本来は家の片付けや整理整頓の意味だけど、ロープアクセス系などでは、目の前の絡んだロープの流れを整理するっていう意味のスラングとして使われる。
まあ通常はこうならないのだが、
例えば別系統のロープに荷重を移すとき
身体の向きを考えておかないと
クルッと身体が回転して、
目の前でロープが交差したり、
アタッチメントポイントがネジレる。
カラビナが挟まったりテコになったり、
デバイスの操作が難しくなったり、
ロープが変に挟まって流れなくなったり、
まあ、イイ事は無い。
慎重に考えていても
「あら〜コッチ向くの?」ってな感じで
引っ張られたり、挟まったり、
向きたい方法を向けなかったり、
そういう場合は、早めに
ハウスキーピングだ。
この「早めに」ってのがポイントで、早めにやっておかないと、後々もの凄く面倒臭くなったり、取り返しのつかない状態になったりする。
今何処に荷重しているか?次に何処に加重するか?を考えればどっち向くってのが判って、じゃあコレはコッチ回しておいた方が良いって考えられる。
まあ吊られた状態では、いち早く作業したいから、確保する為に目の前にあるターミネーションや、空いてるポイントに何気なくデバイスを掛けることが多い。目に入ったポイントにカチャってカラビナを掛けてしまう。
作業としては、ここでは動きにくいし振られるからもう一点確保しておこう!として、ランヤードを何気なく掛ける。でもその新しいアンカーに荷重すると、荷重方向とベクトルの関係で、向きが反転したりする。
ランヤードなんかでは、アンカーに掛けたはイイが荷重するとアンカーに対しクロスしてかえって動きにくくなったりもする。
掛ける前に、2点に荷重したらどっちを向く?とか、その後の動きの予測?して、コネクタを枝に対して上から回す?下から回す?を考えた方が良い。
そういうコトを考えないで、枝に立って、荷重してないランヤードを掛けるだけ掛けて、コネクタを接続した後に実際に荷重してみると、反対を向いてしまうとか、目の前でロープが絡んで動けなくなるとか、身体が廻っちゃうって事態に陥ることがある。
何気なくランヤードがアンカーに掛かったから、何気なくブリッジにカラビナを接続し、ロックだけはしっかり確認して、イザ加重すると、あれ?コッチ向きたくないんだけど、ってことはみんな経験があると思う。
カラビナを掛ける前には、ひと呼吸置いて冷静になって掛ける向きや流れを考える。
力と方向と重力を考えないで、何気なくカラビナを掛けてしまうことで、かえって時間がかかったり、無理矢理動いて疲れたり失敗したりする。
ロープは絡む!っていう前提で、絡んだら面倒臭いっていう結果を知っていれば、カラビナを掛ける前に、ロープの流れを見て、ひと呼吸置いてから掛けるように心がけた方が後から面倒くさくならないし、疲れないし、早いよ。
身体がヘンな方向に引っ張られてたら、作業だって難しくなるし、疲れるし、遅いよ。
今、手っ取り早くとか、とりあえずとかは、いい結果を生まないよ。
そして結構シビアなタスク中に限って、身体やポジションに余裕が無い時ほどテキトーにやっちゃうから。
ヤベぇ、ここで風が吹いたら、枝が揺れたら、立ってる枝から放り出されたら、足が滑ったら、って時こそ注意深くなった方が良い。
そこに行くまでの手順をセーフティな位置から組み立てていれば、ヤベぇ状況で消費する時間を短く早くできるよ。行く前に考えておくんだよ。
考えておけば、ヤベぇってなっても対処できるよ。
それにはヤバくない時に何度も繰り返し失敗を予想してプラクティスしておくんだよ。
ヤバくない仕事で余裕がある時にプラクティスしておけば、ヤベぇ時に使えるよ。
そして最もヤベェのが、イケイケでやってた時に環境要因でヤベェ状況に陥るコト。
ヤベェ状況に陥ってからでは、回復するには時間もかかるし手間も体力も使う。
最悪はレスキューになるよ。
ギリギリにカラビナを掛けるって行為はモノ凄く疲れる、あと1cmって頑張るのは、体力の無駄使い。早めにハウスキーピングしておけば早いし楽だし疲れないよ。
そして最もヤベェのが、救助になって、レスキューに行く人。
レスキュアーは、このハウスキーピングが成功のポイントだと思う。
普段からハウスキーピングのクセをつけておかなければ、いきなりは出来ないよ。
そしてそういう場合は総じて余裕が無いから、とりあえずってタスクを進めちゃう。
それでポイントオブノーリターンになったら、二次災害だよ。
だからハウスキーピングも、レスキュープラクティスも、繰り返しはやる訓練トレーニングじゃなくて、どんな時にも対応できる臨機応変さを習得した方が良い。
その為に、繰り返し何度も、いろんなシチュエーションで、いろんなタイミングや状況でプラクティスしておく。
そのプラクティスで失敗して、その失敗を活かす次のプラクティスに活かせば良い。
本当の救助は、エアリアルレスキュー大会のレギュレーションじゃないんだから。
そういう大会だって本当はプラクティスの場だから、勝ちに行くのでは意味が違う。そしてそういう大会でもらった勲章だけでは、危険少なくより早く救助はでき無いよ。
0 件のコメント:
コメントを投稿