リスクは完全に取り除く事は出来ないので、
リスクの正体を知り、制御下に置く。
リスクは使用者個人固有の事象に関わることが多く、
その人固有のリスクを明確にして、
それをコントロールする必要がある。
決定的な安心・安全など無い。
私がツリーワークを始めた頃は、一般的にはまだスクリューロックのカラビナだった。
スクリューゲートの機器固有のマニュアルに載ってる耐荷重容量や、マイナーアクシスを避ける事や、ゲートを確実ににロックする、などが制御できるリスクでソレを知ることが[機材要因]のリスク制御。
それ以外に、フォールプレビジョンの場合、重力方向にゲートを閉じてロックする必要があるため上下を遵守する。そして何かの対象に干渉する恐れから必ず内側に向ける。地上で水平に使う場合は、ゲートを上向きにして地面との干渉を防ぐ。ただしD型の場合はゲートが重力によって開く方向に回る恐れを避ける為、ゲートを下向きにする。云々って感じの細かいレギュレーションをいちいち確認しながら、確実にロックする。
などが作業環境に関わる固有のリスク制御だ。
それでも、荷重方向が変わったり、荷重/抜重を繰り返す場合などは、マイナーアクシスの可能性を避けられない。
更にロックゲートの締め忘れなどのヒューマンエラーを制御する必要もある。
だから全ての使用条件を網羅するリスク制御は存在しない。
ゲートロックの締め忘れ[人的要因]や、耐荷重の遵守やゲートと重力方向の関係[機材要因]などは自分で制御できるリスクマネジメントだと思う。
そしてヒトは必ずミスをする。
使用条件を守ると機器はミスしないけど、ヒトは必ずミスをする。
ミスを完全に無くすことは出来ない。
機材要因を無くすことが、いわゆる一般的に言われている「安心・安全」で、「私たちが作ったものは、ちゃんと使っていれば問題ないよ」って当たり前の事を、ことさら強調しているに過ぎない。
その形骸的な「安心・安全」を、自分はコレを使ってるから安全だなんて、
それをマルっと信じても、ほかに人的要因も環境要因も沢山残ってる。
誰かが言ってる安心や安全は、マットーに使った上での[機材要因]に過ぎない。
その機材要因を承知した上で、環境・人的の要因をクリアする必要がある。
例えばナイフは便利で有効な道具だけど、磨がなきゃ使えねぇし、
危ねぇ人が使ったら危険な道具だよ。ナイフが危ないんじゃなく、人が危ない。
チェンソーだって研がなきゃだめだし、自分の使い方に合ったサイズや刃幅が重要。
だから人的要因を無視して「危険」と言い切るのが、危険な発想だよ。
チェンソーが危ないんじゃなく、研いでなくって、切れないから危なかったり、
整備やメンテナンスしてないからかからなかったり、音が湿ってたり、
何台持ってるって自慢するだけの、ただの道具コレクターだよ。
スクリューゲートが
セカンドジェネレーション。
ソレ以前にはロック機能すら無かった
その後サードジェネレーションの
トリプルアクトカラビナの登場で、
機材要因の一部が進化した。
最近は更に進化してきて、
マイナーアクシスを避けるように
キャプティブ系の対策が登場している。
それでも機材要因の全てが
安全になった訳では無い。
多分キャプティブにだって
新たに考えるべきリスク制御はあるはずだ。
だから機材要因はドンドン進化しても、ヒトの頭の中が以前のままの制御だと、対応しきれない可能性があるから、知識もそれにつれ検証やメタ解析で進化していくべきだ。
製品の進化についていけないとか、ある時点で考えを止めるのも手だと思うが、考えないなら新製品を享受するのも辞めた方が良い。
新製品を享受したいのなら、ソレ固有の新たに追加されたリスクと、過去のリスク制御の整合性を取るべきだ。
そういう個人固有の評価を、自分や全体の評価に繋げちゃうのはどうなんだろう?
コレは安全、ソレは危険。なんて誰かが言ったとしても、その話を、
コレは良い、ソレはダメ。って短絡的に受け入れて、誰かの評価をそのままマルっと全体評価にしちゃうのは、残念ですね。
また一概に、安心とか安全なんて、誰かが言ってるうわ言みたいなもんで、それと同列に危険が有るコトを知らずに盲信的に信じるヒトは、安全幻想に囚われてるメルヘンチックな人だよ。
プリ◯スはハイブリッドで環境にイイし、ト◯タは安全安心だ!って、作為的な利害関係のマジックで幻想に囚われてる悲しいヒトだと思うね。
コッチが危険に曝される恐れが有るからそういうヒトには近づきたくないね。
国際的って言っても、ある人だけが承認を受けただけで、我々は正しい、他はニセモノだから信じるな!って言ってるヒトは、対照群との比較根拠に乏しい。他を排除して自らの優位性を確保するっていうのは、利権が絡んでいそうで特に嘘くさい。
カネの臭いがプンプンする。
そういう活動がダメだとは言わないが、それにマインドコントロールされるヒトにはなりたく無いから、自分の固有のリスク評価を尊重した方がイイよってこと。
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