手入れしたい木の所有者と、
手入れの技術を観たい人と、
手入れのトレーニングをしたい人、
三者の思惑が合致し、登って切って降ろすリギングを2日間に渡り行った。
対象の木はドロノキ。とは言ってもあまりそう見えない。
いずれにしてもハコヤナギ系で、胸高直径1.5mほど、
樹冠までは30mを切るくらいのなかなかスバラシイ大木だ。
枝張りも概ね四方に広がり、バランスの取れた樹形。
火山灰系のあまりしっかりしていない土地柄で風も強そうで
大木が育ちにくそうな環境のなか、
うまい具合に谷間の海風の影響をあまり受けずに立派に育っている。
しかしドロノキらしく、低いところの枝は次々に枯らし
30〜40cmほどの太さのデッドがいっぱいある。
とりあえず下の方から3本(2.5m、3.5m、6mくらいの長さ)は
高さ18m、直径40cmの頑丈なアンカーを取れそうで
スタティックリギングを目指しリフティングカットで処理。
2本は手ノコで行ったが、長いヤツはエンジンものを使った。
手ノコの2本は素晴らしくうまく行って、切り離した後も静止していた。
チェンソーを使う大物は根元で50cm程の太さ。
オフセットアンカーで移動するベクトル方向側のフケが予想以上で、
追いを入れるている途中で動き出してしまった。
幸い作業位置も荷重しているラインも干渉がなかったし、
動き出してすぐエンジンも切ることができたので大事に至らなかった。
が、あの高さであの重量がギギッと動くのは恐怖だ。
最後はボトムのコントロールで切り離し安全に降ろせた。
予想以上にうまく行き時間が残ったので、
相棒が明日のため、高い位置にハンドスローし
22mのベストアンカーを取った。スバラシイ。
次の日残る大物は、張り出した先で枯れ残る直径30cm長さ5mと
おそらく一番高かった枝だろうが、何らかの要因で折れて
20m程の所に乗っかってしまった長さ8m程のデッド。
昨日取った高いアンカーでも動く方向も予測が難しい。
しかもコクワが絡んでそれによって押さえられているかも知れない。
揺れると重さでバランスが崩れ落ちるかもしれない。
とりあえず登って、状態を見るとまさしくコクワの成せる業で
股に乗っかっているものの、触れると揺れる。
そのまま落としても、またその下の枝に掛かりそうなので、
片側に寄せバランスを崩した1点確保で
ギリギリまでテンションをかけてもらい、手ノコで蔓を切っていく。
22mの更に上にDRTとランラードで複数確保をとり、
リムウォークしながらの作業は予想以上にコワイ。
それでも思惑通りに枝は動いてくれて
真っ直ぐ下にタテに降ろすことができた。
予定していたリギングをたたき落とすことなく
スタティックで降ろせたのは本当に嬉しかった。
コクワといっても根元は20cmほどもある
強烈なヤツにギリギリと巻き付けられていた。
最後に絡んだコクワを処理して終了。
樹冠の処理もまだまだだけど予定していた作業を無事終了。
こうやってみると、BeforeがないとAfterが
あんまり変わって見えないが
樹形が美しく活き活きした感じがする。
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