2020年10月25日日曜日

プラン確認してます?


シビアの現場はもちろんだけど、
施工方法はそれほど難しくなくても、
対象が大きかったり、環境要因として
交通や斜地で伐った後転がっていくとか、
集材の手間とか、チームの配置とか、
そういう当然というような部分に
余計な時間を取られない為にも、
チームでプランを共有しておく方が良い。

もちろん計画時には一度下見に行くが、
ここに参加できなかった人の為や、
メンバーでプランを再確認する為にも
現場調査を作る。
絵がヘタでも情報が伝われば良いんで、そのポイントや施工方法の具現化っていうヤツは、みんなで無駄なく動くためにとっても有効だ。
そのタスクの間違えや不明点も確認できるし、当日まで別な好ましいアイデアが出てくるかもしれない。
皆でタスクを共有するってことは、仕事をより迅速にこなすってコトだ。
今はLINEなんかで簡単に共有できるし、それに対して忌憚なくディスカッションするコトで仕事はだんぜん速くなる。
もちろん当日の天候や気象状況やチームの状態によって、または実際登ってみたら違うなとか、それまでの時間経過によって起こってしまった変化とか、現場で実際に合わせた修正を行う。事前にこういうレジュメを共有しておけば、現場の修正も手早い。

基本プランを変えない修正なら、当日はチームでチェックポイントの確認だけだから、覚える手間も時間も削減できる。現場の動きとプランの違いがあったら直ぐに確認して、このタスクについて理解を深められる。
仮にあまり慣れていない人がいた場合など、事前のレジュメがあることによって勉強したり調べてみたり質問することもできる。そういう疑問がない現場が、手間をかけず早く済むことは一目瞭然。
現場で初心者が「アレは何をやってるのですか?」なんて疑問も、それに対応する時間もムダにならない。
アルゴリズムが明確なら、次に何をヤルか?とか、それに合わせてどう動くとか?が予想できるため、各ワーカーに無駄な動きが生まれず、精神的にも余裕が生まれる。
延いては危険回避につながっていく。

そしてこのプランが万が一の場合にも大変役立つ。行程や順序が明確だし、全体のアルゴリズムから、もしもの時にも対応が迅速になる。
即座に役割分担ができて、各々が適切に動けて、危険も少なくなる。
もう、言うこと無い。
っていうか計画・プラン・タスク了承が無い現場は、無駄が多過ぎて信じられない。よくそんな時間が無いなんて言う人もいるが、当日無駄にかかる時間よりも事前の時間の方がよほど短く済むよ。計画の有効性を知らないだけなんじゃないか?

一流のクライマーが居るので彼に任せておけば安心、みたいな幻想が有る人が多い。
一人で動いているなら別だが、結局誰かにゲタを預ける責任逃れじゃないのか?
酷いね。

そしてその彼が今何をやってるのか?判らないまま、下でボ〜ッと見ていて、だって何やってるか判んないんだもの、その彼に指示されない限り動けない。
彼は、そんな事いつもやってるから判ってるダロッて思ったとしても、事前の計画すら知らないんだから動き様も無い。
その「いつも」はどのいつもかも判らない。
5人居たとしても、結局1〜2人しか動いていないから、ドンドン時間が過ぎていく。
慌ててタスクに移るから、ミスやトラブルも起きやすい。
良くないね。本当に良くない。

ひょっとしたら、まったくノープランで登ってるから、ただ目の前の枝を切ってるだけなのかもしれない。
ノープランを肯定する為に「上に行って見ないと判らない」とか言うヤツは、実際のタスクも理解してないし、だいたいチームで動くつもりが無いヤツなのかも知れない。

小さい対象の方法を、そのまま大きな対象に当てはめたりする。
ガースでカラビナしかやってない人は、どんな重いモノでもソレで片付けようとする。リギングリングとランブーとか、カウヒッチとブロックなんて選択肢すら無い。
勉強してないから応用も臨機応変さも無い。だってそれでイイと思ってるんだから。
恐ろしい。

だからクライマーとグランドワーカーのギャラが違ったりする。
お互いにリスペクトするなんて発想すら無いのだろう。
何時でもオレ様が一番凄いとか思ってるんだろう。
悲しいね。

仕事の事前に計画して共有することが、タスクを迅速にこなす最も適切な考え。
んな事どうでも良い!オレ様が凄く早いんだからそれで充分だ。
とか言ってる人が、道具に走るんだろうね。
自分の不勉強を道具でカバーしようとするんだろうね。
残念だね。

仕事はできれば良いんだけど、せめてPPEは使ってね。
非PPEで自分がケガするのは構わないけど、他人に勧めるのは止めてね。
計画段階でこういうアンポンタンなミスは無くなるからね。

チーム全員とか、有能な監督者とか、その指導的立場の人がアンポンタンなら
もうどうしようもないけどね。

サイオン

先日のトウヒヤニ問題で、メインで使ってたポジショナー2+ドレナラインのワークポジショニングランヤードは、オキシクリーンで洗浄してしまったことで今イチ気持ち的にムズムズ不安が残ってしまい、替えることにした。
そしてマル秀にスターリンのサイオンが切り売りしていて、経験者が引き込みがメッチャ大変できないということだったので、ここは一丁挑戦することにした。



結論から言って、△
合わせ技一本って感じで、
何の根拠も無いけど、
自分使いで自分なりのデータが採れた。
一般的にはブラックで、
自分的には限りなくグレーだけど。

コイツはシースが24st.
コアが18st.
インナーコアが6ya.

インナーコアの処理が課題になるだろうと
コイツをどこでどうするか?
通常のダブルブレイド
Class Iでは何ともし難い。
シースとコアの質量割合とか判らないし、インナーコアがどう出るか?不安と期待がいっぱい。3〜4度失敗すること前提で、オーバーサイズで買った。
そしてはじめてのロープは1度も荷重していない洗ってないロープに限る。
使い古したヤツでいきなり難しいコトをやろうとしても、できないぜ。
へたくそな人に限って、勿体ないから使い古しで練習してって言う人が多いが、ソレは失敗への近道だし、勿体ないから入れ込みの数値を短くしたり、しみったれてると絶対に巧くいかない。結局無駄が多い。手っ取り早く何かを成そうと思っても、巧くいかないよ。 成功への近道は、新品だよ。

まず1回目。通常のClass Iで挑戦したが、ポイントCからコアを引き出すのがとても難しい。トスワンドでは絶対に無理。
というのも、コアのストランドが18st.なんで、とても特殊な編み方。
そしてストランドが少ないってことは、1ストランドが太くて、故に網がゴツゴツ太い。
編み方もあまり見かけない、断面が円に近くなるような編み方なんで、故に平べったく潰れないことで、BからCの重なるオーバーラップする部分が分厚くなって引き込めない。 コアの引き込み段階で諦めた。
いつもはこの作業は無理せずスゥ〜っと入るので思わぬ所でつまずき、諦めた。
無理してここで無駄なエネルギーを使っても良い結果が得られないと、ロープの無駄使いを省く為に、早々にコアを引っ張り出して、網が良好な50cmくらいでブッタギる。

2回目。スプライフでチャレンジ。しかし、ポイントCからコアを引き出すオーバーラップ部分でインナーコアが邪魔をする。
優しく撫でたり揉んだり緩めたり、一回引き抜いてワイヤーを入れ直したり。
どうしても中心から出したインナーコアが、コアにまとわりついて、フィドを差し込むとき上手く入って行かないようだ。
ここの段階のインナーコアの処理と、コアの扁平化がテーマだな。
それでもCから引き抜いてしまえば、後は難なく成功。
B2のクロスオーバーの引き込みは、アレって感じで楽々入った。
でもこれが気に入らない。

アイ部分とクロスオーバーポイントとオーバーラップとCから5cmくらいの所をカットし分解チェック。
自分で作っみたアイを、勿体ないが少しづつ分解することで、何が間違ったか?どこがストレスか?改善策を見いだせることがある。
無理矢理に形だけアイっぽくしても、アイのシースがダルダルな奴とか居るけど、ソレを使うとか信じられないんで、どこにストレスがあるかをチェックするのはとても重要だ。
前記のシースダルダルアイとかは、コアでしか荷重を受け持ってないから、絶対使ってはいけない。こういうのはダメな見本として臥薪嘗胆するべきよ。
ストレスって緊張だから、緊張は強度やエロンゲーションに最も影響がある。
ハンドクラフトなんで毎回同じ数値化はできないけれど、とにかくストレスがあるロープは使いたくないね。そんなんに命張るって奴は意味が判らん。特殊伐採なのだろう。

2.5回目。上記2つの中間的なデータを取る為に、2mくらい切って色んな仕様を試してみる。要はコアのテーパーをどうするか?だ。
テーパーは引き出してカットする数的には全体の半数なので変わらないが、どこでソレを行うか?そして、同素材?っと仮定して、シースとコアとインナーコアを目に見えるファイバー単位までバラし、それぞれの割合を出して、本数と位置と決める。
ファイバーは引っ張ると切れちゃうし伸びるし、この作業がメッチャ地味で辛い。耐えられない。ググッと我慢して、セロテープに貼付けて数をカウントする。
ときどき時ソバのようになり、最初からヤリなおす。

ところでロープの概ねの強度って、テンセル強度試験をする前に、素材特性と染色などの関係を係数にしファイバー1本の強度を出して、編み方の種類の係数から出す、らしい。 だから、油気の無い手のササクレやカラビナなんかに引っ掛かったりして、ファイバーを切っちゃうとその分当たり前のように強度が落ちる。概ねポリエステルかナイロンなんで、ささくれ立ったロープ表面をライターで炙って見え無くしちゃう人が居るけど、そこで繊維がダマになってスムーズな動きにならないし、熱で他のファイバーまで溶かしちゃったらもうオシマイだからね。

そして3回目。良好そう?なデータが採れたので、それで挑戦。
コアのテーパーをかける前に、コアテーパーをかけるポイントと数をアイ方向に近づけて、ソレ以前にインナーコアを処理することにした。
6目ごとに1サイクルなんで、6目ごとにノット側から1本づつ引き出して、まずはインナーコアのテーパー。(この数値がキモよ)
コアの網が強いので形は崩れにくいけど、変なヨレができるから、ノット側から1本づつ引き出して1本ごとにシゴキながら整流する。これが成功の秘訣。
その時に若干扁平化するようにシゴく。
そして引き込み時もストランドにストレスが起きないよう、丁寧に向きを考えてユルユルにして扁平が保たれるように、ネジレないように。

そしてこれやらない人と多いけど、Bの反対側にポイントCを合わせてフィドを差し込む。その時に何度も何度も出したり入れたり、フィドがシースのファイバーを引っ掛けないように、変なストランドを通さないように、フィドとコアが絡ないように、優しく撫でたり揉んだり緩めたり、丁寧に入れる。



ワークショップをやると、
この丁寧ができない人が多い。
何でも、力づくで引張ったり、
強引に押し込んだり、
誰かに嫌われるよ。

色んな所を引き出したり、
押し込んだり、緩めたり、
愛撫しないと。
やっぱりB→Cはキツくて難しかったけど、ソコはソレ経験値の違いで、
優しく撫でたり揉んだり緩めたり、、、成功の秘訣はゆっくり丁寧にだ。

ガチガチに力ずくでって人は、ステッチングもホイッピング難しくなる。
針刺した状態で、折れちゃったらオシャカだよ。
スウッと針が刺さるくらいじゃなきゃ。

そうして4(3.5)度目で完成した。
ワークポジショニングランヤードなんで、両アイにしたけど、一度成功のデータが取れると、もう後は簡単。データから得た改良点を少しずつ修正しながらサクっとできた。

それにしてもサイオン、色が綺麗!素敵!カッコいい!

