2019年12月23日月曜日

スマート林業???



最近ある方に
こういう写真を見せられて
「出来るようになるか?」
と問われた。

スマートとか言ってるけど、
意味判って言ってるのか?
賢い感じは微塵も無い。
イカしても小気味よくもない。
smartじゃなくstupidだね。
scaryでdirtyでafraidな行為。


何か良く判んないがその人が言うには最前線の技術らしいが、この写真なんか突っ込み所満載で、パッと見ただけで5〜6カ所ヤバい所が見えるのだが、これは少なくともアーボリカルチャーではないと思う。少し判っている人ならナンセンスって一蹴するような写真でも、初見でこういうのを見たりするとすげぇ!って思うらしい。出来るようになるのかと言われれば、出来るようになると思うけど、、、
安全管理がマニュアル化されてるらしいが、そんな事出来るのか?対自然にそんな人間の考えが通用するのか?人間が自分たちの社会通例で自然を管理できるのか?さすが日本人ってすげぇな。アーボリカルチャーは、自然は管理できないから研究しつつ文化的要因を積み重ねて巧くつき合って行くことだと思ってるけど。

登れるからって樹上で刃物を振るうことがそれこそ特殊な伐採で、決してツリーケアやアーボリカルチャーではない。
特殊伐採はハウツーなのかもしれないが、ツリーケアはロジックだから。
そういう人に、あなたの根拠は何処にあるんですか?って聞いても殆どが何を聞かれてるのか判らないようで、道具はインターネットで買えるし、方法はYouTubeにある。より高くより早くって、ルールが決まったエクストリームスポーツだとでも思ってるのか?向いてる方向も危険回避じゃないから、手っ取り早く儲かるみたいな所か?
まさしくこういうのを特殊伐採と呼ぶのだろうけど、私的には=アーボリカルチャーじゃ無いんだよな。まあArboricultureを日本語訳すると、樹芸とか育樹とか言われて、「木本植物の栽培・管理・研究で、これらの植物がどのように成長し文化的慣行および環境に反応するかを研究し、実践的には選択・植え付け・受精・害虫および病原体の抑制・剪定・整形・除去などの文化的手法が含まれる。」
アーボリカルチャーは伐採技術ではなく、栽培管理の知識がメインでそのごく一部の手法で剪定や伐採があるだけです。アーボリカルチャーの中でツリーケアは特殊でも何でもなくって、危険少なく手入れをするただの樹上作業なんだけど、何か特別感を出したいのか?オレはスペシャルだ!とでも言いたいのか?特殊伐採=アーボリカルチャーって思われても、そうじゃ無いからね。

(何処かが私欲目的で商標を登録してるカタカナのソレとは違い日本以外で通用する意味としての)Arboristはこんな曲芸師ではないし、ルールが決まった運動会必勝法でもないし、命張って虚勢挙げる仕事でもないと思うんで、こういう男祭なキワモノを目指してる人は、その筋に依頼してドンドン特殊な伐採をしてもらって構わないと思うけど、私はこういうのが危険だから、誰でも取組めるツリーケアをお勧めしてます。

こういう写真や記事を排出する輩がいるから一向に事故は減らないんじゃないか?
言いたい事の本筋はコウじゃないのかもしれないが、実際危険が少ないセオリー通りのツリーケアは、地味だし絵にならない事が多いので、こういうアイコン的なのをもってくるのだろうけど、ポジションも吊り方も姿勢制御もエスケープゾーンも危うく、そこで片手チェンソーなの?ってビビってしまう。
また何でこういうのを見てオレもやりたいと思うのかね。
どれだけマゾなんよって思ってしまう。
私はスタート地点が違うからかもしれないけど、どれだけ楽に作業できるか?だから。
キビシくツラい業には興味ないもんね。
楽になるから力学を学んだり、早くなりたいから基礎は学ぶし、チームで動くために共有するんだと思う。1人の力なんでたかが知れてるし、力まかせにヤルと疲れるからね。
確かに七面倒くさい勉強なんかセンでも登れれば何とでも成る!部分も多いが、そういう当たり前の事をひとつ一つ分解して再構築する事に意義がある。基本をある程度理解した上で、出来る所は完結に、徐々にサイズアップし、成った結果がコウなら判るけど、人にちゃんと理屈を説明できない事をやって見せても、誰もついて行けないからね。

