2021年1月16日土曜日

方法の選択

ツリーワークを行うために、そのアクセスの戦略では、樹木の状態評価、クライマーの能力、トレーニング、周囲の特徴、樹木の構造が考慮されなければ、登る方法を選択することすら出来ない。


7.1.1 In order to carry out tree work at height safely, the climber will need to undertake an assessment to (1) determine the most appropriate method for access and (2) select an appropriate ascent technique.

7.1.1 高所での樹木作業を
セーフティに行うために、
クライマーは、
(1)アクセスに最も適切な方法を決定し、
(2)適切な上昇技術を選択するための
評価を行う必要があります。

最後のトップカットだって
上に吊れる時は吊るよ。
そして、選択したアクセス方法と上昇技術の全てについて、チームがセーフティに作業する方法として話し合い、合意しなければならない。
更に、効果的な救助を行うために使用する技術に精通しなければならない。

当然のことだけど、これが、なかなか出来ない。出来ていない奴が多い。

ガキがおもちゃを買ってもらったから、そのおもちゃで遊びたくて、まず遊びたいが先に立ったっちゃうから、無理矢理遊んだりする。
マニュアルも読まないで、機器の適合性も合わせないで(機器の適合性がないもの買っちゃうしね)、自分のシステムに合わせた方法選択じゃなく、道具が有って、それが使いたくて、無理矢理自分のやり方に使ってみるっていう、おぞましい道具の使い方。

ツリーワークは、事前に勉強しているのが当然だが、自分が出来ることをやって、それじゃあタスクに都合が悪かったり、巧くいかなかったり効率的じゃないってことにイラッとして、もっと自分の行う作業のセーフティのために、道具を使う。
自分で出来るコトを効率良くスムーズに行うために、道具を使う。

いつも言ってることだけど「トッピングカット」は「最悪のシナリオ」だからね。
もうそれ以外に方法が無い場合にのみ使う手段だからね。
それ以外の方法を知らないから、何でもトッピングカットするような奴らは、
自分の仕事が自分の方法が最悪だと思った方が良いよ。

周りに採用できる耐荷重アンカーを構築できない場合に、その単独の木だけで処理しなきゃならない時に、他の枝は全部他の技術を使って処理し、しょうがないから最後の1本だけは、上に吊るアンカー無いから、バットヒッチングでヤルしかない。
その日の作業が仮に30タスクあるとすれば、29まではいろんな技術を使って、上にアンカーを作って吊るタスクになると思う。
そして最後の1タスクだけバットヒッチングになると思う。

そのバットヒッチングは、クライマーにとって危険極まりないタスクなんで、複雑で数多いタスクをいちいち確認しながら行うから時間がかかってしょうがない。
そのタスクのピーク力の読みが難しく、とんでもない色んなファクターを予測する必要がある。落下係数が2近くなるんで、機器にも悪影響を及ぼす。
ロープなんか基本的に、落下係数2で使ったら破棄だからね。
道具にとっても、最悪のシナリオになる。
全然良いことがない、方法だからね。

それをまずスパーありきのクライミング方法を選択するって、おかしいだろ!
新しい軽いファイバーとかカーボンのスパーが登場してるけど、スパーは軽くなると動きは楽だけど、逆に危険性が増すと思うな。動き難いからしっかりと確保するっていう部分もあると思う。ブレーキが利かない車の方が、慎重に運転するようにね。

そして本来のツリーワーク業界自体は、スパーを使わない方法の選択を勧めてるよ。出来る限り使わないように!ってなってきているよ。使う場合はシビアな条件と状態を見ろよってなってるよ。危険性を承知すれば、そうなっていくのも当たり前だけどね。

テクニカルガイド1の、ツリークライミングアンドエアリアルレスキューでも、
計画と管理から始まって、
役割と責任、
オンサイト準備、
労働衛生、
ツリーワークにおけるPPEシステム、

そしてその次にやっと、アクセスの戦略が出てくる。

更に上昇テクニック、
スラックの管理とワークポジショニングの改善、
下降、
機器コンポーネントとシステムの構築、
救助のためのアクセスと機器、
機器の手入れとメンテナンス、

そして最後に救助
って言う具合に話が進んでいく。

樹木評価も、サイトのチェックも、作業計画も、PPEも、機器の整合性も、レスキューも無しに、ツリーワークは出来ない。

このテクニカルガイド1は、登る前の最初に覚えていなければならない最低限の知識っていうスタンスなんだけど、これを考えている人はどれだけ居るんだろう?
まあ、考えなくても出来るんならイイって言う人が、いきなりスパー買っちゃうんだろうし、色んなデバイス買っちゃうんだろうし、トッピングカットなんだろうけどね。

それでちゃんとしたセーフティな作業をしようとしても難しいよ。
今はまだ行政やクライアントも知らないから、そういうモノだと思ってるかもしれないが、ピーク力を考えないタスクは事故が増えるから、今は良くても、そのうち行政だって気が付くよ。気づいたらこれまでのやり方がすっかり否定されるよ。
そこから初めてもきっとイニシャチブは握れないよ。

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