2018年9月23日日曜日
アーボとフォレスター
子供たちが集まる炊事遠足広場に
高いヤチダモの枯れ枝が多数あって、
クレーンは入れず、高所作業車も届かない。
登って伐って安全に降ろす、
アーボな仕事の真骨頂。
地面には広いスペースがあり、
そのまま落としても大丈夫だけど、
ソコはソレ、トライアルで吊って、
普段できない可能性を追求してみた。
セオリー通りのやり方で様子を見て、
少し複雑になるけど、動荷重にならない
吊り方と動かし方で、
クライマーの危険度と仕事の速度を
色々確かめられて、も〜満足。
ヤチダモは梢側が脆くパキパキ。
高さが充分にあるから、
スピードラインで落下を減速させて
エネルギーを相殺する。
クライマーの目線とグランドの目線で、
方向や下がり具合を確認しながら、
修正しつつ、思い通りに動かせると、
なんだかみんな気持ちがいい。
公園の担当者も現場の業者も、
まさかこんな方法で出来るなんて
思いもよらないといった感じで
粛々と行う作業で安全性を感じてもらえた。
台風が近づいていることもあり、
予定よりピッチを上げて、
それでもミス無く作業を終えたが、
その後、あんな事態になるとは
思っても見なかった。
関空で大きな事故に繋がった台風21号。
作業の翌日に北海道にやってきて
とんでもない大風を吹かせ
公園も街中の街路樹も防風林も
バタバタと風倒木が発生した。
公園でも、園路に架かる風倒木が多発して
架かり木倒木を処理しないことには
開園できないっていう厄介なヤツばかり。
またまたお呼びがかかり、
今度はアーボというより
林業の仕事なんで、強力な仲間を招集し
一緒に作業を行った。
今まで、ショボイ林業屋としか仕事を
したことが無く、はっきりいって
ヤツらのヤリ方を信用していなかった。
自分の思い通りにとりあえず手を入れ、
後手後手でドンドン深みにハマって行き
取り返しがつかなくなってから、
力技で、無理矢理倒す。みたいな。
でも信頼できる仲間は、全然違っていた。
状況と状態を鑑みて、
可能性を見いだし、
理屈をちゃんと説明して。
そしてワシらと
全く違うやり方で、
思ってもいない
フォレスターのやり方で。
認識を新たにしました。
山のこと木のこと森のこと、
生き物に対して尊敬と畏怖があり、
自然の成りに従いながら折り合いをつける。
本当はこういう仕事だよなぁ。
自分達の都合だけで見積もって
安全よりスピードを優先させ
偶然を頼りに命を削る。
どうだコノヤロ巧くいったじゃねーか!
そんなの仕事じゃないと思っていた。
そういう悪い人たちを見過ぎていた。
動きの判らないものは
動かないようにロープで
固定してから
倒れない状況を作ってから
枝先まで登って
架かりを外しに行って
動きが明確になってから、
倒す。
もちろんソレも間違いじゃないけど、
状況に応じてこういう倒し方が出来ると
カッコエエな。ありがとう。
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