2020年10月23日金曜日

クイッキー♥︎

セコイアSRT前世代のセンターターミネーションは、基本的にトップクロールを取付けるためデルタのホールド。しかしメーカーに問い合わせた所、ここに複数のアタッチメントをつけることは問題無いそうなので、メーカーではデルタを2つ入れようとしても入らないってらないってことを知っててイイって言ったのかもしれないが。
元々ウェビングを折り返してステッチしてるだけだから、あまり他のこと出来ないし、斜めにステッチしてるから、デルタを入れてもクロールがねじれて、どうも調子が良くない。ここを何とかしたいけど。
実はデルタ以外に、密かにもうひとつのターミネーションとしてエーデルリッドのツリーコア用のコアスクリューDをつけている。
コイツはスチールのボルトオンなので、入っちゃうんだな。
とても他人に勧められた行為じゃないけど。
そもそもデルタの向きと扱いづらさにイラッとしてたんだが、デルタの反転防止のキャプティブっていうか(アイツの名称は反転防止機能付なのか?)黒いプラスティックは、直ぐ外れて何処かに飛んでいてしまう。
気がつくと無くなってる。
そしてヨコを向いている。
これが気持ち悪くって、べアールのピンチでキープしていたがなかなか調子が良くない。気がつくとデルタがヨコ向いてる。

デルタだけにして、ここにクロールとリギングプレートを着けたり、細長のマイロンを着けたり、リングオープンを着けたり、色々やったけどシックリこない。
シックリこなくてもセンターターミネーションには何か必要だったし、妥協点としてデルタとコアスクリューDをダブルでつけていた。
そうするとお互いが干渉気味に真っ直ぐになる。但しデルタは相変わらず横を向く。

メーカーに他所のメーカーのモノを付けて良いか?なんて聞いてもダメって言われるの決まってるし、ここは勝手な改変になるけど、自分レギュレーションで、センターターミネーションに2個のアタッチメントを付けていた。
が、そこにノッチV3クイッキとコアスクリューDが良いのではないかと思いはじめ、クイッキはダメでも他に使いどころは沢山あるし、取り寄せてみた。
キャノピーや基礎アンカーに使えるって紹介されているクイッキ。基礎アンカーで少なくともここはスチールでしょって思うポイントが有り、私は気持ち悪くて信じてない。アルミ合金カラビナをテコで決めてるヤツがいる。その換わりにはもってこいな感じがする。しかしこの大きさっていうかサイズ感は他の使い所あると思うよ♥︎

このノッチV3クイッキは、スチールコネクタっていうかシャックルの仲間で(一応候補にDMMのコンパクトシャックルがあったがゴツくてNG)標準のカラビナのサイズの半分程の大きさ。そしてスライスピンが4アクションで回転でき外しやすい。って言っても2アクションで開くには開いちゃうけどね。マイロンやシャックルはペンチでキツく締める必要があるが、コイツは4アクションで開放できる。
元々シンギングツリーのプロダクトだが、OEMなのか?
メジャーアクシスは30kNと変わらないけど、マイナーアクシスがノッチは13kNと2kN低い。材質と形が違うようだけどシンギングツリーの半値程でノッチが売ってる。

するとどうでしょう!


あんなに苦労して試行錯誤していた、
SRTターミネーション問題が
めっちゃスッキリ。
ここにクイッキとコアスクリューDと
ダブルで入れれたけど、
もはやクイッキにクロールと
リギングプレートでも全然OKだな。
これからまた適切で良い
コンビネーションを探す毎日になる。

長年グズグズ悩んでいた事がスッキリしたのは良かった。但しクイッキは、幾ら4アクションといっても、ナンダカンダやってるうちに外れないとは言い切れないし、スクリューロックの確認のように、毎回荷重する前には必ずチェックする必要がある。
バーのツメをメルトロックとか?ツメの2つの間にべアールピンチ突っ込むとか?シリコンチューブぶち込むとか?ビニールテープグルグルとか?...この先色々考察する必要がある。

道具は便利で使いやすくなったら、必ずデメリットも有るはず。
セコイヤだって他メーカーの何かを使うんだから、メーカーが認めない改変だからね。
そのことを自分で承認しないと、自分でリスクを承知しないとダメだからね。

吉と出るか?凶と出るか?
凶と出たらもう更新され無いと思うけど、暫くはこれで使ってみよう。

エクセサリースクリューロック

ど~しても気になって、本物見たくて買っちゃった。
エクセサリースクリューロック

上から、エクセサリー
エクセサリーロックx2
パーフェクトO
パーフェクトOキャプティブバー
ウルトラO
サイズに合わせて使いところがある。
上の3つはPPEじゃないけどね。

そうこうしているうちに
XSRE Lock Captive Bar
って奴も出てきたゾ。
コレも使い所がある!
どっちかって言うとコッチが良かったな。

まあ当初の目論みでエクセサリロックで、アアもしようコウもしようとって妄想を膨らませている。ビョーキだね。
それにしても高いよね?
PPEじゃないし、ツールクリップだからそんなに大きな革新的なことじゃないんだけど、かなり使い所はある。
ジンジンきたきた!ってんで、痒い所に手が届く感じ。

XSREって、ロープのストランドに射し込んで使えるじゃない。
昔、キャノピーの台付けはそのままで、リギングラインをクライミングラインに交換したくって、登ってセットし直すの面倒で、ブロックのシーブ幅は通るし、XSREはそのままロープにぶっ込んで繫げられる!ってことでリギング差し込み、アイを繫げて、ロープチェンジしてみた。
リギングラインはベクターがかかってたので干渉は無かったのだが、鉛直上にするとちょっと枝に干渉する。まあ大丈夫ねって、入れ替えてみた。
すると、どうでしょう!
干渉する枝の部分のペコッって出っ張った小枝に、見事にXSREがハマった。
そんなに気にしないでいたけど、外れない。
グイグイやっても外れない。
2人がかりで引っ張ってみたら枝が折れて外れるだろって、思いっきり引っ張ってみた。するといきなり張力が無くなり、2人とも倒れて。2本とも別々に落ちてきた。

XSREのIビームが弾けて飛んで、O型がG型になった。
弾けて飛ぶのはシャボン玉だけで良い。

台付け残置!
結局手間を惜しんで、面倒臭い作業になってしまった。
まあ他の登れるラインがあったから良かったけど。

XSREは非PPEながら、MBSが4kNって表示がある。
いい大人がセーノ!って思いっきり引っ張ったら、壊れる。

今度のエクセサリーロックは、どうだろ?スクリューロックだから、そう簡単には外れないと思うが、所詮4kNだからなぁ。今度は展張計つけて引っ張ってみようか?

エクセサリーロックは、あまり好きじゃない、ってコトが判った。
やっぱりロックエキゾチカのRockXの方が相当ストレスが無い。

2020年10月21日水曜日

How does it feel?

普段「自分を磨く」とか言ってるけど、何も全部自分でできるスーパースターに成れって言う意味じゃない。


人間はミスするんだから、
絶対に失敗するんだから、
100%の完璧なワーカーに成れないよ。

アベンジャーズだって
それぞれの得意分野があって、
チームでタスクをカバーしてるね。
漫画だけど。

チームタスクが出来ない人は
自分の感覚ノミになるし
自分が考える危険にしか対処できない。
ましてやリギングなんて出来ないよ。

緩いネットワークでカバーし合える
仲間が必要だと思うよ。
私がある人の講習を受けたとき、ちょっと方向性も違うんだが「お前はなぁんにも出来ないなぁ」って言われた。そして「Did you understand? If you can understand, everyone here is okay.」って言われた。
要は、お前が一番出来損ないだから、お前が理解できるなら他の皆は大丈夫だってこと。 私はその言葉を、バカにされたとは思っておらず寧ろ誇らしげだった。
他の皆には迷惑かけたのかもしれないけど、判らないことがあるから高いフィーを払って講習を受けて、出来ないから教えてもらうんだから、なぜ?出来ないかを理解できるんだから。新たに間違いを探してソレを解決できるんだから。

その方も「私はお前らに一週間雇われたんだから、何でも聞いてくれ。お前らの疑問を解決するためのホストだから」って言っていた。
その後私のワークショップや講習は、この言葉をそのまま使わせてもらっている。
人に何かを伝えるのは、伝える側はホストの気持ちで受講者に向き合った方が良いと思う。例えば凄い先生に教わりに来たって言う人は、他を当たってください。凄い先生は要らないと思ってるから。私は完璧に見せつける事は出来ないし、有無を言わせない素晴らしいパフォーマンスを見せつけるワークショップではない。逆に受講者に失礼だと思う。パフォーマーじゃないんだから。

私も人間だから判らないこともある。できないこともある。でもソレを皆で考えようぜ!って言う姿勢で、自分の持っている知識や技術を紹介して、皆がソレをどう受け取るかはその人次第だし、できる限るその人が満足できるように支えるのが私の役目だと思う。
判らない事があれば後日調べて連絡するし、できない事を紹介するんなら、できる人を呼んできて一緒にやってもらうよ。

そしてその先生を日本に招いて講習をやったことがある。
私はサポートというか、パシリだったけど、
その方は、一番できの悪い私の事を覚えていて、講習中にも同じように私に「Did you understand?」って聞いてきた。私はOK!って言うと「If you can understand, everyone here is okay.」って言ってタスクに入って行った。

その時の受講者は「先生の前でカッコ悪い所は見せられない」とか「失敗は出来ない」って言って、持てる知識をフルに活用しようとカラ回りしたり、変な言い訳をしたり、話を聞いてなかったせいで言葉が判らないからって方向性を曖昧にしたり、、、
そして先生は私に小声で「Why don't these guys understand when you understand?」とか「I thought you were a bad guy, but it's better than these guys.」とか言っていた。

出来ないから、判らないから、知りたいから、講習を受けてるのに、それを「先生、オレ出来てるでしょ」って褒められたいから来てるのか?そして失敗して「You are wrong」とか「You can't do it」とか言われて、あとでオレのせいで皆に迷惑をかけたとか言って陰で泣いていた。ダッセ〜!
判ったテイでのエエカッコしいはカッコ悪いぜ!
通訳をやってくれたガイドさんは、私は八甲田で絶対に事故らない。こういう方々に助けられたくないって言ってた。ソリャそうだ。

先生はホストだから出来の悪いヤツほどちゃんと教えようとする。ちゃんと教えられる方法を考える。どうして伝わらないかを考える。そういう姿勢も学んだよ。
自分ではこの先生のようなワークショップにしようと心がける。
出来ないからここに来ているんだ。
ここに来たからには何かを掴んで欲しい。と思っている。
掴めないなら掴みやすいような伝え方をしている。

有無を言わせない凄い技術を見せつける事は他でやってもらった方が良い。
私にはそんな技術も知識もないから。
出来ない人にできるようになって欲しい。
効率や早さなんて後からのトレーニングで何とでもなる。
効率や早さより危険回避を一番に考え積み重ねているうちに、効率や早さはついて来る。 ワークショップ中は間違えて、どうして間違えたか?とかどうしたら良くなるか?とか、ソレを考えるプラクティスだからねって言っている。
オレに良いカッコを見せたって、何の徳も無いぜ。

それにいきなりレベルの高い事を見せつけたって、同じ事出来ねぇ〜し。
相手が自然だから、仮に同じ事できても実際には使えねぇ〜し。
直ぐに高レベルな事ができる仕事じゃないし。
レベルの高い事をしたいならちゃんとベーシックを覚えようぜ!って言ってる。
出来ない人こそ来て欲しい。

誰も最初からは出来ないんだから、巧くやる方法の前に、巧くやる考え方を覚えようゼって、道具選びだってこの人が良いっていうギアを事前に買って持ってきたりする人が居るけど、そんなの必要ないよ。
適切なギア選びって、仕事を速く効率良くするためにとっても重要だから、自分の方法や身体に合っていないギアは、かえって遅く効率悪く危険にするんだから。

何も持っていないから何も出来ないって思ってる人多いけど、そういう人は結局道具さえあれば何でもできるって思ってる。
だからGRCSだ、モーションだ、ボーテックスだ、って言うんだと思う。
無理矢理誰かの真似をして道具揃えても、必ずしも身体やチームやタスクに道具が合っていないから、痛いし疲れるし効率悪いし危険なんだよ。
そういう人にその道具は良いですか?って聞くと、ほぼイイって言う。何が良くて何が塩梅良くないか判っていないから、イイって言う。そしてせっかく買ったんだからソレを使い倒そうとするけど、塩梅良くないから巧く出来ない。ソレは自分の鍛錬が足りないんだって思うみたいだけど、、、そうじゃないからね。
そういう人に試しにコッチ使ってみてくださいって言うと「あっ、これ痛くない」とか言う。だから身体に合っていないんだよ。誰かがイイって言っても自分には合ってないんだよ。そういうところからワークショップで紹介した方が良いと思う。
道具に無理矢理身体を合わせるのは危険だよ。
酷いのになると、チーム全員同じ装備って言うアホな人々も居る。
今は色んな道具が有るから、自分に合わせて揃える方が格段に巧くなるよ。
その道具選びもワークショップの重要な項目だよ。
だから裸一端でまっさらで来て欲しい。
その方が近道だよ。

自動車免許を取りに行く時に、自動車買って行かないでしょ。
そして免許取り立てで、ふつうマクラーレン買わないでしょ。
コンビニにタバコ買いに行くなら、ウニモグよりも自転車が良いよ。
自転車もバイクも乗用車も、場合によってはトラックとかホイルローダーとか
全部用途は違うんだよ。

さっきの先生にあるヤリ方について「これはどうだ」とかって聞くと「Better」ってそして「But, don't like it」って言われた。
その方法はまあ良いと思うよ。でも俺は好きじゃない。って、
ウニモグでも良いけど、オレはバイクで行くなって感じ。
確かにウニモグは色々使えて申し分無いけど、今じゃ無いんじゃない?
ユニバーサルモーターグレーダーは多用途発動機だけど、凄く何でも使えるし便利で力持ちだけど、今行うタスクには向かない。って言う判断が出来るかどうか。
ウニモグも持ってるけど、バイクで良いタスクはカブで良いよ。
それでイイんじゃないかな。
先生の真似をする事をその先生も望んでない。でももっと良い方法がある、その理由はこうだからねって。彼はそう考えるからこの方法を選ぶ。

