結果から言って、あんなに苦労したビロバのアイだけど、結構巧く出来た。
外皮と内芯の割合がTachyonに近かったんで、そのデータと照らし合わせ、コアのカットポイントをズラした。
そしてビロバは外皮が2倍体で16ストなんで、シースカットも8本にした。
スプライフは、メーカーのオフィシャルスプライサーが行わないと販売できない。
というか販売目的じゃ無いとオフィシャルスプライサーに成れない。
だけど使用限界を了承して、個人的使用なら問題ない。
Beal BILOBA 11.5mm
EN1891 typeA
破壊荷重3000daN(kg)
伸び 50→150kg: 3.8%
シース割合44%
(ポリエステル)2倍体で16st
コア割合56%
(ポリアミド)16st
ビロバは、コアがポリアミド、詳しくは表記も無いが脂肪族骨格を持つパラ系アラミド?だと思う。まあナイロンと殆ど一緒だけど、ナイロンより耐熱性・耐摩耗性・非親水性に優れ、優秀じゃないか?
このコアの編み方がまた独特で、あまり他では見たことない。S撚りは通常の感じだが、Z撚りがSを相殺するシンメトリーではなくて、直線的に撚り編まれていて、断面は少し四角っぽく見える。この編み方は断面にすき間が少なく、強く撚らなくても中心が空き難い感じ。その性もありコアだけで触ってみると随分ゴツゴツした肌触り。
これがメカニカルデバイスに最適っていう理由か?
外皮は2倍体なので、1つのセクションが四角っぽく見える。昔はこのタイプを殆ど見なかったが、最近は2倍体や4倍体の1セクションが四角っぽくなるヤツが多くなってきた。
いずれにしても、コイツのテーパーの読みを失敗すると、編みが崩れてパラパラになる。
今回も引き抜くセクションを予想してやったが、巧くいかずパラパラになった。
このテーパーのデータは、まだまだ考察の余地がある。
まあその辺は経験則って言うか、あまり引っ張ったり緩めたりせず、慎重にまとめながら扱ったから問題なし。尤も所詮テーパーだから。
でもこの外皮はポリエステルだけど、なんていうか、それほど撚っていないにも関わらず、1つ1つのストランドもファイバーがまとまっていて、編みが崩れてもボソボソに絡んだりせず非常にやりやすい。
このロープを貰ったとき、勇んでアイスプライスをやってみたが、3回ほど失敗して6mほど短くなって、それで結局スプライスなしで使っていた。
作業ではアイが無いとターミネーションを結ぶことになり、目の前にゴツい結び目が来るのがどうしても許せず、あまり使っていなかった。
貰ったのが2019/2だからそれから2年ほど経過し、クライミングというよりはテンションラインやディビエーションラインでそれなりに使っているが、使用感も残らず、汚れは目立つがイイ感じ。
クライミングより合力で荷重が載りやすいハードユースの使用後のヤツだから、どうかな?って思ったけど、スプライフなら上手くいくかな?っと思って、再度挑戦した。
通常は一度でも使用したロープは、パーマネントエロンゲーションが発生するから、それに使う前に暫く水に着けてトリートメント落としてるから。更にテンションラインでハードユースしてるから、アイスプライスなんて巧くいくはずが無い。
これはもう断言できる。
全くその当りを考えず、一度もアイスプライス加工をやった事の無い人に限って、使い古したコタコタなロープで、失敗しても良いようにってアイスプライスしようとするよね。
出来ね〜って!
新品でも難しいって言ってるのに、トリートメントが残ってなくて、パーマネントエロンゲーションが掛かってしまったロープは、100%無理だって!
それでもこのビロバで前回の失敗を反映しながら、既存のデータを幾度か変えながら、長さとクロスオーバーの数値を鑑みて、やってみました。
なかなかキシキシして面白い。
入込む時は編みが粗いので
カクッカクッて入って行く。
アイのサイズ的にも
イイ感じじゃな〜い。
スプライフは、AYORだからね。
そしてオフィシャルスプライサーが加工したものでも強度が落ちるからね。
自分で作ったモノなら7.5kN以上は有るかな?
レスキューユースとかは、やっぱりダメだろうな?
でもMFA6kNはクリアしてるだろうから大丈夫って言う理屈を知っててやってるからね。
使用する度に、幾つかのチェックポイントを毎回検査するからね。
そこにリスクが存在して、ソレを制御下に置くから使えるのだよ。
これからビロバはヘビーユースだな!
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