5月に Arboricultural AssociationのIndustry Code of Practice for Arboricultureの2nd Edition が発表され、それを踏まえて自分なりに解釈した、行動規範を作りました。
一部の皆さんにご協力いただき、ようやくまとまりました。
高所樹上作業者の革新性と創造性により、
作業をセーフティかつ効率的に管理する
際に直面する多くの課題に対処でき、
実用的な技術と管理システム、
高度に熟練した専門的な労働力を
サポートし成長を続けることが目的です。
セーフティで効率的な作業慣行を
確保するための計画手順、
リソース、要員、機器の管理、その指導を
情報提供できるように作っています。
基本となる考え方は、ICoP同等ですが、
それに独自に追加した私の考えという形で
複合しています。作業チームはもちろん、
作業管理者に是非とも周知して欲しい
内容になっています。
さらに、個々のタスクと機器に関する
詳細な技術をさらに発展させるための
基礎になればと思います。
●高所樹上作業の計画の原則と目的
●責任者、有能者、熟練オペレータの役割と責任
●剪定と自由落下解体/リギング
●予備作業現場評価
●アーボリカルチャーの一般原則
●救助計画
●高所樹上作業のトレーニングの供給
●MEWP/クレーン/足場
●個人の落下保護システム
●ムービングロープテクニック(MRT)
●ステーショナリーロープテクニック(SRT)
●樹上作業における個人用落下保護
●高所樹上作業のためのツール
●機器の選択、原則とパラメータ
●機器の性能仕様
●個人用保護具(PPE)
●機器の検査、手入れ、保管、保守
●作業機器規格
ツリーワーカーは、このような規範を知っておくべきです。
っていうか、周知していることが、樹上で作業を始める前段階の条件だと思います。
何処かのお店でロープやハーネスをポチッと買って、使い方の条件や状態や自分にフィットさせるコトすら判らないまま、単に登れる道具を買ったから木に登って、切り落とすっていう人には関係がないことです。特殊伐採じゃないです。
今までこう言った行動規範的な文言は無かったと思います。そして危険を省みない作業で事故が多発したからこそ、こういう行動規範が作られ、皆で守っていこうって言う話になったのだと思います。
何処かの誰かに教わったヤリ方をそのまま踏襲してマネしたり、YouTubeで都合の良い部分だけ勝手に使って恐い思いをして、あ〜良かった!って作業を続けてるる人も、ソレはただのラッキーで、ラッキーの種はそのうち尽きます。
そして人間は歳を取るので、慣れ合いになった頃、効率もモチベーションも落ちて、重力に引っ張られて身体も落ちます。
そういう人が世界的に多くって事故が頻発するようになり、ヨーロッパのある企業が、セーフティをテーマにした作業慣行を実践して、事故を減らす成果を上げました。そこでイギリスのHSEも本腰入れて、業界の行動規範をまとめたんだと思います。
一部、ンッ?っていうメーカーの力関係も見受けられますが、皆がパブリックコメントして、数多くの情報の中から整合性のある部分を取りまとめただけのことはあります。
偉いセンセだけが言ったことや日本で唯一認められた団体の講習では、自分の身は守れません。結局自分自身は自分で守る必要があるため自分で勉強するしか無いのです。
幸い私の周りでは、というか2年前にイチからスタートしたツリーワーカーチームが居ます。最初からシットハーネスを使わずフルボディハーネスで作業をしています。彼らに聞くとフルボディの何が邪魔なのか判らないし、今ではプライマリとバックアップの2系統で作業を続けており、最初からヨーロッパで推進されている、ヤリ方で何の不自由もないみたいです。
逆にヤンチャで根拠ないオラオラ特殊伐採は、危なくて恐いし、疲れるし、儲からない、って考えてるようです。
危険を省みない前時代的なオラオラ特殊伐採を続けて行くのも手だし、ソフトウェアを無視して好きなハードウェアを自分の都合で好きなように使うユーチューボリストも手だし、勉強するのは面倒だからバカの壁を積み上げてその中で日銭をかせぐのも手だと思います。そういう人はどうぞ死ぬまで危なく疲れる作業を続けてください。
一度身に付いた作業慣行はなかなか改善しようなんて思いませんが、せっかくこういう行動規範ができたのだから、一旦全てをチャラにするつもりで取り入れて、イチから学んで自分の危険回避を自分で構築するのも手だと思います。
キレイごとじゃなく、効率も上がります。危険も少なくなります。良いことだらけです。
でも面倒臭いです。
面倒臭いけど、これまでの考えを改めて、順を追ってイチから始めれば難しくはありません。2年でスゲェ稼げるチームにもなります。歳を取ってもある程度続けられます。
そしてこの行動規範は、雇用者側の方達にこそ知って欲しい情報です。
日銭は稼げないかもしれませんが、今からチームで始めれば、そのうちしっかり儲けることができる素晴らしいチームが作れると思います。
国が決めたお粗末な労働安全を信じるのも良いですが、効率が悪くて仕方ないです。
そんなもの守ってたら自分の身も費用もかかって仕方ないです。
だからといって安かろう悪かろうの仕事はもっといけません。
日本の山はそんな奴らに任せておけません。
なんも知らない行政の担当者も、いい加減な事業者もそのうち淘汰されます。
淘汰されてからセーフティを学んでは遅過ぎます。
今からセーフティな取組みを行っていれば、必ずモノになります。
MYCoP 私の高所樹上作業 行動規範
0 件のコメント:
コメントを投稿