唯一の正解、100%正解なんて無いんだ。そのことについて否定も肯定も両方あって、ソレを選ぶのはあなた次第だ。って意味だった。

逆に言うとソレを選ぶためには、一方向だけじゃなく、他方向に考えを巡らせ広い視野で判断しろ!ソレがお前に科せられた使命だ。とも言われた。最初は意味が判んなかったけど、さすがインディビディアルな国だと感銘を受けた。
国や上司や先輩の意見は、ソレはそれ。それを総合的に判断しないといつか絶滅する。

「Never violate the low of gravity. Penalty is dealt out in shock force! 」って言っている。
無理矢理の方法や道具は必ず怪我するんだよ。って

2020年10月19日月曜日

晩秋

最近は、気になることが多過ぎてココで好き勝手な事書いてるが、コビッドだろうが何だろうが季節は確実に動いていて、もうすっかり秋というかもう冬の始まりって感じ。
秋って言うと、Fallって思っちゃう。ビョーキだね。

それでも時間がある時は確実に野原に出てるんだけど、もうマガンたちは集まって移動しちゃったし、カモたちの子育ても終わっちゃったけど、いつもの奴らは相変わらず元気に営んでいる。楽しむ分には充分観察できた。


これから秋の渡り時期だ。
ってことで
猛禽をチョロチョロ見かける。
鷹柱が立ってたので
観てるとサーマルめがけて
ドンドン集まって
ノスリが18羽。

写真ボケボケだけど。
まあ撮ることじゃ無く
観ることが目的だから。


いつもの散歩コースっていうか、
いつもの場所に、いつもの草に止まって
いつもの鳥が、いつものように狙ってると
嬉しいね。
カワセミのダイニングは決まってるから
そこをチェックすると、
おう、今日も元気だねって思うし、
逆に居なかったら心配する。
この場所はハンティングの確率が高く
ホバリングで仕留める。
欲を言えばもうちょっと近かったら
もっと良く観られるのだが、
双眼鏡でギリギリ。
まあこの距離感が良いんだろうけどね。
デカいバズーカ砲で狙ったら
汚ったない用水路だし、興ざめだしね。


道の水たまりでは、
今年生まれたノビタキの小ちゃいやつが
水浴びをしている。

鳥の水浴びって、客体的にみれば
意を決してドキドキ
無防備だから何時狙われるか判んない。
でも客観的に観れば
どことなくユーモラスで
ビビりながら見ずを浴びてるのは
とても可愛く観える。


河原の開けた土手から
ハリのある美しい声が聞こえる。
ベニマシコ
コイツは遠くからでも聞こえるから
聞こえたら直ぐに探しに行くけど
なかなか観させてくれない。
直ぐ飛んじゃう。

まあ観られる為に鳴いてる訳じゃ無いし
ヤベェ奴が近づいてきたら
そりゃ逃げるわな。

でも猿ズラで真っ赤なのを見かけると
幸せな気分になる。
こういうなあなあな日常がイイね。


もう晩秋って感じで葉っぱもすっかり落ち
冬の準備をしている状態だと思うが、
枝先に1個だけ、花が咲いていた。
狂い咲き。
サンダーロード

赤いを通り越して黒ずんできた実の上に
ピカッと白い花が付いている。
このコントラストが面白い。
ナナカマドでこういうのは観たことない。
もうユキムシも飛んでるし、トンボもオツネんだし、そろそろ秋も終わりだな。

2020年10月18日日曜日

ハウスキーピング

本来は家の片付けや整理整頓の意味だけど、ロープアクセス系などでは、目の前の絡んだロープの流れを整理するっていう意味のスラングとして使われる。

まあ通常はこうならないのだが、
例えば別系統のロープに荷重を移すとき
身体の向きを考えておかないと
クルッと身体が回転して、
目の前でロープが交差したり、
アタッチメントポイントがネジレる。
カラビナが挟まったりテコになったり、
デバイスの操作が難しくなったり、
ロープが変に挟まって流れなくなったり、
まあ、イイ事は無い。
慎重に考えていても
「あら〜コッチ向くの?」ってな感じで
引っ張られたり、挟まったり、
向きたい方法を向けなかったり、
そういう場合は、早めに
ハウスキーピングだ。
この「早めに」ってのがポイントで、早めにやっておかないと、後々もの凄く面倒臭くなったり、取り返しのつかない状態になったりする。
今何処に荷重しているか?次に何処に加重するか?を考えればどっち向くってのが判って、じゃあコレはコッチ回しておいた方が良いって考えられる。

まあ吊られた状態では、いち早く作業したいから、確保する為に目の前にあるターミネーションや、空いてるポイントに何気なくデバイスを掛けることが多い。目に入ったポイントにカチャってカラビナを掛けてしまう。
作業としては、ここでは動きにくいし振られるからもう一点確保しておこう!として、ランヤードを何気なく掛ける。でもその新しいアンカーに荷重すると、荷重方向とベクトルの関係で、向きが反転したりする。
ランヤードなんかでは、アンカーに掛けたはイイが荷重するとアンカーに対しクロスしてかえって動きにくくなったりもする。
掛ける前に、2点に荷重したらどっちを向く?とか、その後の動きの予測?して、コネクタを枝に対して上から回す?下から回す?を考えた方が良い。

そういうコトを考えないで、枝に立って、荷重してないランヤードを掛けるだけ掛けて、コネクタを接続した後に実際に荷重してみると、反対を向いてしまうとか、目の前でロープが絡んで動けなくなるとか、身体が廻っちゃうって事態に陥ることがある。
何気なくランヤードがアンカーに掛かったから、何気なくブリッジにカラビナを接続し、ロックだけはしっかり確認して、イザ加重すると、あれ?コッチ向きたくないんだけど、ってことはみんな経験があると思う。
カラビナを掛ける前には、ひと呼吸置いて冷静になって掛ける向きや流れを考える。
力と方向と重力を考えないで、何気なくカラビナを掛けてしまうことで、かえって時間がかかったり、無理矢理動いて疲れたり失敗したりする。

ロープは絡む!っていう前提で、絡んだら面倒臭いっていう結果を知っていれば、カラビナを掛ける前に、ロープの流れを見て、ひと呼吸置いてから掛けるように心がけた方が後から面倒くさくならないし、疲れないし、早いよ。
身体がヘンな方向に引っ張られてたら、作業だって難しくなるし、疲れるし、遅いよ。 今、手っ取り早くとか、とりあえずとかは、いい結果を生まないよ。

そして結構シビアなタスク中に限って、身体やポジションに余裕が無い時ほどテキトーにやっちゃうから。

ヤベぇ、ここで風が吹いたら、枝が揺れたら、立ってる枝から放り出されたら、足が滑ったら、って時こそ注意深くなった方が良い。
そこに行くまでの手順をセーフティな位置から組み立てていれば、ヤベぇ状況で消費する時間を短く早くできるよ。行く前に考えておくんだよ。
考えておけば、ヤベぇってなっても対処できるよ。
それにはヤバくない時に何度も繰り返し失敗を予想してプラクティスしておくんだよ。 ヤバくない仕事で余裕がある時にプラクティスしておけば、ヤベぇ時に使えるよ。

そして最もヤベェのが、イケイケでやってた時に環境要因でヤベェ状況に陥るコト。
ヤベェ状況に陥ってからでは、回復するには時間もかかるし手間も体力も使う。
最悪はレスキューになるよ。
ギリギリにカラビナを掛けるって行為はモノ凄く疲れる、あと1cmって頑張るのは、体力の無駄使い。早めにハウスキーピングしておけば早いし楽だし疲れないよ。

そして最もヤベェのが、救助になって、レスキューに行く人。
レスキュアーは、このハウスキーピングが成功のポイントだと思う。
普段からハウスキーピングのクセをつけておかなければ、いきなりは出来ないよ。
そしてそういう場合は総じて余裕が無いから、とりあえずってタスクを進めちゃう。
それでポイントオブノーリターンになったら、二次災害だよ。

だからハウスキーピングも、レスキュープラクティスも、繰り返しはやる訓練トレーニングじゃなくて、どんな時にも対応できる臨機応変さを習得した方が良い。
その為に、繰り返し何度も、いろんなシチュエーションで、いろんなタイミングや状況でプラクティスしておく。
そのプラクティスで失敗して、その失敗を活かす次のプラクティスに活かせば良い。
本当の救助は、エアリアルレスキュー大会のレギュレーションじゃないんだから。
そういう大会だって本当はプラクティスの場だから、勝ちに行くのでは意味が違う。そしてそういう大会でもらった勲章だけでは、危険少なくより早く救助はでき無いよ。

2020年10月16日金曜日

 MEWP

日本の高所作業車運転者特別教育はどうやってるか知らない。でもカゴから身を乗り出して作業していいという事は無いだろう。

ICoPのモバイル昇降作業プラットフォームの要件の最初に、3.8.3 In circumstances where an operator is working from the platform of a MEWP, the use of a work restraint system (personal fall prevention) may be required.An operator using personal fall protection equipment such as harness and lanyard would be prevented from reaching an area where there is a risk of a fall
MEWPから作業している状況では、基本的にバケットから身をを乗り出して作業はできません。ハーネスやランヤードなどの個人用落下保護装置を使用して落下の危険性のあるエリアでは、フォールアレストシステムを使用する。
MEWPとは、Mobile Elevating Work Platform (モバイル昇降作業プラットフォーム)一般には、いわゆる高所作業車のこと。

とにかくゴンドラに入って
作業に邪魔な枝があれば
枯れていようが活きていようが
おかまいなしに落として広げれば良い。
下なんて確認しなくても大丈夫だし
声を掛けるなんて面倒くさいし
落ちた枝に当たる方がマヌケだし

落ちるなんてマヌケなことやんね〜から
幾らでも身を乗り出すし
かかと引っ掛ければ落ちねぇし。

行政の担当者や官庁の役人や
監督する人なんて煩いから要らないし
居ない方が作業が進むし。
そんな感じかな?
監督的には、高所作業車を利用すれば出来る仕事。
作業員には、チェンソーやフルハーネスやロープ高所作業や高所作業車運転者の特別教育も受けさせている。みんな日本の国家資格を持っている。
雇用主的には、必要な身体保持器具などの道具も買い与えている。
国がマストだ!って言ってる事は100%守っている。
何の問題も無い。

作業員的には、
フルハーネスなんて重いし動きにくいし、
チェンソーは片手で使えるトップハンドルが扱いやすいし、
身体保持器具だって邪魔で使えねぇ。
第一あんなもの着けてたら仕事が遅れて作業になんねぇ。
いちいちゴンドラにフック点けてたら、身体の自由が効かねぇし、チェンソー延ばしても届かねぇから、外して身体を延ばすんだよ!
そうしねぇと工期間に合わないだろ!
ってのが理由だと思う。

ある作業の競争入札がある。
  ↓ ↓ ↓
安く仕上げないと他所に取られる。
  ↓ ↓ ↓
雇用主は仕事を取られないように安くする必要がある。
  ↓ ↓ ↓
だからその期間内に終わらせるようなヤリ方になる。
  ↓ ↓ ↓
凄腕のヤツに任せれば何とかなるかもしれない。
  ↓ ↓ ↓
国民の財産だろうが何だろうが、今後どうなろうが関係ないから、
とにかく安く仕上げないと他所に仕事取られるから出来るだけ安く見積もる。
  ↓ ↓ ↓
ウチの作業員はヤレっていったら、何でも出来るヤツが居る。
  ↓ ↓ ↓
工期を短くして安く仕上げるようにして入札を落とす。
  ↓ ↓ ↓
この仕事は3日で仕上げろ!って作業員に言う。
  ↓ ↓ ↓
作業員は「どう見ても3日じゃ終わんネェよ」
  ↓ ↓ ↓
何処かで時間を稼がないと終わんネェ。
  ↓ ↓ ↓
身体保持器具やフルハーネスは重くて動きにくいから使わねぇ。それにこんなもん着けて確保とかしてたら届く手も届かねぇよ。ショックアブソーバーだって重いし邪魔だし要らねぇよ。時間を稼ぐとしたら、こういう使いにくい物を使わないのがてっとり早い。
  ↓ ↓ ↓
大丈夫だよ。特別教育は受けたし資格持ってるし、担当者も監督も居ネェから、装備だってちゃんと持ってるし、使わなくたって誰にも判んねぇ。
  ↓ ↓ ↓
大丈夫だよ。オレは何時もやってるからそんなモン使わなくたって落ちネェよ。

ってのが主なアルゴリズムだと思う。

[住民] 国有林の樹の枝がウチの土地にはみ出して落ち葉が鬱陶しい!とか、枯れてきたから越境している枝を払え!とか、酷いのになると、外壁直そうと思うんだけど足場組むのに樹が邪魔だ!とか、町内会長から地元の議員を通して役所を恫喝する。
というのが発端で、
役所の担当者は、文句を言われたら言われた本人の言ってる事に黙って従う。
担当の官公庁に連絡して、何とかしてくれって言う。
大きな事例になると、環境アセスメントとか評価が伴うが、民地はみ出し国有林などは、そんな調査が入る訳でもなく、現場を見に行って、見ても判んないから、誰か枝払い出来る?って知り合いの業者や馴染みの業者に声を掛け、儲けたい業者は少々難しくても高所入れれば何とかなるって勝手に思う。この時点でその辺り一帯が今後どうなろうが関係なくなって、仕事として金額だけの話になる。一定の金額になる場合は競争入札になる。

[国] 作業に従事する者は、もれなく「ロープ高所作業の業務」に関する特別教育を修了することが義務付けられている。しかしそれは寝てても貰える国家資格だ。
資格さえ持っていれば入札にも作業にも従事できる。
  ↓ ↓ ↓
[発注者] 仕事の内容とか難易度とか、今後の環境がどうなろうが、知ったこっちゃねぇ。
「管理」は管理なんだから、文句を言われた所を片付けて、ちゃんと見えればイイ。
出来れば安くやってくれる業者がいれば良い。
  ↓ ↓ ↓
[受注業者] ウチには凄腕の職人が居る。ヤツに頼めば難しくても短期間で仕上げられる。
  ↓ ↓ ↓
[作業員] 社長が言うことは絶対だから、これ以上ギャラ下げられたらたまんねぇから、
少々危なくても、暫く休んでない連日の作業でも、大丈夫!オレはデキるヤツだから!

