2020年10月25日日曜日

プラン確認してます?


シビアの現場はもちろんだけど、
施工方法はそれほど難しくなくても、
対象が大きかったり、環境要因として
交通や斜地で伐った後転がっていくとか、
集材の手間とか、チームの配置とか、
そういう当然というような部分に
余計な時間を取られない為にも、
チームでプランを共有しておく方が良い。

もちろん計画時には一度下見に行くが、
ここに参加できなかった人の為や、
メンバーでプランを再確認する為にも
現場調査を作る。
絵がヘタでも情報が伝われば良いんで、そのポイントや施工方法の具現化っていうヤツは、みんなで無駄なく動くためにとっても有効だ。
そのタスクの間違えや不明点も確認できるし、当日まで別な好ましいアイデアが出てくるかもしれない。
皆でタスクを共有するってことは、仕事をより迅速にこなすってコトだ。
今はLINEなんかで簡単に共有できるし、それに対して忌憚なくディスカッションするコトで仕事はだんぜん速くなる。
もちろん当日の天候や気象状況やチームの状態によって、または実際登ってみたら違うなとか、それまでの時間経過によって起こってしまった変化とか、現場で実際に合わせた修正を行う。事前にこういうレジュメを共有しておけば、現場の修正も手早い。

基本プランを変えない修正なら、当日はチームでチェックポイントの確認だけだから、覚える手間も時間も削減できる。現場の動きとプランの違いがあったら直ぐに確認して、このタスクについて理解を深められる。
仮にあまり慣れていない人がいた場合など、事前のレジュメがあることによって勉強したり調べてみたり質問することもできる。そういう疑問がない現場が、手間をかけず早く済むことは一目瞭然。
現場で初心者が「アレは何をやってるのですか?」なんて疑問も、それに対応する時間もムダにならない。
アルゴリズムが明確なら、次に何をヤルか?とか、それに合わせてどう動くとか?が予想できるため、各ワーカーに無駄な動きが生まれず、精神的にも余裕が生まれる。
延いては危険回避につながっていく。

そしてこのプランが万が一の場合にも大変役立つ。行程や順序が明確だし、全体のアルゴリズムから、もしもの時にも対応が迅速になる。
即座に役割分担ができて、各々が適切に動けて、危険も少なくなる。
もう、言うこと無い。
っていうか計画・プラン・タスク了承が無い現場は、無駄が多過ぎて信じられない。よくそんな時間が無いなんて言う人もいるが、当日無駄にかかる時間よりも事前の時間の方がよほど短く済むよ。計画の有効性を知らないだけなんじゃないか?

一流のクライマーが居るので彼に任せておけば安心、みたいな幻想が有る人が多い。
一人で動いているなら別だが、結局誰かにゲタを預ける責任逃れじゃないのか?
酷いね。

そしてその彼が今何をやってるのか?判らないまま、下でボ〜ッと見ていて、だって何やってるか判んないんだもの、その彼に指示されない限り動けない。
彼は、そんな事いつもやってるから判ってるダロッて思ったとしても、事前の計画すら知らないんだから動き様も無い。
その「いつも」はどのいつもかも判らない。
5人居たとしても、結局1〜2人しか動いていないから、ドンドン時間が過ぎていく。
慌ててタスクに移るから、ミスやトラブルも起きやすい。
良くないね。本当に良くない。

ひょっとしたら、まったくノープランで登ってるから、ただ目の前の枝を切ってるだけなのかもしれない。
ノープランを肯定する為に「上に行って見ないと判らない」とか言うヤツは、実際のタスクも理解してないし、だいたいチームで動くつもりが無いヤツなのかも知れない。

小さい対象の方法を、そのまま大きな対象に当てはめたりする。
ガースでカラビナしかやってない人は、どんな重いモノでもソレで片付けようとする。リギングリングとランブーとか、カウヒッチとブロックなんて選択肢すら無い。
勉強してないから応用も臨機応変さも無い。だってそれでイイと思ってるんだから。
恐ろしい。

だからクライマーとグランドワーカーのギャラが違ったりする。
お互いにリスペクトするなんて発想すら無いのだろう。
何時でもオレ様が一番凄いとか思ってるんだろう。
悲しいね。

仕事の事前に計画して共有することが、タスクを迅速にこなす最も適切な考え。
んな事どうでも良い!オレ様が凄く早いんだからそれで充分だ。
とか言ってる人が、道具に走るんだろうね。
自分の不勉強を道具でカバーしようとするんだろうね。
残念だね。

