2020年4月26日日曜日

ツリーケアオペレーション


これまで経験値は全然少ないけど、
様々な樹上作業に関わってきた。
僕は林業屋でも造園屋でも無いし、
単に遊びの木登りから始まった
からだからかも知れないが、
多くの作業は費用対効果だけか?
早く片付けないとダメなのか?
どうして?
あんなヤンチャな命がけ作業を
イケイケゴーゴーに出来るんだろう?
常々思っていた。
そしてそういう漢儀溢れるやり方は
派手でスゲェって思う輩が多いが、
仕事としてちっとも魅力的じゃない。
カッコ良くない。もとい、ダサい。
それに絶対に効果的じゃないぜ。
僕が考えている危険の少ない方法は、現場を見ている施主さんも納得して、見ていて危なくないので安心だと言ってくれる事が多い。
施工前に、要望の目的を現場でしっかりと打ち合わせ、コトよっては、施主が考える仕上がりには成らなくても、互いに納得できる提案も出来る。枝や太くなった幹が邪魔で、落ち葉等の手入れも大変だからバッツリ伐るって言うよりも、透かして樹形を保って剪定した方がアバれなくってイイよとか、高所作業車使ってヤンチャな剪定を見慣れてるのでボッコにしちゃうけど、アトでそこから元気よく細っそい枝が噴くからアトが大変だよとか、アドバイスできて双方了解して作業に移れる。
仕事は主に、結果が見えなくなると言うか、対象木を無くしちゃう事が多いけど、施主に「生きてるものを人間の都合で殺すのは好きじゃない」とか言うと、案外納得してくれて、不自由な所を取り除いて、木も活かせて、施主も我々も納得できる事が多い。マイナスをプラスにできると思っている。それがツリーケアだと思っている。
全てじゃないけどね。

しかしいわゆる公共事業とかの多くは入札だし、マイナスをゼロにするだけの仕事が多く、施工後に直ぐにマイナスに向う。発注者にツリーケアの知識が無いから、従来の方法でしか発注にならない。そして主に価格競争になる。そして作業中に発注者が来ないし見てない。発注者は、施工前・中・後の写真でしか判断しない。というか出来ない。
また、作業者も施主に見られてたらやり難いとか、鬱陶しいとからしい。見られてマズい仕事なら、最初からダメだと思うが。

僕の現場でもよく別の発注者の方が見学に来られるが、そんな人もYouTubeとかで見たドスンバタンという方法を期待しているのか?面白くなさそうだし、やたら段取りに時間がかかるので、ヤになって帰っちゃう。そして彼らが考える大きな作業が始まりそうな時間に再度来るが、もうその時には完全に終了している事が多い。始まったら早いんだよ。
って言うかツリーケアの計画や手順を知らないから、時間のヨミも出来ないんだ。雑な作業をしても終わりさえして、施工前・中・後の写真があればOKなんで、どんな危うい作業をしても、そんなこたぁ知った事じゃないのだろうけど。
そのくせ事故は起きて欲しくないから、安全対策はどうだ?とか、日本の資格はあるのか?とか自分の責任回避のために作業に関係ない所でウルサイ。
作業は、責任回避じゃなく、危険回避だよ。
金額でしか判断されない仕事は、結局は作業員が身を削って、雇用主は痛くも痒くもない。そういう雇用主は自分で命がけで大変な仕事をすれば良いのにね。

僕は漢儀も無いし仕事に命をかけたくないんで、金額で判断される仕事は受けない。受けたくない。まず見積もりが甘いよね。甘い見積もりだから作業工期が短いくてその期間に仕上げなきゃならないから焦る。焦っていいことは無いよ。見積もりは雇用主じゃなく現場入りする全員でするべきだし、一番手慣れてないヤツに合わせた方が良いよ。
でもそんなことしたら時間が幾ら有っても足りないし、自分の思ったとおりに動かせば知識の無い作業員でもなんとかなるし工期も短くなるから見積もりも安くなると思っている。したがって作業員を危険に晒す。いわゆるバットスパイラル、悪循環ダネ。
見積もりが甘いんだよ。
雇用主自身はもちろん、作業員にも勉強させるか、勉強させる時間を作った方が良いよ。その方が工期は短くなるよ。
ノットひとつとっても、30秒かかることが10秒で出来れば、仕事は遥かにスムーズになるよ。計画をみんなで理解してボーって立ってるヤツが居なくなれば、仕事は遥かにスムーズになるよ。そのためにみんなで学ぶんだよ。失敗を繰り返してそこから学ぶんだよ。それがプロじゃないか?
どうしてもって短工期でヤッてくれって場合は、時間を貰う。生活の糧にならない場合は、知識の糧を増やしたい。そして現場で勉強するためにプラクティスを行う。レスキュートレーニングなんかもする。そういう作業中や結果を見て貰うと、だいたい納得してくれて、次に繋がるよ。トクバツじゃ無いツリーケアはあまり知られて無いだけで、見たら納得してもらえるよ。自分を安く売るつもりも無いし、偉そうだけど、そうしていかないと、いつまで経っても辛く苦しくシンドイ危険な仕事だと思われる。