そんな具合に日本の森は一時的な都合で伐採されている。

現場の作業員がチョンボして怪我でもしたら、
担当者は面倒臭そうに、安全指導は行っていたか?とか、会社としての安全対策は講じていたか?とか、特別教育は実施されていたか?とか、今後に向けて改善策を書面で出せ!とか、自分や行政や国に落ち度が無かったという証明を要求する。
業者には安全指導を徹底するように!って指導が入り、業者は従業員に気を引き締めろ!二度とこのような事故が起きないようにって指導が入る。
従業員は自分のミスで会社に迷惑をかけたって、オレが悪い皆んなゴメンね。今後から気をつけるって、
そんな図式で事故が無くなる訳が無い。

誰がババを引くかって話のようだ。
オレだけはババを引かないようにしよう。ってことだ。
そんな図式で事故が無くなる訳が無い。

作業員の人的要因はキッカケに成ってるけど、構造的には、
住民(勝手なことを言うなよ)も
国(成功例を踏襲するだけの資格なんて作るなよ)も
行政(資格を持ってるかどうかで判断するなよ)も
発注者(少なくとも現場見て優良な方法を判断しろよ)も
受注企業(そろばん弾いただけで仕事決めんなよ)も
これは一番根底にある組織の要因だ。
住民も国も行政も発注者も受注企業も全てが事故を誘発していて、それが自分じゃなければイイって言う勝手な理屈だ。

国も行政も発注者も受注企業も悪い!!なぁんて正論を言っても始まらないから、
作業員は自分で自分の身を守る必要があるよ。
作業員だって、ロープ高所作業特別教育とかチェンソー安全講習とかフルハーネス特別教育とか、だいたい寝てても貰える資格なんて、そんなモンで事故が無くなる訳が無いと思ってるでしょ。
アテに成らないヤツらの言うことや、嘘くさい法規に準拠していては、
結局自分の首を絞める。
首が絞まる前に、自分だけでも始めないと死ぬかもしれないよ。
理想論かもしれないが、出来ない事は出来ないって言った方が良いし、
危ないって思う事は危ないから出来ないと、自分で決めれば良い。
そういうヤバい仕事は、出来るヤツに任せておけば良い。
その間に明日も続けられる危険回避を身に付けよう。
自分の中にレギュレーションを設けないと、
いつまでも国や組織や雇用主に蝕まれるだけだよ。
それでも日銭を稼ぎたい人は、命をかけて奉公してください。

実際に作業してるのは作業員なんだから、自分の身は自分で守るように考えた方が、そう考える人が増えれば実際作業は廻んないんだし、そしたら作業時間だって増えると思うよ。
そうしていかなければ未来は無いよ。使い捨ての労働力だよ。
使えなくなったら捨てられるだけだよ。
丁稚奉公で親方だけ肥えるよ。
そういう親方を肥やしてる国や行政だけが潤うよ。

まずは自分で、行動規範を持って、作業慣行を学び、難しくても時間がかかっても、危険回避のプラクティスを繰り返し、少しづつ良き方向に向おうよ。

最初から100%の力を発揮しようとせず、
先行者の真似だけで何とかしようとせず、
幾つかの例を自分が判断して良きモノを選ぼうよ。
きっと自分に合った取組み方が有るよ。
始めっから全部やろうとせずに、自分が出来る部分から始めようよ。

持ってる道具を自分の身体に合わせるとか、
道具のマニュアル読むとか、手入れするとか、
結びだけは、短期間にとことん練習して身につけるとか、
夜酒飲みながらでも良いから力や方向の本でも読もうよ。
地面に立って伐り方の練習するとか、
現場で少しづつポジショニングの姿勢を確かめるとか、
現場に少し早い時間に着いて投げる練習しようよ。

そうしているうちに、いつの間にか自力が就いてるよ。
危険を回避しながら、効率良くて、身体が楽になってるよ。
鍛えて脳ミソまで筋肉化したらダメだよ。

私はそうやってきたよ。
レクリエーションで樹を登りたい!から始まって、
天才じゃ無いから徐々にコツコツ学んだよ。
だから誰でも取組めると思うよ、
誰でも取組める危険回避のツリーワークを伝えてるよ。

行政や組織なんて、ステークホルダーとしか動かネェから。
利益に関わらない奴らと面倒臭い事をやりたがらネェから。
そんな事に時間を使ってるうちに、ドンドン世界的な考えは進化するし、
それに合わせて道具も進化するし、
道具の進化は危険回避に繋がってるし、

上を向いててもなかなか変わらないから、
下の現場っていうか、作業員が自分で考えて
自分の危険回避の為に自分で方法も道具も選べる知識と技術を身につけるべきだよ。
その現場で使える考えを選べる自分を作った方が良いよ。
そういうコトをワークショップで伝えてるよ。
自分の危険回避を、自分で通ってきた道のりをワークショップで伝えてるよ。

完成形を作ったとしても、その完成形が出来上がった時点でもう過去の物だよ。
100%の完成なんて無いよ。
だからその時々で、臨機応変にヒョーヒョーと自分のメソッドやロジックを変更した方が良いよ。日々考察を深めて自分の危険回避をアップデートした方が良いよ。

そうしていかないと、
100%を目指して鍛錬していたら、直ぐ歳を取って身体が動かなくなるよ。
人生は短すぎるよ。

2020年10月14日水曜日

国民の財産の保護管理?

今年始めの冬に自宅そばの防風林の樹上で、風を受けやすい所だったからか、枝のモーメントが一番かかる幹の根元が裂けて、完全に離れず隣の木の枝に架かった7m程の大きな架かり枝があった。いわゆるハンガーブランチ。その下は地域住民が通る近道でそれなりの往来が有る。架かられてる隣の木が揺れて、外れたら落ちる可能性が大きい。
通る時上を見ながら気を付けていたんだが、半年くらい後の夏場にその辺りの誰かが気がついて、おそらく町に連絡して、国に連絡が行き、林野庁が対応したと思われるが、ただパイロンを立てただけの進入禁止にしていた。
そして住民も足元にあるパイロンは見えるが、樹上は見ないし、パイロンが置かれるまで意識もしてなかっただろうから、そこから始まった危機管理。
今さら?って感じだったが、まあ危険を承知して対策をとるには遅すぎるね。
高さ12m程の樹上は誰も見ないし、根元から折れてるのも気づかないし、夏場枝が生い茂ったとき枯れ枝に気がつくのが遅かったし対応も遅かった。
そこから剪定作業の競争入札が始まって、作業が始まったのが昨日。
その気になれば、登って吊ってその折れ枝だけ片付ければ2人で半日で出来る感じ。
ボランティアでやってあげても良かったが、何しろ防風林は国有林だから、国民の財産だから勝手に人が手を入れると器物損壊とかで逮捕される恐れが有る。国民の財産は勝手に手をつけちゃいけない。国民の財産は兎に角大切に扱わないといけないし、枯れ枝以外の充分に生きてる他の樹を傷つけちゃいけないし、高所を入れるには土地が狭いしヤワだし、クレーンなら脇の町道からいけるのかな?何しろ国民の財産は生きてる樹を傷つけちゃいけないので、どうするのかなぁ?って思ってた。

その作業をどこかの業者が入札で手に入れて、作業員が6名で人が通る狭い道に鉄板引いて無理矢理高所作業車を入れて昨日始まった。

まずは下草刈りで辺り一帯を刈り払って、
作業に邪魔になる活きてる木の枝を
高所作業車のゴンドラから
バッサバッサ切り取ってた。

もちろん身体保持器具(胴ベルト)と
ショックアブソーバがついてない
フックだけ腰に着けて
ゴンドラに確保もせず
身を乗り出して伐っていた。

もちろんトップハンドルチェンソーを
片手で持って身を乗り出して、、、

ワークレストレインなんてしてたら
作業の邪魔だし、
チェンソーは刃が届けばOKだし

モノ凄くツーカーな作業員だから作業全体の
行程も施工方法も全て承知済みだろうから、
一切の段取り確認とかないまま
いきなり始まるし、
インカムなんて付けてなくても、
作業員全員が意思疎通できてるから、
刈り払い機の人や落ちてくる枝を片付ける
人は上なんて見ずに作業を進めるし、
高枝鋸で伐るヤツは
上から落ちてくる枝なんて気にしないで
手当たり次第だし、
地上の作業員は全員こがるくんだし、
トップハンドルチェンソーは
片手で簡単に切れるし
誰も手ノコなんて持ってないし、

人なんて滅多に通らないから
交通監視なんて要らないし、
パイロンも立てておくだけで
繫がなくても誰も入ってこないし、

このおじいちゃんは知り合いで
何時も通っている道だから
平気でパイロンの中に入ろうとしたから
今行くの止めた方が良いって止めたけど

通行人なんか誰も何も見てないし
結構な高さから下の片付けなしに
バンバン落とすから跳ねて飛んで来る。

上から落とした柔い枝が下で跳ねて
刈り払ってた人の横をビュンっと
飛んできても、アブねぇで済ますし
どうやらヤバい枝だけ降ろして、その後の経過を観察するっていうんじゃなく、発注は、今後伸びまた何度も手を入れるのは面倒だし、また文句言われるのイヤだから、その周辺一帯の剪定なんだろうが、急激な環境変化は地域住民にとって必ずしも好ましくなる状態にはならないと思う。
ここは特に基線川添いに、風雪が吹き込む場所なんで冬は雪が大変になる。
国民の財産だろうが、周辺住民の生活が煩わしくなろうが、文句言われるのイヤだから、管理してる官庁は一帯全て今後問題になりそうな枝を全部払う。
払い方だって今後どういう育成になるか?などはおかまいなしに、見事に無惨にカッコ悪く剪定された。
周辺環境の自然的な風当たり何か無視して、住民の風あたりだけを意識しての作業だな。
進捗を見ていても「あ〜スッキリして良かったね」という人もいれば「風や雪が厳しくなるだろうから必要ない所は刈らないで欲しい」「ここにはクマゲラがやって来るのに来なくなってしまう」「風通しが強くなるから外壁が傷む」「自然を守りたい」とか、もう自分勝手なことを言う人ばかり。
受注した業者だって上からいわれた事を粛々とやってるだけだろうから、現場の人に意見したって始まらない。そういう意見を聞くのだって官庁の仕事なのだろうけど、現場に居ないし、議員に恫喝されたとか、形だけ一部の地域住民の危険を考えての施策だとか、文章的に問題にならない手配なのだろう。
誰も得しない。

「国民の財産」なんて意識は行政も官庁も監督者も無いんだろうな。
活きてる枝も枯れてる枝も関係なく、作業の邪魔なら切り落とす。
それは国民の財産なんだよ〜。保護管理されている森林なんだよ〜。
そこを管理をする官庁が許可した伐採だから問題ないのかな?
その対象は手入れした方がイイけど、回りの活きてる木は伐採対象と違うと思うが、
作業の障害になるから認められるのか?
登って静かに吊って伐れば対象だけ降ろせる方法も有るよ。
でもそれは日本の法規とは合致してないからか?
他の活きてる木は手を付けなくても出来るし大きな環境変化にならないよ。
作業員の危険回避も出来るよ。
国民の財産を保護管理する為にはそういうツリーワークの方法も有るよってことを知らないだけなんじゃないか?
その作業を管理する官庁は頭良いんだろうから、良い大学出たエリートなんだから、働いてからも勉強すれば良いのに「保護」とか「管理」っていう方法論だけで、知識も技術も進化することすら判ってないんだろうな。
登って静かに吊って伐れば対象だけ降ろす施工はカネがかかるからか?
でも回りの関係ない木や枝を傷つけるってことが、国民の財産を保護管理することには成らないんじゃないか?