仕事はできれば良いんだけど、せめてPPEは使ってね。
非PPEで自分がケガするのは構わないけど、他人に勧めるのは止めてね。
計画段階でこういうアンポンタンなミスは無くなるからね。

チーム全員とか、有能な監督者とか、その指導的立場の人がアンポンタンなら
もうどうしようもないけどね。

サイオン

先日のトウヒヤニ問題で、メインで使ってたポジショナー2+ドレナラインのワークポジショニングランヤードは、オキシクリーンで洗浄してしまったことで今イチ気持ち的にムズムズ不安が残ってしまい、替えることにした。
そしてマル秀にスターリンのサイオンが切り売りしていて、経験者が引き込みがメッチャ大変できないということだったので、ここは一丁挑戦することにした。



結論から言って、△
合わせ技一本って感じで、
何の根拠も無いけど、
自分使いで自分なりのデータが採れた。
一般的にはブラックで、
自分的には限りなくグレーだけど。

コイツはシースが24st.
コアが18st.
インナーコアが6ya.

インナーコアの処理が課題になるだろうと
コイツをどこでどうするか?
通常のダブルブレイド
Class Iでは何ともし難い。
シースとコアの質量割合とか判らないし、インナーコアがどう出るか?不安と期待がいっぱい。3〜4度失敗すること前提で、オーバーサイズで買った。
そしてはじめてのロープは1度も荷重していない洗ってないロープに限る。
使い古したヤツでいきなり難しいコトをやろうとしても、できないぜ。
へたくそな人に限って、勿体ないから使い古しで練習してって言う人が多いが、ソレは失敗への近道だし、勿体ないから入れ込みの数値を短くしたり、しみったれてると絶対に巧くいかない。結局無駄が多い。手っ取り早く何かを成そうと思っても、巧くいかないよ。 成功への近道は、新品だよ。

まず1回目。通常のClass Iで挑戦したが、ポイントCからコアを引き出すのがとても難しい。トスワンドでは絶対に無理。
というのも、コアのストランドが18st.なんで、とても特殊な編み方。
そしてストランドが少ないってことは、1ストランドが太くて、故に網がゴツゴツ太い。
編み方もあまり見かけない、断面が円に近くなるような編み方なんで、故に平べったく潰れないことで、BからCの重なるオーバーラップする部分が分厚くなって引き込めない。 コアの引き込み段階で諦めた。
いつもはこの作業は無理せずスゥ〜っと入るので思わぬ所でつまずき、諦めた。
無理してここで無駄なエネルギーを使っても良い結果が得られないと、ロープの無駄使いを省く為に、早々にコアを引っ張り出して、網が良好な50cmくらいでブッタギる。

2回目。スプライフでチャレンジ。しかし、ポイントCからコアを引き出すオーバーラップ部分でインナーコアが邪魔をする。
優しく撫でたり揉んだり緩めたり、一回引き抜いてワイヤーを入れ直したり。
どうしても中心から出したインナーコアが、コアにまとわりついて、フィドを差し込むとき上手く入って行かないようだ。
ここの段階のインナーコアの処理と、コアの扁平化がテーマだな。
それでもCから引き抜いてしまえば、後は難なく成功。
B2のクロスオーバーの引き込みは、アレって感じで楽々入った。
でもこれが気に入らない。

アイ部分とクロスオーバーポイントとオーバーラップとCから5cmくらいの所をカットし分解チェック。
自分で作っみたアイを、勿体ないが少しづつ分解することで、何が間違ったか?どこがストレスか?改善策を見いだせることがある。
無理矢理に形だけアイっぽくしても、アイのシースがダルダルな奴とか居るけど、ソレを使うとか信じられないんで、どこにストレスがあるかをチェックするのはとても重要だ。
前記のシースダルダルアイとかは、コアでしか荷重を受け持ってないから、絶対使ってはいけない。こういうのはダメな見本として臥薪嘗胆するべきよ。
ストレスって緊張だから、緊張は強度やエロンゲーションに最も影響がある。
ハンドクラフトなんで毎回同じ数値化はできないけれど、とにかくストレスがあるロープは使いたくないね。そんなんに命張るって奴は意味が判らん。特殊伐採なのだろう。

