2020年11月9日月曜日

フルハーネス型墜落制止用器具

私は「フルハーネス」って言い方が嫌いだ。
ホームセンターに行ったらデカデカと「法規が変わりました。フルハーネスじゃ無きゃダメです」って偉そうに書いてある。
それは安全帯に対して言う意味だと思う。


フルハーネスは日本特有の言い方だ。
フルハーネスとフルボディハーネスは、
全くの別物だからね。

フルボディハーネスは、
ANSI Z359やEN361だからね。

フルハーネスは、
日本工業規格 T8165で、
全く別物だからね。

ワークソリューションで一定の販売許可が
無いと売れないフルボディハーネスと、
ホームセンターで売ってるフルハーネスは
全く別物だって言うことを承知してね。


日本でオカミに準拠して作業するならフルハーネスだからね。
[JIS]マークが入っていない機材は使っちゃいけないよ。
[EN]や[CE]や[EAC]じゃダメだからね。
ヘルメットも帽体ドカヘルしか認めないからね。

チェスト部分の胸の[A]も無く、センターDも、サイドDも無くても、背中にD環があればフルハーネスだから。
墜落制止らしいから。

墜落制止っていうと、何か落ちた時に止めてくれるもののように感じるのは、私だけ?
墜落制止はショックアブソーバーだけと思うが、フルハーネスもフックも着脱式連結ベルトもランヤードも全部、墜落制止用器具らしい。
フォールプロテクションもフォールプリベンションもレストレインもフォールアレストも何の違いも無く、墜落制止。男らしい。カッコいい。 如何にもワークレストレインな、絶対に落ちないっていうか、ハザードまで行けない装置だから、落ちる所まで行けないからこの引張強度?で良いんだろう。


フルハーネス
フルハーネス墜落を制止する際に墜落制止用器具を着用した者の身体にかかる荷重を肩、腰部及び腿等において支持する構造の器具をいう。らしい。

引張試験の方法又はこれと同等の方法によってトルソーの頭部方向に15.0kNの引張荷重を掛けた場合及びトルソーの足部方向に10.0kNの引張荷重を掛けた場合において、破断しないこと。

日本工業規格T8165(墜落制止用器具)に定める引張試験の方法ってのは、試験質量100kg又は85kg?ただし特殊の用途に使用する場合はこの限りではない。らしい。

ISO規格10333 Personal Fall-arrest Systemと整合性を図るために行う試験も「日本人の体格等を踏まえた我が国独自の基準がふくまれる」らしい。

実際にこの「我が国独自の基準」とか「特殊用途」がどういうものか判らないが、それじゃあおおかた曖昧な、規格でしかないじゃない。特殊だからってことで済まされる。

世界的にはMAFは6kNだからね。
試験や実験で得た数値や方法によって、6kN以上のフォースが生まれれば、身体に何らかの障害が発生する可能性があるからね。
フルハーネスや胴ベルトが壊れなくても、着用者が壊れるからね。
法規的には道具が壊れて訴えられるのがイヤだから、過剰な強度基準にしているとしかも思えない。それとも日本人は大和魂なんで、強靭な精神力と体力に寄って壊れないって前提なのか?
私は機器が壊れることより自分の身体が壊れる心配をするよ。

作業者は6kN以上のフォースが生まれないように作業する必要があるよ。

墜落してハーネスが壊れないことが目的になってしまってるから、
ハーネス着用者が壊れたら、間違った使用方法(人的要因)とか、特殊な使用(機材要因)で片付けられてしまうよ。

このISO規格との整合性を取るための、日本人の特性を踏まえた独自の基準を調べようとしても、探しきれない。出てこない。
当然、工業規格を作る協会とか団体は、その運営資金が必要なので有料で販売している。 もちろんソレらを買えば疑問は明確になる。
以前興味のあった規格をちょっと買ってみたが、次々にヒモ付きの規格が出てきて、ソレを全部購入する必要があって、興味本位だし一個人がソレを全部揃えるにはモノ凄い金額になってしまいそうで、途中で諦めた。
ヘンな情報とか要らないインフラ整備をするくらいなら、こういう情報を一般公開することに税金を投入する方が、よほど主目的に合っていると思う。
でもそういう工業規格は規格製品を製造する会社が、他者の排除や自社の囲い込み独占とか、業界のカルテルがあるんだろうな。

