最近にわかに現実味を帯びてきたTwo Rope Working
今でも「現実的じゃない」とか「難しいし、面倒臭い」と言われているが、やはり樹上作業でもパラダイムシフトが求められているよ。
私は以前から2系統だよ!って唱えているが、ここにきてやっと本腰になってきた。
もう8年程前からヨーロッパの木登り業界で、事故を減らす取組みがなされていないことが問題視され、それに伴いAFAGやAIACが幾つかのプロジェクトを立ち上げ、作業活動から生じる健全と危険回避に対するリスクの主要な領域を特定するべくアーボリカルチャーの諮問グループが組織され、ツリークライミングやトップハンドルチェンソーやエアリアルレスキューに関して広く意見を求めていた。
ドイツやデンマークなどのツリーワーク企業が自ら実践し蓄積したデータを公表し、そういう危険回避作業を提唱していた。そして今はより危険回避できるシステムとしてTwo Rope Workingが成果を上げている。つまり確実に事故が減っている。という事実が立証され、それが仕事の受注にも繋がっている。依頼主も(行政も)危険回避している企業に発注するようになってきた。
日本以外のツリーワーカーは、
AAが行ってるセーフティが当たり前に
なってきている。
そういう事実を直視して欲しい。
道具の進化ばかり追わないで、
その道具がどうして出来上がったかの
背景を考えるようになっている。
機器の適正を考えて
自分のシステムに取り入れている。
そしてイギリスの健全と危険回避の
政府機関HSEによってその指針が
ICoPとしてまとめられている。
高所樹上作業の行動規範に沿った形で、
それぞれのタスクに合わせた
技術ガイドが徐々に登場するだろう。
情報は日々更新される。
商売のことしか考えていないヤツらが、自分の儲けを優先させて名称を商標登録したり、日本で唯一とか、日本の法規にも準拠してるとか、ちゃんとしてるっていうテイばかり優先させて日本人を騙しているヤカラの言うことを信じるのは、どうかと思うゼ。
世界は広いよ。America is No.1じゃないゼ。
誰かがそう言ったコトじゃ無く、自分が信じる情報は自分で見つけようゼ。
日本のヤンチャな命がけな危ない作業が凄いって持て栄されるのとは訳が違う。
どれだけ危険を回避して、時間がかかってもその作業が正当化され、目的のタスクを達成するかを評価しない日本の行政ってどうなんだろう?何時まで知らんフリして、訳判んない法規を作って作業を複雑化させ、事故を増やし続けるつもりだろう。
個人的興味で他の業界のことも気になって、IRATAやSPRATなどではどういう取組みがなされているのだろう?って、調べたり実践したりすることで、ロープアクセスのシステマチックに熟成されつつある考え方を学んだ。
一部そんなことはない、メーカーの圧力かって感じる所はあるが、その無駄の無い簡潔な構成や、サルでも判るような基本や、無駄の無い組み立てに恐れ入った。
日本とは違い、作業者も企業も行政もオトナだ。
でもツリーワーカーは相変わらず事故が多く危険なままで良いのか?
ロープアクセスのような方策の、良い所は取り込まない手は無いと思った。
satocbooksでもロープアクセスの実践として、その学んだ道のりを紹介している。
自分では実際に出来るだけ作業に取り入れている。
もちろん予め強固な人工の耐荷重アンカーが存在するロープアクセスと、自然の木を使うツリーワークが、一緒に考えられる訳では無い。
そのまま丸っと持ってくるわけにはいかない。
何か良いベターメソッドはない物だろうかと、いろんな方面で、いろんな方に助言を求め、漠然と自分なりにブラッシュアップしたスタイルが出来上がった。
それに併せて自分の考えを伝えるワークショップをやってるよ。
satocbooksでも書いてるけど、詳細はワークショップで伝えてるよ。
アーボリスト(日本では商標として登録されているから、日本のカタカナのアーボリストのことじゃなくArboristの和訳です。その名称を商売で使おうと思う意味が判らないが)の世界は独特で、なんか他を排除しようとするような、頑に考えを取り入れず、道具だけ都合良く取り入れようとする姿勢が好きじゃない。
トップクロールなんかの胸や背に[A]があるハーネスは嫌がられる。
新しいデバイスには直ぐ飛びつくくせに、I'DやRIGは否定する。
頑にDdRTを使おうとする。……もう数えきれない。
チェストや4SRTや首輪より、トップクロールが良いよ。って言っても聞いてくれない。何とかハイカーとか何とかジャックよりも汎用性の高いデバイスは便利だよって言っても、頑にDdRTでヒッチコードを使って登りたがる。なんか、差別化したいんだろうか?ロープアクセスで完成された登高/下降方法なんだから、仕事をする人がそれを選んでいるんだから、なかなかそれより都合の良い物は無いと思うよ。木の上だって都合に合わせればとても有効だよ。(とか言って私もアキンボに飛びついたけど)
トップクロールは邪魔だ!とか鬱陶しいって言うけど、その考えの方が鬱陶しい。
登高と下降がチェンジオーバー無しに使えるって、そういうシーンでは使わなきゃ良いし、アセンダーディセントとかディセンダーアセントなんて技術も有るよ。
そういうコトを知ってて使えねぇ!って言うなら良いけど、知らないだけでしょ。
私は、ある初心者ツリーワーカーチームに、シットハーネスで従来のトラディショナルなヤリ方と、フルボディハーネスでロープアクセス的な楽なツリーワークを比べてもらい、どっちが良い?って聞いて選んでもらった。
今までも比べてもらうコトはしていたが、あまりフルボディを選ぶ人は居なかった。でもその初心者チームはフルボディハーネスを選んだ。
そして効果的に理に敵った楽で速い方法で実践するようになった。
幾つかの段階の講習を受けてもらって、併せて一緒に作業しながら現場で学んでいるうちに、何も無いゼロの状態から約2年でもうバリバリのツリーワーカーになっている。
その人たちは、フルボディハーネスがなんで邪魔なのか判らないらしい。
シットハーネスにこだわる理由が判らないらしい。
海外でもそういう人が多いが、そうじゃない人もたくさん居る。日本ではとにかくフルボディハーネスじゃない人が蔓延してる。
ワークショップでは各種色々試してもらっている。自分の道具を持って来るのは構わないが、他も色々試してもらう。道具選びも大切なワークショップの目的だからね。
自分の道具を持ってきてその道具に整合性がなければマイナスからだからね。
以前から「こういう方がイイよ」って言っても、なかなか取り入れてもらえない。
やっぱりトラディショナルな、従来のアーボリスト的なのが良いのだろうか?