2.5回目。上記2つの中間的なデータを取る為に、2mくらい切って色んな仕様を試してみる。要はコアのテーパーをどうするか?だ。
テーパーは引き出してカットする数的には全体の半数なので変わらないが、どこでソレを行うか?そして、同素材?っと仮定して、シースとコアとインナーコアを目に見えるファイバー単位までバラし、それぞれの割合を出して、本数と位置と決める。
ファイバーは引っ張ると切れちゃうし伸びるし、この作業がメッチャ地味で辛い。耐えられない。ググッと我慢して、セロテープに貼付けて数をカウントする。
ときどき時ソバのようになり、最初からヤリなおす。

ところでロープの概ねの強度って、テンセル強度試験をする前に、素材特性と染色などの関係を係数にしファイバー1本の強度を出して、編み方の種類の係数から出す、らしい。 だから、油気の無い手のササクレやカラビナなんかに引っ掛かったりして、ファイバーを切っちゃうとその分当たり前のように強度が落ちる。概ねポリエステルかナイロンなんで、ささくれ立ったロープ表面をライターで炙って見え無くしちゃう人が居るけど、そこで繊維がダマになってスムーズな動きにならないし、熱で他のファイバーまで溶かしちゃったらもうオシマイだからね。

そして3回目。良好そう?なデータが採れたので、それで挑戦。
コアのテーパーをかける前に、コアテーパーをかけるポイントと数をアイ方向に近づけて、ソレ以前にインナーコアを処理することにした。
6目ごとに1サイクルなんで、6目ごとにノット側から1本づつ引き出して、まずはインナーコアのテーパー。(この数値がキモよ)
コアの網が強いので形は崩れにくいけど、変なヨレができるから、ノット側から1本づつ引き出して1本ごとにシゴキながら整流する。これが成功の秘訣。
その時に若干扁平化するようにシゴく。
そして引き込み時もストランドにストレスが起きないよう、丁寧に向きを考えてユルユルにして扁平が保たれるように、ネジレないように。

そしてこれやらない人と多いけど、Bの反対側にポイントCを合わせてフィドを差し込む。その時に何度も何度も出したり入れたり、フィドがシースのファイバーを引っ掛けないように、変なストランドを通さないように、フィドとコアが絡ないように、優しく撫でたり揉んだり緩めたり、丁寧に入れる。



ワークショップをやると、
この丁寧ができない人が多い。
何でも、力づくで引張ったり、
強引に押し込んだり、
誰かに嫌われるよ。

色んな所を引き出したり、
押し込んだり、緩めたり、
愛撫しないと。
やっぱりB→Cはキツくて難しかったけど、ソコはソレ経験値の違いで、
優しく撫でたり揉んだり緩めたり、、、成功の秘訣はゆっくり丁寧にだ。

ガチガチに力ずくでって人は、ステッチングもホイッピング難しくなる。
針刺した状態で、折れちゃったらオシャカだよ。
スウッと針が刺さるくらいじゃなきゃ。

そうして4(3.5)度目で完成した。
ワークポジショニングランヤードなんで、両アイにしたけど、一度成功のデータが取れると、もう後は簡単。データから得た改良点を少しずつ修正しながらサクっとできた。

それにしてもサイオン、色が綺麗!素敵!カッコいい!

2020年10月23日金曜日

クイッキー♥︎

セコイアSRT前世代のセンターターミネーションは、基本的にトップクロールを取付けるためデルタのホールド。しかしメーカーに問い合わせた所、ここに複数のアタッチメントをつけることは問題無いそうなので、メーカーではデルタを2つ入れようとしても入らないってらないってことを知っててイイって言ったのかもしれないが。
元々ウェビングを折り返してステッチしてるだけだから、あまり他のこと出来ないし、斜めにステッチしてるから、デルタを入れてもクロールがねじれて、どうも調子が良くない。ここを何とかしたいけど。
実はデルタ以外に、密かにもうひとつのターミネーションとしてエーデルリッドのツリーコア用のコアスクリューDをつけている。
コイツはスチールのボルトオンなので、入っちゃうんだな。
とても他人に勧められた行為じゃないけど。
そもそもデルタの向きと扱いづらさにイラッとしてたんだが、デルタの反転防止のキャプティブっていうか(アイツの名称は反転防止機能付なのか?)黒いプラスティックは、直ぐ外れて何処かに飛んでいてしまう。
気がつくと無くなってる。
そしてヨコを向いている。
これが気持ち悪くって、べアールのピンチでキープしていたがなかなか調子が良くない。気がつくとデルタがヨコ向いてる。