片手で扱えるような軽くて短い対象でも、七面倒くさい力学や吊り方のセオリーを基礎から取組んでいると、始めは時間がかかるかもしれないが、ゆくゆくは早くて危険が少なく誰でも取組めるツリーケアになっていくのだと思う。
始めっから成功のみをイメージして失敗しないようにタイトロープを渡るようなコトしても、それはたまたま上手くいっただけかもしれないし、二度と再現できなかったらそれは仕事では無いから。ビビりながら失敗の確率を下げるために基礎努力は惜しまず、出来ることを確実に積み上げていると、いつの間にかそれは力に成り、早く効率的に危険少なく繰り返し作業できるカルチャーになって行くものだと思う。
今出来る一部の技術を研ぎすまして(本当は研いでもいない気がするが)膨らませたって直に限界が来るし、何処かに歪みが出るから危険に近づくんじゃないかな?

そしてよくどんな仕事の実績があるのか?とか聞かれるけど、それは過去の事象だから。過去に凄げ〜コトをやったとしてもそれから確実に劣化してるから。劣化しないように慢心せず日々勉強してるから。
私は最終学歴が高校卒だけど、たかが少年時代の数年の成果が数値化され、オレは○○大学卒業だ!なんて言っても、その後何〜にも勉強してない輩の大卒の知識なんて数年で抜けるよ。看板で仕事してるんじゃないんだよ。僻かな?

「物理や力学なんて、私はまだそんなレベルじゃないから」って言う人が居るけど、じゃ何したいの?それが基本でしょ!それが判らんで力で地球を凌駕するのかい?地球に引っ張られる力を体力でカバーできるのかい?重力舐めんなよ!って思っちゃう。
「オレ馬鹿だから、勉強できなかったから」って言ってハナっから物理を否定する人も多いけど、学校教わる物理は計算を正解する事が目的だから。月にロケット飛ばす訳じゃなくて、我々の使う物理は、モノの理由だったり地球の力を巧く利用する事であって、正確な計算が出来なくてもザックリでイイんだよ。そして楽するんだよ。オレは楽するための努力はとことん惜しまないからね。
一方天才的に物理を理解している人も居ます。何だろ?そういう人って本当に凄いし努力でどうにか成るって事では無くって、持って生まれた才能かな?そういう人には敵いません。でもそういう人は本当にごく一部だし、そういう人は自分がやってる事を他に説明できないんだな。他の人が何で出来ないか判らないんだな。だから人を育てられないんだ。チームを組めないんだな。他方私は勉強ができなかったから努力したんだな。努力次第である程度の力学は理解できたから、勉強できないヤツなりの道筋を理解できたから、そして仕事に活かせてるのだろうな。

ノットが覚えらんないとかスローラインがヘタクソだ!とか言ってる人はただの怠慢だから。覚えられないんじゃなく覚えるつもりが無いのじゃないか?練習するつもりが無いんだろ!やりゃぁ出来るんだよ。誰でも巧くなるんだよ。自分の努力を棚に上げでバカの壁を築いて道具に頼るのはナンセンスだからな。
ベーシックを理解せずに最初っからアドバンスに向うからセンスが無いって言うんだよ。って言うかベーシックがある事すら知らずに見よう見まねでハウツーを踏襲しようとするから巧くいかないんだよ。

