そんな事言ってもあんたの言ってるようには作業出来ないよ。って声を聴く。
面倒だし時間がかかるから、やらない。っていう人もいる。
それは自分や会社の方針でそうなってるなら仕方がないが、
MYCoP 私の高所樹上作業 行動規範 にしても、
私のエアリアルレスキュー にしても、
なにも全くこの通り作業しろ!って言ってる訳じゃない。
私はこういう行動規範を参考にして、
チームの作業に取組むべきだと思ってる。
そりゃぁ実作業はコウいかない部分も
沢山ありますよ。殆どソウかもしれない。
繰り返しになるけど、左の図のように
ヤバい方を向く必要は無いと思ってる。
[グレー範囲]で実作業をこなすことに
なるのは判るけど、
通常のタスクで危険度を増やす
ことは無いと思ってる。
機器の認める範囲に向って
取組んだ方が良いと言ってるだけだ。
どうも正しいことは唯一の正解だと思っている節があり、もちろん機器の認める範囲が正しいことではあるけど、それは機器の正しい範囲で、自分の作業の範囲では無い。
だから塩梅良く自分やチームの規定を考えた方がイイって言っている。
出来ればそれで良いと思ってるならそれはその人の考えなので文句を言う必要はないが、自分の考えとして、より危険な作業をこなすのは、私には判らないがソレはそれで良い。そこで「ちゃんと覚えたい」とか言ってる人間が、上っ面だけ真似てヤバい作業に疑問も持たないこと自体が危ないって言っている。
自分やチームの立ち位置として、認める範囲とヤバい範囲を細かく決めておいた方が良いと思ってる。ある機器を使う時に。そのチームで決めごとを作っておくっていうことだ。
例えば先輩が「これはコウやって使えば良い」って言ったとしても、この機器にはどんな状態で使うかとか、状況によっては変えた方が良いとか、チームや個人が考えるべきだ、恐怖や好意を感じず意見し合えることが重要だっていっている。
私はSRTが好きですが、スポーツやエクストリームやレクリエーション出身の人は、ひとつの方法しか知らないことが多い。
速く楽に登れると思って様々な機器に飛びつくのもイイけど、そんな楽に早く登れる物は無いと思う。無理して手段にこだわるのもイイけど、それより色々試して自分に合ったスタイルを構築した方が、楽で早く登れると思うよ。
私はロープロケットが好きだけど、アレは自分の身体に合わせないと全然巧くいかない。他の人の道具を借りてそのまま登って、あんまり良くないって結論を出しちゃうのは勿体ない。足や胴の長さ・バンジーの張り具合・デバイスの向き・登るスタイルって条件と、痛さとか快適さなんかの不具合を調整して、機器を適正にカスタマイズっていうかファインチューンすることが条件だと思う。
そのチューニング無しに登っても、そりゃ効果無いよ。
道具に、快適と思ってない状態で身体を無理に合わせるのはキツいよ。
そういうコトをワークショップで伝えてる。
ワークショップをやってたら、こんなコト聞いたら恥ずかしいとか、もっと勉強してからとか、道具を揃えてからとかおかしな考えの人もいるけど、それをみんなで学ぶためのワークショップだから。ベーシックを理解しないで、いきなりハイレベルな事をやろうとしでも、多分無理だよ。私が知ってる範囲ならどんなチンケな質問でも応えてるよ。
私も含めて誰かがイイって言ってたモノを、そのまま使ってみても、良いとは思わない。使う条件と状態を考えて、自分の身体に合わせてファインチューンすることが、的確に整合性を確かめた方が良いと思う。
買った道具が調子悪いって、勝手に穴を開けてなんか点けたり、レギュレーションに合ってない改変をするのは、本当にナンセンスなことだと思うよ。
そういう情報をワークショップで伝えてる。
ハーネスだって、痛いのを我慢して辛いまま仕事に使ったら疲れてしまって、タスクを失敗しやすいし、巧い具合に作業を進められないと思う。
先輩のおフルを戴いて、痛てぇなって思いながら良い仕事は出来ないよ。
色々試した方が良い。きっとシックリくるハーネスがあると思うよ。
グローブひとつだってそうだ。私は作業に合わせて5つくらいを使い分けてるよ。快適じゃ無いのヤだもん。その快適性がタスクの内容に響くもん。
そういう快適なタスクをワークショップで伝えてる。
道具をよく知らずに作業に適してるって思うこと自体危険に近づいているよ。
道具を買えばYouTubeみたいなことが出来るって、どれだけ自分に自信があるんだよ。習うより慣れろなんて前時代的な考えだよ。講習でセンセがイイって言ってたモノなんて自分の身体に作業に目的に合ってないかもしれないよ。
そういうロジックをワークショップで伝えてる。
敢えて危険な方向を向くことは無いんじゃないかって思ってる。
みんな知らないんだから、ヘタこいてても良いから、カッコ悪い所を見せ合って、皆で話し合おうと思ってる。人が集まればいろんな機器も試せるしね。他の人と話せば自分のおぼろげな目的の霧も晴れるんじゃないかな。一人でモンモンと考えて変なモノに手を出しくらいなら、プライドは一旦横において、失敗し合った方が近道だと思うよ。
だから誰かにやり方を教わる講習じゃなくて、ワークショップなんだな。
私も全然だから、皆で善き方向を考えるワークショップなんだな。
それに独り親方とかだと、同列の仲間が出来るのは嬉しいことだよ。何を考えてどう動いているかが判ると、仕事も廻せ合ったり、一緒に難しいことも出来る。
プランもプラクティスもレスキューも出来るよ。
ある人が言ってたけど、地上で練習できることはトコトンやってるから。カッコいい!そういう努力を積み重ねないと、一流の講習を習ったって自分のモノにはならないよ。
なんかワークショップの宣伝みたくなっちゃったけど、
目的は、危険な方を向かない作業を、自分のセーフティを一番に考えることにある。
セーフティな作業を知らずに、危険な作業を行ってた自分を知ることにある。
みんな危ないコトを平気でやってるっていう事実を判って欲しい。
危ない作業って思ってる人に、セーフティな作業も出来るっていう事実を知って欲しい。
グレーな範囲で作業していても、セーフティな方向を向いていれば、逆に楽になっていくから、他の知識や技術を学ぶ時間が出来るよ。そうして難しいタスクもこなせるようになっていくよ。そうやってどんどんレベルが上がっていく人もいる。一方基礎の何も知らずに悶々一人で考え、いきなり難しいコトをやろうとする人間もいる。
一年も経てば、前者と後者には驚く程の差が生まれてるよ。
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