デルタだけにして、ここにクロールとリギングプレートを着けたり、細長のマイロンを着けたり、リングオープンを着けたり、色々やったけどシックリこない。
シックリこなくてもセンターターミネーションには何か必要だったし、妥協点としてデルタとコアスクリューDをダブルでつけていた。
そうするとお互いが干渉気味に真っ直ぐになる。但しデルタは相変わらず横を向く。

メーカーに他所のメーカーのモノを付けて良いか?なんて聞いてもダメって言われるの決まってるし、ここは勝手な改変になるけど、自分レギュレーションで、センターターミネーションに2個のアタッチメントを付けていた。
が、そこにノッチV3クイッキとコアスクリューDが良いのではないかと思いはじめ、クイッキはダメでも他に使いどころは沢山あるし、取り寄せてみた。
キャノピーや基礎アンカーに使えるって紹介されているクイッキ。基礎アンカーで少なくともここはスチールでしょって思うポイントが有り、私は気持ち悪くて信じてない。アルミ合金カラビナをテコで決めてるヤツがいる。その換わりにはもってこいな感じがする。しかしこの大きさっていうかサイズ感は他の使い所あると思うよ♥︎

このノッチV3クイッキは、スチールコネクタっていうかシャックルの仲間で(一応候補にDMMのコンパクトシャックルがあったがゴツくてNG)標準のカラビナのサイズの半分程の大きさ。そしてスライスピンが4アクションで回転でき外しやすい。って言っても2アクションで開くには開いちゃうけどね。マイロンやシャックルはペンチでキツく締める必要があるが、コイツは4アクションで開放できる。
元々シンギングツリーのプロダクトだが、OEMなのか?
メジャーアクシスは30kNと変わらないけど、マイナーアクシスがノッチは13kNと2kN低い。材質と形が違うようだけどシンギングツリーの半値程でノッチが売ってる。

するとどうでしょう!


あんなに苦労して試行錯誤していた、
SRTターミネーション問題が
めっちゃスッキリ。
ここにクイッキとコアスクリューDと
ダブルで入れれたけど、
もはやクイッキにクロールと
リギングプレートでも全然OKだな。
これからまた適切で良い
コンビネーションを探す毎日になる。

長年グズグズ悩んでいた事がスッキリしたのは良かった。但しクイッキは、幾ら4アクションといっても、ナンダカンダやってるうちに外れないとは言い切れないし、スクリューロックの確認のように、毎回荷重する前には必ずチェックする必要がある。
バーのツメをメルトロックとか?ツメの2つの間にべアールピンチ突っ込むとか?シリコンチューブぶち込むとか?ビニールテープグルグルとか?...この先色々考察する必要がある。

道具は便利で使いやすくなったら、必ずデメリットも有るはず。
セコイヤだって他メーカーの何かを使うんだから、メーカーが認めない改変だからね。
そのことを自分で承認しないと、自分でリスクを承知しないとダメだからね。

吉と出るか?凶と出るか?
凶と出たらもう更新され無いと思うけど、暫くはこれで使ってみよう。

エクセサリースクリューロック

ど~しても気になって、本物見たくて買っちゃった。
エクセサリースクリューロック

上から、エクセサリー
エクセサリーロックx2
パーフェクトO
パーフェクトOキャプティブバー
ウルトラO
サイズに合わせて使いところがある。
上の3つはPPEじゃないけどね。

そうこうしているうちに
XSRE Lock Captive Bar
って奴も出てきたゾ。
コレも使い所がある!
どっちかって言うとコッチが良かったな。

まあ当初の目論みでエクセサリロックで、アアもしようコウもしようとって妄想を膨らませている。ビョーキだね。
それにしても高いよね?
PPEじゃないし、ツールクリップだからそんなに大きな革新的なことじゃないんだけど、かなり使い所はある。
ジンジンきたきた!ってんで、痒い所に手が届く感じ。

XSREって、ロープのストランドに射し込んで使えるじゃない。
昔、キャノピーの台付けはそのままで、リギングラインをクライミングラインに交換したくって、登ってセットし直すの面倒で、ブロックのシーブ幅は通るし、XSREはそのままロープにぶっ込んで繫げられる!ってことでリギング差し込み、アイを繫げて、ロープチェンジしてみた。
リギングラインはベクターがかかってたので干渉は無かったのだが、鉛直上にするとちょっと枝に干渉する。まあ大丈夫ねって、入れ替えてみた。
すると、どうでしょう!
干渉する枝の部分のペコッって出っ張った小枝に、見事にXSREがハマった。
そんなに気にしないでいたけど、外れない。
グイグイやっても外れない。
2人がかりで引っ張ってみたら枝が折れて外れるだろって、思いっきり引っ張ってみた。するといきなり張力が無くなり、2人とも倒れて。2本とも別々に落ちてきた。