無理して頑張ってヘロヘロになる→勉強する余裕も無い→自ら危険に近づいて行く。

知識は身体を楽にする→楽になるから余裕も出てくる→より危険の少ない作業が出来る。

モノ凄く単純な事ですね。特殊伐採はとんでもなく危険な作業と認識している人が多いけど、それは安全に出来るという勉強をしてないからでしょ!
ツリーケアは本当は安全を担保できる知識があるから危険は少なく出来ると思うよ。

私がやってる講習も段階が幾つもあって、登れるようになる最初の段階だけ受講して(コレだけじゃ作業は出来ません登れるだけだから。コレだけじゃポジションも吊りも伐りも降ろしもできないよ)それすら中途半端にしか理解出来ずに特殊伐採の資格を取った!みたいな人が居るけど、第一資格じゃ無いから、OJTだから、スタートラインに立っただけだから。プラクティス繰り返さないとドンドン後退するから。安全な作業方法なんか無くってプラクティスを繰り返して危険を少なくする事だから。最初の段階だけ数年前に受けてその時点で思考を止めてその後な〜んにも勉強せずにただ目の前の作業をくり前し特伐のプロだ!なんて言われても、怪我するのは作業員ですよ。

私が伝えてるのは自分の身を守る考え方だから。日本の法令にも準拠してないよ。だって日本の法令が作業員の安全を担保できると思ってないから。世界的には何十年も前からステークホルダーが自分や雇用主を守るための安全管理ではダメだって結論づけてるから。政治家と政治献金をいっぱいしてる業者と御用学者が決めた事に命を預けたくないから。日本も変わりつつあるらしいがそんなに待てないし、ここが日本でもより納得出来る海外の常識を採用して、自分で自分の身を守るだけの根拠を自分で持ちます。って言うかそうした方がイイよって事を伝えてます。それじゃ公共事業は受注出来ないかもしれないけど、最低限自分の身は自分で守ろうよ。

自然は日本でも日本以外でも同じ力を発揮するから。地球上では重力はだいたい一緒だから。日本だけ特別じゃないから。ロープを使って高所で作業する人間は世界中何処でも一緒だから。自分の身を守るためにより細分化された常識があるならそれを使うよ。電柱登りも窓ふきも壁清掃も法面作業も橋梁調査も木こりも、全〜部一緒の日本の法令に準拠しないだけの理由がありますよ。だって全ての作業に違いがあるから。海外ではちゃんと細分化されてるから。電柱登る人と一緒にされちゃ堪らんよ。木こりには木こりのセオリーがあるから。現場の作業員が民間非営利で指針を出してるから。現場の安全を観てるから。調べりゃそんなの直に見つかるよ。

犯罪とか社会生活の法令遵守とは次元が違う。相手が自然だから世界中何処でも一緒でしょ、日本だけ重力が違うのかな?日本の特別教育は寝てても取れる資格ですから。講師が寝ててもイイって言うのだから間違いない。そんな資格を根拠にするのは、ステークホルダーの思う壷でしょ。誰かが儲かる法令よ。そんな法令に準拠する輩も儲かるからでしょ。日本の法令の準拠してますって無理矢理辻褄合わせてある物つなぎ合わせてウチはちゃんとしてますって看板掲げて樹上作業特別教育本なんて売ってる輩が儲かるだけでしょ。そんな輩に貢ぐつもりはないね。日本は安全を社会が担保してくれると思って久しいからそう成るんだろうね。そういう人にはもってこいの商売だね。

命がけで仕事をした充実感を得るならそれでも構わないが、ツリーケアは曲芸じゃ無いから、仕事だから。毎日楽して繰り返せないと続かないから。
アーボリカルチャーは誰でも取組めるんだよ。道具が買えなくたって、学校の成績が悪くたって、しぶとく努力できるヤツなら誰でも出来るんですね〜。
それがスマートじゃないか?