第一行政も官庁も監督者も居ない現場ってどうよ。保護管理してる事になるのか?
前に宮の森の庁舎に行ったけど、新聞読んでパソコンいじってハナクソほじって、どう見ても仕事をしている風には見えないオッサンがいっぱい居た。立派な庁舎にかなりの数が居た。壁にはシミや汚れの無いピカピカのヘルメットや持ち手も汚れてない使った形跡の無い新品同様のスコップや長靴が並んでいた。汚れたら税金で新品を入れ替えるのか?
実質この広大な国民を財産を管理する、現場を走りまわる人は1名だ。おそらく南北に80km程のエリアに1名だ、手が回んない。この人に相談があり地域の端っこにある事務所に行ってもなかなか会えないつかまんない。でも庁舎には訳の解らんヤツが沢山いる。
相談だって、片道40km程を何往復も繰り返した、手続きは本当に面倒くさい。本庁に行き〜担当現場に話を伺い〜許可を得てからまた本庁に行き書類を貰って〜また本庁に行きハンコを突いてもらって〜現場のサインをもらって〜やっと本庁に許可申請が出来る、そして申請許可が下りて更に本庁に伺って書類を貰う。
何度も本庁に行ったが、数十日間で数ミリしか動いていない人が居たぞ。

施工前・中・後の写真さえ撮っておけば、それだけで行政の担当者や官庁の役人や監督する人は納得するのか?作業者が怪我やトラブルさえ起さなければ、多少法規に合致していない作業しても写真だけで評価されるから問題ないのか?

早く終われば雇用主もそろばん叩いて喜ぶし、オレらが怪我やトラブル起さなければ、多少法規に合致していない作業しても写真だけで評価されるから問題ない。
実際に作業する内容はお前らの問題だから「安全にヤレ!」って言って正しい行いを提示さえすれば、それに準拠するのはお前らの勝手だと思ってるだろうし、ロープ高所作業やチェンソーやフルハーネスや高所作業車運転者や玉掛けなんかの様々な特別教育も受けさせてるし、道具も買ってやってるし、それを使うのはお前らの勝手だし、国に言われた事を守っていれば労働者から訴えられない。

危ない作業を安全にヤレっていう机の上で考えた、だいたい作業の本質なんて関係ないし現場に則してなくたって都合が悪くたって、コウやれば安全だ!っていう良い見本だけ提示しておけば事故は減るって思ってる偉い人は、頭オカシイだろ!
そういうブルーカラーの奴らはホワイトカラーのオレたちの為に命をかけろ!ってこと?

労働者も命かけて仕事してることなんか、安い賃金で命をかけてること自体意識がなくなってるんじゃないか?自分が危ない作業をしていること自体麻痺してるんだろ。カネ稼がなきゃなんないから安い労働の数をこなす必要があり、何日も休みなしに朝から晩までドロドロになって働く。勉強やプラクティスする余裕なんて無いよ。
それを続けていると、ドンドンリスクも高まる。疲れが堪って注意散漫になる。何時も出来ることがチョンボでミスする。気を引き締めないと危ないのは判っちゃ居るが、カネも稼ぎたいし身体も楽になんないし勉強する時間もない。

ドンドン悪い方向に向いてる、バットスパイラル。
それじゃぁ事故なんて減らないよ。
日本の森林は保護管理できないよ。

国民の財産の保護管理?ダセェ!
値段でしか判断しない行政ダセェ!
ダセェ方法しか知らない管理者ダセェ!
それでも受注する雇用主や道具や重機を販売するメーカー、ダセェ!
ヤンチャの作業を受け入れる作業員ダセェ!

私は少なくとも危険を回避する作業員を増やしたいね。業界の行動規範に沿った自分の身を守る作業を広めたいね。そういう目的でワークショップをやってるからね。
儲かる早い命がけのヤリ方を伝えてる訳じゃないからね。

2020年10月11日日曜日

ヤニまみれ作業3

どうしても無理だったロープは、もう捨てる覚悟だったんだけど、何か火がついて、再生できる方法を模索してて、
トライアルとして、エタノールドブ浸け作戦に行き着いた。

エタノールは酒税の関係で
(その気になれば酔っぱらえるので)
安く飲まれちゃ国としても
売上あがったりになるから、
洗浄や消毒用のアルコールは高い。

そういえば中学の時の理科教師が、
実験用のアルコールランプに
ポッカレモン入れて飲んでたっけな。
そういうヤツが居るから
税金を高くしてる。
その先生好きだったけど。

私自身そのレベル限度が
78%という一定の方針ができた。
それ以下だとヤニは落ちないし、それ以上だと高くて実用的じゃないし。
中華製だけど1ℓ1,000円程度で買える78%のエタノールを使い、四角いケースやバットに入れると無駄なスペースが生じて、少ない溶液に無駄な空間が生まれるので、一番良かったのが漬け物用のビニール袋。デカいし厚いし、コイツにエタノールを貯めて、ロープをぶち込んで、ビニールの口を堅く縛って、手で揉む足で踏む。
15mのロープなら2ℓで足りる。2時間くらい揉んでは放置を繰り返し、仕上げはぞうきんにエタノールを染み込ませて手でシゴく。
そうするとベタつきは無くなり、しっかり落ちる感じ。
カーンマントルのコアがストレイトのヤツは、堅く軋む感じになって良くない。
ちなみに汚れが落ちベタ付きも無くなったダブルブレイドと16stは、ドブ浸け後に改めてエタノールを染み込ませたウェスで、流れに沿ってしごいて洗浄すると、とても良い感じになった。これならPPEではなくハンドホールドのタグラインには使える。

酒精洗浄綿はさすがに一番良いと思う。特にハードウェア構成要素はこれが一番。でもロープだと小さいし使いづらいし、78%エタノールが良いと思う。

まあドドやトウヒには、
廃棄寸前のロープを使うが、
ランヤードとかスリングとか台付けとか、
普段使いするPPEが
ヤニで汚れた場合はエタノールが良い感じ。

揮発性が高いので無駄も多いが
大事にしているPPEが
汚れちゃった時にはこの方法がお勧め。
献本的にこれが良いという訳じゃないが
強度や伸び率やその他諸々の条件は
???な部分も多いが
ソレを承知の上で使うのはアリかな?

こういうコトを誰かが
証明してくれたら良いんだけど
無いから自分で検証するしかない。
万全ではないし高価な代償だけど、自分の中で一定の指針ができたのは嬉しい。
元々事故は絶対に起きるという前提で、その対策を自分で確かめることが重要。
そのうち私はコレで死んでるかもしれない。
でもそういう根拠を自分に持ちながら死ぬんだったらしょうがないよ。

ブレーキとアクセル踏み間違うのは、機械やメーカーのせいじゃなく、自分が間違えるからだけらね。とことん精度を上げたってミスの回数は減るかもしれないけど、ゼロになることはないから。だからチームでカバーし合うんだよ。その方が得るものも大きいしね。

オキシクリーンにしても、ヤニクリーンにしても、エタノールにしても、酒精洗浄綿にしても、根拠を自分に持ってることが一番の条件になる。
私を含めて訳の解らんヤツの言うことを鵜呑みにしてはいけない。でも自分で自分の根拠を持って、トライアルしてみるのはイイんじゃない?

ヤニまみれの作業1

先日十数年前に断幹して伐倒しなかったんで、3本に株立ちしてしまったトドマツとトウヒがあり、電線絡みで、立ってる所が溝で、通常では出来ない伐倒の仕事があった。


可変ダイアゴナルテンションライン
まあモミ系は、触っただけでキツい
ヤニが吹き出すイヤな相手なんで、
出来るだけ枝を払わずに処理しようと、
いわゆるスピードライン的な方法だけど、
電線に引っ掛けず、
テンションラインの抜重で
落下エネルギーを相殺して、溝に落とさず、
大っきいまんまトレーラーまで移動する、
っていう方法で施工した。
2本は2mほどの距離で隣接していて、実際登ってみると、もう枝がメチャクチャに絡んでいて、そのままではとても外れてくれないようで、仕方ないから少し枝を払って、外れるようにって思ったが、もう殆ど枝を払わなくっちゃダメで、あーあって感じになった。
トドマツは表皮にたっぷりヤニを含んで、ランヤードをかけてちょっと滑らせただけでもう枝にプーリーのような溝が付き、しっかりとヤニ引きされたジンの匂いがするランヤードは、もう今日しか使えない。
クライミングラインも葉に触るし、グローブについたヤニでしっかりとコーティング。
それでもダイアゴナルテンションラインは、結構上手くいって、落下エネルギーも巧いこと抜けたし、片付けも良い感じ。

最後の1本はトッピングしかないんだけど、一番太いヤツにテンションラインのアンカーを組むが、これも台付けがやられるんで被服のワイヤーアンカーを使い、他の幹は全部返しが返しで、このラインに乗せて降ろした。
テンションラインは、大丈夫かな?って思ったけど、葉っぱにサァッと擦っただけで、もうギトギト。モミ系はイヤだね。

最悪のシナリオとなるトッピングカットも、適度に足場として枝の付根を残したんで、スパーを使わず安定した姿勢が制御できた。スパーを使ったらスパイクもヤニで動きにくくなるし、調子に乗ってるといきなりフリクションが無くなるし、恐い。
何しろ動きが制御できないのが恐いからね。
そしてアキンボも調子が悪かった。ポーラードにヤニがドンドン堪っていく。制御も出来なくなるし、第一降りられない。メカニカルデバイスは使用条件が厳しいね。

そこの地元は、地熱エネルギーを使って野菜を育てるような所で、唯一良かったのが作業後すぐに横にある温泉に浸からせてもらえた。
作業後に着替えずに、パンイチでその地区の地元温泉に行けるってのがイカしてた。

2020年10月9日金曜日

大丈夫だぁ

事故が起こった時、樹上もしくは地上から、ビクティムの意識レベルを評価します。主に声を掛けて反応を評価しますが、多くの場合「大丈夫かぁ!」って声を掛けますよね。 そうすると多くは「大丈夫です!」って応える。


自分のチョンボだとか、
たまたま間違ってしまったとか、
風が吹いたとか、、色々だけど

「大丈夫かぁ?」って
聞いたら、ダメです。

「今助けに行くよ」です。
行くことが前提です。

助けに行く!って聞いたビクティムは、
要らないとか、お願いとか、
正常な判断をくだせると思います。

「大丈夫かぁ?」って聞いたら、
〔大丈夫だぁ!」って応えます。

要らないの場合はセルフレスキューですが、リーダーはソレを客体的に判断します。 客観的じゃなく客体的です。
リーダーは同じ状況がもし自分なら「大丈夫」って応えるだろうなということを予想して、でもちっとも大丈夫じゃないんだよなって判断する必要がある。

ビクティムの大丈夫は信じません。これは抵抗フェーズの症状の可能性があるので、チームの各々がそれぞれ客体的に評価する必要があります。
同時にチームはレスキューセットの確認をして、レスキュアーはレスキューに備えてもう行動していなくてはなりません。

正常のコミュニケーションが取れる状態でファーストエイドでカバーできる症状であればビクティム自身がセルフレスキューに移行します。
例えば傷口を押さえている出血(片手しか使えない)状態ではセルフレスキューは不可能なので、直ちにレスキュー計画に移行します。

あまり知られていないですが、ビクティムの状態には幾つかのフェーズかあります。

■ショック・警戒フェーズ (Shock or Alarm Phase)
代謝機能の減速、反射応答、利用可能なエネルギーの活性化、ストレスホルモンの生産(アドレナリンなど)、呼吸・循環・筋肉のシステム・代謝が刺激される。具体的には歯を食いしばり、黙るような状態。

■抵抗フェーズ (Resistance Phase)
ストレス状況が続き、体が反応エネルギーを一致させようとします。ストレスの要因に対する抵抗であり、ストレスから逃避したいという願望のため「大丈夫」と自分に言い聞かせている状態。

■困憊フェーズ (Exhaustion phase)
疲労や疾患につながる状態。現実的にはアラームモードのままですが、胃痛・喘息・頭痛などの症状が見られます。

リーダーは正確にこの状況を判断して、対策タスクをとる必要があります。

作業タスク中に、伐った対象に挟まって身動きが取れないとかなら、コミュニケーション確認以前にレスキュアーは動いている必要があり、コトが起こってから「あの道具とこの道具を持って、誰か行く?」とか言っていたのでは遅過ぎます。

具体的には、グッとこらえて黙ってる状態はショックフェーズですが、「大丈夫だぁ」って声を出したら、もう抵抗フェーズの可能性があるので、救助に向います。これは仮に本当に大丈夫でも良い訓練になるじゃないですか!
その時チームが適切に動けるかどうかの確認が出来るじゃないですか!
ダメならまたプラクティスすれば良いじゃないですか!