以前に「ツリーリギング作戦の基本」
という本を作った。
基本の作業戦略を知った上で
次の一手に役立つものだと思っている。
これはコレで有意義な情報だと思うが、
しかしこれを眺めればリギング出来る、
トクバツが出来る、って思っている人が
余りに多い事実にブチあたった。

これだけじゃ作業にならないよ!
って伝えても、聞く耳持たないんだなぁ。
登ることと、姿勢制御や吊りシステムや
伐ることや解体し降ろすことことは
全く別だからね。
一緒くたに出来無いからね。
登るだけ登って伐る以前に各自で各チームでヤルことがいっぱいあるんだろっ!って思うが、考えが安易だから、チェンソー使えるし、登り方も教わったし、道具も買ったから、特殊伐採が出来る。って輩が、事故るのはもう見たくない。
日本人は小器用だから見よう見まねで、なんかできると思っちゃうんだろうな。でも僕は不器用で力も無いし漢儀も無いけど、興味があるから、調べて勉強して、RR668みたいな海外の情報に行き着き、凄く納得出来て、そしてプラクティスを繰り返してただけです。みんなもそうすれば危険少なく作業が出来るヨ!樹上伐採は自分やチームの危険を取り除いてから行うべきだヨ!って言ってるだけです。

やっぱりスタートがちがうからかな?怪我したく無いモン、命かけたくないモン。気張らなくても出来るモン。仕事に目一杯力使って、シンドク辛い厳しい現場を乗り越えて、後に残るのは疲れだけだよ。その繰り返しじゃいつまで経っても仕事は安全にならないヨ。

そんなに難しいコトじゃないヨ。ただ僕はシツコイけどね。判らない事はとことん調べたり、馬鹿で覚えが悪いから師匠に聞きまくるし、一緒にトレーニングしている人と比べても力無いしプライドも無いから出来無いって言っちゃうし、でも僕はシツコイからね。

僕は、施主と良き方向を模索し、作業者の危険回避を第一に考えてます。雇用主や行政の方の多くはカネのこと第一だから。雇われで働いてる人は、雇用主のことだけ信用しないで、自分で勉強して、自分の身は自分で守った方がいいゼ。日本の法規の多くは雇用主を守る法規だから、イザとなったら誰も助けてくれないゼ。そんなとき信じられるのはチームと自分だヨ。自分が学んでチームで共有しよう!どこかで時間作ってちゃんと勉強しようよ。という訳で新しい本を作った。
自分でやっているコトを、ちゃんと評価しよう!失敗を無くすんじゃなく、失敗から学ぼう!そして難しいから軽く短いものからプラクティスしよう!

僕は何にも後ろ盾の看板もなく、
モグリの活動家のレジスタンスだし、
偉そうなことを言ってるだけけど、
そんな僕にも調べりゃ判ることは沢山あり
リギング以前に、
初見の観察診断や見積もり、
チーム全員で共有する段取り手順、
適宜応用できるシステムの評価、
危険の少ない方法選択と評価、
降ろす対象のピーク力、
そういうコトが、危険回避に繋がるよ。
ロールオーバー経験値だよ。
そのために勉強しようぜって話。
僕も全ては納得してないけどね。
軽く短い対象から日々勉強だヨ。
社長じゃなく、地球は嘘をつかないヨ。

興味があったら、どうゾ。


私のデザインの仕事は元々テレワークが多いし、サイトの長い仕事が多いので、自分で時間を作ってシツコク取組んだから、言えることがある。外の伐採作業とかはSARS-コビッド19もあまり関係ないだろうけど、こういう時だからこそ、軽く短い対象でシステムをじっくり勉強しながら理解を深めたり、外出しないで知識を貯めたり、疑問を解決したり、色々できると思う。一旦立ち止まって、自分の仕事も良き方向に向けやすいと思います。

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