日本では、119番に電話したら、消防署に繋がって、Fire Rescue EMSサービスが受けられる。もちろん素晴らしいシステムで、そのレスポンスの良さは世界有数。
しかし、もし木の上でぶら下がった状態で、
意識を失ったら…どうなりますかね?
際どい状態で樹上作業している時に、
足が滑って、衝撃荷重がハーネスの
ターミネーションから腰に伝わり
「く」の字に身体が曲がったら、
意識を失うだろう。
運が良ければ、チェンソーで
ロープを切っちゃって、落っこちて、
骨折で済むかもしれない。
○年使い古したロープを、
墜落で過荷重になったら切れて、
落っこちて骨折。
でも切れなかったらロープに宙づりになる。
意識を失って
ロープにぶら下がった状態ってこと。
カリフォルニアのアーバンサーチアンドレスキューでは、発見から15分以内に救助するのが目標で、15分以上経過すると何らかの障害が残るといわれている。
落下はもちろんヤバいんだけれど、最悪は、ぶら下がっちゃうこと。
そしてぶら下がってる人を、降ろせないこと。
15分以内に降ろさないと、サスペンショントラウマですよ。
状態にもよるが、落ちなくても地球に引っ張られるから、衝撃荷重のピーク力で、浮いたまま脊髄損傷の可能性もある。
脊髄損傷でぶら下がってる人を、無理矢理降ろしたら、一生車椅子生活になるだろうな。
だからグランドワーカーと意思疎通しておくし、万が一の救助手順や救助のアルゴリズムを理解して、作業計画に入れておかなければ行けない。
チームでは専用のレスキューキットを用意して、役割分担しておくのよ。
レスキューは重要ですよ!って言うと、大体の人が「まだそんなレベルじゃないので必要ない」と応える人が多い。
救助計画が無いまま、登るだけ登ってチェンソー振り回すのがどれだけ危険か?を承知しないで、眼先の利益で木に登るってのは、オカシイね。たいして計画もせず、登り方だけ教わって、作業中に最悪の事態が起きたら、どうするんだろ?
119に連絡しても、木にぶら下がった人を助けられる隊は、そうザラに居ないよ。
ツリーワークでは救助がマストだからね。
ICoPでも、作業計画を立てるチームは、その中に絶対に救助計画も含まれなくてはいけないからね。レスキュー有りきでないと、高所樹上作業は計画すらできないのが本筋だからね。レベルの問題じゃなく、あしたババ引いちゃうかもしれないよ。
ラッキーの種を沢山持ってる人は、なかなか死なないかもしれないけど、何時かはラッキーが尽きるからね。
レスキューの計画をせずに、今作業できてるのは、
たまたま上手くいってるだけだからね。
基本は失敗する前提で作業に及ばないと、
そういう所が命がけなのかもしれないけど、根拠の乏しい命がけは、
命がけじゃなく命知らずだね。
命知らずの猛者が、漢儀で向い打つ、特殊伐採。
死んじゃえば、本人は良いのかもしれないが、残った者はいい迷惑だ。
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