私は作業中によく「助けて〜」って声を出します。
その時にチームがどう動くかを見ています。
チームがポカンとしてたらもうダメです。

Aerial rescue must be practised (both scheduled and impromptu) at least once every 6 months, so that all members of the team, including ground-based operators, are familiar with the techniques.
救助は、地上のオペレーターを含むチームの全てのメンバーが、技術に精通するように少なくとも6か月に1回(予定された訓練と予告なしの両方で)実行する必要があります。

日々そういう想定を考えていなくては、実際には対応できません。
救助訓練をやったことがある、とか、一つの方法だけでをとことん訓練じゃだめです。
小学校の火災訓練のような予定調和では、現場で救助は出来ませんよ〜。
訓練じゃなくてプラクティスです。
成功を確認するんでなく、間違えを正すための演習です。
状況が整った時に事故は起きませんからねぇ。

バカみたいに、同じ想定を繰り返し早くできるように訓練するのでは、緊急事態に対応できません。小学校でも何月何日何時から火災訓練をするって発表しては何にもならない。百歩譲って日程を決めていても時間を決めちゃだめだね。
そして予定していたシナリオ以外の一つ二つをぶっ込む必要がある。
先生が生徒を誘導せずに自分が我先に逃げるとか、誰かが階段から落ちるとか、並んで逃げる時誰かを押すとか、走るとか、他を押しのけて自分だけ逃げるとか。そういう緊急の対応を状況に合わせてどういう動くかが訓練じゃ無いの?

大丈夫だぁって、周りや自分を安心させても何にも徳が無いよ。
誰かが言ってる「安心・安全」なんて、自分の安心安全じゃないからね。
まして行政や雇用主が言ってる安心安全なんて、逆にこれは本当は危険なコトなんだなぁって認識した方が良い。
安心安全なんて本当はヤバいからそれを感じさせないように
マヤカシを掛ける呪文だからね。
もし本当にヤバくなったら「想定外」とか言うんだよ。
どんな想定だよ!って思うけど、予定調和だから想定になっちゃうんだねぇ。
同じ想定を訓練したって、緊急事態には対応できそうもない。

だから現場でいきなり「助けて〜」って言ったり、
ワークショップで可能性を検証するんだよ。
他の想定や考えを皆で検証しないと、そういう仲間が居ないと、
チーズの穴は埋まらないよ。

立派な肩書きとか、根拠を知らない誰かの真似とか、当人の大丈夫は信用しない。
自分が痛い目に遭うよ。

2020年10月8日木曜日

キャノピーホーリング

あまり馴染みの無い言葉だが、コレ覚えておくとメッチャ有効よ!

TG:1のレスキューをプラクティス実証していて、その中でロープアクセスのレスキューではよく登場するヤツ。あれ?これって木の上でもスゲェ使えるんじゃね?

ロープアクセスなら当たり前に使う
ホーリングとかだけど、
デバイスの制限も少ないし
これを覚えておいて損は無い。
基本になる条件さえ統一しておけば
直に実践応用できるよ。

レスキュアーは2系統で
耐荷重アンカーに自確をとれば、
レスキュアーが自身の機材を使うのさ。
独立したバックアップだって
アンカーにリディレクトさせれば良い。

これなら1人用下降器で良いし
機器の適合性も問題ない。
こういう便利な方法が
スマートなレスキューだよ。

もちろんアクセスラインとバックアップがあるチームで動いてて、コトが起こったら、レスキュアーは荷重を抜くマジックコードやワークポジショニングランヤードを持って、バックアップのフォールアレスターを使ってアクセスラインを登って、ビクティムの鉛直線上に耐荷重アンカーを構築できさえすれば良い。
自分で登る時使ったデバイスをそのままレスキューに使用する。
緊急時なんで、自分の降り方は後で考えれば良い。

まずは自分は作業しやすい位置で、エイドクライミング状態でスリングやなんかで、耐荷重アンカーに2系統の確保を採る。
自分で登ってきたプライマリセカンダリを開放して耐荷重アンカーに設置。
下降器とフォールアレスターを逆向きに取り付け、ホーリングするだけ。
荷重抜くのだって、セットした下降器利用で直ぐに3:1組めるし、抜けてシステム解除したら直に降ろせるし。
下降器もフォールアレスターも1人荷重のデバイスで良いし、1人荷重だから操作も簡潔。
もちろん下降地点が平地とか、チームタスクなんで、地上にはアテンダーが必要だとか、チェンジディレクションや折り返しのカラビナ操作なんか必要だけど、色んな条件があるんだけど、素早いよ。
ビクティムのシステムやデバイスに左右されない簡潔な方法やんか!

名前がなんちゅうか判らんかったから調べてみると、ヨーロッパのある企業がこの方法を取り入れて最低限の理屈と技術だけは、プラクティスし皆でトレーニングしている。
まあもちろん、コンタクトレスキューとかスナッチの方法を知ってないとダメなんだけど、ツリーワーカーはそのくらいのことは常識だしね。

最近樹上レスキューばかりやってるが、数をやればヤルほどロープアクセスって考えられているなぁって感じる。自分たちの危険回避があってこそ継続的なビジネスになる。
インダストリアルはスタート時点から、JVなんかでチームで動くことが前提だし、作業現場で事故起されては困るし、システマティックに業界全体でセーフティを凄く揉んでいて、優良な業界の規範が確立されている。
ロープアクセスは何でこんな面倒なことするのか?っていう部分もあるんだけど、そういう所は作業者自身が勉強して自分なりの解決策を導き出して使ってる。
漢儀で危険な作業当たり前の特殊伐採とはワケが違う。
まあ窓フキなんかの人たちも漢儀で単独で動く人居るけどね。
やればヤルほどロープアクセスの技術を取り入れない方法は無いな。

でも日本でこういうトレーニングしているツリーワーカーは、他に知らないな。
オレが知らないだけかもしれないけど、北海道じゃ居ないな。
今度ワークショップの中でもロープアクセスの知識を伝えよう。
キャノピーホーリング
有効で時間がかからず道具も増やさないでレスキューできるんならその方が良いもんね。

2020年10月6日火曜日

ヤニまみれの作業2

トウヒによって相当な道具がヤニでやられて、そのままじゃとても使えない。
ハードウエアはエタノールで落とせるが、繊維物はどうしようもない。
ヒッチコードなんか、外してもヒッチの形状を維持しているほど固まってる。
これじゃぁ降りて来れないはずだ。

エタノールは濃度によって全然価格も違う。70%を切ったアルコールは全然効果がない。
でもエタノール濃度が78%を超えて、残りは精製水とかのヤツは凄い効果がある。
効果は高価なモノだなぁ。

コビッド-19の影響で、多数の触るギアは毎回エタノール消毒していて、ロープも酒精綿にたっぷり染み込ませてロープを拭いていたけど、意外な所でエタノールは役に立った。

もうウェアは捨てる覚悟でいたが、
グローブは酸素系漂白剤の
浸け置きで洗ってみた。

そしたらこればもう見違えるように
キレイになって再生された。
酸素系だから洗ってる間も臭くない。
消臭効果もあるので、
グローブも臭くない。
オキシクリーン驚きだぜ。
汚れたヤツ洗濯する時にどうしてます?
ツリーワーカーあるあるだと思うけど、
自分的には手洗いでキレイになったから他の洗濯物と一緒に洗うんだけど、ほとんどの場合がカミさんに怒られる。個人的に感じる部分が多いんだけど、充分にキレイになってるだろって思うモノでも、叱られる。
だから木登り道具は全て別系統で洗う必要がある。
海鮮物の届け物で来た発泡スチロールボックスを使う。

オキシクリーンの浸け置き洗いは、お湯で洗う方が効果あるらしく、この発泡スチロールのボックスって保温効果もあるから、とても都合がいい。
お湯を入れて1時間ほど経過しても、まだ暖かくって汚れ落ち効果も上がる。
良いトコだらけじゃん!

そこで捨てても良いと思っていたロープも洗ってみた。
一応こいつは弱アルカリ性なので、良いかもしれないと思ってね。
一時期話題になったオレンジなんちゃらは酸だから、酸で洗うとキレイになるのは判るけど、ロープはそれで強烈に傷むから、絶対にやっちゃいけないと思う。
ポリエステルやナイロンは、酸化でぼろぼろになるんだから。
しかもロープがオレンジの良い匂いがするって訳の解んないヤツも居たが、それは成分が落ち切ってない証拠じゃないか?

普段は洗剤も入れずに、踏み洗いだけど、今回はちょっと事情が違うんで、オキシクリーンで試しに洗ってみた。

ロープのオキシクリーン洗浄、誰かやったことあります?

メンバーになっているRopeTestLabってSNSで、それらのよもやまを気軽に質問できるんで「誰かオキシクリーンでロープを洗濯したことある?」って聞いたんだが、
「お前はバカか」とか「10人中10人が止める」とか、批判的な発言が多いことは予想してたけど、誰もオキシクリーンについて言及してくれない。
そんな中、メーカーに聞いた方が良いよっていう至極まともな意見があり、そうかメーカーに直接確認するのが一番と思い、最近はgoogle翻訳も大分まともになってきたんで、英訳してメールを送りまくった。

一番レスポンス早かったのがPETZLっていうか、その日本の会社。
問い合わせは、FlowとAxisのロープについて、
回答は「弱アルカリ性の<オキシクリーン>をロープの洗浄に使用することはできない」 「具体的な対応方法があるかは不明なのでメーカーに確認し回答があり次第連絡する」 という一流の応えが返ってきた。
そして翌日連絡があり、
「50℃の水と中性洗剤を使用した洗浄方法を除き有効は方法はない」という本国の回答があった旨連絡がきた。
メーカーとしては超当たり前な対応だったが、さすが日本法人なかなかなレスポンス。期待してた応えとは違ったけど、レップとはワケが違う。

次に連絡がきたのは、TEUFELBERGER。
問い合わせは、 Tachyon, drenaLINE, KM III and Sirius Bull Ropeについて
「ロープ洗浄に関するテストと推奨事項は、 https://www.teufelberger.com/en/fiber-rope/brainbox/my-rope-gets-washed.htmlにあります」
って言うツレナイ回答。オキシクリーンについては言及してくれない。

そして一番興味深い回答をくれたのがYALE CORDAGEだった。
問い合わせは、Kernmaster, XTC 16, Double Esterlon and Polydyneについて
「ラインの推奨される洗浄と消毒の手順を概説した文書を参照」http://www.yalecordage.com/application/files/1215/8800/0650/Yale_Cordage_Rope_Disinfecting_Guidelines.pdf
としながらも、
「弱アルカリ性溶液は、ロープのポリエステルまたはナイロン繊維を損傷しません。 頻繁に洗うと、特定の性能特性を改善するために糸に追加された重要な繊維仕上げが除去される可能性があるため、必要な場合にのみ洗うことをお勧めします。 これは、ロープの感触、特に摩擦デバイスやヒッチでの動作に影響を与える可能性がありますが、ロープの強度に悪影響を与えることはありません。」
というオキシクリーンについて言及を避け、イイんじゃない?それは自分で判断してね。 的な何となく親近感があり好ましい反応だった。

それとは別に、PMI, Beal, BlueWater, Samson, Courant, Cousin, Stein, Liros もまだ返答してくれてない。のか、東洋の端っこの木登り野郎になんか興味無いのか、ロープについた樹脂ヤニなんて発想が無かったのか無反応。

という具合に、明確な求めているような回答は得られない。まあ当たり前な反応で、オキシクリーンについて言及されることは無かった。まあメーカーだって他の会社と要らぬ論争をしたい訳じゃないからね。

そしてオキシクリーンにも聞いた。
オキシクリーンは本場アメリカ版は高価で界面活性剤が入っていて、日本法人が売ってるヤツは界面活性剤が入っていない。界面活性剤なんて必要からかえって好都合だ。
まあ始めからロープなんて洗う対象になっていないのだけど、
「オキシクリーンはナイロンもポリエステルも傷まない。本品は弱アルカリ性ですが、洗浄時に汚れを剥離するために酸素系の泡が発生する。繊維の洗浄効果があるが、衣服用の洗剤なので強度や伸びについて検証していない。
という非常に当たり前な反応。

自分自身が何らかの指針を出すためのアイデアくらいあるかなぁ?って思ってたけど、「使ったらダメ〜」から「イイんじゃない?」という、広すぎる対応の範囲に、困った。

そこで結論としては、
グローブやバッグやウェアは酸素系洗剤でキレイに洗う。
元々破棄するつもりだったロープは、PPEとして使用することを止める。
ことにする。
そして、どうしてもトドやトウヒに使う必要がある場合は、しょうがないから破棄間近のロープを使い、洗う必要があるなら少し高いけど、78%以上のエタノールにドブ浸けして、もみ洗いしてから、洗剤を入れずに水洗いだけにする。
ってのが今の所の方針。

???

