2020年10月14日水曜日

国民の財産の保護管理?

今年始めの冬に自宅そばの防風林の樹上で、風を受けやすい所だったからか、枝のモーメントが一番かかる幹の根元が裂けて、完全に離れず隣の木の枝に架かった7m程の大きな架かり枝があった。いわゆるハンガーブランチ。その下は地域住民が通る近道でそれなりの往来が有る。架かられてる隣の木が揺れて、外れたら落ちる可能性が大きい。
通る時上を見ながら気を付けていたんだが、半年くらい後の夏場にその辺りの誰かが気がついて、おそらく町に連絡して、国に連絡が行き、林野庁が対応したと思われるが、ただパイロンを立てただけの進入禁止にしていた。
そして住民も足元にあるパイロンは見えるが、樹上は見ないし、パイロンが置かれるまで意識もしてなかっただろうから、そこから始まった危機管理。
今さら?って感じだったが、まあ危険を承知して対策をとるには遅すぎるね。
高さ12m程の樹上は誰も見ないし、根元から折れてるのも気づかないし、夏場枝が生い茂ったとき枯れ枝に気がつくのが遅かったし対応も遅かった。
そこから剪定作業の競争入札が始まって、作業が始まったのが昨日。
その気になれば、登って吊ってその折れ枝だけ片付ければ2人で半日で出来る感じ。
ボランティアでやってあげても良かったが、何しろ防風林は国有林だから、国民の財産だから勝手に人が手を入れると器物損壊とかで逮捕される恐れが有る。国民の財産は勝手に手をつけちゃいけない。国民の財産は兎に角大切に扱わないといけないし、枯れ枝以外の充分に生きてる他の樹を傷つけちゃいけないし、高所を入れるには土地が狭いしヤワだし、クレーンなら脇の町道からいけるのかな?何しろ国民の財産は生きてる樹を傷つけちゃいけないので、どうするのかなぁ?って思ってた。

その作業をどこかの業者が入札で手に入れて、作業員が6名で人が通る狭い道に鉄板引いて無理矢理高所作業車を入れて昨日始まった。

まずは下草刈りで辺り一帯を刈り払って、
作業に邪魔になる活きてる木の枝を
高所作業車のゴンドラから
バッサバッサ切り取ってた。

もちろん身体保持器具(胴ベルト)と
ショックアブソーバがついてない
フックだけ腰に着けて
ゴンドラに確保もせず
身を乗り出して伐っていた。

もちろんトップハンドルチェンソーを
片手で持って身を乗り出して、、、

ワークレストレインなんてしてたら
作業の邪魔だし、
チェンソーは刃が届けばOKだし

モノ凄くツーカーな作業員だから作業全体の
行程も施工方法も全て承知済みだろうから、
一切の段取り確認とかないまま
いきなり始まるし、
インカムなんて付けてなくても、
作業員全員が意思疎通できてるから、
刈り払い機の人や落ちてくる枝を片付ける
人は上なんて見ずに作業を進めるし、
高枝鋸で伐るヤツは
上から落ちてくる枝なんて気にしないで
手当たり次第だし、
地上の作業員は全員こがるくんだし、
トップハンドルチェンソーは
片手で簡単に切れるし
誰も手ノコなんて持ってないし、

人なんて滅多に通らないから
交通監視なんて要らないし、
パイロンも立てておくだけで
繫がなくても誰も入ってこないし、

このおじいちゃんは知り合いで
何時も通っている道だから
平気でパイロンの中に入ろうとしたから
今行くの止めた方が良いって止めたけど

通行人なんか誰も何も見てないし
結構な高さから下の片付けなしに
バンバン落とすから跳ねて飛んで来る。

上から落とした柔い枝が下で跳ねて
刈り払ってた人の横をビュンっと
飛んできても、アブねぇで済ますし
どうやらヤバい枝だけ降ろして、その後の経過を観察するっていうんじゃなく、発注は、今後伸びまた何度も手を入れるのは面倒だし、また文句言われるのイヤだから、その周辺一帯の剪定なんだろうが、急激な環境変化は地域住民にとって必ずしも好ましくなる状態にはならないと思う。
ここは特に基線川添いに、風雪が吹き込む場所なんで冬は雪が大変になる。
国民の財産だろうが、周辺住民の生活が煩わしくなろうが、文句言われるのイヤだから、管理してる官庁は一帯全て今後問題になりそうな枝を全部払う。
払い方だって今後どういう育成になるか?などはおかまいなしに、見事に無惨にカッコ悪く剪定された。
周辺環境の自然的な風当たり何か無視して、住民の風あたりだけを意識しての作業だな。
進捗を見ていても「あ〜スッキリして良かったね」という人もいれば「風や雪が厳しくなるだろうから必要ない所は刈らないで欲しい」「ここにはクマゲラがやって来るのに来なくなってしまう」「風通しが強くなるから外壁が傷む」「自然を守りたい」とか、もう自分勝手なことを言う人ばかり。
受注した業者だって上からいわれた事を粛々とやってるだけだろうから、現場の人に意見したって始まらない。そういう意見を聞くのだって官庁の仕事なのだろうけど、現場に居ないし、議員に恫喝されたとか、形だけ一部の地域住民の危険を考えての施策だとか、文章的に問題にならない手配なのだろう。
誰も得しない。

