考え」があれば直ぐ採用します。
アッポーな人は、
良さそうな「道具」があれば直ぐ採用します。

旧態依然とした、思考をヤメてしまったヤツらは、道具だけに頼るよ。
たとえそれば今までの作業やシステムと整合性が無くたって、
オレ様のヤリ方に、道具だけ持ち込むよ。

そして多くの特殊伐採業者はみんな小器用で、知識を貯える前に、技術的に出来ちゃうから、それで良いと考えるようでだね。面倒な知識よりも、たまたま巧くいった方法でイイじゃねーか!って考えます。

一方私は、ある講習を受けて、不器用で技術的にはダメダメで、心底イージだった考えと愚かさを理解して、どうしてダメなんだろうと考えていくうちに知識が身に付きました。そうして技術的に出来ないことでも知識でカバーできることもあると知りました。物理的に無理なら、それが出来る人を呼んできて一緒に作業します。
特殊伐採じゃないツリーケアの世界は、ソレができると思います。
基礎に共通性を持たせれば、皆で検討し、オペレーションできると思います。

「登り方」なんてそのヒトに合った方法なら何でも良い。

だいたい樹上に最初にアプローチする時間なんて、私の経験上1分〜5分とか程度です。
登った後に、重力と力と方向を考えて、効率良く作業を行うために良いポジションを取ることの方が重要ですね。
登るために最新のデバイスで、5分を1分に縮めたって、良いポジションを取る知識が無ければ、結ぶにも、セッティングにも、カッティングにも、時間がかかってしまう。
縮めた4分なんて、あっという間です。

樹上でおっかなびっくり幹にしがみついて、ランヤードをいっぱいセットしガチガチに固めて動こうとしても動けない。対象にアプローチできない。
ランヤードをちょっとづつ動かして、枝の上に立って、そろそろ動くと遅いし、ポジションが無茶だから、安定しない足場で、手を思いっきりの延ばして、無理な姿勢で結びに行っても、時間がかかるし、いい加減な結びになる。
吊る場合は、重力・力・方向を考えずに、手が届いた所でセットするから、動きも読めないし、これも無理な姿勢で結ぶから時間がかかるし、いい加減な結びになる。

そこでモチャモチャやってる時間って、どれだけ無駄なんだろうね?

よく、面倒臭い理屈を説明すると、まだそういうレベルじゃないって言ってる人に限って、YouTubeや道具だけで、いきなりレベルの高いのツリーワークをやろうとする。
ツリーワークはソレだけでは無いが、ある程度の基礎やセオリーを理解した上で、デバイスやシステムに傾倒して行かないと、いきなり高いレベルを目指しても何にも身に付かないし、だいたい講習受けてもチンプンカンプンだと思うし、途中でついて行けなくなって諦めて道具ばかり眺めてたりする。そしてオレは一流の講習を受けてきたって言う看板を引っさげて、基礎を端折って、成功例だけどっかで見て、ソレの繰り返しで何とか習得しようとする。

そんなに甘くないゼ。

みんなノッチもバックも回避もそれぞれの姿勢を決めずに、いきなり伐り始めるから、ヒンジが直ぐ外れてしまったり、予想外に動いて、慌てて修正しようとしても、ポジションがいい加減だから修正伐りも出来ない。
そして、面倒だからそのままやってしまえ!って伐っちゃう。
そして変な所に引っ掛かったり、壁に擦ったりする。
失敗してもグランドが何とかしてくれるとか、
自分に害が及ばなければ、もちろん回避のポジションなんて考えていない。
そしてたまたま巧く動いたら、これで良い!って思ってしまう。

そういう作業に、どれだけリスクがあって、どれだけ危ない橋を渡ってるとか考えないんだろうね?結局どれだけ時間がかかってるんでしょうね?

小器用に登れるとか、昔アルパインスポーツでブイブイ言わしてたとか、道具を買う金が沢山あるとか、そんなん関係ない。でもそんなんカンケー無い!

登ることやデバイスなんて、ほんの一瞬よ!全体の作業の1%も無いんじゃないか?
作業を、セーフティに、効率良く、楽に、儲かる為に、登ることは、全然重要じゃない。

そういうコトを考えないで、疲れきってる人間は、兎に角新しいデバイスが出たら飛びついちゃうんだろうね。

そんなに早く楽に登りたいだけなら、ラプターしか無いじゃない。

私は自分の、ちょっとした疑問で確かめた基礎のポイントや知識として効果的な技術を構築して、初心者向けに行う講習で、一定の成果が上がっている。
セーフティな作業が、ゆくゆく効率を上げるとこを承知してもらって、実際にそう動いて実績を残し活躍しているチームもある。

凄げぇ天才ならレベルの高い技術も直に習得できるようだが、
多くはみんな地道に失敗を繰り返して成長して行くんだよ。
そういう人が成長して行く姿を見てると、自分の伝え方は間違ってないと確信するよ。

だいたい色んなデバイス色々買うくらいの予算が有るなら、
やっぱりラプターで良いじゃない。
シロウトには、小器用って、邪魔な要素だよ。残念。

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