2018年2月11日日曜日

トンチンカンチン

先日ある方から相談を受け話しを聞いていると、どうもおかしな部分があり不思議に思ってしまったんだけど、ローラー付きのカラビナをトップアンカーにしているということなのだ。私も良くない所があって、サイドオープンのプーリーは、フォルスクロッチのフリクションセーバーにもってこいだぜ!とか言ってるから、同じ感じでオープンして使えるから良いんでないの?ってな感じだと思う。大体トンチンカンチン自作って、画像をみてマニュアルや説明も読まず、その人の使い方や条件も鑑みず勢いで声高に言っちゃったら、アンポンタンがマネしちゃうよ。

それはダメでしょ!って言ったら「でも売ってた」ってことで、それをマネして作った!って、よくよく聞いてみると海外のあるショップで確かにあり、でも、それはリディレクト用のシステムとしてモノだった。
それをトップアンカーで使っていて、ロープの流れがスムーズで抵抗も少なくて調子がいい!なんて、すごいチャレンジャーだなぁと恐ろしくなった。
さらにエーデルリッドでは、同じようなリングにローラーが付いたフリクションセーバーがあるし...って、それは全然別物でしょ!それ用に開発されたモノだからEN 795 B 通ってるし何の問題もないけど、ただ見た目が近い(本当に近いか?)モノだから、マネして作ったって鼻高々に、これは良いとか、自分で検証したからOKって、まさにミソもクソも一緒で、クソ汁飲んで旨い!って言ってるようなものじゃないのかな?

ローラー付きカラビナは、スゲェ便利な良いモノだけど、メーカーでも表示されてるように、倍力装置やロープの流れを整えたりするためのモノで、カラビナ自体の正荷重破断強度は24kNくらいだけど、ローラー部分の強度は両側合わせて11kN程度で、チロリアンブリッジとかトップロープでは使用できない、って書いてあるぜ。(にしても、11kNってチャッチく見えるローラーも意外に強度高いんだな)
ゴリゴリ使ってたらそのうちベアリングがイカれて、しかも足滑らして1mくらい動荷重になったら....

皆大好き黄色いメーカーにも同じタイプのローラー付きカラビナがあり、そっちはカラビナの正荷重破断強度自体が20kNで、ローラーは両側合わせて4kN程度。これは逆にPPEに使用できないように、敢えて22kN以下に想定しているとも考えられる。

勿論トップアンカーとして使えないし、アンカーの規格EN 795も通っていない。

EN 795は、高さからの落下に対する保護・アンカー装置で、EN 795 Bは運搬可能な一時的アンカー装置という要件。(100kgのウェイトを、落下係数1.2で2,500mm落とした動的試験で、概ね22kN以上の保持が必要)



オープンスリング
なんかもそうだけど、
パーソナルユースで
PPEとして使用するのは
大体22kN以上の
破断強度だよね。

作業を便利に
効率よくするギアは、
使い方を知っていれば
凄い武器になるけど、
安易に流用すると
甚大な
ウィークポイントになる。
怖いゼ。
話しは変わるが、黄色いメーカーのカタログで、ローラー付きカラビナをハーネスのブリッジに取り付け、そこに皆大好きなメカプルージックのデバイスを付けて登ってる写真があったけど、これってコネクタ自体の正荷重破断強度が20kNなのって、良いのか?
???

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