RopeTestLabで、
「汚れが落ちるってことは、それだけ傷むってことじゃないの?」
っていう投稿もあり、全く考えていなかった。
今まで、ロープは汚れたらとにかく洗うって方針だった。
微細な鋭利な石をコアに残したままPPEとして使うよりは、水で洗った方がマシだろうけど、、、でも考えてみたら水洗いってのも、
水素と酸素の結合の「水」を使う。ってことは、酸なのか?

ますます謎は深まるばかり。

2020年10月3日土曜日

ピカピカ道具に群がる

新しい道具が発売されると、
自分に合って居るとか、目指す作業に丁度良いとか、
そんなの関係〜ねぇ!って感じで、直ぐ飛びつく人が居る。

今まで使ってたモノによほど不満が有るのか?
納得して自分の不具合を解消できるモノなのかね?
ただ巧く楽に登れるとでも思っているのかね?

そういう私もアキンボはすぐ飛びついたな。


自分は新しいデバイスが出てくると、
直ぐ飛びつく人がいるんで、
そういう人に都合良くちょっと借りて、
どうなんだろうって検証する。
始めっから懐疑的だからね。
実践使用する前に、色々検証するからね。
メーカーが言ってる通り使って、
自分に合ってるかどうかを決めるからね。

犬の骨とか走る人とか、
私にはデカすぎるし、
ジグ◯グは、動きが好きじゃない、
目の前で横に曲がるの見てゾッとした。
でもアキンボは、
チビの小デブの私にもコンパクトだし、
シビアな設定でスムーズな動きに成るし、
知り合いにロックエキゾチカを扱ってる
会社の人が居たし、入るよって言うから
すぐに飛びついた。

買ってから約2年経つけど、それでもまだ承認ロープを試し切ってないから、実践使用はしていない。未だ謎が多い。時間がある時や、承認ロープを持っている人にロープ使わして!とか言ってプラクティスしている。きっとモノ凄く都合がいいロープがあるはずだって思ってる。
最近少し光が見え始めて条件が整えば使うけど、先日トウヒでヤニが着いたロープではヤバいってのが判って、使用範囲がまた狭まった。クセが強い!

以前に「スパイダージャックって道具は、本当にあんなに簡単に登れるのか?」って聞かれたことがあって、どうしてそう思うのか聞いたところYouTubeで見たってことで、そういう動きをしたいらしかった。
イヤイヤ無理ですよ。アレは簡単に登れる道具じゃなくてストレス無く降りる道具ですよ。買っても簡単には登れないよって教えたんだけど、そんな話は聞く耳持たず、直ぐに買ったらしい。んで使ってみたら、、、やっぱり簡単には登れなかったらしい。
ソリャそうだよ。
肉喰ってる、手足の長いデカい白人とは違うよ。
魚喰ってる、チンチクリンが真似しても疲れるだけだよ。
自分の目的が簡単に登れるだったら、お門違い。

それなら、ラプターが一番だよ。
それかチェストクロールでロープロケットだよ。
でもその人は未だにマルチアンカーのクソ重いデラックスマスターだから、ハーネスの問題じゃなくても、タスクに合った道具選びとか関係ないみたいだし、
それならフルボディハーネスにした方が良いよ。フルハーネスじゃなくてね。

最新の機器だとしても、巷で評判の機器だとしても、今持っている道具との整合性がなければただの邪魔な道具だよ。

前に何処かでアーボリスト講習を受けた人がいて、話を聞く機会があり、マインドコントロールされている妄信的な信者だったんだけど、俺はちゃんとした一流の知識を持っているっていうテイの方で、ちょっと意味判んないですけど、、、って思ってた。
その時にアキンボはちゃんと使えるまで時間がかかるよ、面倒臭いよ。
正直もうアキンボは要らないかな?って話をしたんだが、
今年始めに、コビッド-19の影響で、海外からモノが届かなくなって、通販大好きなこの方はイライラしたのか、私が持っているアキンボを売ってくれ!って言ってきた。
前に会った時に、承認ロープをまだ全て試していないとか、ロープを選ぶデバイスだとか、セッティングが難しいとか、色々言ってたんだが、人の話は全然聞いていなかったようで、自分が欲しくなったからどうしても手に入れたくなったようで、オレが要らないって言った部分だけ覚えていたらしく、売ってくれって現れた。
その前に使わして欲しいじゃ無いの?

私の見ている所だけなら快く使わせてあげるのに。
何か見られるのイヤなのかね?
皆で見て使って、皆で総合的に評価した方が良くない?
そういう人は道具を貸したら、どういう使い方するか判んないから、絶対貸さない。
人と成りを見て道具の貸し借りをするよ。
闇雲にギア損料だけとって貸し借りするようなアホとは違うよ。
他の登り方とか道具の扱いとか保管とか、ちゃんとしている人にはタダで貸すよ。

その人はどうも胡散臭い特殊伐採の方だから、安い仕事を命がけで稼いだ上がりを、道具につぎ込もうとしている。前に会った時に話したコトをもう一度丁寧に話して、承認ロープを持っていますか?とか、本家ページのマニュアルPDF読みましたか?って聞いても、マニュアルすら見ていない。実際のセッティングを見せて、これだけシビアなんだよ、難しいよって伝えて、引き下がってもらった。

本心は自分が使ってた道具を中古で手に入れて、ソレで事故られたらイヤだ。
寝覚めが悪い事故が多いのに、自分の道具が切っ掛けになるのは絶対にイヤだ。

どうして、そうなのかね?
道具はただの道具だよ。
意識が低過ぎてクラクラしちゃう。
最近CEも取得して俄に脚光浴びてるけど、ただヨーロッパで販売開始できるようになっただけだからね。EN認証も相変わらずだからね。
条件と状態を意識して、他のコンポーネントとの整合性を確かめて、自分が使える道具なのか?考えなきゃダメだからね。
13.6 Climber's Knowledge
13.6.1 Anyone using any equipment must know how to do so appropriately and safely. Climbers are responsible for deciding whether they have the requisite knowledge before they proceed. This knowledge could come from reading the user instructions or a climber might need to undertake training.
13.6.2 Climbers must also understand the data on a product, its relevance and its meaning in relation to the other items in their system.
クライマーの知識
機器を使用する人は誰でも、適切かつ安全にそれを行う方法を知っている必要があります。 登山者は、先に進む前に、必要な知識を持っているかどうかを判断する責任があります。 この知識は、ユーザーの指示を読んだり、登山者がトレーニングを行う必要がある場合があります。
登山者は、製品に関するデータ、その関連性、およびシステム内の他のアイテムとの関連におけるその意味も理解する必要があります。

YouTube見て「あっこれイイ!」って思ったり、アホな販売店でこれ売れてますよ!とか言われて、なぁんにも考えず直ぐ買う。最近はメーカーのホームページとかで、マニュアルや使用条件なんかのPDFがぶら下がってるからね。買う前に幾らでも読めるよ。そして自分の他のコンポーネントとの適合性とか確かめてからポチった方が良いよ。

ロープ通しただけで自由に動ける夢の世界なんて無いよ。

クワバラくわばら。

2020年10月1日木曜日

例えばアクロスレスキュー

ICoPの2ndが出て、TG:1のドラフトが発表になり、私はとても心配になった。
TG:1はレスキュー含めたツリーワークなんだけど、あまりにも現実と乖離があるっていうか、どうしても今までのヤリ方を踏襲するっていうか、メーカーの力関係やヤンゴトナキ事情からそうなってる?って疑問が多い。
もちろんドラフトなんで、どんどんパブリックコメントを出していたんだけど、メンバーでもない東洋のツリーワーカーのGoogle翻訳した意見なんて、聞いてくれるかな?

まあ、言ってることは判る!
向わせたい方向も判る!
でもソレはとても効果的ではない!
トンチンカンチンなレスキューは、
かえってヤバいよ。

ツリーワークの行動指針が
明文化されるのはとてもありがたいが、
あくまで個人的には
記載されてるレスキューは
お粗末だと思うな。

っていうか、
もっと効果的な方法があるよ。
私はソレを実践してるよ。
だからそんな方法が今さら
スタンダードだって言われても
納得しにくいなぁ。
そこで、実際に方針どおりタスクを検証し実行してみたが、出来ることは出来るんだけど、時間がかかり過ぎたり、もっと良い方法を知ってると、お粗末に感じてしまう。
通常の私がやってるレスキュープラクティスでは、そんなコトはやってなかったので、ガテンがいかないんだなぁ。

まあ、端的に言うと、IRATAなんかの方法がより効果的で簡潔で素早い。
仲間を救うって根本に立ち返ったら、そんな煩わしいコトしない。
ロープアクセスは、使っている道具も共通性があるので端的になる。
でも、ツリーワーカーは、良くも悪くも、いろんな道具が溢れてる。
例えば、ヒッチコードのシステム(結びも含めて)とリグなんかと比較すると、ストロークが全然違うんで、出来るタスクが変わってくる。
私はチビの小デブなんで、チビにはチビのやり方を考えないと、一般的なタスクがこなせないんだ。これで救助できるよって言われても、私には出来なかったりする。

それが、MRTだSRTだ、しかもデバイスによって、ターミネーションの長さが変わってくる、しかもブリッジで吊られてる人のブリッジの長さも相まって、コントロールする幅が広がってしまう。頭が下がっちゃうんで都合悪かったり、システムによってタスクが大きく変わってしまう。

ソコの整合性をとるのは、星の数ほど。

そんなの無理だし、ちっとも効果的ではないと思うよ。

そして、今の所そのタスクに準じるのは止そう。って結論になった。
少なくとも、一緒に作業している人はその人が使う機器を殆ど把握しておく。
そしてその機器に合わせてレスキュープランを組み立てる。
まあビクティムの状態は選べないから、レスキュアーの考え方や装備は一元化した方がとてもスマートになる。簡潔になる。勉強もしやすい。って考えている。

新しいTG:1が、ドラフトを見つめ直し今秋にリリースされる予定だけど、どういう変化があるか楽しみだ。でもドラフトにも色んなメーカーの力が及んでそうなんで、ちょっと心配。まあ「これがイイんじゃないの?」っていうテクニカルガイドなんで、これをマルッと信じちゃうのもまたバカの壁だから、コイツをベースに自分なりのスタイルを見つめ直し、確立すれば良い。

そんな感じで、最近は時間がある時に一人でシコシコレスキューをやっている。
そしてこんな感じで良いのかな?って言う感触が掴めたら、仲間に声を掛けて自分たちだけで実践している。
そして何度かソレを繰り返していると、、、やっぱり胸に[A]があって、クロールがついてるフルボディハーネスの方が良い。絶対に効率的。
TG:1で紹介されている方法を実践しても、出来るんだけど、仮に救助に向う人がフルボディハーネスで、登高器下降器を動くシステムだったら、もっと速く動けるよ。
ビクティムになる人だって、フルボディハーネスだったら素早く対処できるよ。

もう今の所の結論として、
作業は、SRTでアクセスラインとバックアップ。
樹上に登ってから、ワークポジショニングやフリップラインで2系統。
何かあった場合のレスキュアーは、フルボディハーネスで登高器下降器で向う。
基本はボトムレスキューでシステムを考える。

Keep It Always Simple
そう統一した方が、良いに決まってる。
最近の公共レスキューはロープアクセスに精通した人も増えつつあるんで、
消防が使える道具を使って、作業も組み立てれば、
独り親方でも、万が一の時に消防に救助してもらえるかもしれないよ。
ツリーワーカー独特の、へなちょこなデバイス使ってたら、助けてもらえないかもしれないし、時間がかかってしょうがない。出血多量でお陀仏かもよ。

ツリーレスキュー

決まりきったモノを手に入れて安心する。
出来上がったモノに自分を合わせることに疑問が無ければ、
それはそれでOKだけど、安心してどうする?

