2021年9月1日水曜日

双眼鏡

私は鳥を観るのが好きで、ソレ切っ掛けで遊びで木に登り出し、まあ当初の目的で木に登るととっても楽しく、しかし鳥の営巣後なんかを観察しようと思うとヤバい木に登る必要があり、どうやったらラクにしかもセーフティに登れるかな?って考えるようになった。
色々判ってくると、日本で唯一とか、なんとか認定とか証明とか、ソレらしく見える看板を掲げて初心者を騙すただの儲け主義の商売が横行してる。そしてソレが近道で王道でプロの仕事だ!職人技だ!みたいな輩がとても多い事に愕然とした。

確かに素晴らしい成功例かもしれないが、相手が自然なんだから、どんな状況にも当てはまって必ず良好な結果をもたらすハズがない。


双眼鏡も同じで高性能高倍率の優れた道具が
即ちいい結果をもたらす訳ではない。
幾ら良い道具でも結果が役に立たなければ
全く無用の長物。

どういうことかって言うと、
鳥を観察するために双眼鏡を使うのに、
高倍率過ぎて見つけられない。
肉眼との比較差が大きすぎて探し難い。
見えてる高倍率の映像は
即座に脳ミソが反応できない。

光学機器マニアってわけじゃなく、必要な状況に合わせて条件を選ぶとこれくらいの数がいる。少しはまともなものも欲しいけど、状態を考えると全部安物でいい。
私の脳ミソが反応しやすいのは8倍くらい。視野が広く、明るいレンズ。散歩の途中で鳥を見つけて観察するなら軽くてレスポンス良く手頃な方が良い。

まだ小さい頃に双眼鏡が実家にもあった。
もっともその頃はまだ戦争の影が色濃く残り、双眼鏡って言ったら、水平線のシルエットを自国か敵国かを判断さえできれば良いという目的の、大きく重く高倍率の軍隊が使うような双眼鏡だった。何も知らないガキがイイ振りこいて「う~ん見える見える」っていうモノは素晴らしい双眼鏡かもしれないが、見ることが目的ではなく、双眼鏡を持ってるオレが見られることがメインのもの。ガキだった。お粗末っていうか、情けないっていうか、カッコ悪い奴がカッコつけてるだけ。
形を把握するだけの高倍率なら色やコントラストなんて関係ない、鳥の繊細な色や風切りの位置とかバランスとかで同定するには倍率より精細な明るさやケラレや広い視界だと思う。

双眼鏡を使って鳥を観察するっていう目的を持ってから、ソレを引っ張り出してもなかなか使えない。当時はひとみ径や倍率や被写界深度や明るさやケラレなんて知ってるはずもなく、ただ高倍率なモノは優れてるみたいな認識しか無かった。6倍のレンズより60倍のレンズの方が良いに決まってると思っていた。
だいたい使い方も知らずに持ってるだけだから、そんなの良い結果を生むはずが無い。
ウェブや新聞の広告とかでも倍率だけを唱って拡大写真を載せて「こんなに高倍率」みたいな双眼鏡が宣伝されている。ケラレも明るさも関係なく高倍率が良い結果を生むようなニュアンスで、バカな奴らが飛びつきそうな唱い文句を掲げてる。

肉眼で探してから、ちゃんと正面で立って視線をずらさず肉眼で見ている頭の位置に双眼鏡を持ってくるっていう基本が無けりゃ、見れるはずが無い。
そんな基本すら知らず、双眼鏡を掲げて眼に当てて覗いてからグルグル動かす人が居るけど、そんなんで観察できるはずが無い。
そして最近はズームやオートフォーカスなんてのもある。
まあ返って映像が安定しなく暗いから全然良くない。
見たいモノ以外にフォーカスしちゃえば、ピント調節が出来ないだけだから。
やっぱり固定焦点の8倍くらいが丁度良い。
そしてプリズムやレンズ枚数の少ない明るいのがイイ。ツァイスやスワロフスキーが高価なのは、明るいレンズでムラの無い大口径だから優れているのだよ。

写真を撮るだけが目的のカメラ人も2000ミリ程の大口径を手持ちでぶら下げてるけど、アレは見つけられないだろうな。だから実績のあるスポットに群がるんだろうな。

そういうテクノロジーだけを自慢しても結果がへなちょこならしょうがないな。
ハスクやファナーやモーションなんてのも、全く同じだな。そういうテクノロジーだけを自慢しても結果がへなちょこならしょうがないな。そういうテクノロジーだけを自慢しても結果がへなちょこならしょうがないな。

幾ら良い道具を持っていても、自分の目的に合っていなかったら、邪魔で鈍重になるだけだな。ましてウエアラブルなら自分の身体と脳ミソに合ってなかったら、仕事が遅くなるだけだな。だからセーフティを疎かにして、結果を急ぐんだろうな。

仕事だって良好な結果を生む為に、面倒臭いけど知っておいた方が絶対に役に立つベーシックを伝えている。マヤカシの看板でワーカーの身は守られない。素晴らしい道具を売りつける為に私腹を肥やす為に道具を売るコトが、セーフティな作業になる、そんな訳無いって思って、更に色々経験や実績を重ねてるうちに、賛同してくれる方も多くなり、ワークショップで検討会をしたりして、ソレ用のテキストっていうか、口じゃ説明できない部分を本にして、ソレがことのほか評判が良く今に至っている。

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