XSREのIビームが弾けて飛んで、O型がG型になった。
弾けて飛ぶのはシャボン玉だけで良い。

台付け残置!
結局手間を惜しんで、面倒臭い作業になってしまった。
まあ他の登れるラインがあったから良かったけど。

XSREは非PPEながら、MBSが4kNって表示がある。
いい大人がセーノ!って思いっきり引っ張ったら、壊れる。

今度のエクセサリーロックは、どうだろ?スクリューロックだから、そう簡単には外れないと思うが、所詮4kNだからなぁ。今度は展張計つけて引っ張ってみようか?

エクセサリーロックは、あまり好きじゃない、ってコトが判った。
やっぱりロックエキゾチカのRockXの方が相当ストレスが無い。

2020年10月21日水曜日

How does it feel?

普段「自分を磨く」とか言ってるけど、何も全部自分でできるスーパースターに成れって言う意味じゃない。


人間はミスするんだから、
絶対に失敗するんだから、
100%の完璧なワーカーに成れないよ。

アベンジャーズだって
それぞれの得意分野があって、
チームでタスクをカバーしてるね。
漫画だけど。

チームタスクが出来ない人は
自分の感覚ノミになるし
自分が考える危険にしか対処できない。
ましてやリギングなんて出来ないよ。

緩いネットワークでカバーし合える
仲間が必要だと思うよ。
私がある人の講習を受けたとき、ちょっと方向性も違うんだが「お前はなぁんにも出来ないなぁ」って言われた。そして「Did you understand? If you can understand, everyone here is okay.」って言われた。
要は、お前が一番出来損ないだから、お前が理解できるなら他の皆は大丈夫だってこと。 私はその言葉を、バカにされたとは思っておらず寧ろ誇らしげだった。
他の皆には迷惑かけたのかもしれないけど、判らないことがあるから高いフィーを払って講習を受けて、出来ないから教えてもらうんだから、なぜ?出来ないかを理解できるんだから。新たに間違いを探してソレを解決できるんだから。

その方も「私はお前らに一週間雇われたんだから、何でも聞いてくれ。お前らの疑問を解決するためのホストだから」って言っていた。
その後私のワークショップや講習は、この言葉をそのまま使わせてもらっている。
人に何かを伝えるのは、伝える側はホストの気持ちで受講者に向き合った方が良いと思う。例えば凄い先生に教わりに来たって言う人は、他を当たってください。凄い先生は要らないと思ってるから。私は完璧に見せつける事は出来ないし、有無を言わせない素晴らしいパフォーマンスを見せつけるワークショップではない。逆に受講者に失礼だと思う。パフォーマーじゃないんだから。

私も人間だから判らないこともある。できないこともある。でもソレを皆で考えようぜ!って言う姿勢で、自分の持っている知識や技術を紹介して、皆がソレをどう受け取るかはその人次第だし、できる限るその人が満足できるように支えるのが私の役目だと思う。
判らない事があれば後日調べて連絡するし、できない事を紹介するんなら、できる人を呼んできて一緒にやってもらうよ。

そしてその先生を日本に招いて講習をやったことがある。
私はサポートというか、パシリだったけど、
その方は、一番できの悪い私の事を覚えていて、講習中にも同じように私に「Did you understand?」って聞いてきた。私はOK!って言うと「If you can understand, everyone here is okay.」って言ってタスクに入って行った。

その時の受講者は「先生の前でカッコ悪い所は見せられない」とか「失敗は出来ない」って言って、持てる知識をフルに活用しようとカラ回りしたり、変な言い訳をしたり、話を聞いてなかったせいで言葉が判らないからって方向性を曖昧にしたり、、、
そして先生は私に小声で「Why don't these guys understand when you understand?」とか「I thought you were a bad guy, but it's better than these guys.」とか言っていた。