新しい「他の考え」はなかなか取り入れてもらえない。
そのくせYouTubeからは直に取り入れてポチるくせに。
訳の解らんテキスト手に入れて、読んでも意味が判らんテキストに満足して、都合の良い部分だけ取り入れて、特殊伐採とか言ってる。それでイイのか?
そんなヤツばっかりだから、私が考えていることは間違っているのだろうか?って自分に自信が無くなって、何度言っても自分で勉強しない工夫しない条件を考えず新しいモノに直ぐ飛びつくヤカラの多さに辟易していた。
こんな奴らに教えたくないって、もう止めたいと思っていた。
そうこうしているうちに、条件と状態を鑑みて適合と適正を考えてゼロからちゃんと始めるチームが現れて、自分のチームで考察して危険回避して皆で意見して、私がちょっとしたアドバイスすると納得して取り入れたり変更したり、スクラップアンドビルドして、根拠のある勉強をするとこんなにスムーズに巧くなれるのかって驚いている。
まだまだ伝えなければイケナイことは多く有るけど、これまで実践したやり方はもう自分たちのチームのモノにして、より高度に進み続けている。
もうすぐサイズアップして大きなヤツもやっつけられるようになっていくと思う。
2年でここまでになるとは思っていなかった。
俺が考えてることは間違っていなかった。
ゼロからスタートしても2年でモノになる。
これまで多くの奴らがオカシイだけだった。いい加減なだけだった。
これまで粋がってた奴らに伝わらな方のは、覚える気が無かっただけだ。
心を入れ替えてイチからちゃんと始めるってって言われても、
脳ミソと道具を入れ換えないとダメだよ。
イチじゃなくマイナスから始めないとちゃんとはならないよ。
俺の言ってることが間違ってるのかなぁ?
自分のセーフティを一番に考えることって樹上作業には当てはまらないのかなぁ?
って思って一時期完全に自信を失った。
もうセーフティを伝えるのヤメようとも思った。
でもそんな中、ちゃんと伝わるチームが誕生して、俺の言ってること自分の考えてることは間違っていない。そういうセーフティを考えるチームもあるんだ!
ってなって、自分にも自信がついて、そうこうしているうちに優良な作業規範は発表されこれは取り入れない手は無いゾ!と思い、優良な作業規範をベースに、ロープアクセスやレスキューの良い所を取り入れ、自分なりにブラッシュアップした事故を減らせる今の所ちゃんとしてると思われるコトを、ワークショップで伝えてるようになった。
選ぶのは各自の自由だけど、効果が有る考えを、そしてこれまでを否定できないとスクラップアンドビルドしないと、パラダイムシフトしないと、先のような真っ当なチームが続々出てきたら、ヤカラはそのうち淘汰されるゼ。
そのチームは10年先を見てるからね。10年後に当たり前になっていると思われることを今から実践してるから、今は投資かもしれないけど、もう他に出来ない良い仕事やってるからね。日銭を稼ぐダンピング仕事には手を出さず、自分たちの優位性を信じて言い値で稼いでいるからね。取られちゃったらそれまでの仕事よ。安くても良い仕事なのよ。己の価値を安く見積もる仕事なのよ。クライアントにも安く見積もられる仕事なのよ。
でも世の中には安く出来ない仕事も有るからね。
日本でもセーフティな作業を実践している、ちゃんと考えられる組立てられるチームが、世の中を席巻したら、日本の森もちょっとはまともになると思うけど、そして林業屋がやるアホな特殊伐採が淘汰されれば面白いのにな。
日銭を稼いでいるヤンチャな人間が慌てふためく様子を見たいな。
今は鼻息粗いけど、そのうちウソはバレるよ。
今から取組まないと直ぐにケツの毛毟られるゾ。
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