2021年2月25日木曜日

スローイングノット

一般的っていうか、モンキーフィストって言われる事が多いけど、
スローイングノットとモンキーフィストは違うと思っている。


モンキーフィストって意味は「猿の拳」で
小さな固まりや束がサルのコブシみたいで
末端をグリップし易く切っ掛けにする結び。

最近のジッパータグは専用の製品があるが
昔はそんなプラスティックは無かったし、
コートのボタンや引っ掛かりを付ける為に
細いヒモで結んだ固まりを使っていた。
何かの引っ掛かりや編み込んだカゴなどの
基本となる装飾系のノット。

だが末端を重りにして投げやすくするには
今はモンキーフィストじゃなく、
スローイングノットの方が機能的で
効果的なので使われることが多い。
もはやモンキーフィスト自体を
スローイングノットって
思われているフシもある。

ABoK #2202

まあ呼び方なんて何でもイイが、例えばどこかの講習で「これはモンキーフィストです」って紹介され、はぁ〜、便利ねって名前覚えたけど、手法を忘れ、ウェブで検索したら、装飾系結びが数多く出てきて、パラコードを使ったキーホルダーとかになっちゃう。

以前講座で私もモンキーフィストって言っていて(ちょっと面白いしね)ある方が結び方を忘れて検索したら全然違うのが出てくるから、俺がウソ教えたみたくなって、その知識を切り替えるのがとても難儀だった。頭の固いヤツだったなぁ。
確かに髭ヅラのオッサンが言うことより、インターネットの方が信憑性がある。

そこでシツコク調べてみると、いろいろ面白いことが判り、ソレ以来スローイングノットって言ってるし、微妙に結び方もアップデートして、善き方向になっていると思う。
皆に紹介するとコッチの方がイイって言われるし、もはや余計な知識よりこの結びだけの方が良いから、最近はコレしか伝えてない。

そういえばモンキーフィストって言ってたのは、ある筋の方々だけだなぁと、実際巻いて持っちゃう人はそちらの筋の方がなぁと判断できる。

Technical Guide:1でも巻いてるし、そういう人も居るだろうけど、でも絶対に巻かない方が効果的だと思う。
トラディショナルではそうかもしれないし、そうやって伝えてるかもしれないけど、仕事でより効果的なら違う方法を紹介する。でも選択するのは各自だけどね。



これは元々リバーレスキューの、
スローロープを投げる時に、巧くいかなくて
モチャモチャしてると流されて遠くなるから
直ぐさまセカンドショットに移行する必要が
ある時に効果的な持ち方のアレンジ。

リバーガイドさん達はみんなやってるし、
現場でも効果的だし、早いしキレイだし
巧く投げられる。
もはや使わない手は無い!って
ツリーワーカーにも勧めている。

トラディショナルではどうか知らないが
効果があるならその方が良い。
だいたいモンキーフィストは、固まりにして切っ掛けやグリップしやすいって言う目的だから、固まりになっては都合が悪いオープンでは逆効果だと思うな。
オープンとかクローズって言うのも、結びの機能的にはモンキーフィストならクローズしかないでしょ。しかもオープンもクローズも、本来の行程と違うから、もはやモンキーフィストと呼べないと思うな。

そうロジック的に違う結びは、似ていても本来の結びの目的とは違うから、名称も違った方が整理しやすい。今までモンキーフィストって言ってたとしても、頑に言い続けるより、そのアレンジでこの方が良いよ。そしてその場合はコウ呼んだ方が私は好きだ。
ってある方に教えられた。その人は善し悪しじゃなく、好き嫌いで考えるから正解でない、って言ってたけど、共感するところが多くソレ以来私も、コレが正解!と言わずに、好き嫌いって言うようにしている。

樹木の架設アンカーでロープをスローする場合に、スズカケとかのツルツルの樹皮ならイイけど、モンキーフィストは荷重が抜けると樹皮に引っ掛かりやすく、上手くパラパラ落ちてこないと思う。
そして大嫌いなキンクが生まれロープに負担がかかると思う。

モンキーフィストを使うのは個人の自由だけど、知らないでモンキーフィストだ!って言ってる人はちょっと違うと思うな。

力が無くってチビで要領の悪いオレに相応しいのは、モンキーフィストじゃなくスローイングノットだな。

もの凄くちょっとしたコトだけど、一度覚えると色々他の場面でも使えるし、少しでも効率良く省力化できればその方が良い。
まだまだ過渡期のツリーワークは、絶えず考えて進化しアップデートした方が良い。

だからワークショップやプラクティスで検討するし、そういう仲間と会ったら意見交換するし、やってみないと判らないね!って次の目標が出来たりする。
完成されたものをしっかりと提示するのは性に合わないな。
間違ったらゴメンねって、絶えず修正して、自分の善き方向に向いたい。

トラディショナルを知っていた方が良いと思うけど、覚えることが一杯で、忘れてしまうことが多い場面では、もはやトラディショナルは紹介しない方が良いかも?
トラディショナルにこだわり過ぎて、もはや現在のタスクに相応しくない場合は端折る。
歴史を紹介するよりOJTとして有効な方法を紹介する。

0 件のコメント: