2019年3月7日木曜日

アキンボとギンコ



どうも、アキンボはクセが強く、
登る時はそれほど気にならないが、
設定如何で、ロープの滑りが悪く、
降りる時に難儀する。
フリクションをキツめにすると
アッパーアームをまだか?まだか?と
くっつけて行くと、急に滑り出す。
または上下のアームがぶつかる所まで下げ
手が痛くなる。ことが多い。
穴空けて、ゴムとか噛ませたくなる、、
なんてアホな事しなくても
設定をファインチューンするのは当然
シビアに設定すればストレスもなく
そのクセが気持ちよく扱えるのだけど。


コトあるごとにいろんなロープに
トライしているが、
自分の登り方でロープで選ぶとすれば、
承認ロープの、WLL:130kgで、
Sterling Scion 12.5mm
Teufelberger Fly 11.1mm
よりも、今のところ未承認のロープ
No.1 Beal Ginkgo 12mm
No.2 Teufelberger KM III 11.1mm
No.3 Sterling HTP 7/16''
が最も自分のスタイルに適している。


中でもGinkgoがすこぶる調子が良い。
ギンキョウ(本当にこう呼ぶのか?)
自分的にはギンコって言ってるけど。
さすがメカニカルデバイス向け!って
言ってるだけあって、素晴らしい。
実はこのロープは
ヒッチコードでは巧く機能するが、
スタンダードなフリクションヒッチは
カタ過ぎて組めない。
スプライスも出来ね〜し、
(コレは私個人の技術の問題です)
クセが強い。でも、
何かと調子がいい!スバラシイ!
今更16st.ロープが素敵って
なるなんて思わなかった。


ギンコで設定が、[D4]
ユニコアなんで撥水性も高く、
コアとシースのズレも無い!
16st.なんで、表面の凹凸が大きく
カタカタっとイイ感じに機能してくれる。
他のロープだとデバイスを通るとき
やはり若干ツブれ気味で断面が楕円になり、
フリクションに変化が出る。
SRSからMRSにチェンジする時など
径のツブれは、やっぱり頂けない。
このちょっと硬めのロープと
アキンボとの相性が最も好き!
クセが強いデバイスには、
クセが強いロープがイイのか?


そしてNo.2の KM III も塩梅がいい。

最近のセミスタティックは、
ポリエステル使いのしなやかで軟らかい
のが増えて、何かと使いやすくなっている。
ノットがデカくならないし、
若干のツブれでしっかりドレッシングできる。

KM III は往年のナイロン使い、
硬く曲がらず、質実剛健。
そんな所が逆にアキンボと相性がイイ。
この KM III の設定は、[E5]がベスト。
やっぱり自分の登り方/降り方では
普段は荷重が抜けてズルズルの状態で、
キュッとしたいとき、ピタッと決まる。
こういうヤツが最も好きだね。


それに KM III だと、SRSで登って、
セミスタティックでMRSに変更できる!
私は作業はMRSじゃないとダメだから
セミスタティックでMRS出来るのは
最大のメリットかも知れない。
まあ今までもソレが可能なデバイスは あるにはあったけど、使いづらいし。 そしてアーボな人ってどういう訳か
ツリー専用ロープしか使わない人が多く、
レクリエーション出身の自分としては
セミスタ上等で使える所は使う。
以前はフツーにクロール登りリグ降り、
で、途中でデイジー使って..だったが、
アキンボは作業に持って来いジャン!
一応テストする時はバックアップでASAPを着けてるんだけど、コイツも最初は邪魔だなぁっと思っていたけど、SRSで登る時は有った方が良い、と思うようになってきた。MRSだと何か必要感じ無いのは、本当に気のせいですが、バックアップは少なからず考えた方が良い。マストじゃ無いにしろ、めっちゃ細い頼りないアンカーや、枯損木に登る時には特に別系統のバックアップは重要でっせ。





試しに、雪の上なんで、2mくらい上からケガしない状況で、いきなり握って落ちてみた。といっても雪面ギリギリで止まる目的で。Ginkgoも KM III も、手を離すとピタッと止まれた。敢えて言わないが、承認ロープでも止まれないで落ちたヤツもあった。滑った後に効かないのはちょっとNG。
思いっきり動荷重で走らせてギュッと止まったからターミネーション側のヌースヒッチがメッチャ締まって、解くのに一苦労したね。SRSでやれば問題ないけど、最初はMRSで行ってしまって後悔したよ。
そして更にアキンボは、ロープが濡れていると、急に滑り出す!というか、乾いている部分を下降中に濡れてる部分が来ると、、、
ソコから急に滑りが良くなりビビる。試しに、水にドブ浸けしたロープでヤルと上のボーラードから飛沫が飛んで冷たい。降りる時は顔のあたりにデバイスが来るから、涎垂らしたようにベチャベチャになった。
そして濡れてる所とそうでもない所のコントロールが非常に難しい。でもそのくらい慎重に扱わないとダメ?今は冬場なので雪の湿気が問題だけど、夏場に汗でロープの一部だけ濡れると急に滑り出したり、ちょっと怖いだろうな。

故にアームがくっつくほど下げてやっと動く状態では、下のボーラードが急に機能しない可能性があり、けっこう危ないと思う。
少なくとも上下アームは少し開いた状態でコントロールしないとヤバいんじゃない?
手が痛くなる程ムリに下げてたら、ロープの湿状態で機能しなくなるかもヨ。

個人的な設定では、ズルズルが好きだから、ワークポジショニングランヤードで荷重が抜けたり載ったりしたら、何かダラダラになってることがある。作業を行う位置では、ランニングエンド側にスリップノットをしておけば、デバイスが下がっちゃうことも無いね。これはホント役に立つ、それだけでイイんだもの。レクリエーションの Be Safety! の考え方、素晴らしさを再確認できた。予定調和の形骸化したモノじゃなく、レクリエーション甘く見ちゃいけね〜ぜ。理にかなってるもの Be Safety!




あと、SRS引き上げのアタッチメントと
ロケットの関係。
今はハーネスの後に止めて、左肩を経由し
トップクロールのベロクロキーパーに通し
センターDの右側を通って
ロケットに接続している。
引き上げのrockXは、その背中側の途中から
キーパーを通さずゴム付きのベルトで、
左肩から引き上げる感じ。
手で押さえてる所から分かれて
ソコが左肩から2系統出ている。
コイツらは、まだ決まらない。
位置と長さの関係が微妙。
でもこのゴム!めっちゃ良い。
このゴムを教えてもらってから
ロケットがスゲェ機能するようになった。
細かい設定と使い方のシーンと環境条件に照らし合わせて、一応イメージできる試験とトライアルを繰り返した結果(持ってないロープを試してないから、何とも言えないけど)、自分の手持ちロープの中ではギンコが一番好き!

ゴリゴリ力技の人や、命知らずの曲芸師や、漢気なんて言ってる人には向かないデバイスです。システマティックに事象を捉え、引き出しの多さでアンダーカバー出来る人じゃないとダメ。でもまずは道具!って人多いからな。そういう人ってレクリエーションを下に見てるよね。ハードウェアは使い方や条件の上に成り立っているから、まずはベーシックなリスク管理ってソフトウェアを理解するのが一番良いと思うけど。

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