木登りの人たちにレスキューの話をすると、
レスキューが大事なのは判ってる(本当か?)
まだそういうレベルじゃない。とか言われることが多いけど、

一度見たことがあるとか、
一度やったことが有る、
って言うヤツが一番危ない。
それで安心してる。

実際やってなくても
レスキューのトレーニングを
理屈で判ったから
それでOKみたいなことらしい。

普段起こらない緊急事態だし
滅多に無いから、、、
モンカ省とかコッコー省とかの
災害訓練みたいなもんだね。
スーツ着てドカヘルの奴ら。

そうやってメルトダウンだからね。
レスキューは、特に樹上レスキューは、対象が自然なんで、一様のトレーニングじゃどうにもならないよ。そしてアイテイなやり方を当てはめたら、返って危険が増すからね。

アンカーの状態やスナッチする方向や角度や位置関係は、幾らやっても足りない。
それに現場の環境や、その場の道具や、要救の状態や、要救の知識レベルや、
一回やった見たで、これで充分なんて思えるのが不思議だよ。
そういう状況や状態の怖さを知ると、私はいつも、もし今事故ったらどうしよう?なんてことばかり考えている。
だから、できる限り穴を埋めたいんで、自分でプラクティスする。

考えて見なさいよ。
周りに吊れる所が何処にも無いから、他に方法が見いだせなくって、最悪のシナリオと呼ばれるトッピングカットするような現場で、何かあったらどうするの?
伐ってるヤツも細くてとても2人の荷重は受け持てない、グラグラ揺れる中、メイン切っちゃって、足も外れて、ログに挟まれて、チェンソー当たって血ー流して、パツンパツンのランヤード1本でぶら下がる意識不明の人。
そんな状況なら公共の救助サービスも、少なからずアテにならない。

もうそんなの無理ですよ。

レスキューって言うより、それは事前のバックアップや事故想定を意識した計画で99.9%はどうにかなる。だからトッピングは最悪のシナリオなんだよ。
でも、残りの0.1%の可能性があるからレスキュープラクティスを繰り返すんだよ。
100回に1回、事故る可能性があるからレスキュープラクティスを繰り返すんだよ。
それを、保険のように「レスキューはやったことが有る!」では、どうにもならんよ。
そんな保険は何も役に立たないよ。保険になってないよ。
保険って万が一の想定かもしれないけど、万が一よりよっぽど高確率だよ。百が一だよ。
カネで解決できるコトならイイけど、その後、仕事できなくなるよ。
脊損で身体動かなくなったら、カネだけじゃ解決しないよ。

決まりきったモノを手に入れて安心する。

ファクトチェックや比較検討も無しに、安心する。
データリテラシーの必要性も考えない。

オレはそんなの信じないね。

TAZ L’OV2

私が知っている中でも、アートのコクーンとかスネイクとかに並んでかなりの変態道具。
TAZ_L’OV2
もうド変態過ぎて、〇〇に使うためって言うより、タズが有るからこういう方法も考えられるって、極めてニッチなデバイスだ。


EN1891:1998typeA 並びに
EN892:2016 のロープ
EN795typeB で12kN以下
11mmでEN358:1999
10<11mm,マックスロード120kgで
 EN12841:2006typeA/C
9.5〜11mmでEN1515-1:2012

EN1891-Aは、EN 361のハーネス
セルフロックEN362コネクタを使用の事。
EN12841は条件付きで、
下降器・アンカー・フォールアレストまで
網羅している。

って言うものの、グレーゾーンが多過ぎ! 

発売されてからかなり時間が経つが、凄く良い!とか言ってる人に「どこが良いの?」って聞いても、ヘウレーカ!って何かはっきりとした応えも無いし、ピントがズレた応えや、困っちゃって答えられない人が多いので、何がイイんだかさっぱり判らない?
唯一「良くない」って言っている人が、一番ちゃんとした応えを持っていた。
私も借りて使ってみても、さっぱり良さが判らなかった。
だから今まで興味を示さなかった。

マニュアル読んでも意味が判らん事が多い。
ユーザがデバイスから吊り下げられデバイスをアクティブにすると、ロープによって可動シーブが旋回し、2つのシーブ間に反対のグリップ効果が生まれる。
ロープの下部をホールドしながら、ハンドルを動かし、同じ方向に圧力がかかると、グリップ動作が解除し、これによりデバイスが回転しロープの緊張が解放される。
さらに、角度は常に水平面から15°以上でなければなりません。
必要な計算を行い、アンカーポイントの荷重が3kN未満にする必要があります。

恐らくフランス製なので、元の原語はフランス語で、それを英訳したものを日本語にするとこうなる。最近のGoogle翻訳はフランス語もOKなんで、直接訳しても同じ感じ。

って事は、レバーを動かさなくてもロープの流れが直線に近づくと荷重抜けるじゃん。
テンションラインが水平に近づくと、荷重抜ける?
ざっくり3kN=300kgと仮定して、水平面から15°以下でアンカーポイントの荷重が3kN未満ってことは、ロープの分力角度は150°くらいになり、分力荷重約200%になった場合では、300kg/200%で、150kgまでの荷重はOK?
実際にそんな事無いだろうけど、、、

股聞きで聴いた話で恐縮だけど、フランスだし、ペツルがこのTAZに興味を持って、この機能を買い取るって話になったらしいんだけど、TAZは「ヤダ」って断ったらしい。
いかにもフランスの変態クライマーが独自に考え出したド変態デバイスだからね。

まあ兎に角、怪しくて、胡散臭くて、グレーが多くて、、、

私は目的として、テンションがかかった自分のロープの上(ミッドラインって言うか)インラインアンカーが構築できるデバイスとして秀逸なんじゃ無いの?
っていうのが、今さらタズに興味を持った原因。

しかし、タズは、めっちゃ汎用性が高い割には、使用条件がニッチな特殊機器。
基本チョークとテコで停まってる。ポジショナーに近いな。
レギュレーションは11mmまでなんで、小数点以下は丸めて良いので、11.5mmとかは大丈夫、なんだけど、、、それはあくまで1人荷重の下降器としてだから、1人で使っている分には「ちょっとキツいかな?ってな感じだけど、
エスケープとかレスキューユースの2人荷重に成ったとたん、めっちゃキツくなる。
もうレバーが引けないレベル。
無理に引くとガツンっと動きが極端になる。
可動域が極端に狭くなる。
ポジショナーの荷重が抜けたときみたいに、とたんに滑り出す。怖い。
2人荷重で折り返しのフリクションビナを入れないと、とても扱えるレベルじゃない。

タキオンとかドレナラインとかアーボリストの多くが大好きな、
11.5mmとか11.8mmとかのロープは、
ちょっと無理なんでないかい?
KM IIIとかHTPとかのスタティックは凄く良いけど、
11mm以上はまともに扱えない。
コイツを使いたかったらロープを見直す必要がある。
操作が極端になり過ぎて、危ないぜ!

そして1人でビュンビュン行く時はイイけど、
何か起こって救助に向わなきゃならん時も、ロープを選ぶよ。
いつも使っているロープでそのまま使うと、とんでもないことになるかもしれない。
スナッチスクープした後に、さあ降りよう!ってしても、
デバイスが動かない。これはかなりヤバいよ。
レスキューユースで使えないってことじゃなく、
レスキューの時はロープのセレクトに慎重に!ってことで、
これもプラクティスしてみなくちゃ判らないことだった。

つくずく汎用性が高いけど、条件がニッチな特殊機器。

でもアーボリストの基本はレスキュー前提でシステムを組まないといけないから、そういう傾向を考えると、やっぱり今まで使っていた俗にいうアーボリストロープっていうやつの多くは使いにくい。ってことはスタティックになってくるじゃないの。
そしたら、アレもコレも、適しにくい、あんまり巧くいかない、条件が難しくなる。
どんどんロープアクセスに近づいて行く感じだな。
まあ、ロープアクセスは事故を起さない前提でシステムを組むから、それに越したことはない。
結果高所樹上作業も、ソレに近づいて行った方が有効ってことね。

なんかロープアクセスを実践してると、理に敵ってるなって思っちゃえるし、
ただ眼先の欲にまっしぐらな条件無視した効果を目指すことや
ただ眼先のキラキラ道具に群がるとか、
そんな奴らはロープアクセスは、面倒臭いってしか思わない。
動くにくいとか、邪魔だとか、
そんな理由で自分の危険と秤にかけて、
儲かることだけ目指していては、使えない道具よ。

そんな感じで、迂闊に手を出すと、ケガするぜ!
タズはあるケースで、何か良いものはないかと物色してたんで、そういうレアケースに使えるものってなかなか無いんだなぁ。でもタズってそのレアケースにピッタリで、とても効率良くシンプルに扱える。
タズが有れば、アレもしたい、コレもしたい、アノ可能性もある、
ってイメージがめっちゃ広がって変態街道まっしぐらな感じだよ。
ヤバい物に興味持っちまったな。

ただの下降器としては、操作やセットの汎用性がなかったり、まぁ〜面倒臭い。そして注意しないとモノ凄く危ない。
意味なく新もの好きなユーチューボリストとか、自分のサイズ感を全く持っていないアホーボリストは、手を出すべからず!ヤバいよ。
道具にしか興味ない特殊な人による特殊伐採じゃ絶対に使えないからね。

私は救助前提でシステムを組むツリーワーカーだから
何かあったら助けに行ける準備を怠らない作業だからね。
だから可能性が見いだせればモノ凄く面白いと思う。
救助デバイスとしては、セカンダリで持っててイイ感じ。
身体的に出来なかった変態救助が道具によって可能になる。てことだからね。

こういうヤツは、不用意に近づくと火傷するぜ!

大きなオープンループ

14.10.2 Where knots are used, the climber must ensure that they are tied, dressed and set correctly. Knots that will tighten up against components and help keep them in correct alignment should always be chosen in preference to knots that form large open loops where components could become misaligned or poorly orientated.
結び目が使用されている場合、クライマーは結び目がタイ・ドレス・セットされていることを確認する必要があります。
コンポーネントを締め付けて正しい位置に保つ必要があります。

コンポーネントが
正しい位置に合わされなかったり、
方向が不適切になったりする
大きなオープンループを形成する
ノットは不適切です。

ターミネーションが
フィギュアエイトオンアバイトって
結びが大きいので長さが出るし、
第一バイトはカラビナが回転する。
大きなループのノットは
poorly orientated
向きが悪いって。

前時代的な締め付けも無い
ターミネーションって
どうなんでしょう?

何処かでは依然としてフィギュアエイトオンナバイト(ダブルエイトとか言ってる)のターミネーションを推奨しているが、これはやっぱりダメでしょ!
フィギュアエイトオンナバイトは、荷重すると方向が不適切になったりする大きなオープンループだもんね。

ツリーワークはスポーツやレクリエーションと同等に扱うものではないし、ICoPでもその限りじゃないって言ってる。でも逆に危険回避をテーマにした行動規範だから、危険回避するツリーワークより、アブネ〜ことをやるレクリエーションって何?
「最も安全、他の類似団体には気をつけろ!」って言ってるけど、レクリエーションならなおさら大きなオープンループはヤベ〜んじゃね〜の?

アルパインクライミングの世界では、アプザイレンって言ってF8oB使ってるけど、これはダイナミックロープだし、ハーネスに直接結ぶから機器の回転は気にならないし、使い方と目的が違うんでOKだと思うよ。
百歩譲ってクイックリンクに直接なら判るけど、カラビナを掛けるって意味が判らん。
バイトにカラビナかけるターミネーションってどうよ?

私らがやってるツリーイングは、当初このターミネーションノットをどうするかで、かなり論争が有った。ダブルオーバーハンドヌースヒッチ/バントラインヒッチ/クローブヒッチ/アンカーヒッチ、の4つまで絞られて、で、皆で会議しても決定的な決め手が無く、代表的にはアンカーヒッチを推奨するが、結局はビーセーフティなノットを使う。ただしカラビナをチョークする形のノットで無くては成らない。
って決まった。

フィギュアエイトオンナバイトがターミネーションって、今では考えられない。
ブリッジのエイトノットもただ単にロープ強度を低下させる目的か?
ヒッチを5ラップする意味も???

でも一番ダメなのはターミネーションで回転しちゃうオープンループノットだよね。

以前にそこの団体の人が我々がやってるイベントに近づいてきて、完全に上から目線で「君たち、ここのノット間違ってるよね」って言ってきた。
そこで面白いから、すみません、間違ってます?じゃなんであなたが言うノットが良いのですか?って聞いたら、上の人がそう言ったからって応えがあって愕然としたね。
そこでタイ・ドレス・セット(T.D.S.)の基本から端的に我々はこうしてるって説明したら、スゥ〜と姿を消したね。

本場の親玉ISAでもそんな事言ってないだろうし、日本で唯一認められた団体だから安全ってことも無いだろうし、パチもんの団体は信用するなとか、一般名詞の言葉を商標登録しちゃう、商標だよ、商売だよ。それを認める特許庁もアホだね。いつまで経ってもそんな事言ってる奴らの方が信用できないけどね。
っていうか、盲目的に上の人が言ったことを信じて、そこに疑問を抱かずに議論を行うこと自体を否定するんじゃツリーワーカーとは言えないな。
ソコで教わった人も疑問を持たないのかね?
唯一無二の方法や考え方なんて、無いよ。
業界は絶えず動いていて、過去を否定することもシバシバある。今までやってた方法を考え直したり、より良い方法があれば(方法よ!道具じゃないよ)そういう変化を受け入れで選択肢を増やして、自分で判断して今後の 行動に活かすことができるツリーワーカーは素敵じゃないの。

レクリエーションじゃなく、リスク評価を自身で行うツリーワーカーは、コンポーネントが正しい位置に合わされなかったり、方向が不適切になったりする大きなオープンループを形成するノットは不適切ですよ。残念!