出来ないから、判らないから、知りたいから、講習を受けてるのに、それを「先生、オレ出来てるでしょ」って褒められたいから来てるのか?そして失敗して「You are wrong」とか「You can't do it」とか言われて、あとでオレのせいで皆に迷惑をかけたとか言って陰で泣いていた。ダッセ〜!
判ったテイでのエエカッコしいはカッコ悪いぜ!
通訳をやってくれたガイドさんは、私は八甲田で絶対に事故らない。こういう方々に助けられたくないって言ってた。ソリャそうだ。

先生はホストだから出来の悪いヤツほどちゃんと教えようとする。ちゃんと教えられる方法を考える。どうして伝わらないかを考える。そういう姿勢も学んだよ。
自分ではこの先生のようなワークショップにしようと心がける。
出来ないからここに来ているんだ。
ここに来たからには何かを掴んで欲しい。と思っている。
掴めないなら掴みやすいような伝え方をしている。

有無を言わせない凄い技術を見せつける事は他でやってもらった方が良い。
私にはそんな技術も知識もないから。
出来ない人にできるようになって欲しい。
効率や早さなんて後からのトレーニングで何とでもなる。
効率や早さより危険回避を一番に考え積み重ねているうちに、効率や早さはついて来る。 ワークショップ中は間違えて、どうして間違えたか?とかどうしたら良くなるか?とか、ソレを考えるプラクティスだからねって言っている。
オレに良いカッコを見せたって、何の徳も無いぜ。

それにいきなりレベルの高い事を見せつけたって、同じ事出来ねぇ〜し。
相手が自然だから、仮に同じ事できても実際には使えねぇ〜し。
直ぐに高レベルな事ができる仕事じゃないし。
レベルの高い事をしたいならちゃんとベーシックを覚えようぜ!って言ってる。
出来ない人こそ来て欲しい。

誰も最初からは出来ないんだから、巧くやる方法の前に、巧くやる考え方を覚えようゼって、道具選びだってこの人が良いっていうギアを事前に買って持ってきたりする人が居るけど、そんなの必要ないよ。
適切なギア選びって、仕事を速く効率良くするためにとっても重要だから、自分の方法や身体に合っていないギアは、かえって遅く効率悪く危険にするんだから。

何も持っていないから何も出来ないって思ってる人多いけど、そういう人は結局道具さえあれば何でもできるって思ってる。
だからGRCSだ、モーションだ、ボーテックスだ、って言うんだと思う。
無理矢理誰かの真似をして道具揃えても、必ずしも身体やチームやタスクに道具が合っていないから、痛いし疲れるし効率悪いし危険なんだよ。
そういう人にその道具は良いですか?って聞くと、ほぼイイって言う。何が良くて何が塩梅良くないか判っていないから、イイって言う。そしてせっかく買ったんだからソレを使い倒そうとするけど、塩梅良くないから巧く出来ない。ソレは自分の鍛錬が足りないんだって思うみたいだけど、、、そうじゃないからね。
そういう人に試しにコッチ使ってみてくださいって言うと「あっ、これ痛くない」とか言う。だから身体に合っていないんだよ。誰かがイイって言っても自分には合ってないんだよ。そういうところからワークショップで紹介した方が良いと思う。
道具に無理矢理身体を合わせるのは危険だよ。
酷いのになると、チーム全員同じ装備って言うアホな人々も居る。
今は色んな道具が有るから、自分に合わせて揃える方が格段に巧くなるよ。
その道具選びもワークショップの重要な項目だよ。
だから裸一端でまっさらで来て欲しい。
その方が近道だよ。

自動車免許を取りに行く時に、自動車買って行かないでしょ。
そして免許取り立てで、ふつうマクラーレン買わないでしょ。
コンビニにタバコ買いに行くなら、ウニモグよりも自転車が良いよ。
自転車もバイクも乗用車も、場合によってはトラックとかホイルローダーとか
全部用途は違うんだよ。

さっきの先生にあるヤリ方について「これはどうだ」とかって聞くと「Better」ってそして「But, don't like it」って言われた。
その方法はまあ良いと思うよ。でも俺は好きじゃない。って、
ウニモグでも良いけど、オレはバイクで行くなって感じ。
確かにウニモグは色々使えて申し分無いけど、今じゃ無いんじゃない?
ユニバーサルモーターグレーダーは多用途発動機だけど、凄く何でも使えるし便利で力持ちだけど、今行うタスクには向かない。って言う判断が出来るかどうか。
ウニモグも持ってるけど、バイクで良いタスクはカブで良いよ。
それでイイんじゃないかな。
先生の真似をする事をその先生も望んでない。でももっと良い方法がある、その理由はこうだからねって。彼はそう考えるからこの方法を選ぶ。

