私がビッグショットを好んで使わない理由は、あまり必要を感じないから。
ビッグショットの要件は「手投げでとどかない領域へのアプローチ」で
最初にレクチャーを受けたとき「ヒジが地面に着くくらい引け」
そうすれば40m位は上がると...
しかし私が使う場合ゴムの強さに負け、せいぜい30m位までしか上がらない。
あと5cm引けばもっと上がるといわれるのだが、
無理矢理引くとプルプルしてコントロールがつかない。
屈強な消防士とかは、ポールでコントロールするのではなく、
引いたゴムの方を移動させてコントロールする。
そんな腕力はないし出来ないし、ヘッドに当たってしまうことだってある。
5m程度まではロープを直接投げた方が良いし、
22m位まで手投げでいけるし、そこから上はビッグショットになる。
現実的に22m以上のアンカーは少ないし、
あっても現場までデカイ図体を運ぶのが億劫だから繋いで登ってしまう。
レッドウッドとかに行く場合は別だろうが、
そうした場合はきっと屈強な仲間がいるので自分でショットすることはない。
故にビッグショットはそれほど積極的に使わないし、
その分手投げのトレーニングを積む方が性に合っている。
しかし、先日知り合いからパニックスナップなるものを頂いた。
ビッグショットのトリガーに使えるというもので
会社で使わないものを整理してたら出てきたらしい!(なんかスゲェ会社)
その方はビッグショットを持っていないから私にくれるというのだ。
私は講座以外でほとんどビッグショットを使わないし
トリガーシステムにもあまり興味がなかったのだけど、
こういうキラキラしたものを戴くとムクムクと好奇心がわいてくる。
一部巷で話題になっているので、いろいろ調べてみると、
皆さんいろいろとトライアルされていて、試行錯誤している。
自分で必要な条件といえば、ヒジが着くまで引けること、なので
それを補うのはやはり倍力を組んだモノになる。
ツルベで倍力を組んだものがあったが、アンカーがフィックスされている。
ただでさえゴチャつき重くなるのは好みではないし、
結ぶのも解くのも簡単なノットの方が性に合っている。
そして出来れば3倍力を組みたいなぁと...
いろいろ考察していたのだが、ビッグショットのゴムは思ったより強く
なかなか満足いくノットが見つからなかった。
ダブルやトリプルのコンストリクター(テンションが分散されてダメ)
プルージックやシュワビッシュの巻き数を増やしたり、
ヒッチ系をいくつか試したが引く時に一瞬荷重が抜けるからズリやすい。
やはりチョーク系のノットじゃないとといくつか試したが
引かれる方向と荷重の関係が今ひとつ案配が良くない。
「いいアイデアが
生まれないときは、
部品を握って一緒に寝る」
という私の先生の教え通り、
ロープの切れ端を絶えず
持って歩きしばらく
何も考えずいじっていると…
いいアイデアが生まれた!
エスキモーブーリンをリトレースしてリングを二重にする、
いわゆるエスキモーブーリンのヨセミテ的なアレンジ状態で、
末端をさらにリトレースしてワンバイト作り末端同士を結着すると、
アンカーもできるし、ラチェットプルージックも同時にできる!
倍力もツルベじゃなく3倍にできる!
アンカーとプルに交互荷重するので解けにくい!理想的なノットになった。
「ダブルエスキモーブーリンウィズアバイトリトレースループ」
いろいろ探った範囲では見あたらない、オリジナルのノットになった。
シノニムを作ってしまう可能性もあるが....
さらにパニックスナップにはハンドルがないので、
ソコにもダブルエスキモーブーリンループでハンドルをつけ
ダブルエステロン5/8の末端をちょいと使い、握りやすいようハンドルにした。
パニックスナップのスイベルにフィギュアエイトで固定、
延びてくるロープをビッグショットのポールエンドの
(例のブーリンのワンバイトにマイロンを噛ませ)アンカーに通し、
引き側強めの4on3のプルージック、
(4on3やon2にするとマインドプーリーじゃなくてもマイロンで代用できる)
戻ってパニックスナップのスイベルに通す(本当はもう一つマイロンがよい)
末端を引くと理屈上の3倍力になる。
軽いことやシンプルにすることも目的なので、敢えてプーリーは使わない。
それでもヒジくらいまでは余裕で引けようになった。
パニックスナップのハンドルを引いたとき
ビッグショットのハンドル(布の握り)だと
上手く外れないことがある。
なので、ビッグショットのハンドルに
マイロンを掛けた。
実値テストで30本くらい飛ばし
アベレージで40mは軽く上がる。
そして一番感じたメリットは
上空で風の影響を受けにくい。
初速で直進性がイイから
上でもブレにくいのかなぁ。
クニャっとなることがない。
話は違うが、以前、パンタンは楽だけど、正直メリットを感じなかった。
ハンドアセンダーをフットループ代わりに使う方が良いと思っていた。
スプリットテイルシステムは出来るけど、さほどメリットを感じなかった。
でも、ちゃんと登行や移動や使い方が判るとパンタンが必要条件に変わった。
ただ楽なだけじゃないんだ!っと。
少なくとも自分は「楽」という理由だけで触手を動かさぬよう心がけている。
それがセーフティでスピーディでローコストなら言うことはない。
ビッグショットも本来の使い方が出来ないから有用性を感じなかっただけで、
今まで自分では不可能と思っていた40オーバーも夢じゃない。
またひとつ屁理屈捏ねたバカの壁を越えた感じ。
初めてビッグショットにメリットを感じました。
作業時間の短縮では使わない。アプローチ難なアンカーを狙うときに使う。
低いところでもコレに頼ってしまいそうな自分は戒めないと....
プルージックと
ロープの関係を変更し
倍力ロープを、
7mmに変えると
ますます調子よくなった。
いやぁ、本当にパニックスナップをありがとう!
貰わなかったら手をつけない領域だし、
貰ったからにはちゃんとやらないと失礼だし
でもちゃんと知るとまたひとつ他の可能性も見えてくる。
私の場合こんな感じになりました!
ビッグショットは大変危険な道具です。事故も起きます。
ココに紹介するのはあくまでも個人の範疇で、ノットの機能とか使用限界とか
At own your riskでお願いしますねぇ〜。
2 件のコメント:
明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。
なんかいい感じですね~
いいもの見つけたら、また持って行きますね。
あけましておめでとうございます。
いや〜、やり出すとハマっちゃうものですねぇ。楽しかったです。
これはけっこうイケてる方法なのかも知れません。今度打ってみてください。
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