2019年10月19日土曜日

フリクションヒッチテストのレビュー/ITRS/SAR3



ちょっと別の目的で、
ITRS (International Tech Rescue Symposium)のページを見ていたら、
「A Review of Friction Hitch Testing」
ってのを見つけてしまった。
2017年にSAR3という
民間非営利組織の
オフィサーのトムエヴァンス
って人が発表したテスト
結果や今後の野望だ。

彼は自分の認知スキルを活用して高所で働く人々(火災/救助要員、ロープアクセス技術者など)の安全性を向上させることを目的として活動してらっしゃる方で、アーボリストでもない人からクヌートとかシュワビッシュって言葉を聞くだけでもありがたいのに、試験してくださるってスゴイ。認知して頂いてるのね。

正直私の周りでもロープ高所で活動する人たちがいるけど、完全に木登りをバカにしてるヤツもいるからね。何だそのヘンチクリンな結びは、世の中そんな結びでロープに登るヤツなんて居ない!っていう、お前の世の中は自治体の範囲だけだろっっていう井の中の蛙的な作業員。我々は人命救助という崇高な目的で日々訓練を重ねているのであ〜〜る。って恥ずかしい。
日本以外では、ファイアーマンもポリスマンもコ−ストガードもミリタリーもロープアクセスワーカーもアーボリストもみんな同じテーブルで話しできるからね。 クヌートやシュワビッシュを知らないとか必要ないとか言ってる日本のアーボリストにも聞かせたい。

もちろん民間非営利なんで何かと運営が大変何だろうけど、こういう事を発表してデータ化し討論して協力を仰ぐって、本当に大事だと思う。このSAR3って、研究は楽しみや科学のためにモノを壊します。...って素敵!

ITRS(国際ロープ救助技術討論会)ってのも民間非営利で、ここで討論され決定した指針を、いろんな国や団体が採用して基準や規格が生まれるってのも凄いコトで、(何処かの国のように、企業がいっぱい政治資金を出して、自分たちの都合の良い政治家と御用学者と利害関係者で組織されて決定する立法。労働者の安全を守るっていうテイで、労働者の意見が反映されずに、逆に危険にさらしたり効率悪くすして、雇用主や国の安全を守る基準。想定外だらけの規則とは訳が違う。)日本以外のアジア圏でもドンドン採用され国家規格になったりするんだけど、ヘンなガラパゴス基準作るんじゃなく、日本もこういう風に取り入れられないものなのか?良いものは国民のために取り入れようぜ!
* * * * * * *

そんな事より、この「フリクションヒッチテストのレビュー」だけど、対象や自身のマティリアルやドレスなんかはさておき、ヒッチテスト結果のばらつき、故障モード(障害・スリップ・破損)、使用したヒッチの数など、限られたデータセットではあるが丁寧に解説してデータ化している。

また、ウェット対ドライ、スリップおよび破損の測定における引っ張り速度、新品と中古品、組成、ロープとコードの直径、ラップ数、ピーク力に対してプロットを行っている。

検体もプルージック/タンデムプルージック/パーセルプルージック/バルドタン/VTプルージック/ヘリカル/ディステル/クレムハイスト/バックマン/ブレイクス/クヌート/シュワビッシュ、ものに依ってはコードとウェブング両方試験してたりする。、、、う〜ん素敵!

Dog and Tails / hedden / Souabとか知らないヒッチもあるし、マッシャードとフレンチプルージックとオートブロックの違いがデータだけじゃねぇ、出来れば検体写真も載せて欲しかった...っなんて、欲を出したくなるが、、、

最後に、将来の研究項目として、●テスト済みヒッチが少ない●より大きいサンプルサイズ(N = 〜20)●ウェットvsドライ●〜8in / min以上のプルレート●標準偏差を低くするには、より速いプルレートを使用●ロープではなくヒッチ素材に焦点を当てる。

そしてやや不満…として、●非常に複雑なヒッチシステム●相反する効果を持つ多くの変数●サンプルの研究デザインが効果的ではない...●キツさや手が最も重要な場合があります...そして、本当に満足していない...数が足りなすぎる。もっと議論を深めたい。と。「これらの分析がより堅牢な結論をもたらすより多くのデータを組み込むことができるように、さらにテストを実行することが最も重要だ」って謙虚なんだから。

更に、あまり知られてないフリクションヒッチ、ウエットおよびドライ両方のヒッチ間の直接比較のテスト、可変引張速度でのヒッチテスト(8in / minを超えるプルレート、ナイロン以外の異なる材料で構成されたコードのテスト、異なる初期張力でヒッチの性能をテストなんかもやりたいなぁって...イイっすね。協力したい。

っつうか、日本でもこういう事出来ないかね。もっとこう、自由度が高いって言うか、オレはコウ思うゼ!って言える、結果を出すんじゃなくて、議論を深めるための根拠やデータ収集して(毎年のように新製品や新マティリアルが登場するから...)一応の自分たちなりの指針を出す。出し続ける。国や既存の御用団体の存在を無視して、自分たちなりの指針。いいねぇ。

例えばブーリンだけど、私は人の結んだノットは、必ず確認してしまう。それは信用していない訳ではなく、ダブルチェックであり、新しいメソッドが有るかもしれないと思い、ホント興味から確認する。
「誰かが言うから間違いない!」みたいな信じ方をしたくないだけで、他意は有りません。でも社会って「あの人がヤルから間違いない」って方向で進んでるよね。オカミが言うから間違いない。社長だから間違いない。先輩だから間違いない。それが如何に怪しいか?まあブーリンの話と違って、これらは根本から信じてないけどね。

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