2021年3月11日木曜日

ちゃんと立ってる?

みんなロープのぶら下がってるとき、ちゃんと立ってる?


残念ながら多くのいい加減なワーカーは
ロープの上にちゃんと荷重して立ててない。

私はレクリエーションで、
椅子から立ち上がる動きが出来れば
誰でも出来ますよ!って言ってる。
その椅子から立ち上がる動きが
やってるつもりで出来ていない人が
信じられないくらい凄く多い。

レクリエーションは、初めてトライの人が
殆どなんで、しようがないと思うけど、
何年も木に登って特殊伐採してる人でも
まともに登れていない。
そういう意識が無いのだろう。

私の尊敬する人は、ロープを登る時、殆ど身体が揺れない。
身体どころか、ロープも殆ど揺れない。
スイスイ、しかも速く、登ってしまう。
そして疲れたそぶりも見せずに、直に次のタスクに移行できる。

本人は「えっ?どうして出来ないの」って感じなんだけど、俺はいつもゼイゼイしてシンどく疲れるけど、使ってる道具だって変わらないし、
何であんなに楽チンにスイスイ登れるんだろう?って考えて、色々分析してみたけど、結局、自分の身体の使い方なんだよね。

登るのが大変だとか疲れるっていうのは、大変で疲れる登り方をしているだけ。
そういう人がもっと速く登りたいッて、道具に走るんだよなぁ。

誰々さんが凄く早く登る、そして疲れていないって、同じ道具を手に入れれば俺も速く登れる!って、そのもっと速く登れる道具って、下降器だったりする。
アキンボやブルドックやジグザグやランナーは下降器だからね。
カッコワリィ。

よく考えてみてください。

人は歩くとき、歩きたい方向に重心を移動させて、関節を動かし、倒れそうになったら、次の足を出すでしょ。
それを意識しないで行うから、疲れないし、速く移動出来るんじゃないの?
歩くことを意識しないで、ヤッてるから疲れないんじゃないの?

自我が芽生える前にその動きを習得してるから、ハイハイするし、歩くし、走れる。
重心が後にあったまま、ただ前に足を出すだけなら歩けないよね?

それと同じで、椅子から立ち上がるんだって、前に重心をずらして、体幹と重力方向を一直線にして、足の鉛直線上に重心が来た時に、関節を動かして立ち上がるよね。
じゃないと立ち上がれないよね。
例えば椅子に座った、重心がズレてる姿勢で、力で立ち上がるのは、バネとか勢いとかで非常に疲れる。
だいたい普通は立ち上がれないね。

しかもロープのぶら下がってる人は、足の裏で自分の荷重を支えてない。
自分のおへその辺りのターミネーションが支えてる所だ。
自分の重心が移動できない状況なら、立ち上がる足を重心の下に持ってきて、上半身を支点の上に持ってきて、体幹を一直線にしてから、立ち上がればそんなにストレスは無い。

それを、ハンドアセンダーやロープを自分の身体に引き寄せて、フットロープやフットアセンダーを前に突き出し、体幹と重力方向をバラバラに立ち上がろうとするから疲れるんじゃないの?
重力方向に対し自分の体幹が斜めになってて、無理矢理腕力で上半身を引き寄せて、でも足は前にツッパてるから、登り難いんじゃないの?
MRTは特にロープターミネーションとハーネスのアタッチメントポイントが若干ズレてるし、しっかり体幹と重力方向を一直線にしないと、フラつくよね。
しかもロープにしっかり荷重していない、地上に立ってる状態でフットアセンダーまでセットしてから、いきなりソレをやろうとする。地上が斜地だったり重力方向が明確じゃない時でも、無理矢理ロープにしがみつく。
SRTでも、地上で立ってる状態のまま、いきなり登ろうとしたらメリット無いね。

フルボディハーネスの人は、一旦ロープに荷重して、身体が揺れない状況になってから、 身体が座った状態になってから、チェスト部分を更に締めて身体を起こしてロープに近づけてから、おもむろにフットアセンダーを着けた方が良い。
そして先のように、椅子から立ち上がる動きをすれば良い。

レクリエーションやってても、女性や子供は説明を良く聴いてくれるから、言われた通りに出来る。ストレス無く樹上の世界を楽しんでくれる。
一旦ロープに荷重してから、フットループを使う。
男は、地上でフットループに足を突っ込み、せーので荷重して、力で一連の動作を一気にやろうとして無理矢理登ろうとするから、変な部分掴むし、地上に立った状態で、後にトットットッって下がってしまう。
そして腕に覚えのある男は、力で何とかしようとする。
無理矢理ロープを引き寄せ、足を前に突き出して頑張っちゃう。
ロープに荷重してないで、目の前が弛んでいても、気持ちだけで上に行こうとする。
見てるともの凄く間抜けだよ。

ワーカーも同じヤツが居るな。
凄く疲れるんじゃない?
ターミネーションを何処にするかとか、ハーネスがフィットしてないとか、手を突っ張らないと届かないメッチャ高い位置にコードがあるとか、システムが超デカいとか。
そしてロープがダルダルな状態でヒッチクライマーを上げてる、パンタン着けてる。
手間を自分で増やして、もの凄く無駄な動きで遅い。疲れる。
そういうヤツがエンジン付きの凶器を持ってるからイヤになっちゃう。

そして直ぐに新しい「登れる」道具に群がる。
原付免許取っただけで、パリダカに出場するみたいだ。

キラキラピカピカな道具持ってても、立ち位置とか、身体の揺れとか、無駄な動きとか、システムやロープの通し方とか、フィットとしてないPPEとか見ただけで、
コイツ仕事できてないだろうな?とか
無駄が多過ぎて疲れるだろうな?とか
今日の仕事は遅くなるな、一緒に仕事したくないなって思ってしまう。

そういう基本のキをワークショップで伝えてるよ。
道具を買ったって、マニュアル見たって出ていない、ちゃんと立つが出来てなければ、いつまでも疲れる遅い仕事で、ドンドン危険に近づいているよ。

歩けない赤ちゃんは、お母さんが手を添えて、歩く練習から始めるよ。

ヨチヨチ歩きの赤ちゃんならカワイイけど、
自分で登れているつもりのクライマーは、滑稽すぎるよ。
登ってるつもりでも、ちゃんと立ち上がれてすらいない、歩けてないワーカーを見ると、頑張ってくださいって言うしかない。

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