先日ツリーイングT-3講座を観に行った。
自分的にはチンチクリンの小デブのジジィだけど、対局にあると言っていい軽量で手足が長い身体的特徴を持ってる若い参加者がいて、目的を全うする手段が全く異なるなぁと改めて実感した。
一応コウやればいいって言う感じで
アドバイスはするものの、
そんな必要ないとばかり簡単にヒョイと
目的のタスクをこなす。
一手も二手もショートカットして
次のタスクに移行できる。悔しい。
こと枝を動く、樹間で姿勢を制御する、
って言うことがそれほどスムーズに行える
身体的特徴ってこれほど顕著に違うんだなぁ
と思い知らされた。
彼のような人が知識を手に入れて
セーフティを意識した辻褄が合う動きを
できるようになれば凄い武器になる、
悔しいけど身体的特徴ってハンパねぇぜ!
投げたランヤードの末端が取れないから投げ方を工夫して…とか、足を交差させて…とか、一旦支えて体勢を作ってから…とか、枝が揺れるからバックタイを採って…とか、全く必要なく手が届いたり、軽いから枝の揺れが少なくいいポジションを直ぐ採れたり、こうとにかくこちらの思惑なんて関係なく動けちゃう。
でもまだ知識の一つ一つの整合性がなかったり、無駄な手順があったり、自分のシステムをまだ信頼しきってないから、逆に効率が悪かったり、始めたばかりだからしょうがないが、真摯な姿勢も好感が持てるし、吸収も早いし、納得しながら取り組むし、経験を積んで理屈をちゃんと理解したら善きクライマーになること間違いない。
今はまだいっぱいイッパイだから稚拙でやんちゃな部分もあるけど、こう言う人が知識と技術を照らし合わせて怪我しない程度にやばい危険な経験を積んで、ちゃんと修正して、自分がやれる自分のスタイルを構築できれば、私なんて足元にも及ばない。
あの身体欲しい。
ツリーイングT-1は、こうやりなさいって言う、失敗しないBe Safetyな考え方と方向性を提示して、いわゆる成功の事例を検定で1回だけ踏襲できればばOKだ。
最初の一歩としては全く難しくなく、インストラクターが自然の状態を見極めて、ココに架けてくださいっていうアンカーを採れて、あとは子供でもできるロープクライミングの方法を手順を追って行けば良い。国家試験のようなダサい成功体験が一度できればいい。
ツリーイングでは、自分の目的の為の自然の見方とか、その人個人の身体的特徴に合わせながら、セーフティを構築していけば失敗することはない。それはインストラクターが危険要因を排除しているからであって、技術的には非常に簡単に捉えられる。
技術的には誰でもできそうなイージーな遊びをこなせれば良いけど、でもその実T-1はイントラが事前に行なっているファクターの見極めを自分で行う必要があり、それがとても重要なソフトウェアの講座になる。
自然で遊ぶためには、一定の危険がある自然を理解するという気持ちが大切だ。
そしてT-2に進むと、唯一の正しい方法が唯一ではなくなり、いろんな方法があって自分に合わせてシステムを構築できなければ、ちっとも効率よく登れない。T-1で行ったBe Safetyをベースに他の危険に対してマネジメントする必要がある。
T-1で1回成功できればライセンスを貰えて、そこの段階で自然の危険要因を意識して居ない人はまず合格できない。インストラクターが言ったことを繰り返せれば合格っていうわけじゃなくなる。自分で考える必要があるし、他の真似をしても自分には合わないことが多い。器具を使えればいいってもんじゃないのだ。器具が自分に合っているかを見極め、自分で判断できないと、ちっとも効率よくならない。
私はT-1では120人中3人くらいしか脱落者を出していない。
不合格の3人は自分のモチベーションが尽きた人だ。
しかしT-2では、40人中5人も脱落者を出している。それは自分で考えない人だから。
そして最も楽しいT-3に進んでほしくない。
私はツリーイングの真骨頂はT-3にあると思う。自分のリスクマネジメントができて樹間を自由に移動できるようになるために、いろんな考えを知り、自分で工夫して自分のスタイルを見つけることである。使う道具がそれほど増えるわけじゃないし、しかし自分に合わせたシステム構成は星の数ほどある。それを見つける必要がある。
T-2までに1つのスタイルしか持っていない人は、自分で樹上を楽しんでいない人は、危険を感じていない人は、悲しい結果になるから、T-2までに他の樹木の経験や、違うシステムを経験してないと、いくらイントラを目指していてもT-3を勧めたりしない。
T-3講座でホストロープもヒッチコードも結びも1種類しか試さない人は、いくらインストラクターを目指していても、イントラ講習で落とす。検定を合格できれば誰でもイントラになれると思っている奴も落とす。自然を相手にしてプライマリプランしかない奴はインストラクターにはさせたくない。だからできればT-1,2,3と、別な場所で別な樹木を使ってそれぞれ行いたい。
これはあくまで私の考えだけど、楽しい樹上の世界を、ネズミーランド的なアクティビティにしてほしくない。自分が登って楽しいんじゃなく、誰かを登らせて楽しむ人にはツリーイングインストラクターにはなってほしくない。
そういった意味で、そして自分が頭に立っていない講座を体験できたことは、とっても有意義だった。今まで見えていなかったことが色々見えてくることもある。
ツリーイングって楽しいな。
ツリーイングインストラクターを目指す場合、一定のリスクマネジメントだけで十分って考えないで欲しいな。巧く登れる事より、登れない場合どうするかを考えてほしい。
ツリーイングに限らず、木に登れることより登れない場合のセカンダリプランがとっても重要なんで、巧く登れそうな道具でなんとかしようとするような人には向かないし、そういうベーシックを理解した人の方が、色々対処もできる。
今回のT-3で今後どういう方向に進むか判らないが、その考え方の武器を最大限活用して私が出来なかった領域に到達してほしい。
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