トウヒによって相当な道具がヤニでやられて、そのままじゃとても使えない。
ハードウエアはエタノールで落とせるが、繊維物はどうしようもない。
ヒッチコードなんか、外してもヒッチの形状を維持しているほど固まってる。
これじゃぁ降りて来れないはずだ。
エタノールは濃度によって全然価格も違う。70%を切ったアルコールは全然効果がない。
でもエタノール濃度が78%を超えて、残りは精製水とかのヤツは凄い効果がある。
効果は高価なモノだなぁ。
コビッド-19の影響で、多数の触るギアは毎回エタノール消毒していて、ロープも酒精綿にたっぷり染み込ませてロープを拭いていたけど、意外な所でエタノールは役に立った。
もうウェアは捨てる覚悟でいたが、
グローブは酸素系漂白剤の
浸け置きで洗ってみた。
そしたらこればもう見違えるように
キレイになって再生された。
酸素系だから洗ってる間も臭くない。
消臭効果もあるので、
グローブも臭くない。
オキシクリーン驚きだぜ。
汚れたヤツ洗濯する時にどうしてます?
ツリーワーカーあるあるだと思うけど、
自分的には手洗いでキレイになったから他の洗濯物と一緒に洗うんだけど、ほとんどの場合がカミさんに怒られる。個人的に感じる部分が多いんだけど、充分にキレイになってるだろって思うモノでも、叱られる。
だから木登り道具は全て別系統で洗う必要がある。
海鮮物の届け物で来た発泡スチロールボックスを使う。
オキシクリーンの浸け置き洗いは、お湯で洗う方が効果あるらしく、この発泡スチロールのボックスって保温効果もあるから、とても都合がいい。
お湯を入れて1時間ほど経過しても、まだ暖かくって汚れ落ち効果も上がる。
良いトコだらけじゃん!
そこで捨てても良いと思っていたロープも洗ってみた。
一応こいつは弱アルカリ性なので、良いかもしれないと思ってね。
一時期話題になったオレンジなんちゃらは酸だから、酸で洗うとキレイになるのは判るけど、ロープはそれで強烈に傷むから、絶対にやっちゃいけないと思う。
ポリエステルやナイロンは、酸化でぼろぼろになるんだから。
しかもロープがオレンジの良い匂いがするって訳の解んないヤツも居たが、それは成分が落ち切ってない証拠じゃないか?
普段は洗剤も入れずに、踏み洗いだけど、今回はちょっと事情が違うんで、オキシクリーンで試しに洗ってみた。
ロープのオキシクリーン洗浄、誰かやったことあります?
メンバーになっているRopeTestLabってSNSで、それらのよもやまを気軽に質問できるんで「誰かオキシクリーンでロープを洗濯したことある?」って聞いたんだが、
「お前はバカか」とか「10人中10人が止める」とか、批判的な発言が多いことは予想してたけど、誰もオキシクリーンについて言及してくれない。
そんな中、メーカーに聞いた方が良いよっていう至極まともな意見があり、そうかメーカーに直接確認するのが一番と思い、最近はgoogle翻訳も大分まともになってきたんで、英訳してメールを送りまくった。
一番レスポンス早かったのがPETZLっていうか、その日本の会社。
問い合わせは、FlowとAxisのロープについて、
回答は「弱アルカリ性の<オキシクリーン>をロープの洗浄に使用することはできない」
「具体的な対応方法があるかは不明なのでメーカーに確認し回答があり次第連絡する」
という一流の応えが返ってきた。
そして翌日連絡があり、
「50℃の水と中性洗剤を使用した洗浄方法を除き有効は方法はない」という本国の回答があった旨連絡がきた。
メーカーとしては超当たり前な対応だったが、さすが日本法人なかなかなレスポンス。期待してた応えとは違ったけど、レップとはワケが違う。
次に連絡がきたのは、TEUFELBERGER。
問い合わせは、 Tachyon, drenaLINE, KM III and Sirius Bull Ropeについて
「ロープ洗浄に関するテストと推奨事項は、 https://www.teufelberger.com/en/fiber-rope/brainbox/my-rope-gets-washed.htmlにあります」
って言うツレナイ回答。オキシクリーンについては言及してくれない。
そして一番興味深い回答をくれたのがYALE CORDAGEだった。
問い合わせは、Kernmaster, XTC 16, Double Esterlon and Polydyneについて
「ラインの推奨される洗浄と消毒の手順を概説した文書を参照」http://www.yalecordage.com/application/files/1215/8800/0650/Yale_Cordage_Rope_Disinfecting_Guidelines.pdf
としながらも、
「弱アルカリ性溶液は、ロープのポリエステルまたはナイロン繊維を損傷しません。 頻繁に洗うと、特定の性能特性を改善するために糸に追加された重要な繊維仕上げが除去される可能性があるため、必要な場合にのみ洗うことをお勧めします。 これは、ロープの感触、特に摩擦デバイスやヒッチでの動作に影響を与える可能性がありますが、ロープの強度に悪影響を与えることはありません。」
というオキシクリーンについて言及を避け、イイんじゃない?それは自分で判断してね。
的な何となく親近感があり好ましい反応だった。
それとは別に、PMI, Beal, BlueWater, Samson, Courant, Cousin, Stein, Liros もまだ返答してくれてない。のか、東洋の端っこの木登り野郎になんか興味無いのか、ロープについた樹脂ヤニなんて発想が無かったのか無反応。
という具合に、明確な求めているような回答は得られない。まあ当たり前な反応で、オキシクリーンについて言及されることは無かった。まあメーカーだって他の会社と要らぬ論争をしたい訳じゃないからね。
そしてオキシクリーンにも聞いた。
オキシクリーンは本場アメリカ版は高価で界面活性剤が入っていて、日本法人が売ってるヤツは界面活性剤が入っていない。界面活性剤なんて必要からかえって好都合だ。
まあ始めからロープなんて洗う対象になっていないのだけど、
「オキシクリーンはナイロンもポリエステルも傷まない。本品は弱アルカリ性ですが、洗浄時に汚れを剥離するために酸素系の泡が発生する。繊維の洗浄効果があるが、衣服用の洗剤なので強度や伸びについて検証していない。
という非常に当たり前な反応。
自分自身が何らかの指針を出すためのアイデアくらいあるかなぁ?って思ってたけど、「使ったらダメ〜」から「イイんじゃない?」という、広すぎる対応の範囲に、困った。
そこで結論としては、
グローブやバッグやウェアは酸素系洗剤でキレイに洗う。
元々破棄するつもりだったロープは、PPEとして使用することを止める。
ことにする。
そして、どうしてもトドやトウヒに使う必要がある場合は、しょうがないから破棄間近のロープを使い、洗う必要があるなら少し高いけど、78%以上のエタノールにドブ浸けして、もみ洗いしてから、洗剤を入れずに水洗いだけにする。
ってのが今の所の方針。
???
RopeTestLabで、
「汚れが落ちるってことは、それだけ傷むってことじゃないの?」
っていう投稿もあり、全く考えていなかった。
今まで、ロープは汚れたらとにかく洗うって方針だった。
微細な鋭利な石をコアに残したままPPEとして使うよりは、水で洗った方がマシだろうけど、、、でも考えてみたら水洗いってのも、
水素と酸素の結合の「水」を使う。ってことは、酸なのか?
ますます謎は深まるばかり。
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