2015年2月18日水曜日

穂別の大ミズナラ

いつも楽しませていただいた穂別の大ミズナラが先週末切り倒された。
色々思う所もあるのだけど、不甲斐無さと憤りでモヤモヤしている。

元々ここは林業が盛んな町で、先住民も入植した先人も、集落を見渡せるこの巨木を残すことにしたのだろう。


これだけの立派な樹は、
大方しめ縄が巻かれてることが多く、
運良く(運悪く)百名木のような指定も受けず、
許可を取れば自由に登って遊んだりできたのだ。

確かに昨年はしっかり水を
上げられなくなっている枝があり、
一部の枝は展葉が小さく元気がなかったし、
枝張りも風の影響を受けそうな感じだった。

詳しい事情は判らないが、
この樹の下には1992年に
ここに移設された施設があり、
その屋根に枯れ枝が落ちて被害があったようだ。


しかし、行政が枯れた枝の撤去や手入れの方法を考えたり、調べたり、財産を守るべく巧く立ち回れば、何も伐倒しなくても良かったと思う。
自分ではこの樹がそうなる前に会いに行きたくもあり、(自分がどう頑張っても行政の決定は覆らないだろうというあきらめから)会いたくない気持ちもあり、本当に複雑だった。
アーボリストとして高所伐採の知識や技術はなかなか伝えることが難しく、ましてなにも肩書きも実績もない身としては、なす術もなかったし、そういう行動に出なかったのが今になって本当に後悔している。
行政の悪口を言うつもりもないし、どっちかと言うと自分の不甲斐無さに落胆しているのだけど、「町が持つ森林の歴史を大きな財産として、大自然とともに生きた先人の情熱と汗の継承とともに、森を活かし育てる思想を育む。」とか言いながら、20年ちょいのインフラを守るため、江戸時代から残っていたミズナラをバッサリ逝ってしまうのは、どうかと思う。


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