今年の冬は例年にも増して雪が多い。
作業的には疲れてウンザリするが、ココに住んでるからには雪かきを楽しみたい。
以前に北海道でも有数の豪雪地帯にある記念館に勤めている和歌山出身の友だちが居て、彼は雪かきする為に学芸員になった訳じゃない!ってボヤいてた。
そうだよね。毎日雪かきしかしてない学芸員って、意味が判らない。
でもココに住んでるならもれなく雪かきが付いてくるから、楽しまなきゃって言った。
とても重労働だし、毎日毎日だし、
完璧にやっても、翌日は元の木阿弥だし、
生産性がない作業だから、辛いと思う。
辛い作業で本来の目的と違ったら、
イヤになるのは当然だけど、
風土に合わせて生きるとすれば、
受入れて楽しくするしかないと思ってる。
お、今日もまたいっぱい降ってるね!
喜んで!戴きます!って
今日はどんな料理にしてやろう、と
結論ありきじゃなく過程を楽しんで。
なにも最初から完璧にするこたぁ無い。
出来るとこから楽しみながら始めて
徐々にクォリティを上げていけば良い。
例えば上に立つ人は地元で何十年も生きてるから、小さい頃から培った知識と技術があるから、除雪に関してはプロ並みかもしれないけど、暖かい所出身の人に対して自分と同じクオリティでヤレって時間切ったり、自分が出来る事をさも当然のように要求するのは、戴けない。そして自分もハナっから結果ありきで完璧にやろうとするから、疲れるし、巧くいかないし、時間かかるし、あ~俺何やってんだろう。って思ってしまうんだよね。
そして、オレが出来ることがなんで出来ないんだ!って言ったりする上司は、客体的に成れない頭の悪い人だよ。いや~〇〇さんは凄いですねぇ、私には出来ないです。流石です!とか言って、そういうトンチキをバカにして真に受けないでやり過ご方が良い。
最初は過程を楽めるように、楽しみを見つける努力をする方が良い。
竹ホウキだって、ジュウノだって、ジョンバだって、ママさんダンプだって、プッシャーだって、ソレ相応の使い方がある。
除雪機だって、ボブキャットだって、ホイルローダーだって、ソレなりの使い方がある。
腰を屈める道具には効果的に使う姿勢がある。
身体を軸にして回転運動で効果的に使う姿勢がある。
ただ押すのだって体幹を巧く使う腰の入れ方がある。
手道具を上手く扱えないで、いきなりホイルローダー乗ったら、そりゃ巧く行かないよ。
うちの前の道路の除雪も、同じ業者の同じホイールローダーが来ても、オペレータによって除雪の時間も質もまったく違う。ソコに生活する人の後々の手間を考えて除雪する人と、除雪は面倒なイヤな作業だけどカネをもらう為に仕方がないと思っているヤツでは、そのヤリ方がクォリティが全然違う。
マシーンを操作するだけでは、楽しい仕事にならないよ。
街中のマンションの玄関を除雪する人間をみたら、ああ出来てねぇなって思ってしまう。
除雪が嫌いで、イヤイヤやってるんだよね。
除雪が大変だからマンションに住むんだよね。
でもマンションでもその風土に合わせたら、イヤでも雪が降るからね。
なんか手ノコを巧く扱えない輩が、片手で枝に掴まって、トップハンドル持って、片手伸ばして、無茶な姿勢でテキトーな作業してるのと同じだな。
手ノコで効果的な姿勢を作るってのが、タスクを楽しく効果的に扱う基本だと思う。
昔、アメリカに研修に行ったとき、集合場所の公園で待ってたら、ハーネス履いたメキシカンとかプエリトリカンが集まってきて、ワイワイ皆で指差してレーザポインタで楽しそうに打ち合せしていた。暫くするとMEWP高所作業車がやってきて作業が始まった。
その後研修が始まり移動しちゃったけど、研修後にはまたその公園で解散だった。
帰ってきたら、ブロワー吹いてる人しか居なくて、あれっもう終わったんのかな?でも見た目にその1本のカシの木は何も変わってないや。でも道路の削りカス吹いてるし、ってよ~く観てみたら、ちゃんと剪定してるのね。
気持ち良く樹形を守って、透かして剪定してるのね。伐り口に癒合剤塗ってるから見た目に判らなかった。作業員が8人くらいで1本しか出来ネェのか!って思ったけど、
木の形がカッコいいのね。
枝を切り落す事じゃなく、街をカッコ良くするっていう自負があるんだろうな。
一緒に観ていた師匠も、彼らが頑張ってくれるから、この古い街は維持されてる、リスペクトするべき存在だって言っていた。
みんなが皆この美しい街を愛してる。
本来、街路樹は街の景観を良くする為に植えられるんだよね?
