2020年4月22日水曜日

自分の為の危険回避

日本のロープ高所作業特別教育に対しとやかく言うつもりはありません。
ただソレで自分や仲間の安全が保証されるという幻想を捨てた方が良い。
JVなどで入札のためにマストな法規は守ればイイと思います。
ただ、それを真に受けて実作業で取り入れるのは作業者にとって危険だと私は考えます。
まあ、電工屋の道具を使って人工物に登るなら良いのかもしれないけど、
第一電工屋の道具を木の上では使えない。っつうか使うことを前提としていない。
だから木の道具として確立された外国製を使うことになる。
ENやANSIの道具を使って作業を行うならば、ENやANSIの規格に則った方が
より危険を回避できると考えているからです。

特にツリーケアの場合は、相手が自然だから、
インダストリアルな強固なアンカーが有る前提の考えは、なかなか当てはまらない。
単にロープアクセスと一緒に考えてもトンチンカンチンでチグハグでアンポンタンです。
仕事を受注する上で、日本の法規には準拠していても、
自分の危険回避は別に自分で構築する必要がある。コレが今の日本の実態だと思う。

日本の法規で決まってるからと言って、無理矢理拡大解釈をして、
ロープ高所作業特別教育(樹上作業)なんて唱ってるヤツは恐ろしいので止めた方が良い。
バカな木こりを騙して儲けようとする輩に賛同する必要はない。

最近は楽天でも買えるテキストとかあるけれど、びっくりする程イカガワしい。
ワークポジショニングやワークレストレインやフォールアレスト
メインやセーフティが都合良くその都度行ったり来たり、もう意味が判りません。
メインとセーフティが有って、
それ以外にワークポジショニングのような動くための
第三の何かが存在しなければならないはずなのに、
ワークポジショニングが都合良くワークレストレインになったり、
フォールアレストになったり、ひどいのはセーフティになったりもする。
日本以外ではセーフティは独立したフォールアレストだからね。
だからセーフティラインて呼ぶんだよ。
道具の紹介とかも、カタログ的で、規格自体が載ってる訳でもなく、
何に使うか?何をやっちゃアブナイか?すら判らない。
道具には条件があるからね。
本当は判ってて確信犯的なヤツなのか?何にも知らないでイケシャーシャーなのか?
何〜も知らない人間は、やはり立派な看板に引き寄せられるようで、
一旦信じたらなかなか考えを変えようとしないヒトにも会ったけど、
日本はこういうのがまことしやかに一般化して益々ガラパゴス化して、
事故も一向に減らない、ってのは黙ってられないよ。
自分の身は自分で守る必要があるよ。
へなちょこな資格を持って、一流な顔されても、事故は減らないよ。

少し判っている人なら、チェンソー安全講習を受けても
現場で活かせないことぐらい気がつくと思うけど、
世の中には安全講習受けたからコレで私も森でチェンソー作業が行えるって
思っている手ノコも使ったこと無い様なネイチャーおばさんとか沢山いるよ。
そういう人がエンジン付きってどれだけ危険か知らないだけだけど、
それと同じで、チグハグな特別教育受けても樹上作業なんで出来ませんよ。
アーボリカルチャー=特殊伐採じゃないからね。
アーボリカルチャー(木の栽培・管理・研究を推進)する人がアーボリストで、
木に登って伐る人がアーボリストじゃないからね。
どうもツリークライミングできれば今日から俺もアーボリストみたいな人が居るけど
残念ながらほんの数日ではアーボリストにはなれないと思うよ。

ISAは、International Society of Arboricultureだから、
いわゆるその名の通りソーシャルなネットワークです。
メンバーになれば優先的にコンテンツにアクセスできて、
製品の割引や教育上のメリットを享受できる事、
「成長の機会を提供し、ニーズ・目標・樹木栽培の専門職を推進することに関心を持つ
他の専門家とつながる」ことが目的で、共に学び、共に成長する団体です。
単なる資格発給団体では無いし、
その資格だって栽培・管理・研究に役立つ知識ではあるけれど、
樹上伐採に特化した作業者のソレではありません。
本当の意味でアーボリカルチャーをソーシャルな形で共有するための組織ならば、
「アーボリスト」を商標登録して「商売」としてクローズにはしないと思うし、
ソサイエティ広く共に学び、共に成長する目的なら商標にできないと思います。
まあ、エラそうな組織メンバーだから安心みたいな、チャンとしてる的な、
幻想と言うかマヤカシでは自分の危険は回避できないと思います。

私はロープ高所作業特別教育も受けてないし、
日本では仕事で正規に樹上作業を受注できません。
モグリです。
ただ日本の法規では作業者の安全は担保できないと思っているから、
そんな法規を守ったら、普段から言ってるコトが覆るから。
作業者の危険を回避できるのなら、その考え方を伝えていこうと思っているだけです。
会社の方針とかそんなことどうでも良くって
自分が自分のための危険回避の考え方を知りたい人に伝えてるだけです。

私の根拠はまた後ほど。

*文中の「アーボリスト」「ツリークライミング」は商標登録されている日本の権利を侵害するものではなく、世界的に流通する語句の、Arborist, tree climbingを和訳した一般名詞です。

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