2 件のコメント:

  1. なんだかいろいろ考えるところがあって、こういった写真をみてかっこいいとか思う人たちもいてもちろんよいとは思うのですが、アーボリカルチャーという思想をもった特殊伐採という生業は日本ではまだまだやるほうも過渡期なのかなと思っていますこの写真の人は個人的な知り合いでもないので工法はもちろんのことただ安全にやっていただければと思います。私は家族もいますしなるべくなら生業とはいえど、なるべくならやらないで解決する方法を施主さんに提案しています。今のようにしいたけをつくったり炭焼きしたりしながら牧歌的な生活を維持できればよいのですが。ところで北海道はまだまだ寒そうですね。こちら九州はあたたかくてもう1月にはありえないようなしいたけの春子がでたりしながら原木の玉ぎりもしなければならなくいそがしくなっています。今日はひさしぶりに山にはいりまして鴨の親子をみたりヤマガラの鳴き声をきいたりしながら妻と作業をしていました。ヒイラギやマンリョウの実がすごく赤くたわわに実っておりまして大変きれいです。まだまだ寒い日がつづくとは思いますがどうぞご自愛ください。

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  2. もう日本はかなり危険な状態だと思っています。都合良く樹上伐採を解釈したステークホルダーが商売をしている状況で、今のままでは真っ当に理にかなったアーボリカルチャーは育たないと思います。
    この写真の工法とかそういうことじゃなくて、この写真を見ただけでクレージーって言える部分が沢山あるからアイコン的に使っただけです。
    私もヤラなくてもいいならやりませんし、樹上作業をどうしてもやらなきゃならん時に、危険度と予算や時間を天秤に掛けて最もリスクを軽減した策を選びます。その戦略の幅があればある程より危険は少なくなると思っています。そのために勉強します。
    実は、私のクライミング講習を受講した方が、背骨を骨折する大怪我をしました。クライミングしか出来ない人が樹上伐採すること自体お話しになりませんが、作業をさせていた会社の器材要因や環境要因は元より、組織自体のお粗末な要因が一番の原因です。
    その会社は北海道ではそれなりに名の知れた樹上伐採を行う会社ですが、知識は一切持っていません、ただ社長が優秀なプロモーターだと言うだけです。そんな会社で何も知らない作業員が事故を起す手引きをしてしまった自分が悔しくて、何がスマート林業だ!って怒っていました。
    アーボルカルチャーってのは、ツリーケアに限った事では無いし、一か八かのエクストリームな作業ではありません。昔はアルパインクライミングの流用のヤンチャな作業だったかもしれませんが、世界ではもう10年以上前により危険の少ない指針が出ています。日本では過渡期かもしれませんが、世界では一定の指針が存在します。そして現在も深化し続けていて、日本以外ではそれが当たり前になっています。
    「特殊伐採」は危険な作業かもしれませんが、真っ当なツリーケアはリスクを軽減した方針があるんで、それに合わせて器材も深化してるんです。そういう道具を条件すっ飛ばして使うから危ないし、知識も無く無理矢理使うから事故が起きるのだと思います。
    名の知れた人や道具屋に根拠を預けて、何の研究やプラクティスをせず、未だに特殊伐採をしている人が余りにも多い。立派な冠のついた組織ですら、国際基準と横並びにして日本の法令に無理矢理準拠させて、とんでもなくお粗末な樹上作業を唱っている。
    このままでは日本はどんどんガラパゴス化して、事故は減らない、困った法令は出来る、益々不自由になって行くのが目に見えます。
    でも原因を作っているのは、経験則だけだったり、都合の良い道具を都合良く使いプロセスを無視した技術で作業を行う自分で、見聞きした結果だけを辻褄合わせて事故を起こしているんだと思います。
    樹上作業はアブナイ訳じゃありません。危ない人がいい加減にやってるだけです。立派な組織の笠を着て、一流のアーボリストと同じ道具を使って、頭なのかは空っぽで作業するから危険なんです。
    みんな自分で、勉強し、研究し、失敗を繰り返してプラクティスし、自分の根拠は自分で構築しないと、より危険を少なくしないと、ダメになるよっていう意見です。

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