唯一の正解、100%正解なんて無いんだ。そのことについて否定も肯定も両方あって、ソレを選ぶのはあなた次第だ。って意味だった。

逆に言うとソレを選ぶためには、一方向だけじゃなく、他方向に考えを巡らせ広い視野で判断しろ!ソレがお前に科せられた使命だ。とも言われた。最初は意味が判んなかったけど、さすがインディビディアルな国だと感銘を受けた。
国や上司や先輩の意見は、ソレはそれ。それを総合的に判断しないといつか絶滅する。

「Never violate the low of gravity. Penalty is dealt out in shock force! 」って言っている。
無理矢理の方法や道具は必ず怪我するんだよ。って

2020年10月19日月曜日

晩秋

最近は、気になることが多過ぎてココで好き勝手な事書いてるが、コビッドだろうが何だろうが季節は確実に動いていて、もうすっかり秋というかもう冬の始まりって感じ。
秋って言うと、Fallって思っちゃう。ビョーキだね。

それでも時間がある時は確実に野原に出てるんだけど、もうマガンたちは集まって移動しちゃったし、カモたちの子育ても終わっちゃったけど、いつもの奴らは相変わらず元気に営んでいる。楽しむ分には充分観察できた。


これから秋の渡り時期だ。
ってことで
猛禽をチョロチョロ見かける。
鷹柱が立ってたので
観てるとサーマルめがけて
ドンドン集まって
ノスリが18羽。

写真ボケボケだけど。
まあ撮ることじゃ無く
観ることが目的だから。


いつもの散歩コースっていうか、
いつもの場所に、いつもの草に止まって
いつもの鳥が、いつものように狙ってると
嬉しいね。
カワセミのダイニングは決まってるから
そこをチェックすると、
おう、今日も元気だねって思うし、
逆に居なかったら心配する。
この場所はハンティングの確率が高く
ホバリングで仕留める。
欲を言えばもうちょっと近かったら
もっと良く観られるのだが、
双眼鏡でギリギリ。
まあこの距離感が良いんだろうけどね。
デカいバズーカ砲で狙ったら
汚ったない用水路だし、興ざめだしね。


道の水たまりでは、
今年生まれたノビタキの小ちゃいやつが
水浴びをしている。

鳥の水浴びって、客体的にみれば
意を決してドキドキ
無防備だから何時狙われるか判んない。
でも客観的に観れば
どことなくユーモラスで
ビビりながら見ずを浴びてるのは
とても可愛く観える。


河原の開けた土手から
ハリのある美しい声が聞こえる。
ベニマシコ
コイツは遠くからでも聞こえるから
聞こえたら直ぐに探しに行くけど
なかなか観させてくれない。
直ぐ飛んじゃう。

まあ観られる為に鳴いてる訳じゃ無いし
ヤベェ奴が近づいてきたら
そりゃ逃げるわな。

でも猿ズラで真っ赤なのを見かけると
幸せな気分になる。
こういうなあなあな日常がイイね。


もう晩秋って感じで葉っぱもすっかり落ち
冬の準備をしている状態だと思うが、
枝先に1個だけ、花が咲いていた。
狂い咲き。
サンダーロード

赤いを通り越して黒ずんできた実の上に
ピカッと白い花が付いている。
このコントラストが面白い。
ナナカマドでこういうのは観たことない。
もうユキムシも飛んでるし、トンボもオツネんだし、そろそろ秋も終わりだな。

2020年10月18日日曜日

ハウスキーピング

本来は家の片付けや整理整頓の意味だけど、ロープアクセス系などでは、目の前の絡んだロープの流れを整理するっていう意味のスラングとして使われる。

まあ通常はこうならないのだが、
例えば別系統のロープに荷重を移すとき
身体の向きを考えておかないと
クルッと身体が回転して、
目の前でロープが交差したり、
アタッチメントポイントがネジレる。
カラビナが挟まったりテコになったり、
デバイスの操作が難しくなったり、
ロープが変に挟まって流れなくなったり、
まあ、イイ事は無い。
慎重に考えていても
「あら〜コッチ向くの?」ってな感じで
引っ張られたり、挟まったり、
向きたい方法を向けなかったり、
そういう場合は、早めに
ハウスキーピングだ。
この「早めに」ってのがポイントで、早めにやっておかないと、後々もの凄く面倒臭くなったり、取り返しのつかない状態になったりする。
今何処に荷重しているか?次に何処に加重するか?を考えればどっち向くってのが判って、じゃあコレはコッチ回しておいた方が良いって考えられる。