剪定はその景観維持作業だよね?形を整えるのが目的だよね?
皆が気持ち良く、街が美しくなるように植えられた木を、美しく整える作業だよね?
作業員は、そんな事考えてないかもしれないけど、自分の住んでる街を気持ち良く整える素敵な仕事だとプライドを持ってタスクをこなして居るんじゃないかな。
剪定は邪魔な枝をただ伐るだけじゃなく、街の景観を維持する心意気を持ってほしい。
プライドが有ったら、いい加減な施工はやらないで欲しいし「俺がこの街をカッコ良くしてやるゼ」っていう心意気を持ってほしい。自分の仕事に自信を持ってほしい。
日本では全然違うけど、あのアメリカの田舎町のワーカーは、多分発注者もその作業に景観維持の意識があるし、適切な発注やタスクをこなせる企業に依頼していると思う。
特にいい加減な輩が多い北海道は、コッコーショウとか開発局が、そういう意識を持ってないから、それにぶら下がる企業も「伐ればイイ」って業者が儲かるシステムだな。
車で道路を走ってても、ちゃんとした街路樹を見かけることがあまり無い。
飛び飛びに空いた浸透升や、ライオンズテールに成るであろう幹しか残ってないボッコの幹とか、明らかに受けてない樹皮がめくれた伐り口とか、走っててイヤな気持ちになる道路が沢山ある。
街の景観維持なんてこれっぽっちも見受けられない。
街路樹の意味があるのだろうか?
だいたい街路樹に相応しい木も植えられてないけどね。
文句が来たから、もう文句言われないように、手っ取り早くバッサリ逝くんだろうな。
業者だって景観を求めてない発注者なら、仕事が早く終わって儲かるように、バッサリ逝くいい加減な仕事になっちゃうんだろうな。
発注者だって、施工前中後の写真だけで判断するんだろうは。
少なからず街を愛している人は居ると思うが、思いたいが、
実際は行政も企業も作業者も市民も街を愛してないんだろうね。
そんな街で育った子供は、街に美しさを求めないだろうね。
美しい街を意識することは無いだろうね。
人工的なテクノロジーとかしか見えてないだろうね。
人工的な匂いを出してVRを使った森林浴とかしちゃうんだろうね。
美しい街の景観を維持しようと思ってないヤツが、思ってない儲け主義の業者に発注し、
作業を楽しいと思わない人が、美しい街を作れる訳がない。
除雪も剪定も、一度に完璧に美しくなんて出来ないよ。
楽しいタスクをこなしてたら、そのうち美しい仕事になるんじゃないか。
普段から美しい仕事を心がけてないと、楽しいタスクに成らないね。
美しくなるように心がけて計画して、タスクを現場で修正しながらやらないと。
第一の計画が片付けだけなら、伐れば良いだけだからね。
それが街を美しくするために必要なタスクなってないんだろう。
美しくするっていう計画を立ててないと、その場限りの面倒くさい作業だし、危ぶねぇ作業でも事故にならなかったらラッキーって、間違った作業慣行の経験則だけでいい加減な仕事を続けるんだろうな。
ただ雪かきしてても、そんなコトを考えてしまう。ビョーキだね。
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