ISO規格やEN規格も同様に販売しているが、ソレを共有したい個人や企業が、現場の作業員向けやリクルート資料として、一般にもどういう試験をしているか?という疑問に応える形で公開している所が多い。また、取組む企業によってアテンションがあり、自分たちはこうやってるぜ!ソレより厳しい基準を作ってるぜって言う姿勢を見せるために公開している企業も多い。規格団体としては勝手に広められることに対して穏やかじゃないだろうが、目的が労働事故防止にあるので、多めに見てるのかなぁ?
だから私みたいな東洋の端っこで興味を持った個人にも、ISO規格やEN規格は調べることが出来る。

一方日本の企業は、あんまりそういう姿勢が見当たらない。オカミが決めたことに逆らわないというか、言われたことの表層を形だけ守っていれば文句を言われないとか、守っているテイにしておけば、眼をつけられないとか。
また現場もそういう規格に興味ないというか、そんなの上が勝手に決めたコトでしょ、労働安全衛生とかも自分の身を守るためじゃなく、上司に文句を言われないために準拠するって言う姿勢でしょ。
自分達が何の基準に則って「ハイハイ言われたとおりに動きます」って言う感じで作業しているか興味無いんだと思う。
その規格がどういうモノかとかどういう試験かってことに興味無いんだろな。

それが本当に立派な良い基準だったとしても、時代によって変化する部分が多い。
レスポンス良く改変されたり、検証し直したりっていう行動を起こしたりしない。
それどころか、今までの昔の考え方を否定できないから、これまでの規格を守りつつそれに上乗せする形で、テンプラな、衣が膨らんだ、本筋が不明瞭な、改変になる。
だから複雑で面倒臭い、時代に合っていない怪奇な文章で、、、一般を煙に巻いているとしか思えない。

日本の現場作業員は、素晴らしいオカミや協会の指針だけを当てにした方が良いよ。
ロープとかハーネスも洋物を使ってはいけないよ。
使うんだったらそれを使う根拠を自分で持ってないといけないよ。

他にもっと危険回避の考えがあるなら、個人的に受け入れれば良いと思う。
「自分がやっている方法は自分で考えた危険回避だから、日本の法規には整合性がない」 しかしその危険回避は、日本以外では有効な考えだよって言う根拠を自分で持っていればイイんじゃないかなぁ?
「オレは一流の講習を受けたとか、労働基準や協会の指針に準拠している」って言うコトを主張するってことは、オカミや雇用主に逆らわず、睨まれず、言う成りってことで、オカミや雇用主のために自分の命を削ってるって聞こえる。

ロープ高所作業特別教育を受けた!これからフルハーネスだ!って言ってる人は、特別教育で言われたことを聞いて恐くならないのかね?
他者を排除するような安全基準とか、組織に所属しない奴らは死んでも構わないっていうことは、業界の囲い込みや、組織の利潤のために命を削れ!ってことだと思うよ。

日本の法規なんで、日本人は全てこれに準拠すべし!ってことだけど、在日カイゴク人はどうなんだろう?作業現場でもパキスタン人とか居るし?
テレビのバラエティで最初は日本の法規に準拠した装備だけど、実際にアクティビティが始まると外してたり、一瞬写るカメラクルーとかも装備してなかったり、
最近多い娯楽施設でのアクティビティだって、日本人なら全て特別教育受けなきゃならないんじゃないの?
屋根の雪下ろしで落っこちるジジイもそれに準拠するのか?
特殊な使用だから大丈夫なのか?
消防だって、特殊事情での出動だから、現場ではこの法規に準拠する必要がないらしい。 どういうこと? 但し訓練ではコレに準拠するべしっていうこと。
訓練で本番と違うことを練習するって、もう意味が判んない。

木登りの人たちは、もうコレは、特殊作業なんだろうな。
特殊伐採って言ってるし。

電力系の、もともと国策インフラだから政治と繋がりがある人たちが、電柱登るのに使う装備と始めから耐荷重アンカーがある人たちの仕事と、木登りは別だと思うけどね。
特殊伐採っていう言い方も、電力系の電線整備するセクションの伐採で、電線に引っ掛かる枝とかは危なくてしょうがないんで「特殊伐採」って言い方をしていたのが、
いつの間にか、始めから木に登って作業をする人もそういう電力屋の言い方に引っ張られて特殊伐採って言ってる。
オレは始めっから木に登ること前提だから、特殊でも何でも無いけどね。
でもラインマンとツリーワーカーは別だから。
ティンバーマンもフォレスターもツリーワーカーも、本当は全部違う。
杣も木こりも木地も空も全部違う。

私は日本ではモグリのツリーワーカーだから、ENに準拠するよ。
フルハーネスじゃなくて、フルボディハーネスを使うよ。

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