まあ吊られた状態では、いち早く作業したいから、確保する為に目の前にあるターミネーションや、空いてるポイントに何気なくデバイスを掛けることが多い。目に入ったポイントにカチャってカラビナを掛けてしまう。
作業としては、ここでは動きにくいし振られるからもう一点確保しておこう!として、ランヤードを何気なく掛ける。でもその新しいアンカーに荷重すると、荷重方向とベクトルの関係で、向きが反転したりする。
ランヤードなんかでは、アンカーに掛けたはイイが荷重するとアンカーに対しクロスしてかえって動きにくくなったりもする。
掛ける前に、2点に荷重したらどっちを向く?とか、その後の動きの予測?して、コネクタを枝に対して上から回す?下から回す?を考えた方が良い。

そういうコトを考えないで、枝に立って、荷重してないランヤードを掛けるだけ掛けて、コネクタを接続した後に実際に荷重してみると、反対を向いてしまうとか、目の前でロープが絡んで動けなくなるとか、身体が廻っちゃうって事態に陥ることがある。
何気なくランヤードがアンカーに掛かったから、何気なくブリッジにカラビナを接続し、ロックだけはしっかり確認して、イザ加重すると、あれ?コッチ向きたくないんだけど、ってことはみんな経験があると思う。
カラビナを掛ける前には、ひと呼吸置いて冷静になって掛ける向きや流れを考える。
力と方向と重力を考えないで、何気なくカラビナを掛けてしまうことで、かえって時間がかかったり、無理矢理動いて疲れたり失敗したりする。

ロープは絡む!っていう前提で、絡んだら面倒臭いっていう結果を知っていれば、カラビナを掛ける前に、ロープの流れを見て、ひと呼吸置いてから掛けるように心がけた方が後から面倒くさくならないし、疲れないし、早いよ。
身体がヘンな方向に引っ張られてたら、作業だって難しくなるし、疲れるし、遅いよ。 今、手っ取り早くとか、とりあえずとかは、いい結果を生まないよ。

そして結構シビアなタスク中に限って、身体やポジションに余裕が無い時ほどテキトーにやっちゃうから。

ヤベぇ、ここで風が吹いたら、枝が揺れたら、立ってる枝から放り出されたら、足が滑ったら、って時こそ注意深くなった方が良い。
そこに行くまでの手順をセーフティな位置から組み立てていれば、ヤベぇ状況で消費する時間を短く早くできるよ。行く前に考えておくんだよ。
考えておけば、ヤベぇってなっても対処できるよ。
それにはヤバくない時に何度も繰り返し失敗を予想してプラクティスしておくんだよ。 ヤバくない仕事で余裕がある時にプラクティスしておけば、ヤベぇ時に使えるよ。

そして最もヤベェのが、イケイケでやってた時に環境要因でヤベェ状況に陥るコト。
ヤベェ状況に陥ってからでは、回復するには時間もかかるし手間も体力も使う。
最悪はレスキューになるよ。
ギリギリにカラビナを掛けるって行為はモノ凄く疲れる、あと1cmって頑張るのは、体力の無駄使い。早めにハウスキーピングしておけば早いし楽だし疲れないよ。

そして最もヤベェのが、救助になって、レスキューに行く人。
レスキュアーは、このハウスキーピングが成功のポイントだと思う。
普段からハウスキーピングのクセをつけておかなければ、いきなりは出来ないよ。
そしてそういう場合は総じて余裕が無いから、とりあえずってタスクを進めちゃう。
それでポイントオブノーリターンになったら、二次災害だよ。

だからハウスキーピングも、レスキュープラクティスも、繰り返しはやる訓練トレーニングじゃなくて、どんな時にも対応できる臨機応変さを習得した方が良い。
その為に、繰り返し何度も、いろんなシチュエーションで、いろんなタイミングや状況でプラクティスしておく。
そのプラクティスで失敗して、その失敗を活かす次のプラクティスに活かせば良い。
本当の救助は、エアリアルレスキュー大会のレギュレーションじゃないんだから。
そういう大会だって本当はプラクティスの場だから、勝ちに行くのでは意味が違う。そしてそういう大会でもらった勲章だけでは、危険少なくより早く救助はでき無いよ。