「国民の財産」なんて意識は行政も官庁も監督者も無いんだろうな。
活きてる枝も枯れてる枝も関係なく、作業の邪魔なら切り落とす。
それは国民の財産なんだよ〜。保護管理されている森林なんだよ〜。
そこを管理をする官庁が許可した伐採だから問題ないのかな?
その対象は手入れした方がイイけど、回りの活きてる木は伐採対象と違うと思うが、
作業の障害になるから認められるのか?
登って静かに吊って伐れば対象だけ降ろせる方法も有るよ。
でもそれは日本の法規とは合致してないからか?
他の活きてる木は手を付けなくても出来るし大きな環境変化にならないよ。
作業員の危険回避も出来るよ。
国民の財産を保護管理する為にはそういうツリーワークの方法も有るよってことを知らないだけなんじゃないか?
その作業を管理する官庁は頭良いんだろうから、良い大学出たエリートなんだから、働いてからも勉強すれば良いのに「保護」とか「管理」っていう方法論だけで、知識も技術も進化することすら判ってないんだろうな。
登って静かに吊って伐れば対象だけ降ろす施工はカネがかかるからか?
でも回りの関係ない木や枝を傷つけるってことが、国民の財産を保護管理することには成らないんじゃないか?

第一行政も官庁も監督者も居ない現場ってどうよ。保護管理してる事になるのか?
前に宮の森の庁舎に行ったけど、新聞読んでパソコンいじってハナクソほじって、どう見ても仕事をしている風には見えないオッサンがいっぱい居た。立派な庁舎にかなりの数が居た。壁にはシミや汚れの無いピカピカのヘルメットや持ち手も汚れてない使った形跡の無い新品同様のスコップや長靴が並んでいた。汚れたら税金で新品を入れ替えるのか?
実質この広大な国民を財産を管理する、現場を走りまわる人は1名だ。おそらく南北に80km程のエリアに1名だ、手が回んない。この人に相談があり地域の端っこにある事務所に行ってもなかなか会えないつかまんない。でも庁舎には訳の解らんヤツが沢山いる。
相談だって、片道40km程を何往復も繰り返した、手続きは本当に面倒くさい。本庁に行き〜担当現場に話を伺い〜許可を得てからまた本庁に行き書類を貰って〜また本庁に行きハンコを突いてもらって〜現場のサインをもらって〜やっと本庁に許可申請が出来る、そして申請許可が下りて更に本庁に伺って書類を貰う。
何度も本庁に行ったが、数十日間で数ミリしか動いていない人が居たぞ。

施工前・中・後の写真さえ撮っておけば、それだけで行政の担当者や官庁の役人や監督する人は納得するのか?作業者が怪我やトラブルさえ起さなければ、多少法規に合致していない作業しても写真だけで評価されるから問題ないのか?

早く終われば雇用主もそろばん叩いて喜ぶし、オレらが怪我やトラブル起さなければ、多少法規に合致していない作業しても写真だけで評価されるから問題ない。
実際に作業する内容はお前らの問題だから「安全にヤレ!」って言って正しい行いを提示さえすれば、それに準拠するのはお前らの勝手だと思ってるだろうし、ロープ高所作業やチェンソーやフルハーネスや高所作業車運転者や玉掛けなんかの様々な特別教育も受けさせてるし、道具も買ってやってるし、それを使うのはお前らの勝手だし、国に言われた事を守っていれば労働者から訴えられない。

危ない作業を安全にヤレっていう机の上で考えた、だいたい作業の本質なんて関係ないし現場に則してなくたって都合が悪くたって、コウやれば安全だ!っていう良い見本だけ提示しておけば事故は減るって思ってる偉い人は、頭オカシイだろ!
そういうブルーカラーの奴らはホワイトカラーのオレたちの為に命をかけろ!ってこと?

労働者も命かけて仕事してることなんか、安い賃金で命をかけてること自体意識がなくなってるんじゃないか?自分が危ない作業をしていること自体麻痺してるんだろ。カネ稼がなきゃなんないから安い労働の数をこなす必要があり、何日も休みなしに朝から晩までドロドロになって働く。勉強やプラクティスする余裕なんて無いよ。
それを続けていると、ドンドンリスクも高まる。疲れが堪って注意散漫になる。何時も出来ることがチョンボでミスする。気を引き締めないと危ないのは判っちゃ居るが、カネも稼ぎたいし身体も楽になんないし勉強する時間もない。

ドンドン悪い方向に向いてる、バットスパイラル。
それじゃぁ事故なんて減らないよ。
日本の森林は保護管理できないよ。

国民の財産の保護管理?ダセェ!
値段でしか判断しない行政ダセェ!
ダセェ方法しか知らない管理者ダセェ!
それでも受注する雇用主や道具や重機を販売するメーカー、ダセェ!
ヤンチャの作業を受け入れる作業員ダセェ!

私は少なくとも危険を回避する作業員を増やしたいね。業界の行動規範に沿った自分の身を守る作業を広めたいね。そういう目的でワークショップをやってるからね。
儲かる早い命がけのヤリ方を伝えてる訳じゃないからね。

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