2021年7月25日日曜日

パラメータの対応

先日の仕事で、河川緑地と民家の間の狭い間で構造物も民地にも当てず、20m弱のミズナラを処理するタスクがあった。
結構高く育っているので先日の大風で激しく揺れて恐かったらしい。そして枯れ枝も落ちてきて(そりゃ多少は落ちるだろっ)隣接民地の煩方の屋根に枝が落ちて多大な危険と迷惑と被害?を被ったらしい。(スキ好んでこういう土地に暮らしてるんダロ!)
ココに住み見始めたときはそれほど大きな木じゃなかったろうし「緑が多く素敵な所ネ」ってココを選んだと思うが、樹木は人と同じように生きてるんだよ!そして自分と同じく歳月を重ねジジィになり樹も同じく生長し、それを一方的にジャマだから伐れっ!って、どんだけ横柄なんだよ。

緑地の管理行政からの依頼で〈伐倒〉する事になったらしい。その段階で行政に知識があれば、そういう施工にならなかったと思うけど、役人は住人から恫喝されるとすぐに「殺してしまえ」っていう結論を出す。
緑地を管理している行政なら、維持管理のための勉強を積み重ねろよ!って言いたい所だが、まあそんな事言ってもしようがない。
大きく張り出した樹間の枝は完全に民地上だし、そのままいい加減な業者がテキトーにやれば結構な損害賠償になるし、地域のうるさ方らしいから面倒だし、しかし現場はクレーンも高所作業車も入れない。誰も手を上げないから、我々が登って伐るんだけど、発注者ももう少しだけ賢くなったら?いいんでないかい。



まあコッチとしてはシビアなタスクで、
周囲もワーカーもセーフティな戦略で
どんなシステムにしようか?とか
ワクワクしてるんだけど。

並行して作業する木があるから、
まあ最初は通常のバッドリギングで、
屋根に架からないように、
シンクやスピアーやステップカットで
隣の木にホールディングして寄せて返して
スタティックな枝払いで処理する。

最後に残す1本までかえし返しで
最悪のシナリオにならないように
セーフティなツリーワークを目指す。
こういう時にスローラインの深化が伺える。
狭い範囲で確実に仕留めるためにスリックトリックを色々思考する。
投げるのがヘタクソで、ランチャとかに頼る人間の気が知れない。
ランチャは狙いが正確だろうけど、民地に挟まれた狭い土地でちょっと外れて煩いジジイの家の屋根にでも落としたら最悪だ。
素晴らしい道具だって、出来る事を効率良くするなら良いけど、出来ないコトを成し遂げる為に道具に頼ったらオシマイだ。
知り合いに自作ランチャ使っている人が居るけど、彼は投げるのもとても上手い。風を読んだり環境を意識したり、細かいサイト要因を読む。自然に従い己の知識と力量を制御する。素晴らしくコントロールされた使い方をする。でもその彼が紹介してるランチャを、簡単にマネして自作しちゃうオカシナ奴らが後を絶たない。
そういうオカシナ奴らが自慢げに空気圧ランチャとかを見せびらかすからオカシなことになる。だいたい投げるのヘタクソだから道具に頼るって本末転倒だ。

最近良く誘われるチームで、タスクをこなしながら徐々に新しい考えや方法を伝えて行く2~3年でこれほど善きチームに成ると思っていなかった。

出来る出来る安く出来るって虚勢を張って、命を削ってイチかバチか?の男らしい仕事をこなす奴らが滑稽に見える。
何処で虚勢を張ってるんだか?たまたま上手く行った仕事を自慢げに勲章にして営業するような奴らは、勝手にやってください。
このチームは最初は何も出来なくて、ワークショップに来てくれて、その後クラス1の考え方をベーシックな方法で組立てられるように成って、一緒にタスクをこなしながら新しい戦略を解説して、基本がしっかり有るから応用もステップアップもすんなり行く。
ワークショップでも「この最新の方法だけ教えろ」みたいな人が居るけど、教えても基礎が無いから、広がりがない。1つだけ上手く出来る方法を知っても、全てにソレは当てはまらないから、無理矢理になったり、何処かで見ただけの方法を簡単に自分で取り入れようとしたって全然巧くいかないよ。

基本が有るから余裕が生まれ、余裕の時間で新しいコトにもチャレンジできるんだよ。

目一杯で仕事してるから、余裕が無くなって新しいコトも覚えられない。

ひとつ一つがお粗末だから時間ばかりかかる。

時間が迫って手っ取り速く仕上げることばかり考える。

己の危険はを道具の安全率がカバーしてくれてるコトで仕事出来るって。

いつまで経っても進歩しない。残念!


現場でも余裕が有れば、YouTubeでこんなの見たんですけど、コレ行けるんですか?
じゃやってみよう!
ってことになる余裕も生まれ、
実践しても全てに当てはまる訳じゃないという事実を体験してもらい、
条件と状態が適切なら巧く出来る場合もある。ということを理解してもらう。

じゃあこの場合はどうしようか?っている学びとプラクティスが可能になる。

パラメータ(変数)の共有って、そんな難しいことじゃなく、行うオペレーションの目的はチームみんな一緒なので、でもそれは地上で考えてプランを立てたことで、実際その計画で登ってみると、樹上では事前には判らなかった向きや揺れや角度があるため、良好なポジションが変数として出てくる。
クライマーが登っている間、地上では巧く行かなかった場合の他の作戦を予想し、
樹上では計画通り進めても思った通り動けなくなっていたら、
すぐにセカンダリプランを提示してあげるってことだと思う。
地上ではクライマーの状況を確認して、すぐさま違うアイデアを提示してあげられることだと思う。そこで「何やってんだ」とか言っちゃうと、クライマーは余計頑張っちゃうしから「大丈夫?」って聞いたらほとんど「大丈夫!」って答えることが多い。
計画通り進んでないのだから地上で予測出来なかった変数が必ず有るはずである。
チームとして綿密に計画していても、樹上に行ったら巧くいかない状況なんだから、セカンダリプランを提示してあげてクライマーが選択できるようにしてあげる。
ソコを早くしろ!とか言ったらおしまいだ。ますます危ない方向に向かう。
地上では必要になりそうなシステムの準備や、スローラインを投げてセカンダリにスムーズに移行できるように準備することがまさにパラメータの共有だ。

クライマーが何やってるか判らない地上はボーっと眺めてるしかなく、まさにチームで仕事していない。現場で1人しか動いてない。そしてどんどん危険に向かう。
客体的に考え、自分だったらアソコで動けなくなってるんならこうした方が良いんじゃないの?っていうアイデア提示とセカンダリの準備を事前にやっておいて、すぐにシステムを移行できるようにしておけばクライマーは納得しやすい。地上の準備は80%くらいは無駄な作業になるけど、クライマーに余裕が生まれる。

だから地上は片付けの作業員ではなく、一番知識を持ってるクライマーである必要がある。もちろんそれもレスキュー対応も含めてのこと。

タスクのセカンダリに対応する準備と、先を読んで刻々と変わる状況に対応できる必要がある。それが地上が対応するパラメータの対応。



吊り降ろし作業の基本はグラウンドがc
ポータラップでピーク力を相殺して、
クライマーのセーフティを担保する。

伐り方も、樹上と地上で相談して
細かなパラメータを共有し合ってから
オーバースペックでピーク力を見積もって
動きを見ながら指示し合って
オペレーションを開始する。

小さな軽いモノから、基本に忠実に。
グラウンドの指示を100%信じてるから、
クライマーは恐くないから、
時間も効率も段々良くなる。


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