2020年11月21日土曜日

カウヒッチ

これもとっても重要だね。
そして間違えやすい。

私が最近マストで現場に持参するものはチェンソーでもロープでもなく、レザーポインタと双眼鏡。現場にこれを忘れていったらもう効率が悪い。
効率良い作業のために、効率の良いシステムを組み、適材適所でセッターとカッターを分けたり、そしてもちろんノットをチェックする。
ノットのチェックに双眼鏡とレザーポインタは欠かせない。
チェックしなければシステム全体の強度に関わってくる。
それほど重要なカウヒッチ。
なんせ最悪2倍の力がかかるから、いい加減やテキトーや失敗は許されない。

世の中にはウーピィやルーピィなんかのスリングもあるし、最近はロープロジックってメーカーの?ブランメルのチェーンなんかも登場し、より簡素に手早く台付けを設置できるようになってきたが、基本はデッドアイスリングのカウヒッチだと思う。


自分的にはウーピィ・ルーピィは
確かに設置は楽だけど、
対枝の許容範囲が意外に狭かったり、
台付けの根元で落下距離を延ばすような
設置は相応しくないと思うし、
しっかり決まったセッティングが
難しいウーピィ・ルーピィは
あまり好きじゃない。

ブランメルのチェーンも同様に、
手間のかからない結び目がない調整
って言われても、、、
ここにブロックが付くなら良いけど、
リギングリングっていうのも
疑わしく思ってしまう。
カウヒッチが当たり前に出来てから、
次の良さそうな物を検証するんだよ。
デッドアイスリングは結ばなきゃならない。結びはリスクになるかもしれないが、それはリスクじゃなくて手間をかけてもより確実な設置が出来るならその方がイイと思う。
手間をかけたくないなら吊る必要なんてないでしょ。
高所で上からトップハンドル伸ばしてガンガン伐るだけで良い。

カウヒッチは、2重に回してガース、チョークで決めてハーフヒッチ、
流れに沿ってグルグル通してタイトに締める。これだけっしょ。
片手で交互に決めながらワーキングを回すと緩まない、通し突っ込む方向に注意、デッドアイの縫合部分に荷重を載せない、などキレイにドレッシングするポイントは幾つかあるけれど、全然難しくない。
これもランブー同様に、無理な姿勢や左右の回しやコンビネーションを幾つか練習して、習得すれば何も難しいコトはない。
これだけのコトだけど、これが難しい、らしい。出来ない、らしい。

アイがヒッチから出る長さってスッゲェ重要だけど、あまり気にする人は少ないね。
タイトに位置を決めないと落下距離を伸ばす事になる。最後のグルグルの前に的確な位置を決めて、方向や向きを決めてからグルグルしないと効果半減。
ここで余長を10cm出しちゃうと、最悪20cm伸びる。ってことは対象重量の120%のエネルギーを生んじゃうかもしれない。要らない所で力を強めてしまうかもしれない。
そうしたらポータラップの巻きも変わってきて、パラメータがより複雑になる。

タイトな重量計算をしなきゃならない時は、リギングポイントから何cm出ているか?とかがとても重要に関わってくるから、双眼鏡で確認する。
レーザーポインタで「ここがキツくなるように締めつけろ」とか指示する。

ただイイ加減にヤルくらいなら、ウーピィ・ルーピィの方が良いとも思う。

練習すれば誰でも出来るのに、みんな練習してるのに、練習してないヤツが偉そうなことを言うんじゃないよ。ちゃんとした仕事を出来るヤツはみんな練習してるよ。
白い巨塔で財前五郎が縫合をイメージトレーニングするような、エアカウヒッチで練習できるけどなぁ。高効率作業は力も道具も関係なく練習だよ。いつでもどこでも出来るよ。

ってかカウヒッチとランブーできなきゃもうオシマイだね。
江戸時代のようにツナとナワとオノで特殊伐採してください。

ウーピィ・ルーピィも良いけど、デッドアイでカウヒッチできないとね。出来てないとね。ウーピィのメリットを知って使うなら良いけど、ウーピィしか知らない人はツブしが利かないから困るね。

ブランメルチェーンが話題になってるけど、これにリギンググリングってのは如何な物でしょうか?ヌケることはないけど、不必要な落下距離が生まれるし緩むし。1つのオペレーション後に1回1回台付けをチェックするのは当たり前。
台付けは最悪2倍の力がかかる箇所だし、エロンゲーションとかクリープとか時間経過と共に緩むし、過荷重がかかりやすい所だし、毎回チェックするべきだよ。しかしあまりチェックしている人は見かけない。1回セットしたら次々に進めちゃう。
そんな箇所に緩みやすい仕様のモノを使うのはどうなんだろう?って訳で自宅にあったtRexの5/8in.でリギングリングじゃなくブロック仕様のブランメルを組んでみる。そして問題なさそうな場面でプラクティスしてみることにした。
そういうのもトライアンドエラーだよ。

例えば長いブレードのチェンソーがあった方が何かと都合の良いシーンもあるけど、あえて短いブレードでどうやって工夫するかを知ってないと、それでも巧くいく技術を持っていないと、そして長いブレードのメリットを知っていないと使ったらダメだよね。
長いブレードのチェンソーを使うシチュエーションで使うなら良いけど、何でもかんでも長いブレードのチェンソーを使うとか、長いブレードのチェンソーを持ってるってことを自慢するようになっちゃオシマイだね。そういう人は技術も知識もないただのコレクターだから、プラスティックのフィギュア集めてる人とやってる事は変わんないから。

カウヒッチにしてもランブーしにても、覚えちゃったら何も苦労しない。小学生が自分の靴ひもを結ぶのに苦労するのは判るけど、高校生が結べないのはオカシイと思う。
小学生から高校生になるまで何をやってたんだ。
それこそトライアンドエラーを繰り返し、身体が覚える事だろう。
それと同じで良い大人が、カウヒッチ結べないっていうヤツ、気持ち悪いね。
特殊伐採の人は結べなくても良いのかもしれないが、
結べないからって違う道具使うって考えるのがダサいと思う。
出来ないからヘタクソだから、道具に頼るのはお門違いだ。

カウヒッチを最初から出来る人なんて居ない。
でもガースやハーフは出来るっしょ。そのコンビネーションだよ。
カウヒッチが出来ない初心者は、これはしょうがない。でも一年経っても出来なかったら怒るよ。「ノットがヘタなんだよなぁ」とか言って誤摩化すなよ。
最初から巧い人なんて居ないからみんな練習するんだよ。トライアンドエラーだよ。
トライアンドエラーしてないのはただの怠慢だから。失敗から何も学んでないから。
失敗から学ばないと。
失敗を認めて、失敗を繰り返し、習得するんだろ?
失敗を隠して無い事にして、いきなり現場でやろうとしても、出来ねぇよ。

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